【弘道館サポート隊レポート】『江戸時代の教養を考える』(ちゃかぽん)講座

 

江戸時代の学問所の門下生になったつもりで参加しました。

すぐに実践に役立つ技術的な学びも大切だけれども、

流れの速い現代社会に身を置く中で何か芯になるものを得ることの大切さを痛感します。
必要なのは史実の知識も含めた教養ではないかと思う昨今です。

まずは茶書を参加者で少しずつ読み進めて、太田先生が解説されます。
一方通行では無く、参加者も自由に発言することにより、
数行ずつの文章が広がっていきます。
どの言葉も留めておきたくて、必死にメモを取ります。

識ることって、本当に楽しい。

茶事に於ける水の大切さ。
千利休の関わった茶人の面々について。
立花実山、村田珠光、津田宗及、一休宗純、武野紹鴎、能阿弥…

千利休の名付けの理由、
各地のお茶室の特徴等々。
時間に限りが無ければ止めどなく湧き出てくる知識の波に飲み込まれてしまいそう。

続けて能楽師 林宗一郎先生に因る謠の講座。

謡曲『嵐山』を習いました。

初めての謠。
お能は演るともっと面白い、と娘の大学教授のお言葉を聞き、以前から興味がありました。


本物の謠を目の前で聞ける贅沢なお稽古です。
背中から声を出す…学生時代の声楽の先生と同じことを林先生がおっしゃいました。

はじめはうまくついていけないけれど、徐々に声が背中に響き出し…

終わった後は、身体全体に心地よい疲れを感じます。

弘道館の暖簾をくぐって通りに出るときに
学んだことを身体に染み込ませて
現実社会に戻る、この背筋の伸びる感覚。
この感覚が心地良くて、私は通い続けているのかも知れません。

                        弘道館サポート隊 椿

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