嵯峨野文化通信 第222号

伝統文化プロデュース 【連】メールマガジン  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)_________

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [嵯峨野文化通信] 第222号
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伝統文化プロデュース【連】は
日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

毎月1日・15日(月2回)

■VOL:222(2015/5/4)

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                ■□■もくじ■□■

■【連】からのお知らせ —–「KYOTO GRAPHIE」を開催しています!
              宗一郎「能あそび」のご案内
              シンポジウム「糺河原勧進猿楽とは何だったのか」
                              開催のご案内
              「葵の茶」への誘い
              弘道館講座のご案内
              「糺勧進能」公演のご案内
■(連載)『ニッポン城郭物語』———————– 第百八幕
■(連載)『北野の芸能と茶屋』———————– 第百二十五回
■[嵯峨野学藝倶楽部]5月開講講座のお知らせ

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        □■【連】からのお知らせ■□

■「KYOTO GRAPHIE」を開催しています!

 京都を舞台に開催される国際写真祭「KYOTO GRAPHIE」を、ただいま開催中
です!
 今年のテーマは「TRIBEーあなたはどこにいるのか?」。
 最終日には、作品と弘道館とのコラボレーションの茶会も開催します!お誘い合
わせのうえお越しください。

日 時:2015年4月18日(土)~5月10日(日)
時 間:10時~17時
テーマ:ルーカス・フォーリア/A Natural Orderー自然に向かう人々
入場料:500円(別途500円で呈茶あり)

【関連企画・茶会】
「Natureー山・里・水の法則ー」
日 時:5月10日(日)
時 間:10時半、13時半、14時半、15時半
場 所:有斐斎弘道館
参加費:3,000円(入場料込み)

詳しくはコチラ(KYOTO GRAPHIE HP)
http://www.kyotographie.jp/2015portal

お問い合わせ、お申込はコチラ
TEL :075ー441ー6662
    tea@kodo-kan.com

■宗一郎「能あそび」のご案内

 室町時代に誕生し、今も生き続けている能の世界をさまざまな角度から「あそぶ
」ワークショップです。
 2015年は、シテ、ワキ、狂言、囃子方、小鼓方の方々をゲストに、それぞれ
の役割と魅力を学びます。また、能舞台について学ぶ、作り物をつくる、能の演出
方法を知るなど、多彩な内容でお送りいたします。

 今月のゲストは、大倉流小鼓方の大倉源次郎先生にお越しいただきます。
 ぜひご参加ください!

日 時:2015年5月8日(金)
時 間:18時30分~20時(90分)
※18時より呈茶あり
講 師:林 宗一郎(能楽師)
ゲスト:大倉 源次郎(大倉流小鼓方)
参加費:3,000円(生菓子、抹茶付き)

詳しくはコチラ
http://kodo-kan.com/event.html

お問い合わせ、お申込はコチラ
TEL :075ー441ー6662
MAIL:kouza@kodo-kan.com

■シンポジウム「糺河原勧進猿楽とは何だったのか」開催のご案内

 5月30日(土)に下鴨神社にて行われる「糺勧進能」に先駆け、能楽研究の第
一人者である松岡心平氏(東京大学大学院教授)の呼びかけのもと、当時の社会的
・文化的情勢、足利将軍と観世座の関係などを踏まえ、糺河原勧進猿楽の意義につ
いて再考します。
 
日 時:5月9日(土)
時 間:14時~17時(予定)
司会者:新木 直人(賀茂御祖神社 宮司)
パネラー:松岡 心平(東京大学大学院教授)
     桜井 英治(東京大学大学院教授)
     小川 剛生(慶応義塾大学准教授)
テーマ:「糺河原勧進猿楽とは何だったのか」
場 所:賀茂御祖神社(下鴨神社)参集殿
   (京都市左京区下鴨泉川町59)
参加費:無料

詳しくはコチラ(糺勧進能HP)
http://kodo-kan.com/tadasu-noh/symposium.html

お問い合わせ、お申し込みはコチラ
TEL:075-781-0010(下鴨神社)
   075-441-6662(有斐斎弘道館)

