嵯峨野文化通信 第218号

 伝統文化プロデュース 【連】メールマガジン   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)_________

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第218号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

     嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

              毎月1日・15日(月2回)

                   ■VOL:218(2015/3/5)

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                  ■□■もくじ■□■

  ■【連】からのお知らせ —– 茶会「祥春菓祭」を開催します!
               「第8回 帯を知る/帯を楽しむ」のご案内 
               弘道館講座のご案内
         宗一郎「能あそび」のご案内
  ■(連載)『ニッポン城郭物語』———————– 第百六幕
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』———————– 第百二十一回  
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]3月開講講座のお知らせ

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              □■【連】からのお知らせ■□ 
 
 ■茶会「祥春菓祭」を開催します!

 ーー春をよろこぶ空想茶会ーー
  職人、研究者、作家の顔を持ち、お菓子に魅了され続ける三者が、それぞれの空
 間の中で三様のおもてなしを展開します。
  草木の芽吹きを祝う一日にふさわしいお菓子とお茶。
  春のひととき、弘道館にてそれぞれの喫茶空間めぐりと、それらを囲む庭の散策
 をお楽しみください。
  ”お菓子の力”をテーマにトークショーも開催予定です!ご参加お待ちしています。

 日 時:3月7日(土)
 時 間:第一部 13時〜15時
     第二部 16時30分〜18時30分
 亭 主:太田 達(有職菓子御調進所 老松)
     杉山 早陽子(御菓子丸)
     林 周作(郷土菓子研究社)
 参加費:3,000円(おもたせ付き)
 場 所:有斐斎弘道館
 
 お問い合わせ、お申し込みはコチラ
 TEL :080ー6161ー5481(担当・イチノ)
 MAIL:ayumiichino@yahoo.co.jp

■「第8回 帯を知る/帯を楽しむ」のご案内
 
  京都の伝統文化を代表する西陣織。この世界に誇る西陣織も実は他の伝統文化と
 同様、後世に本当によいものを残していく事が出来るのかどうかが、今問われてい
 ます。
  クオリティーが高く、個性のある多様多種な織物『ほんものの西陣織』の文化を
 伝えるために、これまで展覧会と座談会を重ねてきました。8回目となる今回は「
 花」をテーマにした帯の数々をご覧いただきます。
  庭を眺めながら、現場の方の専門的な話を聞いて、お茶を一服。普段、聞くこと
 の出来ない帯についての素朴な疑問もお伺いできます!
  今回の座談会は、下絵を元に織り上げる「すくい織」の職人さんをお招きし、実
 際に「すくい織」を織っていただきながらお話をしていただきます。

 日 時:3月15日(日)
 時 間:11時〜17時
 座談会:11時、15時 ※各回40分程度
 試着会:13時
     ※今回出品している各織元の帯を締めていただける、試着会を行います。
      予約先着10名程度。13時より試着された帯の説明が始まるので、試
      着ご希望の方は着物ご着用のうえ12時に集合ください。(要予約)
 参加費:2,000円(茶菓子付き)
     ※学生1,000円(要学生証提示)
 
 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/seminar.html
 
 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 ■弘道館講座のご案内

 京文化教養講座1「信仰からみる京都」

 日 時:3月14日(土)
 時 間:11時~12時30分(90分)
 講 師:太田 達(立命館大学非常勤講師)
 テーマ:「上巳と道教」
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 京文化教養講座2「茶の湯の文化を識る」

 日 時:3月26日(木)
 時 間:13時~14時30分(90分)
 講 師:太田 宗達(立命館大学非常勤講師)
 テーマ:「信長と秀吉」
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 英語で伝統文化「茶道編」~BOOK OF TEAをよむ~

 日 時:3月26日(木)
 時 間:18時30分~20時(90分)
 講 師:田中 朝子(通訳翻訳家)
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)
 
 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/seminar.html
 
 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 ■宗一郎「能あそび」のご案内
  
  室町時代に誕生し、今も生き続けている能の世界をさまざまな角度から「あそぶ
 」ワークショップです。
  2015年は、シテ、ワキ、狂言、囃子方の方々をゲストに、それぞれの役割と
 魅力を学びます。また、能舞台について学ぶ、作り物をつくる、能の演出方法を知
 るなど、多彩な内容でお送りいたします。
  ご参加をお待ちしております!

 日 時:2015年3月20日(金)
 時 間:18時30分〜20時(90分)
     ※18時より呈茶あり
 講 師:林 宗一郎(能楽師)
 ゲスト:有松 遼一(高安流ワキ方)
 参加費:3,000円(生菓子、抹茶付き)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/event.html
 
 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 
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               ■『ニッポン城郭物語』■
                  
                   ー第百六幕ー
                                梅原 和久
 
  薩摩島津77万石の居城である鶴丸城の御楼門が、140年ぶりに復元されるこ
 とになったそうだ(※)。明治6年(1876)に焼失して以来、わずかに石垣と
 堀だけが残る、少し寂しい城跡だったが、復元によってその雰囲気は大きく変わる
 ことだろう。

