伝統文化プロデュース【連】メールマガジン
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [嵯峨野文化通信] 第135号
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伝統文化プロデュース【連】は
日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です
嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します
毎月1日・15日(月2回)
■VOL:135(2011/9/15)
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■□■もくじ■□■
■【連】からのお知らせ —————-老松 菓子展のお知らせ
近世京都学公開講座のお知らせ
ビューティー茶会のお知らせ
三壷庵茶道教室【絆茶会】のお知らせ
今様合をご覧になりませんか
■(連載)『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』———- 第三十六回
■(連載)『北野の芸能と茶屋』—————————— 第三十八回
■(連載)『やまとのくには言の葉のくに』——————– 第九十五首
■[嵯峨野学藝倶楽部]9月開講講座のお知らせ
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□■【連】からのお知らせ■□
■老松 菓子展のお知らせ
13日より、弘道館にて老松の菓子展「京菓子から歴史を考える」が行われておりま
す!
弘道館は、江戸時代の儒学者である皆川淇園の学問所址です。淇園と同時代の人
物である伊藤若冲をテーマに、老松のスタッフ達がさまざまなお菓子を展示されます!
期間中は、毎日趣向の異なったお茶会も催されており、お茶会を経験したことのな
い方も楽しんでいただけます!
色とりどりのお菓子を、どうぞご覧ください!
<お茶会の日程>
9月16日(金)中国茶を楽しむ
17日(土)こども茶会
18日(日)珈琲茶会
19日(月・祝)長月の茶―重陽―
詳細はコチラ
http://kodo-kan.com/event.html
場所:有斐斎弘道館(上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524‐1)
http://kodo-kan.com/access.html
■近世京都学公開講座のお知らせ
前号よりお知らせしております、近世京都学会の講座が開催されます!
皆川淇園が設立した弘道館址で、淇園の時代を考える試みです。
専門の先生方にお話をうかがえる貴重な機会ですので、ぜひお気軽にご参加く
ださい!
第1回近世京都学公開講座
日程 : 9月25日(日)
時間 :14時~16時
場所 :有斐斎弘道館
プログラム:講義1 竹中泉美氏(朱雀高校)
「女流漢詩人江馬細香の誕生 頼山陽の批点から」
講義2 勝盛典子氏(神戸市立博物館)
「笹屋と青貝屋 輸出漆器をめぐって」
参加費:1,000円(要申込、近世京都学会会員は無料)
主催 :有斐斎弘道館
共催 :近世京都学会
※参加ご希望の方は、近世京都学公開講座事務局(koudoukan@s-off.com)
までメールいただくか、075-315-9070までFAXをお願いいたし
ます。(どちらも、有限会社セクレタリー・オフィス・サービス宛)
近世京都学会公開講座についてのHPはコチラ
http://kinsei-kyoto.com/event.html
■ビューティー茶会のお知らせ
弘道館にて、ユニークなお茶会が催されることになりました!
題して、「ビューティー茶会」です。
「美白」をテーマに、夏の肌の疲れ、心の疲れを取り除く、エステとお茶のコラボ企
画です!
自宅で行うことができるマッサージ法もレクチャーしていただけます。
一味変わったお茶会で、リフレッシュしませんか?
日程:10月2日(日)
場所:有斐斎弘道館
費用:7千円
主催:武藤審美研究所
※詳細はお問合わせください
お問合せ・お申込みはコチラ
info@kodo-kan.com
■三壷庵茶道教室【絆茶会】のお知らせ
10月9日に、弘道館において「絆(きずな)茶会」が開催されます。三壷庵茶道教
室のメンバーによって催されるこのお茶会は、お茶を通じて人と人との結びつきを深め
る機会をつくるという趣旨のもと、行われます。
当日は、お茶席のほか、絆というテーマにちなんだ趣向等も用意され、お客様とメン
バーが一緒に楽しめる茶会になるそうです!
お茶とお菓子を楽しみながら、秋の休日のひとときを過ごしませんか?
