伝統文化プロデュース【連】メールマガジン  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)__________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [嵯峨野文化通信] 第190号
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伝統文化プロデュース【連】は
日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です
嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します
毎月1日・15日(月2回)
■VOL:190(2014/1/1)
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■□■もくじ■□■
■【連】からのお知らせ —–新年のご挨拶
新年 弘道館講座のご案内
「宗一郎 能あそび」のお知らせ
実践講座「江戸時代の〈教養〉を考える」のご案内
「BOOK OF TEA」をよんでみませんか。
■(連載)『ニッポン城郭物語』————————– 第九十一幕
■(連載)『北野の芸能と茶屋』————————– 第九十四回
■[嵯峨野学藝倶楽部]1月開講講座のお知らせ
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□■【連】からのお知らせ■□
■新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
去年もまた、有斐斎弘道館にたくさんの人々が訪れてくださいました。
5年前にマンション建設からまぬがれた建物にあらたな形で息が吹き込まれていき
ます。日々うつろう庭と、その影をうつす座敷にたたずめばいにしえここに集った
で人々の声さえ聞こえてくるようです。
ひとつの象徴的な出来事がありました。
一昨年の暮れ、ちょうど一年と少し前、イタリア人のバイオリン製作者とその友
人たちが来られました。お茶が初めてというマエストロに対し、お茶の歴史につい
ても、道具についても、うまく説明はできませんでしたが、和やかな時間を共に過
ごすことができ、再会を約して別れました。
あれから一年、師走に入ったころ、マエストロから一本の「茶杓」が届きました。
「バイオリンの材で茶杓ができたら素敵ですね」という話をしていたことを、心に
とめてくださっていたのです。バイオリンを作る、まさにその材で、マエストロ自
ら、心をこめて削ってくださいました。バイオリンの優雅な形を写した、世界に一
つしかない茶杓。彼はこの茶杓に「ARMONIA」と銘をつけてくれました。人と人
が集い、つながりあい、音色を奏でる。そのハーモニー。
この茶杓を、私たちは12月22日に行われたクリスマス茶会で使わせていただ
きました。クリスマス茶会には、いつもにも増して、お茶が初めてという方がたく
さん来てくださいました。海外から来てくださった方もおられました。1席に50
名以上もの方々が集う、大寄せの席でしたが、茶席の趣向のなかで、この茶杓をめ
ぐるストーリーに感じてくださったようでした。
まさに、一期一会。
弘道館に来ていただいた方が、笑顔で帰っていかれるのを見ているとこの建物が
残されて本当によかったなと思います。
建物のもつ力、場のもつ力。
そして、茶道や能楽といった、伝統芸能のもつ力を実感する毎日です。
室町時代より続く連歌に代表される芸能においてもっとも大切にされたのは「一
座建立」でした。その場にいる人と人とが心を通わせること。茶や能が築きあげた、
日本人が誇る「伝統の知恵」をふたたび見直すべき時ではないでしょうか。
近年「つながり」「もてなし」といった言葉が聞かれます。人々が、災害や地球
環境問題、さまざまな国内外の問題を抱える状況にあってなにか、「ほんとうに大
事なもの」を求めているのだと思います。一方で、古い建物は壊され続け、伝統産
業の灯は消えつつあります。私たちに、いま、何ができるでしょうか。
昨年秋、有斐斎弘道館は、公益財団法人となりました。この「場」が永く後世に
引き継がれるよう、務めて参りたいと思います。ますますのご指導ご協力のほど、
何とぞよろしくお願いいたします。
新年は、17日(金)「能あそび」、18日(土)「信仰から見る京都」、19
日(日)「初釜」と続きます。。江戸時代の学問所址にふさわしい、楽しい学びの
場、知的な遊びの場として、ご一緒に知を深め、発信していくことができればと考
えております。ぜひお誘い合わせの上、お越しください。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
有斐斎弘道館 館長 濱崎加奈子
■新年 弘道館講座のご案内
「京文化教養講座1 〜信仰からみる京都〜」
日 時:1月18日(土)比叡山と日吉山王「比叡は京都か」
2月 8日(土)稲荷山と東寺「稲荷神域の謎」
3月15日(土)野澤十二流「御室と醍醐
4月12日(土)法然と黒谷「西方浄土」
5月17日(土)真宗の潮流「仏の国の如し」
6月14日(土)洛中法華二十一本山「移転の謎」
時 間:11時〜12時半
講 師:太田達(立命館大学非常勤講師)
参加費:各回2,000円(全6回12,000円※一括支払いの場合、欠席時に資料
