伝統文化プロデュース【連】メールマガジン
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [嵯峨野文化通信] 第109号
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伝統文化プロデュース【連】は
日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です
嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します
毎月1日・15日(月2回)
■VOL:109(2010/8/15)
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■□■もくじ■□■
■【連】からのお知らせ ———————— 弘道館 暁天茶会
花街文化シンポジウム開催!
上七軒の花街文化を学びませんか
「老松」さんの特集です
■『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』—– 第十回
■『ちょっとここらで 一休み』—————– 第八回
■『北野の芸能と茶屋』————————- 第十三回
■『やまとのくには言の葉のくに』————— 第七十三首
■[嵯峨野学藝倶楽部]8月・9月開講講座のお知らせ
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□■【連】からのお知らせ■□
□弘道館 暁天茶会
弘道館では、このたび暁天茶会を行います!
朝早くからの開始となりますが、その代わり、清々しい朝焼けを体験できます。
薄茶一服と朝がゆをいただきに行きませんか?
残席わずかですので、ぜひお早めにお申込みください!
日程:8月22日(日)
時間:6時30分開始
場所:弘道館(京都市上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524-1)
費用:3,000円 ※要申込・先着順
お申込み・お問合せはコチラ
メール:info@kodo-kan.com
弘道館HPはコチラ
http://kodo-kan.com/event.html
□花街文化シンポジウム開催!
花街文化の継承を考えるシンポジウムも、今回で第5回目となりました。
今回は、弘道館での開催となります。花街を総合的にまとめた書『京の花街 ひと・わ
ざ・まち』の編著者である平竹耕三さんや、このメルマガ「嵯峨野文化通信」で連載を
してくださっている井上年和さんも出演されます。
これまでとは違い、比較的少人数でじっくりと語り合うことを目的としています。
また、新潟の花街古町のまちづくりにかかわっていらっしゃる岡崎篤行先生にもお越
しいただきます。京都の花街との違いなど、新たな発見があることでしょう。
日程:8月29日(日)
時間:18時開会(17時30分開場)、20時閉会予定
場所:弘道館
費用:500円 ※要申込・先着順
お申込み・お問合せはコチラ
メール:info@kodo-kan.com
花街文化研究会HPはコチラ
http://www.ren-produce.com/kagai/HOME.html
□上七軒の花街文化を学びませんか
明治30年代の建築とされ、約60年ぶりに大改修が行われた上七軒歌舞練場をご覧
いただき、上七軒の花街文化について学んでいただく講演会が行われます。講演には【
連】の花街文化研究会で活動を行っている、太田達が出演します。
舞妓さんの舞も予定されておりますので、ご興味のある方はぜひお申込みください!
上京区民ふれあい文化大学
「上七軒の花街文化と舞妓さんの魅力」
日程:9月18日(土)
時間:14時~16時
場所:上七軒歌舞練場(京都府京都市上京区今出川通七本松西入真盛町)
内容:講演 太田達
舞妓さんの舞(二題行われます)
定員:200名(先着順)
主催:上京区ふれあい事業実行委員会・上京区役所
※郵便番号、住所、氏名、電話番号、参加希望人数を記入し、葉書またはファックスに
て8月31日(火)までにお申込みください。
申込み先:葉書 〒602-8511(住所不要)
上京区役所まちづくり推進課 文化大学担当 行
ファックス 075-441-2895
お問合せはコチラ
上京区役所まちづくり推進課
電話:075-441-5040
京都市情報館HPはコチラ
http://www.city.kyoto.lg.jp/kamigyo/page/0000086458.html
□「老松」さんの特集です
【連】のイベントに協力いただいており、弘道館での行事でもおなじみの有職菓子御調
進所「老松」さんの特集が、スカパー!で放送されています。
まだまだ何度も放送されますので、ぜひご覧ください!
