嵯峨野文化通信 第155号

伝統文化プロデュース【連】メールマガジン

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  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第155号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

         
       嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

                毎月1日・15日(月2回)
 
                       ■VOL:155(2012/7/15)

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                  ■□■もくじ■□■

  ■【連】からのお知らせ ———–ハーバード大学DIN AND TONICSアカペラコン
                              サートが開催されます!
                    弘道館文化講座のお知らせ
                    「日本謌舞楽会」奉納ツアーのご案内
  ■(連載)『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』———- 第五十五回
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』————————– 第五十九回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]7月開講講座のお知らせ

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               □■【連】からのお知らせ■□

 ■ハーバード大学DIN AND TONICSアカペラコンサートが開催されます!

アメリカのハーバード大学の現役学生によって33年間代々受け継がれている伝統ある
 アカペラグループと日本今様謌舞楽会の白拍子がコラボレーションいたします!
  即興性を重んじる日本の声わざとスタンダードジャズのアドリブをお楽しみいただく夕
 べです。
  いつもの弘道館がステージに変わります。ぜひ聞きにいらしてください。

 「ハーバード大学DIN AND TONICSアカペラコンサートと茶会の夕べ」

 日 程:7月27日(金)
 呈茶席:17時
 開 演:18時
 参加費:3,000円(呈茶付)

 お申し込み、お問い合わせはコチラ
 有斐斎弘道館     TEL,FAX 075-441-6662
 アトリエ ラ グラン TEL,FAX 0797-25-7201(11時〜18時)

 ■弘道館文化講座のお知らせ

 「京文化実践基礎講座1〜茶会はじめ〜」

 日 程:7月17日(火)
 テーマ:「茶室についてまなぶ/茶室の入り方、床の間の拝見」
 時 間:10時30分~12時(90分)
 場 所:有斐斎 弘道館 
 講 師:高田 宗真 ほか
 参加費:5回15,000円(生菓子、抹茶付き)

 「京都文化教養講座2~茶の湯の文化を織る~」

 日 程:7月17日(火)
 テーマ:「遠州」
 時 間:13時~14時30分(90分)
 場 所:有斐斎 弘道館 
 講 師:太田 達
 参加費:1回2,000円(生菓子、抹茶付き)
 

 「京菓子専門講座〜基礎編〜」

 日 程:7月17日(火)
 テーマ:「講義:祇園会の菓子」
 時 間:15時~16時30分(90分)
 場 所:有斐斎 弘道館 
 講 師:有職菓子御調進所 老松、太田 達、濱崎 加奈子 ほか
 参加費:6回30,000円(材料費込み)

 詳細はコチラ
 http://kodo-kan.com/seminar.html
 
 お申込み、お問合せはコチラ
 kouza@kodo-kan.com

 ■「日本今様謌舞楽会」奉納ツアーのご案内

  鎌倉鶴岡八幡宮のぼんぼり祭り、赤間神宮の大祭にて行われる日本今様謌舞楽会の奉納
 にご参加いただけるツアーです!平安装束を着け舞台に上がっていただけるまたとない機
 会です。
  フランス公演には参加できなかったという方も、ぜひご参加ください!

 鶴岡八幡宮「ぼんぼり祭り」 

 日 程:2012年8月8日(水)
 場 所:鎌倉駅 現地集合
 時 間:11時(今様奉納は15時からです。)
     ※17時頃解散予定
 費 用:護持会会員   8,000円(奉納および衣装貸出し料金)
     非護持会会員 10,000円 
 受付締切:2012年7月20日
     ※昼食をご一緒されない方は、13時に直接鶴岡八幡宮に集合となります。
     ※現地集合現地解散のツアーです。ご宿泊等なさる場合は、各自ご準備下さい。
     ※上記費用に昼食費用は含まれません。

 赤間神宮「赤間神宮大祭」 ※朧谷寿先生による解説ツアー付きです!
 
 日 程:10月6日(土)〜7日(日)
 場 所:下関駅 現地集合
 時 間:13時
 費 用:15,000円〜20,000円(宿泊費、移動費、食費)
     別途5,000円(奉納および衣装貸出し料金)
     ※奉納へのご参加の可否は自由です。
     ※宿泊場所はこちらで用意いたします。
 主要見学場所:
 ・赤間神宮<前身は阿弥陀寺-安徳天皇の霊を祀る>
 ・七盛塚-平家一門の墓◇耳なし芳一堂>
 ・阿弥陀寺陵
 ・壇の浦古戦場-火の山公園展望台、御裳川公園から眺める
 ・平家一杯の水
 ・彦島<引島>-平家の拠点
 ・満珠・干珠-源氏の拠点
   
 ※鶴岡八幡宮、赤間神宮ともに、現地集合、現地解散となります。
 ※上記の費用に現地までの移動費は含まれません。
※お申し込みの際は、お名前、ご住所、ご連絡先(TEL、e-mail)、ご昼食参加の有無
(鶴岡八幡宮)をご明記ください。

  お問い合わせ、申し込みはコチラ 
  imayotour@yahoo.co.jp
  
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           ■『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』■      
 
