嵯峨野文化通信 第34号

 伝統文化プロデュース【連】メールマガジン
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             〔嵯峨野文化通信〕 第34号
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   伝統文化プロデュース【連】は、日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識に
         ついて、学び広めていくための活動をしている団体です。

        京都・嵯峨野から、最新の情報を皆さんにお届けします!
              毎月1日・15日(月2回)

                       ★VOL:34(2007/7/1)

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  こんにちは(@^ー^@) 〔嵯峨野文化通信〕です☆

  いよいよ7月に入りましたね。7月に入ると、いよいよ夏本番! お祭やイベントが
 たくさんあって、考えただけでもワクワクして楽しいですよね☆ まずは、この機会に
 ぜひ体験してほしいイベントのお知らせからお届けします(^▽^)/

それでは、〔嵯峨野文化通信〕第34号のスタートです!

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 ┃も┃┃く┃┃じ┃
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  ○【連】からのお知らせ——————————–京菓子づくり
  ○(連載)『正史 爺婆鏡(ジジババカガミ)』———-第二章 〜説一話〜
  ○(連載)『ニッポン城郭物語』————————第十八幕
  ○やまとのくには言の葉のくに————————–第十首
○京の伝統行事—————————————-祇園祭

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 【連】からのお知らせ
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  京都郊外の山崎にある雑貨Shop&暮らしの教室「食と暮らしのうるおいサロン Reli
 sh」での京菓子づくりも3回目を迎えました。今回は、「Relish」の前にある妙喜庵
 (待庵)にちなんで、利休ゆかりの菓子 「ふのやき」を再現いたします。夏らしく、
 切山椒風に仕立てます。

 [日時]7月29日(日) 午後2時〜4時
 [料金]3,000円(材料費込)
 [定員]12名
 [講師]太田 達氏(「老松」主人)
 [場所]食の暮らしのうるおいサロン「Relish」(JR大山崎駅前)

 ※詳しい内容&お申込みは下記のURLから
 URL:http://www.relish-style.com/

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                (連載)『正史 爺婆鏡(ジジババカガミ)』第二章
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                    説一話             太田 達

  旧子爵、萩原員種の娘として明治三十八年に生れた、母方の祖母、納子の家は、上賀
 茂橋を渡ったところにあり、私の家から子供の足でも五分くらいであった。近いことも
 あってか、私にとって物心ついた頃から大学生くらいまで、彼女と話すことが多く、も
 っとも身近に接した親族でもあった。そして、ノートルダム系のホームでひっそりと息
 をひきとった彼女を、彼女の恋人のような立場で見送ることになった。今はもう彼女と
 の会話の断片しか思い起こす事が出来ないが、多くの旧華族の数奇な運命の一つとして、
 また、明治・大正・昭和の京都市北辺郊外の移り変わりをオーラルヒストリーとして記
 録しておく事も一興かと筆をすすめてみることにする。

  私が彼女をそこらのばあさんとは違うと意識したのは、私が小学校四年の頃だろうか。
 当時、京都の小学校では、四年生の社会科で『わたしたちの京都』なる副読本を使い、
 京都の歴史、地理を勉強していた。それは、家にある資料(ようするに古い民具など)
 を教室に持ってきてクラスで検証しようというような授業であった。この時、ばあちゃ
 ん家には、面白いものがあった。岩倉、西郷の手紙、桜田門外の水戸浪士の連判状…。
 でも、子供心に面白かったのは、火縄銃や蹴鞠の球、木沓、冠などである。これらを持
 って行くと、まあ、クラスでウケたこと、ウケたこと。その時、ばあさん、そう、当時
 は「おばあさま」と呼んでいた彼女に、私が両親を呼ぶ時、「おてえさん」「おもうさ
 ん」と呼ぶように云われていた。そして、これは普通でない事だと気がついたわけであ
 る。何故、この時まで不思議に思わなかったのか、その頃の彼女、おばあさまの上賀茂
 菖蒲園町の家は、そんなに広くなく、昭和初期のよくある小さな郊外の家であった。そ
 う、裕福と呼べる暮らしからはかけ離れていたからであろう。
                                    (つづく)

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                          (連載)『ニッポン城郭物語』
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               第十八幕 〜保管部材の話〜
                                   梅原 和久

  彦根市では、現在「国宝・彦根城築城400年祭」が開催中である。祭り本体よりも
 いわゆる「ゆるキャラ」の「ひこにゃん」の方が盛り上がっているのが少々寂しいとこ
 ろだが。(※1)

  その彦根城に関して、先日興味深いニュースが流れた。3月30日付け中日新聞の記
 事をそのまま抜粋する。

  「長曽根口御門を復元へ:彦根城の長曽根御門の復元を目指す滋賀県立大学人間科学
 部の濱崎教授らは、部材が保管されている同市長曽根町の教禅寺から部材を運び出す作
業を始めた。これらの部材は実測・図面化し、コンピュータで門全体の復元図を作成す
る予定である。彦根城外堀には江戸時代には7つの門があったがいずれも明治初期に解
体され、わずかに長曽根門が教禅寺の山門として移築された。この山門は昭和6年
(1931)まで使われたが、再度解体されたあと同寺の床下に保管されていた。」