■「葵の茶」への誘い

 京都の五月といえば、京都三代祭のひとつでもある勅祭・葵祭。
 まさに葵祭行列の日、葵祭について深く知る楽しい一席をご用意しています!
 講道館の新緑を愛でながら、薄茶を一服いかがですか。お誘い合わせのうえ、ぜ
ひご参加ください。

日 時:5月15日(金)
時 間:11時、13時
席 主:太田 宗達
場 所:有斐斎弘道館
参加費:3,000円
詳しくはコチラ
http://kodo-kan.com/tea.html

お問い合わせ、お申込はコチラ
TEL :075ー441ー6662
MAIL:kouza@kodo-kan.com

■弘道館講座のご案内

京文化教養講座1「信仰からみる京都」

日 時:5月16日(土)
時 間:11時~12時30分(90分)
講 師:太田 宗達(立命館大学非常勤講師)
テーマ:「葵と桂」
場 所:有斐斎弘道館
参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

京文化教養講座2「茶の湯の文化を識る」

日 時:5月28日(木)
時 間:13時~14時30分(90分)
講 師:太田 宗達(立命館大学非常勤講師)
テーマ:「細川三斎」
場 所:有斐斎弘道館
参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

英語で伝統文化「茶道編」~BOOK OF TEAをよむ~

日 時:5月28日(木)
時 間:18時30分~20時(90分)
講 師:田中 朝子(通訳翻訳家)
場 所:有斐斎弘道館
参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

詳しくはコチラ
http://kodo-kan.com/seminar.html

お問い合わせ、お申込はコチラ
TEL :075ー441ー6662
MAIL:kouza@*kodo-kan.com

■「糺勧進能」公演のご案内

 寛正五年(1464)に将軍足利義政をはじめ、錚々たる大名や公家、僧侶が来
臨するなか、世阿弥の甥の音阿弥とその子又三郎が能を演じたことで有名な「糺河
原勧進猿楽」。
 このたび、賀茂御祖神社第三四回式年遷宮にあたり、糺勧進能として再興いたし
ます。
 当時の記録にちなみ、今回特別に、舞台から後方へと真っ直ぐに橋掛りを設置い
たします。

日 時:5月30日(土)
時 間:18時~(開場17時)
内 容:能「賀茂 素働」
出 演:観世清和(二十六世観世宗家)
場 所:賀茂御祖神社(下鴨神社)舞殿
   (京都市左京区下鴨泉川町59)
座 席:特別席、矢立前席、S席、A席(各種エリア内自由席)

詳しくはコチラ(糺勧進能HP)
http://kodo-kan.com/tadasu-noh/symposium.html

お問い合わせ、お申し込みはコチラ
TEL:075-781-0010(下鴨神社)
   075-441-6662(有斐斎弘道館)

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              ■『ニッポン城郭物語』■

                 -百八幕-
                               梅原 和久
 5月1日付けの京都新聞において、昨年度の二条城の有料入城者数が160万人
を超えたことが報じられた。その原因として「重要文化財の障壁画を特別公開する
とともに、城内を会議やイベント会場に貸し出すなど誘致策に力を入れ」たことが
挙げられているが、本来の魅力が十分に発揮できているとは思えない。魅力発信の
仕方によっては、清水寺の年間一千万人を超えるというのは極端だとしても、もっ
ともっと人気スポットにすることは十分可能だろう。

 前回指摘したように、城内の案内板の少なさと内容の乏しさは全国の城でも特筆
すべきほどだし、これだけの外国人観光客にも関わらず、外国語表記はほとんどな
い。是非とも整備をお願いしたいものである。

 さて、前回の続きの提案について。二条城を中心とした観光の起爆剤として私が
温めているアイディアが、「寛永行幸400年祭」である。二条城の歴史において、
何が一番重要かと言えば、大政奉還でも、家康の将軍宣下に伴う祝賀でもなく、時
の後水尾天皇が二条城に5日間に渡って滞在されたという、寛永行幸であることに
異論がないはずだ。

 この世紀の一大イベントは、二条城にとって現在の本丸部分を含めた城の縄張り
の大改造、天守や行幸御殿の新築など、現在の姿になったきっかけとして重要であ
るというだけではなく、徳川と天皇家との親密さと政権基盤の磐石さをも世に示し
たという意味で、大変大きな意味があった。

