暁天茶会は、早朝、8時から始まるお茶会です。
今までで一番早い時間に弘道館に行き、
いつもと違う、朝の爽やかさを感じます。
お庭を見ると、やはり、日の差し込み方が違い、
光がとても綺麗で、緑も日中より潤っているように見えます。
そんな中、お茶会では、お菓子や薄茶に加え、朝粥が出されました。
お粥は進行の様子を見ながら、出来上がり時間から逆算して、炊きます。
たくさんの土鍋で一斉にお粥を作っていくのですが、
朝からごはんを炊く香りもごちそうだと思いました。
お粥のお米そして、添えるものは、出雲づくしです。
お米は仁多米という、島根県奥出雲のお米です。
そして、十六島海苔をお粥にトッピングします。
わたしは初めて耳にした、
十六島と書いて、ウップルイと読むこの海苔は、
出雲国風土記に記述があり、
古くから島根半島に突き出している岬周辺だけで
採取されるの磯の香り高い海苔です。
あおさに似た感じのもので、おかゆにとてもよく合いました。
そこに添えられるものの中で、見た目は地味ですが、主役は、短冊型のえごです。
これは、えごのりという海藻を煮詰めて冷やし固めたもので、
前日長い時間をかけて、煮詰めて作られたものです。
見た目の感じより柔らかくて、初めての食感・味で、海藻らしさを感じました。
かぼすこしょうをつけていただきました。
他にも、いろんな種類のお漬物、変わったところでは
オリーブのお漬物もありました。
出雲に囲まれた、異色のオリーブは少し肩身が狭そうでした。
出雲づくしというところで、
上御霊神社、下御霊神社が上出雲寺、下出雲寺と呼ばれていたり、
鴨川に出雲路橋があったり、京都に根付く、
出雲を探してみるのも面白いと思いました。
暁天という言葉はお寺などで耳にしますが、
早起きして、いつもと違う味わいは得した気持ちになりました。
日中に外を歩いていて、朝はよかったなあと思う一日でした。
文章:山本真理子