8月22日、有斐斎弘道館にて「能あそび」第2回、恒例の「仕舞十番」を開催しました。
「当麻」「景清」「江口」「三井寺」「善界」「玄象」「小督」「柏崎」「恋重荷」「殺生石」。
十の物語、十の人物を、仕舞を通して次々と描き出していく「仕舞十番」。
林喜右衛門さんにとって「仕舞十番」は、ただ十曲を続けて舞い、体力の限界に挑む催しではありません。今回の選曲には、これまで挑戦したことのない曲、近年舞った曲、そして一度取り組んだからこそ、時間を置いてもう一度向き合ってみたい曲が選ばれました。
林さんは、「とりあえず自分の体の中に入れてみて、それが自分にあるのか、合わんのか、どうすれば上手にそれと向き合えるのか。とにもかくにも、駄目もとで挑戦してみたい」と語ります。
一度では分からなかったことも、時間を置いて改めて向き合うことで見えてくる。過去の自分の舞台を振り返りながら、「今ならできるのではないか」と再び挑むことも、「仕舞十番」の大切な意味なのだといいます。
そして今回、障子を外した弘道館の座敷は、庭へ、その先へと空間が続いていく一つの舞台となりました。
「外の空間をもこの舞台に取り込むことができて、ギリギリまで行ったとしても、その先にまだ広がりますね」と林さん。
弘道館ならではの距離と空間のなかで、そして十番を続けて見るからこそ浮かび上がる身体、足運び、声、そして能のことばを、間近に感じていただく時間となりました。
ご来場いただきました皆さま、ありがとうございました。
次回の「能あそび」も、どうぞお楽しみに。