を取り置きます)
(茶菓子つき)
「茶事はじめ」
日 程:2月15日(土)「懐石の作法について」
3月15日(土)「席入と濃茶薄茶」
4月4日(金)、5日(土)、6日(日) 「正午の茶事」11時席入
時 間:13半〜15時
講 師:高田宗真
参加費:35,000円(正午の茶事代金を含む)
「茶会はじめ」
日 程:1月23日(木)「茶室についてまなぶ/茶室の入り方、床の間の拝見」
2月27日(木)「茶会の構造をまなぶ/薄茶のいただき方」
3月27日(木)「茶席の菓子についてまなぶ/濃茶のいただき方」
4月10日(木)「茶道具についてまなぶ/拝見の仕方」
5月22日(木)「正客になった場合は/客の実践(復習)」
時 間:10時〜11時半
講 師:高田宗真
参加費:15,000円(全5回/各回茶菓子つき)
「京文化教養講座2 〜茶の湯の文化を識る〜」
日 時:1月23日(木)「茶会記の料理」
2月27日(木)「京都の建築について(仮)」講師:桐浴邦夫
3月27日(木) 未定
4月10日(木) 未定
5月22日(木) 未定
6月26日(木) 未定
時 間:13時〜14時半
講 師:太田宗達(立命館大学非常勤講師)、桐浴邦夫(京都建築専門学校)ほか
参加費:各回2,000円(全6回12,000円※一括支払いの場合、欠席時に資料
を取り置きます)
(茶菓子つき)
「京菓子専門講座6」
京菓子の文化的背景から専門的な技術まで幅広く学べる場所として人気の講座です。
テーマ〈商品としての菓子を考える〉
日 時:1月23日(木)「講義と実習:花びらもちを作る」
2月27日(木)「講義と演習:商品とは何か1 ー花見の菓子を考える」
3月27日(木)「実習:商品とは何か2 ー花見の菓子を作る」
4月10日(木)「実習:粽を作る」
5月22日(木)「講義と演習:菓子の包装を考える」
6月26日(木)「演習:包装を作る」
時 間:15時〜16時半
※実習日は30分程度延長する場合があります。
講 師:太田達、杉山早陽子、前田亜紀、岩澤麻美、有職菓子御調進所 老松
※プログラムの内容は変更される場合があります。ご了承ください。
※実習日はエプロンをお持ちください。
「弘道館講座」について詳しくはコチラ
http://kodo-kan.com/seminar.html
お問い合わせ、お申込はコチラ
TEL :075ー441ー6662
MAIL:kouza@kodo-kan.com
■「宗一郎 能あそび」のお知らせ
室町時代に誕生し、今も生き続けている能の世界をさまざまな角度から「あそび
」ます。
能についてたくさんの方にもっと身近に感じていただきたい!という想いから
始まりました。能はわからないけど興味があるという方にも、とてもわかりやすく
能について学べる機会です。夕暮れ時の有斐斎弘道館の庭にひびく謡(うたい)と
舞。
ぜひご参加ください!
日 時:1月17日(金)脇能物〜新春をことほぐ能〜
3月14日(金)狂女物〜狂ふもわかれゆへ〜
5月23日(金)鬘物(かづらもの)1〜月にあくがれ、心乱るる〜
6月20日(金)鬘物(かづらもの)2〜女といふもの〜
9月12日(金)修羅場〜男といふもの・戦と恋〜
11月 7日(金)切能物〜慈愛と鬼畜〜
時 間:18時30分〜19時30分
*18時より呈茶あり
講 師:林 宗一郎(能楽師)
参加費:3,000円(生菓子、抹茶付)
詳しくはコチラ
http://kodo-kan.com/seminar.html
お問い合わせ、お申込はコチラ
TEL :075ー441ー6662
MAIL:kouza@kodo-kan.com
■実践講座「江戸時代の〈教養〉を考える」のご案内
皆さんで一緒に謡を楽しみませんか?
第一部では井伊直弼の「茶の湯ー全集ー」を読み下し、第二部は「謡」を行いま
す。謡では能楽師の林宗一郎氏をむかえ、実際に皆で声の出し方から学びます。
歌は苦手という方や経験は全くないという方も大歓迎です。
「謡がひとつでもうたえるようになりたいなぁ」から始まった勉強会、ぜひご参
加お待ちしております。
日 時:1月19日(日)
2月16日(日)
3月 9日(日)
4月27日(日)
時 間:16時30分~19時
場 所:有斐斎弘道館
内 容:第一部 勉強会「井伊直弼『茶の湯ー全集ー』をよむ
(リーダー 濱崎加奈子、太田達)
第二部 実践「お謡をうたってみよう」
(講師 林宗一郎〈能楽師〉)
参加費:3,000円(第一部のみ、第二部のみの場合は一部2,000円)
※学割あり(2,000円/第一部のみ、第二部のみの場合は1,000円)
詳しくはコチラ
http://kodo-kan.com/seminar.html
お問い合わせ、お申込はコチラ
TEL :075ー441ー6662
MAIL:kouza@kodo-kan.com
■「BOOK OF TEA」をよんでみませんか。
昨年より始まりました、英語で日本の伝統文化を発信する講座です。
いままでは、お手前などの実践を英語で行って参りましたが、今回は岡倉天心の
「BOOK OF TEA」をよみます。
世界中でよまれている「BOOK OF TEA」、日本では知らない方も多いそうです
が、翻訳本も多数出版され、さまざまな見解がなされています。
こちらを皆で考えながら読み解いてみませんか。英語が苦手な方、茶道の経験の
ない方もぜひお越しください。
ご参加をお待ちしております!