要は、明治の初めに寺へ移築された城門が、用済みとなって昭和初期に解体された。
 その際、捨てるに忍びず保管されていた部材を使って、城跡に門を再建することになっ
 た、ということである。第六幕で城の建造物の移築について述べたことがあるが、今回
 はさらにマニアック。なにしろ、いわばただの木材の話である。数ある城の本やサイト
 でも、保管部材の現状についてまとめた記事は見たことがない。ただ、「ないのは需要
 がないから」というだけの気もするが。

  観光の目玉として、城跡の整備を目指す自治体は多いが、最近、文化庁は明治以前の
 古写真や当時の設計図面など、充分な資料がなければ許可を出さない、という方針をと
 っている。(それを理由に再建計画がとん挫した例も多い。駿府城天守や仙台城艮櫓等)
 
  そんな中、「復元できるだけの部材が残ってるよ」となれば話は早い。実際、最近は
 この手の復元がかなり多い。例えば奈良の高取城の松ノ門。この門は、小学校の校門と
 して使用されていたが、昭和19年(1944)の火災で焼損。焼け残った部材は町内
 の酒造会社に保管されていたという。また、長崎対馬の金石城の大手櫓門は、大正時代
 に解体されたが、同様に部材はしっかりと保管されていた。いずれも平成になってから
 再建され、観光スポットとなっている。

  こういう話を聞くと、大きな木材を何十年もよくぞ残していてくれた、と喝采したく
 なるが、その一方で、保管はされているが復元は未定、という悲しいケースもある。

  例えば一部で有名なのが、二条城の本丸東櫓門に続く二階廊下。これは、現在国宝と
 なっている二の丸御殿から、地面に降りることなく本丸に移動するために作られた廊下
 であり、昭和初期まで残っていた。これが昭和5年(1930)に解体されて、全ての
 部材が城内の米蔵に保管されたのだが、未だに眠ったままである。(※2)また、福岡
 城の潮見櫓と花見櫓という、近くの崇福寺に移築されていた二棟の二重櫓の部材も完存
 しており、平成4年(1992)には福岡城跡に移されたのだが、こちらもいまだ再建
 されていない。

  勿論、復元には相当の予算が必要であり、城マニアの望みだけをかなえる訳にはいか
 ない自治体の事情もあろう。しかし、過去にはこんな例がある。納屋として利用されて
 いた旧桑名城の多聞櫓。城内に復元される予定であったが、解体された材木を譲り受け
 た桑名市が腐らしてしまったらしい。また、土浦城の西櫓の場合も、戦後台風で破損し、
 再建を前提に解体された。しかし、数十年の歳月とともに腐食が進み、平成に入ってか
 らいざ再建、というときには全く使えなかった。同じことを繰り返さないためにも、何
 とか早期の再建を望みたいものである。
  
 (※1)これが、ひこにゃん。
  http://hikone-400th.jp/news/2006/04/041301.php

 (※2)このページの一番下に、現状の写真と復元図がある。何とか復元してもらえな
  いものでしょうかねぇ、京都市さん!
  http://sawadas.hp.infoseek.co.jp/nijyoujyou.htm

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 やまとのくには言の葉のくに
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                    第十首             田口稔恵

  夏の日の水の面かくす蓮葉にただよふ露の身をいかにせむ
 (曽禰好忠『毎月集』三百六十首和歌 六月おはり)

