嵯峨野文化通信 第242号

伝統文化プロデュース 【連】メールマガジン   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)_________

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第242号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

     嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

              毎月1日・15日(月2回)

                   ■VOL:242(2016/3/15)

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                 ■□■もくじ■□■
  ■【連】からのお知らせ ——- 弘道館講座のご案内
             「能あそび」2016年のご案内
                 「帯を知る、帯を楽しむ」を開催します
 「春の茶事」への誘い
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』——————– 第百四十三回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]3月開講講座のお知らせ

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              □■【連】からのお知らせ■□

 ■「能あそび」2016年のご案内

  江戸時代の京の人々の教養のひとつであった〈能〉の世界について、能を楽しみ
 ながら理解を深めていくべく、講座「能あそび」を展開してまいりました。
  2016年は、能の舞台をこなす上で欠かすことのできない、装束や面など、能
 を支える技術とその伝承について探ってみたいと思います。
  「道明寺」をひとつの焦点とし、進めてまいります。数ある能の曲のなかでも大
 曲であり、見所も満載!そんな見せ場のひとつ「乱拍子」について理解を深めてい
 ただくスペシャルコーナーも。
  また、素謡で「道明寺」をお楽しみいただくなど、多彩に展開いたします。
  どうぞお楽しみに!

  3月18日(金)「素謡を楽しむ」
         ゲスト:有松良一(高安流ワキ方)、茂山逸平(大蔵流狂言方)
  5月20日(金)「謡本を楽しむ」
         ゲスト:檜常正(檜書店)、小辰恭子(檜書店)
  7月22日(金)「装束を知る」
         ゲスト:佐々木洋次(佐々木能装束 四代)
             筒井謙丞(佐々木能装束)
  9月16日(金)「扇を知る」
         ゲスト:福井藤次郎(十松屋福井扇 十六代)
  11月18日(金)「拍子を知る」
         ゲスト:大倉源次郎(大倉流小鼓方十六世宗家)

 時 間:18時~20時(18時より呈茶)
 講 師:林宗一郎(観世流能楽師)
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:3,000円(生菓子、抹茶付)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/event.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 ■弘道館講座のご案内

  京文化教養講座2「茶の湯の文化を識る」

 日 程:3月22日(火)
 時 間:13時~14時30分(90分)
 講 師:太田 達(立命館大学非常勤講師)
 テーマ:「応燈関」
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 英語で伝統文化「茶道編」~BOOK OF TEAをよむ~

 日 程:3月22日(火)
 時 間:18時30分~20時(90分)
 講 師:田中 朝子(通訳翻訳家)
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 京文化教養講座1「信仰からみる京都」

 日 程:4月9日(土)
 時 間:11時~12時30分(90分)
 講 師:太田 達(立命館大学非常勤講師)
 テーマ:「嵯峨 平安遊宴の地」
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/seminar.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 ■「帯を知る、帯を楽しむ」を開催します

  「ほんものの西陣織」の文化を伝えるために、西陣の織元と弘道館が思考を凝ら
 したイベントも、10回目となりました。
  今回のテーマは「モダン」。今回の座談会では、西陣織のなかでも若手の職人さ
 ん二お越しいただき、現代の西陣織についてお話をお伺いします。また、着物着用
 の方に限り、帯の試着会も開催します!さまざまな種類の帯を締める機会ですので
 、ぜひお気軽にご参加ください!

 日 程:3月27日(日)
 時 間:11時~17時
 座談会:「これからの西陣織」11時~、15時~(各回約40分)
 試着会:13時~ ※要予約
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(学生1,000円、要学生証提示)
     ※テーマに合わせた茶菓子付き

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/event.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 ■第3回シンポジウム「糺の地域と信仰」のお知らせ

  平成27年5月、550年ぶりに再興された「糺勧進能」で上演された能「賀茂
 」は、賀茂の神々の誕生の物語を扱った能でした。そこでは、賀茂川に遊び丹塗矢
 と出会う女性は「秦の氏女」と呼ばれています。そもそも秦氏とは世阿弥や能「賀
 茂」作者でもある金春禅竹たちが、猿楽の祖ととらえていた古代の渡来系氏族です。
  能「賀茂」に、猿楽者たちはどのようなメッセージを込めようとしたのでしょう
 か。また、中世の人々は古代神話をどのように捉えていたのでしょうか。
  糺勧進能シンポジウム・シリーズ第3回は、第2回シンポジウム「糺の地域文化
 を考える」での議論を踏まえ、さらに能「賀茂」の核心に斬り込みます。

