嵯峨野文化通信 第24号

 ☆★☆————伝統文化プロデュース【連】メールマガジン—————
        〔嵯峨野文化通信〕 第24号 2007年2月1日
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  伝統文化プロデュース【連】は、日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識に
 ついて、学び広めていくための活動をしている団体です。

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  ○●○ もくじ ○●○

   1.【連】からのお知らせ
   2.京都をめぐる歳時記 〜立春の章〜
   3.(連載)『Many Stories of the Tea Ceremony』 第12話
   4.(連載)『ニッポン城郭物語』 第十二幕
   5.メンバー紹介

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 §――1.【連】からのお知らせ―――――――――――――――――――――§

      [嵯峨野学藝倶楽部]の今月開講する講座をお知らせします!

  【連】が主催する〔嵯峨野学藝倶楽部〕は、日本の伝統文化を気軽に楽しく体験
 すると同時に、より深く学ぶことができる場として様々な講座を開講しています。

 ○「京都歴史講座」

 講師:中村武生氏
 タイトル:「秀吉の妻って、どんな人?―史料からみた北政所
      (豊臣秀吉の京都・その8)」
 日時:2月18日(日) 午前11時〜12時(60分)
 (※本年より、開講時間が変更になっておりますのでご注意ください!)
 参加費:1回1,000円(茶菓子付)

 ○「うたことばを遊ぼう」

 講師:田口稔恵氏
 タイトル:「江戸の巻」
 日時:2月17日(土) 午前10時〜11時(60分)
 参加費:1回1,000円(茶菓子付)

 ○「サロン文化史〜食の立場から〜」

 講師:太田 達氏
 タイトル:「後水尾院時代の宴会」
 日時:2月17日(土) 午前11時〜12時30分(90分)
 参加費:1回2,000円(茶菓子付)

  上記以外にも、「茶道教室」「今様・白拍子教室」などの講座も開講しておりま
 す。詳しい内容については、下記のURLからご覧ください。いずれの講座も、1
 回のみの受講も可能ですので、お気軽にお越しください。

 ●[嵯峨野学藝倶楽部]のURL
http://www.ren-produce.com/sagano/

 ★上記講座へのお申込み・お問合せ★
sagano@ren-produce.com

 §――2.京都をめぐる歳時記 〜立春の章〜 ――――――――――――――§

  二十四節気は、太陰暦(旧暦)を使用していた時代に、季節をあらわすための工
 夫として考え出されたものです。1年を24等分にし、その区切りごとに名前をつ
 け、現在でも、季節の節目節目に、これを示す言葉として使われています。

  2月4日〜18日は、二十四節季の1つ「立春」です。立春は冬と春の分かれる
 節目の日である「節分」の翌日(2月4日)で「寒さがあけて春に入る日」と言わ
 れています。つまり、春の初日ですね。『暦便覧』には「春の気たつを以って也」
 と記されています。旧暦では、1年の始まりは「立春」からと考えられていたため、
 立春を基準に様々な決まりや節目の日が存在しています。

 ■節分・・・立春の前日(2月3日)のことです。立春が正月なのに対して大晦日
 の役割を持ち、一年間の厄払いのために豆まきを行います。
 ■八十八夜・・・立春から数えて88日目(5月2日)のことです。この日に摘ん
 だお茶の葉は霜をかぶらないため、高級な茶葉と言われています。
 ■二百十日・・・立春から数えて210日目(8月22日)のことです。この日は
 台風が襲来する可能性が高く、農家の人々にとっては厄日だと言われています。
 ■二百二十日・・・立春から220日目(9月1日)のことです。二百十日と同じ
 く、台風が襲来する可能性の高い日とされています。現在では、二百十日よりも二
 百二十日に台風が来ることのほうが多いようです。

  また立春の早朝、禅寺では厄除けのために門に「立春大吉」と書いた紙を貼る習
 慣があります。この文字は、縦書きすると左右対称になり一年間災難にあわないと
 いうおまじないなんですよ。ちなみに立春以降、初めて吹く南よりの強風を「春一
 番」と呼びます。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜「立春」の時季を楽しむために〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ○伏見稲荷大社・初午大祭