  城の復元が実現するには、いくつかの大きなハードルがある。現在の文化庁の基
 準だと、何よりその正確性が求められるのだが、鶴丸城の場合は詳細な古写真が複
 数残るために、これはクリアできた。だが、最大の問題は資金面である。税金の投
 入は最低限しか期待できない。となると、いかに民間から集めることができるのか
 が勝負である。鶴丸城の場合、鹿児島経済同友会などが中心となって資金集めに奔
 走した結果、2年で目標の4億5千万円を達成。そのうち、個人からの募金は、5
 千人以上から3千万円である。この地元の熱意が、復元を現実のものとしたのだ。

  復元もそうだが、城は維持管理するだけでも巨額の費用がかかるため、どこの城
 も資金集めには頭を悩ませている。民間からの寄付を募っている城は多いが、その
 集金力には歴然とした差がある。
  最もすごいのは名古屋城。本丸御殿を完全復元するという大事業を行うことから
 平成15年に目標50億円で募集を始めたが、10年もしないうちに達成。トヨタ
 等の大企業からの巨額寄付が支えているのは確かだが、それにしてもすごい。これ
 と比べると少額に見えてしまうが、熊本城の場合、平成22年から目標7億円で、
 現在5億8千万。姫路城は熊本城と同時期に目標5億円で募集を始めて、現在4億
 5千万円。いずれも目標達成は近い。城が町のシンボルとなっているために、市民
 の協力が大きな力になっている。
  一方大苦戦しているのが二条城である。他の城での成功を見て、平成23年から
 目標50億円で募集を開始。だが、3年と少し経った現在の寄付総額は、企業から
 のものを含めても1億8千4百万である。
  徳川幕府の西国拠点だった二条城は、京都市民にとって「わが町の城」ではない
 。他に歴史ある寺社などが多すぎることもあってか、わざわざ二条城に寄付しよう
 という人が少ないのも分からなくはない。にもかかわらず、目標50億円はいくら
 なんでもやりすぎだとは思う。ただ、行政だけでは支えられないのも事実。二条城
 の情報を発信している者として、何とかしたいところである。

 (※1)御楼門復元を伝える記事。下のURLは「御楼門」復元実行委員会のページ。
 http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/culture/history/20150219-OYS1T50045.html
 http://www.goroumon.net/

 (※2)世界遺産・二条城一口城主募金のページ。私も毎年寄付している。
 http://www.city.kyoto.jp/bunshi/nijojo/bokin/info.html
 

               ■『北野の芸能と茶屋』■
                  
                 -第百二十一回-
                                井上 年和
  明治十四年(1881) 上七軒女紅場規則(その4)
  「授業師
   縫裁教師    壱人 西村きみ
   修身学教師   壱人 村井利頁
   タンツー教師  壱人 竹鼻よね
   女礼教師    壱人 未定

  授業方法
  一、裁縫教師ハ、女職ノ道教授ヲ専務トシ、往末正業ニ基カシムルコトヲ
    教授ス。
  一、修身学教師ハ、生徒エ其道教授スルコトヲ専務トス。
  一、場中二設タル教規ハ、左二掲ル処ノ業ヲ授与セシム。  
    裁縫 押絵 女礼 ダンツー 習宇 算術 読本」 
                           『京都府庁文書』
  
  女紅場における授業師(教師)の名簿と授業の内容である。
  授業の内容は「裁縫」、「押絵」、「女礼」、「タンツー」、「習宇」、
 「算術」、「読本」でこのうち裁縫、押絵、女礼、習字、算術、読本は内容
 が理解できるが、「タンツー」とは何であろうか?

  ネットで検索してみると、タンツー(弾詞だんしTan-ci)は、中国で明から清の
 時代にかけて流行し、現在でも南方で行われ、琵琶・三弦・洋琴などを伴奏にする
 中国の語り物の一つということらしいが、本当に女紅場で教えられていたか疑問で
 ある。謡曲が明治時代には適当な言葉がなかったので、タンツーと呼んでいたもの
 と推測される。

  「修身学」という現在では「道徳(Moral Sience)」にあたる授業も取り入れられ
 ていた。「修身学」とは福沢諭吉著の『学問のすすめ』にも「修身学とは身の
 行いを修め人に交わりこの世を渡るべき天然の道理を述べたるものなり。」とあ
 って、明治以降に近代学校制度の中で広められた科目である。

  花街の近代化にも教育が不可欠であったのだ。
      

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        □■[嵯峨野学藝倶楽部] 3月開講講座のお知らせ■□

   詳しくは、 http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日 コース)」
  日程:3月11、18、25 日(水)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:9時~15時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土曜日 コース)」
  日時:3月14、21、28日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

  お問合せ・お申込みはコチラまで→sagano@ren-produce.com

 ■「今様・白拍子教室」
  日程:3月 日(土)
     ※その他の日程 は個人稽古につき、お問い合わせください。
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:13時~14時30分
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。
  今様のお問い合わせ、お申し込み、見学はコチラまで→info@imayou.jp
   URL:http://www.ren-produce.com/sagano/club/

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                ■□■ひとこと■□■
    
   このたびは、発行が大幅に遅れてしまいましたことをお詫び申し上げます。
   いつもご覧いただいている皆さまには、大変お待たせしてしまい
   申し訳ございませんでした。
   
   
     [次回は、3月15日(日)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。