嵯峨野文化通信 第241号

伝統文化プロデュース 【連】メールマガジン   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)_________

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第241号
        (____________________*°。・゜。。・゜。

 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

     嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

              毎月1日・15日(月2回)

                    ■VOL:241(2016/3/2)

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 ■□■もくじ■□■
  ■【連】からのお知らせ ——- 弘道館講座のご案内
          「能あそび」2016年のご案内
                「帯を知る、帯を楽しむ」を開催します
第3回シンポジウム「糺の地域と信仰」の
                        お知らせ
  ■(連載)『ニッポン城郭物語』——————– 第百十八回                     
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』——————– 第百四十二回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]3月開講講座のお知らせ

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

              □■【連】からのお知らせ■□

 ■弘道館講座のご案内

 京文化教養講座1「信仰からみる京都」

 日 程:3月5日(火)
 時 間:13時~14時30分(90分)
 講 師:太田 達(立命館大学非常勤講師)
 テーマ:「大原 京のこもりく」
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 京文化教養講座2「茶の湯の文化を識る」

 日 程:3月22日(火)
 時 間:13時~14時30分(90分)
 講 師:太田 達(立命館大学非常勤講師)
 テーマ:「応燈関」
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 英語で伝統文化「茶道編」~BOOK OF TEAをよむ~

 日 程:3月22日(火)
 時 間:18時30分~20時(90分)
 講 師:田中 朝子(通訳翻訳家)
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/seminar.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 ■「能あそび」2016年のご案内

  江戸時代の京の人々の教養のひとつであった〈能〉の世界について、能を楽しみ
 ながら理解を深めていくべく、講座「能あそび」を展開してまいりました。
  2016年は、能の舞台をこなす上で欠かすことのできない、装束や面など、能
 を支える技術とその伝承について探ってみたいと思います。
  「道明寺」をひとつの焦点とし、進めてまいります。数ある能の曲のなかでも大
 曲であり、見所も満載!そんな見せ場のひとつ「乱拍子」について理解を深めてい
 ただくスペシャルコーナーも。
  また、素謡で「道明寺」をお楽しみいただくなど、多彩に展開いたします。
  どうぞお楽しみに!

  3月18日(金)「素謡を楽しむ」
         ゲスト:有松良一(高安流ワキ方)、茂山逸平(大蔵流狂言方)
  5月20日(金)「謡本を楽しむ」
         ゲスト:檜常正(檜書店)、小辰恭子(檜書店)
  7月22日(金)「装束を知る」
         ゲスト:佐々木洋次(佐々木能装束 四代)
             筒井謙丞(佐々木能装束)
  9月16日(金)「扇を知る」
         ゲスト:福井藤次郎(十松屋福井扇 十六代)
  11月18日(金)「拍子を知る」
         ゲスト:大倉源次郎(大倉流小鼓方十六世宗家)

 時 間:18時~20時(18時より呈茶)
 講 師:林宗一郎(観世流能楽師)
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:3,000円(生菓子、抹茶付)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/event.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 ■「帯を知る、帯を楽しむ」を開催します
 
  「ほんものの西陣織」の文化を伝えるために、西陣の織元と弘道館が思考を凝ら
 したイベントも、10回目となりました。
  今回のテーマは「モダン」。今回の座談会では、西陣織のなかでも若手の職人さ
 ん二お越しいただき、現代の西陣織についてお話をお伺いします。また、着物着用
 の方に限り、帯の試着会も開催します!さまざまな種類の帯を締める機会ですので
 、ぜひお気軽にご参加ください!

 日 程:3月27日(日)
 時 間:11時〜17時
 座談会:「これからの西陣織」11時〜、15時〜(各回約40分)
 試着会:13時〜 ※要予約
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(学生1,000円、要学生証提示)
     ※テーマに合わせた茶菓子付き
 
 詳しくはコチラ 
 http://kodo-kan.com/event.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 ■第3回シンポジウム「糺の地域と信仰」のお知らせ

  平成27年5月、550年ぶりに再興された「糺勧進能」で上演された能「賀茂
 」は、賀茂の神々の誕生の物語を扱った能でした。そこでは、賀茂川に遊び丹塗矢
 と出会う女性は「秦の氏女」と呼ばれています。そもそも秦氏とは世阿弥や能「賀
 茂」作者でもある金春禅竹たちが、猿楽の祖ととらえていた古代の渡来系氏族です。
  能「賀茂」に、猿楽者たちはどのようなメッセージを込めようとしたのでしょう
 か。また、中世の人々は古代神話をどのように捉えていたのでしょうか。
  糺勧進能シンポジウム・シリーズ第3回は、第2回シンポジウム「糺の地域文化
 を考える」での議論を踏まえ、さらに能「賀茂」の核心に斬り込みます。

 日 程:3月12日(土)
 時 間:10時〜12時30分(9時開場)
 場 所:賀茂御祖神社(下鴨神社)直会殿
 参加費:1,000円
 プログラム:はじめに  新木直人(賀茂御祖神社宮司)
 (予定)  講演1「賀茂氏と秦氏」  中村修也(文教大学教授)
       講演2「能『賀茂』と秦氏伝承」  松岡心平(東京大学大学院教授)
       実演 「音取置鼓」  大倉源次郎(能楽小鼓方大倉流宗家)
                  杉市和(能楽笛方森田流)
       鼎談 「能『賀茂』と秦氏」  中村修也、大倉源次郎、松岡心平
  