  夏の日の水面を隠すほど蓮の葉が茂っている。その葉にただよい宿る露のようにはか
 ない自身の身をどうしたらよいだろうか。自分のはかない身の上を、蓮の葉の上に転が
 る白玉に喩えるのは、『古今和歌集』の僧正遍昭の歌などにみられる、伝統的な手法で
 ある。ただし、この歌を詠んだ曽禰好忠という人物は、その枠からはみ出した、数々の
 伝説を持つ人物である。自らの歌才を恃みに栄達を願うも、ようやく与えられたのは丹
 後掾という卑官。曽禰丹後掾を縮めて「曽丹後」「曽丹」とあだ名され、「最後には<
 そた>になったらどうしよう」と嘆く。円融院が催した子(ね)の日の遊びの歌会に、
 招かれてもいないのに出席し、たたき出されたりもした。そんな好忠だが、十二ヶ月を
 それぞれ初め・中・終わりの三つに分け、十首ずつを配して構成した『三百六十首和歌』
 をはじめ、尻取り形式の「沓冠歌」の一群など、斬新な枠組みの歌集を物した。歌その
 ものも、口語の使用、題材の新奇な取り合わせなどの傾向で、生前は伝説が物語る通り、
 才能はあるが伝統に則っていない、偏屈な歌人という評価であった。しかし、後拾遺集
 時代に至ってその清新な詠みぶりが高く評価された。好忠の造語が、後鳥羽天皇や藤原
 定家の歌に詠み込まれ、「由良のとを渡る舟人かぢを絶え行方も知らぬ恋の道かな」と
 いう歌が『小倉百首』に入集した。また、『雨月物語』を著した上田秋成は、三百六十
 首歌という歌集を擬えている。この歌の新しさは、「ただよふ」という表現にあるとい
 えよう。和歌の世界では「漂う」の意味をもつ語として「いさよふ」を用いてきた。対
 して「ただよふ」は『源氏物語』・『枕草子』などに用例が見られ、散文の世界で使用
 された語である。俗を雅に。丹後の田舎暮らしでその才能は一層磨かれたのであろう。
 「日暮るれば下は小暗き木のもとのものおそろしき夏の夕暮れ」などという、微笑まし
 い歌も詠んでいる。
         (参考文献:『曽禰好忠全評釈』神作光一/『言語と文芸』滝沢貞夫)

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 京の伝統行事 〜祭に出かけてみませんか?〜
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  豪壮かつ華麗な祇園祭は、千百年の伝統を有する八坂神社の祭礼で、平安時代に疫病
 退散を願った御霊会(ごりょうえ)がはじまりです。貞観11年(869)に京の都を
 はじめ日本各地に疫病が流行したとき、平安京の広大な庭園であった神泉苑に、当時の
 国の数−66ヶ国にちなんで66本の鉾を立て、祇園の神を祭り、さらに神輿をも送っ
 て、災厄の除去を祈ったのです。

  そして、時代の流れのなかで、東京の神田祭、大阪の天神祭とともに豪華に真夏の熱
 い祭礼として、日本三大祭となりました。また、岐阜の高山祭、埼玉の秩父夜祭ととも
 に日本三大曳山祭りの一つでもあります。祇園祭は、7月1日の「切符入り」に始まり、
 31日の境内摂社「疫神社夏越祓」で幕を閉じるまで、一ヶ月に渡って各種の神事・行
 事が執り行われます。

 [日程]祇 園 祭:7月 1日(日)〜31日(火)
     宵  山:7月14日(日)〜16日(月)
     宵山巡行:7月17日(火)

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         ◆[嵯峨野学藝倶楽部]7月開講講座のお知らせ ◆
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          詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/から

  ★「茶道教室(土曜日コース)」
    日程:7月7日(土)
    時間:午後3時〜8時(ご都合の良い時間に、お越しください)
    ※見学/体験も、随時、受付けています。
    ▽詳細は、コチラから。
    http://www.ren-produce.com/sagano/chadou/doyoubi/doyoubi.html

  ★「茶道教室(水曜日コース)」
    日程:7月11日(水)
    時間:午後1時〜5時(ご都合の良い時間に、お越しください)
    ※見学/体験も、随時、受付けています。
    ▽詳細は、コチラから。
    http://www.ren-produce.com/sagano/chadou/suiyoubi/suiyoubi.html

  ★「<食>から見る祭礼」
    日時:7月14日(土) 午前11時〜12時30分(90分)
    タイトル:「祇園会」
    参加費:1回2,000円
    ▽詳細は、コチラから。
    http://www.ren-produce.com/sagano/shoku/

  ★「今様・白拍子教室」
    日時:7月14日(土) 午後1時〜2時(60分)
    ※見学/体験も、随時、受付けています。
    ▽詳細は、コチラから。
    http://www.ren-produce.com/sagano/imayou/

  ★「京都歴史講座」
    日時:7月15日(日) 午前11時〜12時30分(90分)
    タイトル:「平安時代の京都その4―藤原氏、摂政・関白になる―
          冬嗣・良房・基経」
    参加費:1回1,000円
    ▽詳細は、コチラから。
    http://www.ren-produce.com/sagano/rekisi/

       お問合せ・お申込みはコチラまで→sagano@ren-produce.com
         (※いずれの講座も、事前にお申込みください!)

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 │ひ││と││こ││と│
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  今週末は、七夕ですね☆ 織姫と彦星が渡る橋を知ってますか? 7月7日の夜、鵲
 (かささぎ)が、どこからともなくたくさん飛んできて、翼を広げて橋を作ってくれる
 のだそうです。鵲が翼を広げて作ってくれる橋・・・男女の仲を取り持つものを「鵲の
 橋」と呼ぶようになりました。ちなみに、今の鵲は、この鵲とは違って青鷺(あおさぎ)
 のことをさしています。鵲は、日本版・恋のキューピッドなのかも知れませんね。

   [次回は、7月15日(日)に配信予定です! 次回もお楽しみに(^▽°)]
         ☆治☆
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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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