嵯峨野文化通信第259号

嵯峨野文化通信第259号
伝統文化プロデュース 【連】メールマガジン   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)_________

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第259号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

     嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

              毎月1日・15日(月2回)

                   ■VOL:259(2017/1/1)

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                 ■□■もくじ■□■

  ■【連】からのお知らせ ーーーーーー【連】代表より 新年のご挨拶
                    2017年 講座・茶会等のご案内
  ■(連載)『ニッポン城郭物語』————第百二十八幕
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』————第百五十六回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]2017年1月 開講講座のお知らせ

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              □■【連】からのお知らせ■□

◆【連】代表より 新年のご挨拶
 新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 有斐斎弘道館がマンション建設の危機を逃れて8回目、公益法人として4回目の
正月を迎えることができました。日々の庭の手入れや講座への参加、またご寄付を
いただた方々、その他多くの方々に支えられてここまで参りましたこと、心より感
謝申し上げます。

 昨年は、ともに皆川淇園と親交のあった蕪村と若冲が生誕300年ということで、
「蕪村と若冲」をテーマに菓子展を開催いたしました。昨年にも増す応募数ととも
に、特別会場として、世界遺産・二条城の国宝・二ノ丸御殿にて展示させていただ
いたことは、江戸時代の京都の教養文化を伝える学問芸術サロンとして、大変嬉し
いことでした。また一昨年の大賞受賞者による展覧会も開催され、ここ弘道館の場
で新たな文化が育まれていることを実感いたしました。

 また、10月には2020年の東京オリンピックのスタートを切る文化イベントが京都
から始まり、そのひとつとして、二条城会場では「後水尾天皇の行幸の再現」をテ
ーマとしたおもてなしが行われました。このイベントに、江戸時代の学問芸術つな
がりということもあり、総合プロデューサーとして参画させていただきました。
 さらに11月には北野天満宮にて曲水の宴の再興に関わらせていただくなど、充実
した一年でした。

 本年も、建造物及び庭園の維持保存につとめるとともに、江戸時代の学問所の再
興として、日本文化の素晴らしさを広めていくための足取りを、着実に進めてまい
りたいと思います。どうか一人でも多くの方々のお力添えをいただきたく、何卒よ
ろしくお願いいたします。

◆2017年 講座・茶会のご案内
 ■講座 「皆川淇園を読む」
  日 程:1月15日 テーマ「読書室四詠 蘭」
      3月19日 ※いずれも日曜日
  時 間:14:00〜16:00
  講 師:松田清(京都大学名誉教授)
  受講料:一般2000円/学生1000円(学生証要提示)
      ※近世京都学会会員は無料

 ■講座 「江戸時代の教養を考える」
  日 程:1月22日/2月5日/3月5日/4月2日/5月7日/6月18日
      7月23日/8月6日/9月17日/10月1日/11月12日
      12月3日 ※いずれも日曜日
  時 間:第一部 16:30〜17:50 茶書を読む
      第二部 18:00〜19:00 実践「謡をうたってみよう」
  講 師:第一部 濱崎加奈子、太田宗達(有斐斎弘道館)
      第二部 林宗一郎、樹下千慧(能楽師)
  受講料:一般3000円/学生2000円(学生証要提示)
      ※第一部または第二部のみは2000円

 ■講座 「茶の湯文化を識る」
  日 程:1月24日/2月14日/3月21日/4月18日/5月30日
      6月20日/7月18日/8月29日/9月19日/10月17日
      11月21日/12月19日 ※いずれも火曜日 
      ※7〜12月のテーマは「花街」
  時 間:13:00〜14:30(12:30より呈茶あり)
  講 師:太田宗達、桐浴邦夫(京都建築専門学校講師)
  受講料:2000円(テーマにちなんだ菓子と抹茶付)

 ■講座 「信仰からみる京都」
  日 程:1月14日 テーマ「丹波」
      2月11日/3月11日/4月8日/5月13日/6月10日
7月8日/8月5日/9月9日/10月14日/11月11日
12月9日 ※いずれも土曜日
  時 間:11:00〜12:30(10:30より呈茶あり)
  受講料:2000円(テーマにちなんだ菓子と抹茶付)
        
 ■講座 「能あそび」
  日 程:1月27日/3月17日/5月19日/7月21日/9月15日
      11月17日 ※いずれも金曜日
  時 間:18:30〜20:00(18:00より呈茶あり)
  講 師:林宗一郎(観世流能楽師)ほか
  受講料:3000円(テーマにちなんだ菓子と抹茶付)

 ■茶会 「月釜」
  日 程:1月22日(初釜)/3月5日/5月7日/9月10日 
      ※いずれも日曜日
  時 間:各回で異なりますので、お電話にてお問い合わせください。
  参加費:年間10000円(月釜会員)
      ※ビジター参加費は各回お問い合わせください

 ■茶事 「春の茶事」
  日 程:4月1日(土)/2日(日)/3日(月)
  時 間:11:00 席入り(正午の茶事)
  参加費:25000円

 ■落語 「吉坊のゆらり咄」
  日 程:2月11日(土)
  時 間:18:30〜(18:00より呈茶あり)
  講 師:桂吉坊(落語家)、木ノ下裕一(木ノ下歌舞伎主宰)
  参加費:3500円(テーマにちなんだ菓子と抹茶付)
  備 考:テーマに沿った落語とトークが楽しい企画

 ■花街 「花街文化サロン」
  日 程:3月11日(土)
  時 間:16:00〜18:00
  参加費:12000円(食事付き)
  備 考:芸妓さん舞妓さんをお迎えし、花街文化について語らいます