「英語で伝統文化 茶道編」
日 時:1月23日(木)
時 間:18時30分~20時(90分)
場 所:有斐斎 弘道館
講 師:田中 知子(翻訳通訳者、三壷庵茶道教室)
参加費:3,000円(生菓子、抹茶付)
詳しくはコチラ
http://kodo-kan.com/seminar.html
お問い合わせ、お申込はコチラ
TEL :075ー441ー6662
MAIL:kouza@kodo-kan.com
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■『ニッポン城郭物語』■
-第九十一幕-
梅原 和久
新年あけましておめでとうございます。創刊以来の連載も何と8年目突入です。
昨年は一年間を通じて一つのテーマ、近代の二条城のことを書いてきました。また、
タイミングよく大河ドラマ「八重の桜」でも何度かこの当時の二条城が登場しまし
た。ただ、当時の京都府庁が現在の二条城であることが放送では一言も触れられな
かったので、そのことに気づかれなかった方も多かったのかもしれません。
相当マニアックな世界に入ってきている連載ですが、まだ調べておきたいことが
残っていますので、今年ももう少しお付き合いください。
さて、テーマを絞って書いていると、どうしてもニュースが漏れてしまうので、
最近特に気になることを一つ書いておこう。
「天空の城」「日本のマチュピチュ」ともてはやされる但馬竹田城。建物は何も
なく、石垣しか残っていないこの城の観光客が、ここ5年で17倍以上と爆発的に
増えているらしい。城マニアくらいしか知らなかったこの城がこんなにメジャーに
なる日が来るとは、この連載を始めた頃には想像さえできなかった。
しかし、観光客増加のせいか、「下草が踏まれて無くなり、露出した土は雨など
で流出している。何らかの対策を講じないと石垣が崩壊する恐れもある」と専門家
が指摘するような事態となっているようだ。城を管理する朝来市は、昨年の10月
から観覧料を徴収するようにしたり、早朝の雲海見物の客の入城制限をしたりと手
を打っているようだが、根本的な解決にはなっていない。城の人気が上がることは
嬉しいが、ここまで来ると複雑な気分になる。
(※)竹田城の現状
http://www.asahi.com/national/update/0625/OSK201306250140.html
年末にも怪我人が出たようだ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131230-00000009-kobenext-l28
■ 『北野の芸能と茶屋』■
ー九十四回ー
井上 年和
嘉永四年(1851)12月
「嘉永四辛亥十二月祇園町同新地二条新地七条新地北野上七軒江遊女商売廿軒宛
人数等前々之振ヲ以如以前十ヶ年限差許相成芸者取扱之儀共相済諸事寛政度之通傾
城町差配ヲ受口銭差出渡世致シ候筈申渡相成候事(記録アリ傾城町条中ニ委)」
『京都府下遊廓由緒』
祇園新地、二条新地、七条新地、上七軒の遊女商売は20軒までで、1軒あたり
の人数は以前と同じだけ認めるいうお触れが出た。
この場合の「以前」とは寛政2年(1790)の15人までということで、おそら
く軒数も人数も守られていなかったため、60年前のお触れを再発行したのだ。や
はり江戸時代は時間間隔が現代とは全く異なっているようだ。
寛政2年のお触れでは5年の年限付きであったが、嘉永4年では10年となって
いる。60年前に5年の年限で茶屋営業を許可したのだが既に60年続いているの
で、この時の規制も幕府の権威が徐々に衰えを見せていて、既に形骸化していたと
思われる。
江戸時代に度々の規制を受け、規模の縮小や経営内容の見直しが計られたかもし
れないが、消滅することなく今日に引き継がれているのである。
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□■[嵯峨野学藝倶楽部] 1月開講講座のお知らせ■□
詳しくは、 http://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。
■「茶道教室(水曜日コース)」
日程:1月8日、22日(水)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「茶道教室(土曜日コース)」
日時:1月11日、18日、25日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
※11日、25日は9時〜12時と15時〜です
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「今様・白拍子教室」
日程:1月11、25日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:13時~14時
講師:石原 さつき
※見学/体験も、随時受付けています。
性別・年齢・経験は問いません。
■「うたことば研究会」
ただいま休講中です。
再開日が決定次第お知らせいたします。
●URL
http://www.ren-produce.com/sagano/club/
お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com
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■□■ひとこと■□■
明けましておめでとうございます!
心機一転新しい気持ちで一年を過ごしていきたいと思います。
[次回は、1月15日(日)に配信予定です!次回もお楽しみに。]
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