初めての皆様もお誘いあわせの上、是非ご参加申し込みください。
日程:10月9日(日)
時間:10時、11時、12時、13時、14時、15時(全席予約制、先着順)
場所:有斐斎弘道館
参加費:1,500円
※お気軽な服装でどうぞ。席入の20分前までにお越しください。
※事前申込が必要です。申込時に時間の第1希望と第2希望をご記載ください。10
月1日(土)までにお申込みください。
お問合せ・お申込みはコチラ
sagano@ren-produce.com
■今様合をご覧になりませんか
嵯峨野学藝倶楽部の、今様・白拍子教室が所属する日本今様謌舞楽会が、10月
9日に法住寺にて今様合を奉納します!
今様合は、歌人が右方、左方に分かれて、出された詠題をもとに即興で七五四節
の今様を詠み、優劣を競う遊びです。勝った歌には、白拍子が舞をつけます。
法住寺は、今様狂いと言われるほど今様を好んだ後白河法皇が眠っている地です。
秋の空の下、優雅な今様の遊びに、時を忘れてみませんか?
日程:10月9日(日)
時間:15時より
場所:法住寺(京都府京都市東山区法住寺三十三間堂廻り町655)
費用:無料(ただし、境内に入るためには拝観料が必要です)
日本今様謌舞楽会のHPはコチラ
http://imayou.jp/
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■『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』■
第三十六回
荻田 みどり
前回は、少女巻の朱雀院行幸で交わされた和歌について見た。兄弟四人それぞ
れの本音と建前をないまぜにしながら和歌が詠まれ、賑やかな宴に影を落として
いく。
和歌はこの4首だけで物語には他に描かれない。直後に語り手からの言葉がある
だけだ。
これは御私ざまに、うちうちのことなれば、あまたにも流れずやなりにけむ、
また書き落としてけるにやあらむ。
この宴は兄弟の私的なものだから、多く盃を回さずに済んでしまったのだろうか、
あるいは書き落としたのだろうか。
語り手は事実を濁し、明確には記さない。そのことが、宴の賑々しさと和歌に
よって落とされた影を混沌へと引きずってゆく。
語り手が提示した可能性についても、いまいち的を射ない。いくら兄弟4人が揃っ
たとはいえ、行幸であり、天皇の公式行事である。「うちうちのこと」で済ませら
れるわけもない。ましてや、和歌が詠まれる際、「大臣」「院の上」「兵部卿」「
今の上」というように、職名で記されている。公的な場である証であろう。
そして、フィクションの物語において、語り手が存在感を顕わにし、「書き落と
してける」という自身の過失を疑問形で記すというところが特殊である。別の書き
手を想定しているのだろうか。
たくさんの人物に見られているはずの朱雀院行幸の輪郭がぼやけていく。酒宴は
管絃の遊びに変わり、内大臣(昔の頭中将)が加わる。兄弟4人に別の者が加わり、
宴はそれぞれの思惑はさらに混沌の中に沈んでしまう。
朱雀院行幸が終わった後、夕霧の昇進や六条院の造営、式部卿宮の五十賀など、
めでたいことが続く。源氏の栄華は確固たるものになってゆく。けれども、この宴
で見え隠れした影は、その後も物語の水底に潜んでいて、時に水面に上がってくる
のを待ち構えている。
■『北野の芸能と茶屋』■
第三十八回
井上 年和
天正十七年(1589)4月29日
「一、廿九日ニ青柏参候、雑事銭壱斗御下行(能運へ引付)、へいくし(幣串)
杉原廿四枚、八嶋と惣と存分始る、
廿七日ニ法印御申付、茶屋共居茶屋ニ仕候間、竹門様へ御届も不申候而仕候、
こをさせ可申候ハん由申候処ニ、そは在之人なり共も吉御入候ハん間と被申
候処ニ、法印様芝原にて置候ハんより地子ニ仕候へ之由ニ極候、(後略)」
『北野天満宮史料 目代日記』
前田玄以が、茶屋共を居茶屋とするように命じた。居茶屋とは常設の茶屋のこと
で、芝原に建つ掛茶屋を常設の茶屋にしなさいという意味だろう。
この解釈については、様々な捉え方ができると考えている。つまり、近世の上七
軒の始原となる居茶屋が設置されたという解釈や、掛茶屋も仮設的な建物とはい
え、常設的な建物として扱い、地子を取り立てようとしたという解釈である。
これまでの研究ではほとんど全てが前者の解釈である。中世において門前の広
場で営業していた水茶屋・掛茶屋が、やがて常設的な居茶屋となって、奥座敷を
持って歓待するようになり、今の花街の原型が産まれたというのである。
実際に、祇園社の南門前に建つ中村楼は、柏屋という掛茶屋が今日に見るよう
な立派な建物へ発展している。
また、祇園社門前南林に建つ水茶屋も、安永九年(1780)に居茶屋へと建