  稲荷大神が稲荷山の三ヶ峰に初めてご鎮座になった和銅4年(711)2月の初
 午の日をしのび、大神の広大無辺なるご神威を仰ぎ奉るお祭で、二日前の辰の日に
 稲荷山の杉と椎の枝で作った"青山飾り"をご本殿以下摂末社に飾りこの日を迎える
 習わしがあります。

  2月最初の午の日は「初午」と呼ばれます。この初午の日に全国の稲荷神社では
 お祭りが行われ、春の農作の豊年を祈る祭りとされています。京都の伏見稲荷大社
 の初午大祭は、その起源とされ、もっとも盛大に行われ有名です。

  伏見稲荷大社の初午大祭は、五穀豊穣の神として信仰されてきた稲荷神(お稲荷さ
 ん)が稲荷山にはじめて祀られた日で、2月初午の日であったと伝えられることにち
 なんだ初春一番の大祭です。この日、稲荷山へ参詣し「しるしの杉」と呼ばれる杉の
 小枝を持帰り、幸福を願う習慣は平安初期より続いており「福まいり」とも呼ばれて
 います。この「しるしの杉」は商売繁盛・家内安全の縁起物として社頭で参拝者に授
 与されます。

  この日は全国からの多くの参拝者が訪れ、大いに賑わいます。

 [日程]2月5日(月)
 [場所]伏見稲荷大社(伏見区深草藪之内町68)

 ●伏見稲荷大社のホームページ
 http://inari.jp/

 §――4.(連載)『Many Stories of the Tea Ceremony』――――――――――§

     第12話―極私的茶会記(1)「茶会記を書きませんか?」の段

                              イチカワ アキラ

  昨年、暮れも押し迫ったころ、<ダブルイメージ―縄文追憶:青森/京都>と題
 する茶会が開かれた。その際、準備の段階からお手伝いするという幸運な機会があ
 った。その後、主催者の一人であるH女史から、〔嵯峨野文化通信〕に「茶会記」
 を書かない? という打診があって、二つ返事で安請け合いした。幸福な経験の余
 韻にひたっているころ、である。

  しかし、いざ書き出す段になって、ほとほと困ってしまった。あらためて思い出
 したのだが、「茶会記」を書く以前に、私は<茶>を知らないではないか。むろん、
 正式な「茶会記」を望まれているわけではない。が、この私、<茶>を知らない私
 が、はたして「茶会記」を書いても良いのか、という疑念が頭をもたげる。いやい
 や、ともあれ、まずは「茶会記」なるものを調べてみよう、と重い腰をあげて書棚
 をにらみ、茶道関係の本を数冊とりだして拾い読みする。文字通りの付け焼き刃で
 恥ずかしいのだが、少しばかり記してみることにしよう。誤解があれば正していた
 だけたら幸いである。

  「茶会記」とは、茶会の道具などを記録したもので、単に「会記」とも書く。茶
 会に招かれた客が帰ってから記す<他会記>と、亭主が記す<自会記>があるらし
 い。あらかじめ用意して客に配ることもあるのだとか。客は茶会を思い返して筆を
 とり、亭主は備忘や後の楽しみのために筆をとる。単に用いられた道具類を列記す
 るだけでなく、鑑賞・体験の記録といえる要素を強くもつものも多いという。その
 始まりは、天文年間(1532―54)あたりらしい。以降、数百年の長きにわた
 って記されてきた「茶会記」。ちなみに『天王寺屋会記』『松屋会記』『今井宗久
 茶湯日記抜書』『宗湛日記』を<四大茶会記>と呼ぶらしいが、原典をひもとく余
 裕はすでに残されていない。いずれ…。

  さて、である。「茶会記」のおおよそのイメージはできた。が、この大いなる伝
 統を受け、<茶>の門外漢である私がいったい何を積み重ねられるのか…。堂々め
 ぐりの自問自答をしばしくり返し、ようやく一筋の光明を見出す。鑑賞・体験の私
 的な記録…。<茶>を知らない私が茶会を手伝った私的な記録…。<極私的茶会記
 (極メテ私的ニ茶会ヲ記ス)>、とタイトルも決まった。感じたことを<素直に>
 言葉にしていく、という方針も同時に立つ。門外漢から見た茶会はいかなる言葉で
 紡がれるのか…、<私というフィルターを通した茶会>と<現実の茶会>あるいは
 <他の人の眼を通した茶会>はどのように乖離するのか…と少しく利己的な楽しみ
 もできたのである。こうして、私の「茶会記」が始まる。
                                  (つづく)
  次回は、「青森に行きませんか?」の段