 *上記各種講座・茶会等のお問い合わせ、お申込みはコチラ
   TEL   :075ー441ー6662
   メール  :kouza@kodo-kan.com
有斐斎弘道館HP: http://kodo-kan.com

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           ■『ニッポン城郭物語』■

                ー百二十八幕ー
                                梅原 和久

  あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

  昨年の新年号において、個人として何らかの成果物を残すことを目標に掲げまし
た。その一環として、かねてから温めていた二条城に関する提案書を作成し、元離
 宮二条城事務所に提出しました。折しも京都市が「二条城の価値を活かし未来を創
 造する会」を立ち上げ、そこに我らの濱崎代表が委員として参画していたこともあっ
 て、会からの提言の中に、私の提案内容についてもかなりの割合で取り込んでもら
 うことができました。

  さらに、10月に国主催で開催された「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム
 二条城文化イベント」においても、濱崎代表が総合プロデューサーを務めたことか
 ら、こちらにも関わらせてもらいました。いずれも棚ぼた的だとは言え、昨年は結
 果として大いに進展のあった1年となりました。

  これらの活動を通じて得たつながりから、今年も引き続き二条城と関わっていく
 ことになります。城内の展示見直し、新たな解説書や周辺散策ガイドの作成など、
 現在進行形の様々な動きもあります。この城が本来持つ魅力を正確に発信するため
 に、私も積極的に協力していきたいと思います。

  さて、最後に昨年末の城ニュースを一つ。一昨年11月に、家電量販店エディオ
 ン創業者が尼崎城天守復元のために10億円以上を寄附した、という話がありまし
 たが、昨年12月20日に工事着工したとのこと(※)。この間の検討状況につい
 ては、市のHP等を見ても簡単な報告が載っているだけで詳細は不明です。

  結果としては、実際にあった場所から約300メートル離れた場所に、かつての
 天守を東西反転させた姿で再建することになったようです。外観が建築当時の姿に
 忠実であることだけは救いですが、ただでさえ地上には何の痕跡もない尼崎城跡。
 本物の遺構の整備は何も進まないまま、この時代に鉄筋コンクリート製のハコもの
 建設。城の形をした展望台の整備なんだと割り切るしかないかもしれませんが、何
 ともスッキリしない形となりました。

 (※)尼崎城天守の再建工事、20日着工
   http://www.asahi.com/articles/ASJDM552NJDMPIHB01Q.html
    尼崎城の復元着工へ、完成図披露 18年8月完成
   http://news.line.me/issue/oa-kobenext/qdssxrkvjmsw?share_id=qHf82238978592

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              ■『北野の芸能と茶屋』■
                 
               ー第百五十六回ー
                                 井上 年和
 

第157回 (平成28年1月1日 第257号)
昭和12年(1937)3月
最近筆者の見聞した上七軒総ての状況 全廓一丸となって大発展(その4)
現在上七軒歌舞練場の舞踊教師は花柳輔三郎氏が顧問格で、同師は温習会其他重なる
催しに際しては教授するも平素は教師田村元師が毎月一週間宛東京から出張する事に
なつてゐる
同師は花柳輔三郎師の師匠花柳輔次郎師の息子さんで未だ廿五歳の青年ではあるが、
十五年間この廓の舞踊教師であつた花柳輔好師が今春引退して郷里久留米に帰つた
のでその後釜へ座つたのである、同師は未だ若い年齢ではあるが流石に斯界の名師
匠花柳輔次郎師の血を受け居る人だけあつて斯道に精通し殊にその教授振が頗る巧
妙である為め門下のみか廓内一般の評判が良い
                           『技芸倶楽部15巻3号』
花柳流(はなやぎりゅう)は、日本舞踊の流派のひとつで、現在は門弟が全国に約
2万人を数え、日本舞踊では最大の流派となっている。
嘉永2年(1849)初代花柳芳次郎(後の初代花柳壽輔)が創始し、家元は「花柳壽輔」
の名跡を継承しており、現在は五代目壽輔が家元の座にある。
当時の上七軒で舞踊教師を務めていた花柳輔三郎は東京出身で、昭和22年(1947)61
歳で亡くなっており谷中霊園にお墓があって、花柳寿輔ほか54名による「花柳輔三
朗之碑」が立っているらしい。大正15年(1926)から上七軒での指導記録がある。
その師匠の花柳輔次郎は初代花柳寿輔の門下で、師匠まさりとさへいはれた名人で
あって、その息子さんが当時25歳の若さで上七軒に来ていたようだ。
現在は花柳輔太郎師により北野をどりでも振付の指導が行われており、花柳流によ
る指導は既に90年を越え、今も伝承されているのである。

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             □■嵯峨野学芸倶楽部からのお知らせ■□ 

   詳しくはhttp://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。

 ■茶道教室
  日 程:水曜日コース・・・1月11日、18日、25日
      土曜日コース・・・1月14日、21日
      そ の 他 ・・・1月9日(月)
  場 所:嵯峨野三壷庵
      ※見学/体験も、随時受付けています。
 

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                ■□■ひとこと■□■
         皆様おすこやかに新春をお迎えのことと存じます。
     昨年は、伝統文化プロデュース【連】の活動に関心をお寄せいただき
        誠にありがとうございました。心より御礼申し上げます。
    本年も様々な形で文化に触れる機会を提供していきたいとおもいます。
     少しでも関心をお持ちの内容ございましたら、お気軽にご参加ください。
   今年は酉年。みなさまにとって飛躍の1年となりますことを祈念しております。
        昨年に引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

  [次回は、2017年1月15日(日)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。