 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/tadasu-noh/symposium.html

 お申込み、お問い合わせはコチラ
 TEL :075ー781ー0010(下鴨神社代表電話)
 MAIL:tadasu-noh@kodo-kan.com 
 

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

              ■『ニッポン城郭物語』■

                 ー百十八幕ー
                                梅原 和久

  亀岡市の駅前に残る丹波亀山城跡。堀や石垣が存在するが、少なくとも石垣につ
 いては、大正・昭和時代に大本教徒によって積み上げられたもので、廃城前のもの
 ではないことはこれまでの連載でも何度か触れてきた(※1)。

  江戸時代からの遺構はほとんど存在しない丹波亀山城だが、その中でも全国に誇
 るべきものがある。それが、「惣構(そうがまえ)」である。丹波亀山城の惣構は、
 城下町全体を囲むように総延長3キロ近くにわたって土塁や堀が築造されており、
 現在でもその全体像がたどれる程度には残存しているのだ。

  惣構が築かれた城は他にも小田原城や金沢城などあるが、いずれも市街地化によ
 りそのほとんどが失われている。その点、亀岡は都市化の波を他の城下町ほど受け
 なかったことから、全国的にも奇跡的と言って良いほど良好な残存状況なのである。

  ただ、その貴重さがほとんど知られていない。3年前にその内の5箇所が亀岡市
 の文化財に指定されてはいる(※2)が、一般の認知度はないに等しい。このまま
 ではほかの城下町と同様、失われるのは時間の問題だろう。先日、市民グループが
 市長に保存要望を行ったとの報道があった(※3)。行政の支援がなければ民有地
 の開発は止められない。亀岡が全国に誇るべき遺構を失ってしまう前に、政治判断
 が求められている。

 (※1)調べてみたら、詳しく書いたのは何と10年前(!)の第10幕だった。
  http://archives.mag2.com/0000185716/20061201150000000.html
 (※2)亀山城惣構跡5箇所が史跡に、同時に旧亀山城新御殿玄関が有形文化財に
     指定されている。
  https://www.city.kameoka.kyoto.jp/bunkazai/shiteibunkazai.html
 (※3)旧亀山城遺構に開発の危機 惣構、京都・亀岡市に保全要望
  http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20160202000042

              ■『北野の芸能と茶屋』■

                 -第百四十二回-
                                井上 年和
 
  昭和4年(1929)1月
  上七軒にも天杯拝受の芸妓がある 藤村秀助さんのこと(その1)
 (前略)十二月十日余は上七軒の組合事務所に河合取締を訪れ何かと談話の折柄、
 同氏の談に「技芸倶楽部の十二月号に祇甲の照葉さんが御大礼に際し、天杯拝受の
 事が出てゐましたが当上七軒にも亦天杯拝受の高齢芸妓が一人ありました」との事
 に「是はまた耳新しい咄し、そして其は誰の事ですか」と尋ねますと「ハイ夫は当
 廓古参の義太夫藤村秀助さんで、同妓は本年八十四歳の高齢であります」との事、
 総数僅かに六七十人の同廓芸妓中に其様高齢者のあらうとは今日まで知らずに居つ
 た事の迂闊さを今更恥ぢ、早速秀助さんを訪ねますと、同妓はニコニコの蛭子顔で
 元気頗る旺盛、流石義太夫で鍛ひ上げた人丈あつて聲量豊かに、余の問ひに対して
 斯様に談されたのであります。
                          『技芸倶楽部7巻1号』

  かつて上七軒に天杯を拝受した芸妓がいたという。その名も藤村秀助さんと言い、
 御歳84歳にして、現役で儀太夫を続けていた。

  天杯とは天皇から賜わる杯で、御大礼(昭和の大礼)の際に祇園の芸妓さんも拝
 受していたらしい。

  儀太夫で鍛え上げられていただけに、すこぶる元気で声量も豊かであるという。

  芸を通して健康を維持し、ニコニコと蛭子顔の風貌を持つ藤村秀助は、きっと存
 在そのものが後身の指導にもなっていたことであろう。

  大発展を遂げたこの時期の上七軒を支え続けた大立役者の一人に違いないのであ
 る。
   
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

        □■[嵯峨野学藝倶楽部] 3月開講講座のお知らせ■□

   詳しくはhttp://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日 コース)」
  日 程:3月2日、16日、23日
  時 間:9時~14時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講 師:西村 宗靖・太田 宗達
  場 所:嵯峨野三壷庵
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土、日曜日 コース)」
  日 程:3月12日(土)、21日(月・祝)、26日(土)
  時 間:9時~18時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講 師:西村 宗靖・太田 宗達
  場 所:嵯峨野三壷庵
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

  URL:http://www.ren-produce.com/sagano/club/

   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                ■□■ひとこと■□■

      春の訪れに弘道館の裏庭にも梅の香がひろがっています。
      今年はいくつ実をつけるのか楽しみです。

     [次回は、3月15日(火)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 

多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。