                   第五十五回       
                                  荻田 みどり

  前回、浮舟の母が匂宮の食事する姿を垣間見る場面を取り上げた。妻の中の君とその若
 君と離れがたく思い、通常であれば別の部屋で食べるべき夕食を、中の君の部屋へと運ば
 せた。食事する姿さえも美しい匂宮を見ることにより、浮舟の母は上流貴族に対する考え
 方を変える。娘浮舟の結婚相手として、理想を高く持つべきと思うようになる。

  浮舟の母の垣間見はその後も続く。翌朝も覗いているのだ。匂宮は、この日は参内せね
 ばならず、正装に着替えている。その姿もまた気品がある。その一方で、若君を離しがた
 く、あやしている。そして、前日の夕食に続き、朝食の様子も描かれる。

   御粥(かゆ) 強飯(こはいひ)などまゐりてぞ、こなたより出でたまふ。

  前日の夕食は、食事姿とはいえ、「御台(みだい)」というように、女房が食膳を差し
 上げる描写だけだった。しかし、前日の上流貴族に対する考え方の変化により、浮舟の母
 の視線はさらに匂宮に強く注がれる。「御粥 強飯」という具象描写で注目度合が分かる。
 前日の垣間見では「物のはさまより見れば」という描かれ方だったのに対し、この日は「
 のぞけば」というように、さらに視点が集中していることからも、併せて興味の高まりが
 言える。

  こうして、匂宮の公的な姿、私的な姿を垣間見ることにより、また、浮舟の母にとって
 も理解しやすい食事姿を見ることにより、浮舟の母は浮舟の結婚相手としての理想像を固
 めていく。

                ■『北野の芸能と茶屋』■           

                   第五十九回            
                                   井上 年和

 宝永元年(1704)6月8日
  「一、和泉屋半兵衛(鳥井前町)・三国屋清三郎(御室)・丹後屋長三郎(馬喰町)
 ・吉田屋市右衛門(馬喰町)・伊セヤ忠兵衛(経王堂内)・大坂ヤ喜兵衛(平野)・舛ヤ
 喜兵衛(平野)右七人之者共平野新道へ水茶ヤ見せ出し度之願、兼而之事ニ候処、前方付
 届間違候事在之候故、ゆるし不申候処、達而願申候故、然らハ口上書持参仕候様ニと申渡
 シ、六月八日ニ持参ス、」
                           『北野天満宮史料 目代記録』

  平野新道へ水茶屋を出したい者どもの名簿である。平野新道とは京都大学総合博物館蔵
 『御土居絵図』にも描かれている、元禄十四年(1701)に北野北之森から紙屋川へ降り
 るために御土居を切り開いてできた道で、北野社側の間口は2間2尺、紙屋川側の間口は
 3間2尺で門があり、道幅は2間となっている。紙屋川へ降りて少し北へ行くと橋があり、
 平野社へ渡れたのだ。

  北野社側には南に「出茶屋」が描かれており、この口上の前に既に誰かが出店していた
 ようだ。寄棟造で南側からの平入りとした見世の背後に切妻屋根が南北に接続しており、
 結構しっかりした造りのように見える。下之森と違って騒々しくなく、ほっこり休める茶
 屋であったことであろう。

  『北野天満宮史料 宮司記録』では、元禄十四年(1701)6月4日に平野から北之森へ
 土手道を造る願いが出され、(「一、四日晴、西田善右衛門能通へ曰、平野より北之森ニ
 土手道願申旨此方へ申来候、」)同年8月27日に「一、今日平野社ノ通路ヲ土手ニ切明
 也、はヽ二間と云事也、」とあって記事と『御土居絵図』は一致している。

  この平野新道は、北野社から平野社へ抜ける近道であったために、各店の店主が参拝客
 目当ての茶屋を出店したいと目論んだものと思われる。
  7軒中6軒が北野社周辺の住人で、この内、鳥井前町の和泉屋半兵衛は七軒茶屋である
 し、馬喰町の吉田屋も茶屋であって、他の店も恐らく茶屋であると思われる。つまり、近
 くの茶屋が出茶屋を出そうとしているのである。

  北野社周辺で商売を営んでいたものは、北之森、上之森、中之森、下之森とそれぞれの
 場所で出茶屋を出し参拝者へ憩いの場を提供していたのだ。

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       □■[嵯峨野学藝倶楽部] 7月開講講座のお知らせ■□

 詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日コース)」
  日程:7月4、18日(水)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土曜日コース)」
  日時:7月1、21、28日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:1、21日10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
     28日のみ 9時〜12時、15時〜19時
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。
 
 ■「今様・白拍子教室」
  日程:7月14、28日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:14日10時〜11時
     28日13時〜14時
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

 ●URL
  http://www.ren-produce.com/sagano/club/

 お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com

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                 ■□■ひとこと■□■
  
  今年も祇園祭りの季節がやってまいりました。
  珍しく夜のお祭りの時間帯は雨を免れれているみたいですね。
  暑さは辛いですが、やっと夏です。
                                   (いまむら)
  
      [次回は、8月1日(水)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。