て替えられている。ここは、祇園社周辺の芸能広場が祇園南林から四条河原へ移っ
たため、水茶屋だけが佇む広場を宅地開発したのであろう。
北野社近辺に於いては、東門前の五軒茶屋が、天正から元和頃に居茶屋となっ
ている。
中之森では水茶屋から居茶屋への建て替えは見られないが、下之森の水茶屋
が常設的な建物となり、町屋が充実していくのは19世紀初頭である。
この時期においては、中之森や下之森に建つ掛茶屋は、近隣の茶屋や他の商
売人による出店であって、掛茶屋が居茶屋に転化していったのではなく、居茶屋
が掛茶屋を出店していたのだ。
いずれにせよ、太閤検地により五軒茶屋が測量された日の発言であって、芝原
に仮設の出茶屋を建てておくよりは、常設の建物として地子を取り立てようとす
る前田玄以の意図が見られる。
この後も中之森、下之森の掛茶屋は地子銭の支払いに関して、奉行や目代との
闘争を繰り広げていくのである。
■『やまとのくには言の葉のくに』■
第九十五首
田口 稔恵
熊野へ参らむと思へども 徒歩より参れば道遠し すぐれて山きびし 馬にて
参れば苦行ならず 空より参らむ 羽たべ若王子
(『梁塵秘抄』四句神歌)
(熊野に参詣しようと思うけれど、徒歩での参詣は道のりが遠く、とりわけ山は
峻嶮だ。馬での参詣は、苦行にならないので御利益がないだろう。空から参詣した
いものだ。羽をお与えください。熊野の御子神よ)
院政期に爆発的に流行した熊野詣は、長い道程と険しい山中をゆく行程から、時
に死者が出るほどであった。もとは修験者が切り拓いた修行の道であったため、熊
野詣に際しては、聖護院に所属する「熊野先達」と呼ばれる修験者が先導する習わ
しとなっていた。
苦行にならないから馬での参詣は不可だが、参詣への想いは強く、思わず「羽た
べ」と若王子に祈る。羽は自力で羽ばたかせるものだから可なのだろうか。若王子」
は、熊野の主神の御子神。熊野に祀られた十二所権現(十二の神)の中の一つで
ある。
植木朝子氏は、十二所権現の中に、「飛行夜叉」がいることが、空を飛ぶという発
想につながった可能性を指摘している。
このたびの台風12号の災害で、熊野の山に分け入ることの厳しさが再認識され
た。これほどまでに科学技術の発達した現代にあってさえ、土砂の崩落などによる
道路の寸断で集落は孤立化し、主な救援は、ほぼヘリや輸送機によって行われた。
救助を待つ人、救助に向かう人、その双方に去来した想いは、まさに「羽たべ」であ
ったろう。
時代が移ろっても、基本的に人は自然の前に無力であり、その事実をいつも心の
片隅に置きながら、精一杯の今日を生きることが必要だと、古典を読むたびに深く
感じさせられる。
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□■[嵯峨野学藝倶楽部] 9月開講講座のお知らせ■□
詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。
■「今様・白拍子教室」
日程:9月17日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:11時~13時
講師:石原 さつき
※見学/体験も、随時受付けています。
性別・年齢・経験は問いません。
■「うたことば研究会」
日程:9月17日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:14時~15時(60分)
監修:田口 稔恵
※資料代等が必要です。詳細はお問合せください。
■「茶道教室(水曜日コース)」
日程:9月21日(水)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「茶道教室(土曜日コース)」
日時:9月24日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
●URL
http://www.ren-produce.com/sagano/club/
お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com
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■□■ひとこと■□■
老松さんの菓子展がはじまりました。
それぞれの作品からは、作り手の視点が伝わってきます。どこに興味を持ち、
なにを和菓子で表すのか。その人にとっての若冲とは・・・・。
和菓子に込めた思い、職人意識を感じました。
(まつだ)
[次回は、10月1日(土)に配信予定です!次回もお楽しみに。]
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