ちなみに、近日の放送日は、8月16日(月)21時40分からです。
「ビクトリーチャンネル」
番組名:『匠』(たくみ)
ビクトリーチャンネル『匠』HPはコチラ
http://www.victory-ch.tv/program/?pid=6
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■『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』■
第十回
荻田 みどり
立秋を過ぎても、まだまだ暑さは変わらない。五山の送り火を過ぎると、風の音に秋
を感じることができるだろうか。
さて、前回は常夏巻冒頭の釣殿での納涼の場面を見た。けだるい暑さに横になってい
る源氏とは対照的に、夕霧や内大臣の子息などは、もてなされた魚や酒、氷水、水飯な
どを「さうどきつつ食ふ(はしゃぎながら食べる)」。若々しいエネルギーに満ち満ち
ているようだ。
だが、この食事場面は、源氏と若人とを単に対比するだけではない。
そもそも、内大臣の子息たちが六条院を訪れたのは、あわよくば、源氏の娘と思われ
ている玉鬘へ接近するためであった。常夏巻の前の蛍巻巻末では、内大臣が見た夢に対
する夢占いによって、「長年気づかなかった御子を、誰かが養女にしていると聞き出す
ことがあるかもしれない」と、源氏が玉鬘(実は内大臣の娘)を養育している旨を暗示
している。
その流れの中での納涼の場面なのである。退屈する源氏は、君達から近江の君の話を
引き出す。近江の君は、内大臣が最近引き取った外腹の子である。貴族としての教育を
受けず育ち、教養のなさに世間の物笑いとなるような娘であった。近江の君の存在は、
近い時期に源氏に引き取られ、多くの求婚者が集まる玉鬘との対偶関係が強調される。
西の対へ渡った源氏に、君達は皆つき従う。辺りが薄暗くなってきた頃に、源氏は君
達がずっと玉鬘に近づきたがっていた心を見透かして、玉鬘に少し外に出て来るよう呼
ぶ。かと言って、玉鬘を君達のいずれかに逢わせることはない。源氏自身が和琴を奏で、
玉鬘と唱和する。期待していた君達にとっては、肩すかしをくらわされた気分である。
津島昭宏氏(※)は、納涼の食事の場面を「人間の欲望が生の形であらわれたものと
解してよいだろう」と述べる。若いエネルギーは食事の場に充満するが、老いた源氏の
手の上で弄ばれ、放出する先を逸している。夏の暑さは、空転する欲望を焦がしつける
ようである。
※津島昭宏「鮎を食う男たち―「常夏」巻頭の飲食場面をめぐって―」(『物語文学
論究』12、2007年3月)
■『ちょっとここらで 一休み』■
第八回
戸谷 太一
前回は最後に一休さんの兄弟子の養叟宗頤(ようそうそうい)を紹介して終わった。
(前回、養叟宗為と表記しましたが、誤りでした。ごめんなさい。それにしても、禅僧
の名前は、漢字が難しくて、なかなか変換できなくて大変です…)今回は、その養叟宗
頤について書きたいと思う。
養叟宗頤は、一休さんの終生のライバルであった。華叟宗曇に入門した年は、養叟宗
頤の方が早く、一休さんの兄弟子にあたる僧だった。
養叟宗頤は藤原家の出身ではじめ建仁寺で出家し、その後華叟宗曇の噂を頼りに、そ
の許を訪ねたようである。この辺の経緯は一休さんが華叟宗曇という師を求めた時とよ
く似ている。良家の出身であり、一度大寺にて出家し、その後評判を頼りに同じ師にた
どり着いている点などである。
この後、一休さんと養叟宗頤の歩んだ道も全く反目するものであったが、その志すと
ころは近いものだったんじゃないかなぁ、と思う。
一休さんは、腐敗した禅林を憎み、それへの対抗として風狂を貫いたのがある。一方
で、養叟宗頤も、同じく幕府と近づきすぎて堕落した禅に失望し、その改革を志したの
ではないだろうか、と感じることがある。
養叟宗頤は、この後、大徳寺の住持となって、あえて幕府との結びつきを強めること
で大徳寺の禅を普及させることに成功した。大徳寺の禅こそが最高の教えで、その教え
を広めることこそが禅社会の腐敗を解消する方法だ、と強く思っていたからこそ、あえ
て幕府と結びつきを強めたのではないだろうか。
一休さんは、養叟宗頤のこういった所を強く嫌っていた。当然と言えば当然の話であ
るが、養叟宗頤の親権力の傾向が強くなるまでは、目立って対立している様子は見られ
ない。案外二人は、それ以前は同じ志を持つ友人であったのかもしれない。
今回の漢詩も両者の対立をモチーフにしたものと考えられる。その中で、宗と周はそ
の愚かさ故に不仲であると書かれているが、宗と周を一休さんと養叟宗頤だとすると、
自分たちは愚かさゆえに仲良くはなれなかったんだなぁ、という自虐を含んだあきらめ
と、どこかで良い関係を築けなかった後悔が垣間見れる様で面白い。
宗 周 圧 直 息 不 通
一 尺 八 寸 蔵 笑 中
無 鼬 貂 誇 養 叟 下
前 面 両 人 冕 額 洪
(一休宗純『自戒集』)
(宗と周とは愚か者であるので不仲であり、談笑の中にも一尺八寸の脇差を忍ばせて
いるような殺気がこもっている。イタチ(鼬)がいなくて、テン(貂)が空威張りをし
ているのが養叟の一派だ。宗と周は冕額(うらみを額にあらわすこと)の応酬をしてい
ることだ。)
■『北野の芸能と茶屋』■