 §――5.(連載)『ニッポン城郭物語』――――――――――――――――――§

                 ―第十二幕―
                                 梅原 和久

  前回は、正月号と言うこと(?)で、急遽「鯱(しゃち)」の話としたが、今回
 は、前々回の予告通り石垣の種類の話。もともと、この連載は城の見方や楽しみ方
 を紹介する、という目論見もあったのである。すっかり見失ってしまっていたが。

  石垣の種類が分かったからと言って別にどうということもないだろうが、完全に
 専門用語の世界なので、これを学べばいっぱしのマニア気取りはできる。私の友人
 で、この用語だけは私の解説が耳タコなので知ってる、という奴も何人かいる。

  では早速、判別の方法を。石の加工の程度から三種類、更に積み方から四種類に
 分けるのが一般的である。
  
 ■加工の程度

 1.野面(のづら)
   自然の石を拾ってきて、あまり加工せずに積み上げる。最も原始的な石垣だが、
   高度な技術が必要で、今日では野面を積める石工はほとんどいないらしい。

 2.打込接(うちこみはぎ)
   石材どうしの接合面を打ち欠いて接点を増やし、隙間を減らしたもの。隙間に
   は小石を詰めた。城の石垣としては最も一般的。「接ぎ」とは接合のこと。

 3.切込接(きりこみはぎ)
   石材を完全に整形して、石どうしの隙間を全くなくしたもの。石垣は野面→打
   込接→切込接の順に発展を遂げた。
  
 ■積み方

 1.布積(ぬのづみ)
   石垣が横方向に石の列がほぼ揃って並んでいるもの。同じような高さの石材を
   選んで積まなければならないが、技術的にはやさしい積み方。

 2.乱積(らんづみ)
   横方向の石の列が乱れているもの。雑然と積み上げたように見えるが、上下左
   右の石材をうまく組み合わせなくてはならず、高度な技術が必要。

 3.亀甲積(きっこうづみ)
   六角形に成形した石材を積み上げたもの。見栄えは良いが高石垣には向かない。

 4.谷積(たにづみ)
   石材を斜めに落とし込んだもの。石垣を築く技術の衰えた近代の積み方。明治
   以降の主流である。前々回触れた丹波亀山城の再築石垣はこの積み方。

  ざっと挙げてみたが、これだけ知っておれば、石垣の種類については十分である。
 文章だけでは心許ない、という方のために、誰かさんのHPから、写真が付いてい
 るページのリンクを貼っておくので、よく復習されたい。
 http://www.spacelan.ne.jp/~daiman/data/zatugaku01.htm
                                  (つづく)

 §――6.メンバー紹介―――――――――――――――――――――――――§

  【連】のメンバーによる、自己紹介のコーナー。次回より新コーナーを予定して
 いますので、このコーナーは、ひとまず、お休みさせていただきます。最後に、私、
 〔嵯峨野文化通信〕の編集をしている治が自己紹介をさせていただきます。

  はじめまして。京都での学生時代に太田先生の講義を受講させていただき、中里
 さんの宴会に参加させていただいたのがきっかけで、【連】の活動に参加させてい
 ただくようになりました。

  学生時代に考古学を専攻していたこともあって、日本の伝統文化に接する機会が
 多かったのですが、【連】を通じて様々な世代や分野の人達と出会うことで、今ま
 で以上に伝統文化の中で遊べる楽しみを見つけることができました。

  これからも、色んな人と出会えるのが楽しみです。

 ○O+編集後記+O○******************************************************

  今年は異常気象で暖冬になっているようですね。お出かけするのにはいいのです
 が、、、やっぱり冬は冬らしく雪が降ってほしいな〜と思ったりしますヽ(’∀’)

  さて、〔嵯峨野文化通信〕は、次号で1周年を迎えますo(^^*o)(o*^^)o これ
 から、どんな風になっていくのか私もワクワクしています。皆さんも楽しみにして
 てくださいね。

   [次の発行は、2月15日(木)の予定です。次回も、お楽しみに!]
                                   (治)
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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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