 日 程:3月12日(土)
 時 間:10時~12時30分(9時開場)
 場 所:賀茂御祖神社(下鴨神社)直会殿
 参加費:1,000円
 プログラム:はじめに  新木直人(賀茂御祖神社宮司)
 (予定)  講演1「賀茂氏と秦氏」  中村修也(文教大学教授)
       講演2「能『賀茂』と秦氏伝承」  松岡心平(東京大学大学院教授)
       実演 「音取置鼓」  大倉源次郎(能楽小鼓方大倉流宗家)
                  杉市和(能楽笛方森田流)
       鼎談 「能『賀茂』と秦氏」  中村修也、大倉源次郎、松岡心平

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/tadasu-noh/symposium.html

 お申込み、お問い合わせはコチラ
 TEL :075ー781ー0010(下鴨神社代表電話)
 MAIL:tadasu-noh@kodo-kan.com

 

 ■「春の茶事」への誘い 

   照りもせず くもりもはてぬ 春の夜の おぼろ月夜にしくものぞなき 
                                 大江 千里
  弘道館で毎年、春と秋に開催している「正午の茶事」です。
  初めての方もお気軽にご参加ください。
  
 日 程:4月1日(金)、2日(土)
 時 間:11時席入り
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:25,000円

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:tea@kodo-kan.com

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             ■『北野の芸能と茶屋』■

                -第百四十三回-
                                井上 年和

  昭和4年(1929)1月
  上七軒にも天杯拝受の芸妓がある 藤村秀助さんのこと(その2)
  「ハイ、妾(わたし)は千本一條東入る伊勢殿町で生れ、八歳の時に上七軒の大茶
 屋丹鶴へ子に貰はれ、御前通馬喰町の野村音次郎といふ浄瑠璃のお師匠さんに就い
 て稽古を為(し)て貰ひ十四歳の時上七軒の秀松といふ義太夫さんの妹分となって名
 を秀助と称へ義太夫に出たのです。本名はとくと云ひます。そして二十九歳の時馬
 喰町の藤村といふ紙商の旦那に落籍(ひか)され妻となって居ましたが間もなく旦那
 に死別れ、暫く独身でゐましたけれど、何もせずに空しく日を暮らすことが嫌で、
 再びこの遊廓(くるわ)に泳ぎ出て元の秀助の名をそのまゝ自前となつて幼い時から
 仕込まれた浄瑠璃を資本(もとで)に今におきお陰様で壮健(たっしゃ)に働いて居りま
 す。永い年月の間には妹芸妓も澤山出来、その又妹分も澤山出来ましたが、こゝに
 妾と一緒に撮ツて居ります(本誌の口絵にある写真)のは昨年故人となった妾の妹義
 太夫恒助の子秀太郎で、現に若手の義太夫として働いて居ります。妾から見れば恰
 度孫に当たるのです。
                           『技芸倶楽部7巻1号』

  藤村秀助さんは昭和4年(1929)で84歳ということであるから、誕生日が
 判らないから±1の差はあるかもしれないが、弘化2年(1845)の生まれと考
 えられる。8歳の時(嘉永6年 1853)に上七軒にある「丹鶴」という大きなお
 茶屋に貰われ浄瑠璃を仕込まれ、14歳の時(安政6年1859)に義太夫となり、
 29歳の時(明治7年1874)に落籍(ひか)され妻となり、馬喰町に住んでいたが
 、まもなく旦那と死に別れ、再び上七軒で義太夫となったという。

  慶応三年(1867)『四方のはな』には「淀屋」、「大津屋」の芸妓として
 「秀助」の名が認められないが、明治11年(1878)の『都の花競』には、確
 かに鳥居前町の芸妓として「秀助」の名が認められるので、同一人物だとしたら、
 旦那と一緒に暮らしたのは4年以下で上七軒に復帰したこととなる。

  その後、長い年月の間に妹芸妓、孫芸妓もできて、まさに、西陣界隈と上七軒の
 生字引のような人であったようだ。芸一筋に76年という芸妓は、当時でも珍しか
 ったに違いなく、後にも先にも居ないのではないだろうか。

  幕末から明治維新、そして大正、昭和という激動の時代を上七軒で芸一筋に生き
 てきた秀助さんは、正に伝説に値する人物である。
 

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        □■[嵯峨野学藝倶楽部] 3月開講講座のお知らせ■□

   詳しくはhttp://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日 コース)」
  日 程:3月23日
  時 間:9時~14時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講 師:西村 宗靖・太田 宗達
  場 所:嵯峨野三壷庵
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土、日曜日 コース)」
  日 程:3月21日(月・祝)、26日(土)
  時 間:9時~18時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講 師:西村 宗靖・太田 宗達
  場 所:嵯峨野三壷庵
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

  URL:http://www.ren-produce.com/sagano/club/

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                ■□■ひとこと■□■

      三寒四温 春はもうすぐです。

     [次回は、4月1日(金)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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