第十三回
井上 年和
延喜十四年(914)4月28日
「一、請減五節妓員事
右臣伏見朝家五節舞妓、大嘗会時五人、即皆預叙位、其後年々新嘗会時四人、無預叙
位之例、由之至于大嘗会之時、権貴之家、競進其女、以充此妓、尋常之年、人皆辞遁、
可闕神事、爰有新制、令諸公卿及女御、輪転進之、其費甚多、不能堪任(後略)」
(『意見十二箇条』)
『意見十二箇条』は、醍醐天皇が諸臣の意見を徴じたのに応じ、当時式部大輔であった
三善清行が奏上した意見封事である。
「五節舞姫は大嘗会では5人叙位されるが、新嘗会では叙位されず、諸家が舞姫献上を
辞退したので、公卿・女御に進めさせる制を立てた。しかし、その費用も莫大となり、耐
え難くなってきた。
嵯峨・仁明天皇の代では、後宮選納のたよりとなったので、諸家は財を尽くして貢進し
たが、今は後宮が無くなり、淫靡の風が正されたので、舞が終われば舞姫は無用となって
いる。五節舞姫には、月給を払い、衣裳も公物とせよ。」と訴えている。
天武天皇以来、在地首長層を服従させるための政治的意義を持った呪術宗教儀礼として
祭祀に組み込んだ「采女制度」は、大同二年(807)には「采女貢上停止令」が出され、
桓武・平城天皇の代には、都市貴族層女性が采女に取って代わり、五節の舞姫貢上へと変
容していく。
そして、この五節の舞姫貢上も醍醐天皇の代には形骸化していくのであった。
■『やまとのくには言の葉のくに』■
第七十三首
田口 稔恵
秋立つは水にかも似る
洗はれて
思ひことごと新しくなる
(石川啄木「一握の砂」)
(秋の到来は、水に似ている。心が洗われて、思いがすべて新しくなるようだ。)
「心をば何にたとへん」という有名なフレーズがあるが、秋の気配の到来もまた、何
に喩えよう。
「風の音にぞをどろかれぬる」とした、古今集時代の人々の鋭敏な感覚には唸る他な
いが、啄木は、その透明感を水に喩えた。
暑い夏をようやく越え、心改まる秋の何とも言えぬ清々しさを、まことに的確に表現
している。
秋は人の心を澄まし、詩人にする。秋の気配を感じとるセンスは、四季に恵まれた日
本の地に生まれた者のDNAに組み込まれているのではないかと疑いたくなるほどだ。
猛暑の今年でさえ、立秋前後の暑さの種類が、ほんのわずか変化したことを、人々は
見抜いている。
啄木の短歌は、三行分かち書きというスタイルをとる。
歌人として有名だが、彼の著した批評文は時代の問題点を正しく見抜いており、舌鋒
鋭く、彼のセンチメンタリズムを先に知った者は驚かされるであろう。
啄木のような、研ぎ澄まされた感受性と洞察力の持ち主にとって、明治という時代は
あまりに激しく、彼を生き急がせたのだろう。
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□■[嵯峨野学藝倶楽部] 8月・9月開講講座のお知らせ■□
詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。
■「茶道教室(土曜日コース)」
日時:8月21日、28日(いずれも、土)
時間:15時~20時(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「今様・白拍子教室」
日程:8月21日、28日(いずれも、土)
時間:13時~14時(60分)
講師:石原 さつき
※見学/体験も、随時受付けています。
性別・年齢・経験は問いません。
■「京文化を語ろう~遷都1300年記念・京都のなかの奈良」
日程:8月21日(土)
時間:11時~12時30分(90分)
講師:太田 達
テーマ:「春日大社と興福寺」
参加費:1回1,000円(茶菓子付)
※1回のみの参加も、随時受付けています。
■「茶道教室(水曜日コース)」
日程:8月25日(水)
時間:13時~18時(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「うたことば研究会」
日程:8月28日(土)
時間:10時~11時(60分)
監修:田口 稔恵
※資料代等が必要です。詳細はお問合せください。
■「京都歴史講座」
日程:9月19日(日)
時間:11時~12時30分(90分)
講師:中村 武生
テーマ:「豊臣期大坂・伏見の惣構堀」
参加費:1回 1,000円 (茶菓子付)
※1回のみの参加も、随時受付けています。
●URL
http://www.ren-produce.com/sagano/club/
お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com
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■□■ひとこと■□■
昨日は私の地元の花火大会でした。お盆の時期は花火大会ラッシュですね。
皆さんは花火、見に行かれたでしょうか?
キラキラと綺麗な花火ですが、パラパラと散っていく瞬間はなんだか切なくなってしま
います。
明日は大文字の送り火ですね。
お盆が終わります。
(きしもと)
[次回は、9月1日(水)に配信予定です!次回もお楽しみに。]
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