 また、このイベントはその壮麗さから、多くの絵巻や史料が残されており、どん
な行列だったのか、その時の衣装はどうだったのか、どんなイベントが行われ、ど
んな料理が出されたのかなど、当時の様子をほぼ再現することができる、という意
味でも歴史上数少ない出来事の一つである。

 もし現代の世に、各大名が贅を競った行列を史実通りに再現すれば、過去の祭り
で再現されたどんな行列よりも華麗なものになるだろう。しかも、そこには伊達政
宗や佐竹義宣といった有名な戦国大名の生き残りも参加していたのだから、一般的
な関心も集めそうだ。何より、再現に伴って、消えかけている職人技の技術継承が
図れるだけでなく、和装業界全体の振興にもつながるだろう。
 二条城観光だけでなく、近い将来の京都観光の起爆剤として、これほど面白い題
材はそうない、と思っている。

 行幸が行われたのは寛永3年(1626)。400年祭を行うなら、今から11
年後である。このアイディア、本腰入れて取り組んでみませんか?

(※)二条城に年間160万人超 22年ぶり、バブル後最多
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20150430000155

  「二条城行幸図屏風の世界―天皇と将軍華麗なるパレード」(泉屋博古館)
   http://www.sen-oku.or.jp/publish/detail.html?id=51

            ■『北野の芸能と茶屋』■

             -第百二十五回-
                               井上 年和

 明治十四年(1881) 上七軒女紅場規則(その8)

 「第九条
 一、春秋両度二生徒ノ勤惰ヲ取調、精勤ノ者ニハ褒美ヲ与フルコト差アリ。
 第拾条
 一、不精勤ノ者ハ、勤偕簿ニ惰印ヲ捺シ、其印数フ。半年ニ六拾ニ満ル者アラハ、
   教場ニ於テ、三日間午前八時ヨリ午後四時迄習業セシムコトアルヘシ。
   但、右規則ヲ違背スル者ハ、此上二日間増罰スヘシ。
                             『京都府庁文書』

 1年のうち春と秋の2度、生徒の勤惰を調べて、精勤のものには「ご褒美」を与
え、不精勤のものは出席数を数えられ、60未満のものは3日間、午前8時から午
後4時まで補講を課せられるという。
 そして、それも守らなかったら2日間も罰を増すのだという。
 授業の出席数に関しては案外厳しいと思われるが、半年で60回の出席数でよい
と言うことは、毎日ではないようで、根を詰めて通わなければならないというわけ
ではなさそうである。
 勿論、茶屋の仕事もこなしながらであるので、大変だったであろうことは推測さ
れるが、登校頻度も知りたいところである。

 出席数が成績に反映されるというのは、今も昔も変わらないようで、単位のため
にせっせと学校に通う当時の女紅場の生徒に共感を感じざるを得ないのである。

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        □■[嵯峨野学藝倶楽部] 5月開講講座のお知らせ■□

詳しくは、 http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。

■「茶道教室(水曜日 コース)」
日程:5月6、20、27日(水)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:9時~15時(ご都合の良い時間にお越しください)
   6日のみ9時~19時
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。

■「茶道教室(土曜日 コース)」
日時:5月16日(土)、24日(日)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:9時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。

■「うたことば研究会」

ただいま休講中です。
再開日が決定次第お知らせいたします。

お問合せ・お申込みはコチラまで→sagano@ren-produce.com

■「今様・白拍子教室」
日程:5月23日(土)
※その他の日程 は個人稽古につき、お問い合わせください。
場所:嵯峨野三壷庵
時間:13時~14時30分
講師:石原 さつき
※見学/体験も、随時受付けています。
性別・年齢・経験は問いません。
今様のお問い合わせ、お申し込み、見学はコチラまで→info@imayou.jp
URL:http://www.ren-produce.com/sagano/club/

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              ■□■ひとこと■□■

 このたびは、発行が大幅に遅れてしまい、申し訳ございません。

 新緑の綺麗な季節ですね。
 5月31日まで、北野天満宮さんにて御土居の青もみじを公開されています。
 透き通ったような青がとても清々しいです。

   [次回は、5月15日(金)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。