嵯峨野文化通信 第226号

伝統文化プロデュース 【連】メールマガジン   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)_________

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第226号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

     嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

              毎月1日・15日(月2回)

                   ■VOL:226(2015/7/3)

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                 ■□■もくじ■□■

  ■【連】からのお知らせ ———- 弘道館講座のご案内
                    「祇園会の茶」への誘い
                    宗一郎「能あそび」のご案内
  ■(連載)『ニッポン城郭物語』——————– 第百十幕
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』——————– 第百二十八回

  ■[嵯峨野学藝倶楽部]7月開講講座のお知らせ

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             □■【連】からのお知らせ■□ 
 
 ■弘道館講座のご案内

 京文化教養講座1「信仰からみる京都」

 日 程:7月11日(土)
 時 間:11時~12時30分(90分)
 講 師:太田 宗達(立命館大学非常勤講師)
 テーマ:「須佐之男命と牛頭天王」
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 
 京文化教養講座2「茶の湯の文化を識る」

 日 程:7月23日(木)
 時 間:13時~14時30分(90分)
 講 師:太田 宗達(立命館大学非常勤講師)
 テーマ:「片桐石州」
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 英語で伝統文化「茶道編」~BOOK OF TEAをよむ~

 日 程:7月23日(木)
 時 間:18時30分~20時(90分)
 講 師:田中 朝子(通訳翻訳家)
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)
 
 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/seminar.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 ■「祇園会の茶」への誘い

  弘道館恒例の「祇園祭」をテーマにした茶会です。
  最近は日差しが強くなり、梅雨がきて、祇園祭が始まり、、と夏を想像すること
 が増えてきました。日が経つのは早いですね。  
  暑さと町の喧噪から逃れて、夏を楽しみにいらしてください。
  ご参加をお待ちいたしております。

 日 程:7月12日(日)
 時 間:11時、13時
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:3,000円

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/tea.html

 
 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAILtea@kodo-kan.com

 ■宗一郎「能あそび」のご案内

  室町時代に誕生し、今も生き続けている能の世界をさまざまな角度から「あそぶ
 」ワークショップです。
  2015年は、シテ、ワキ、狂言、囃子方、小鼓方の方々をゲストに、それぞれ
 の役割と魅力を学びます。また、能舞台について学ぶ、作り物をつくる、能の演出
 方法を知るなど、多彩な内容でお送りいたします。

  今月のゲストは、大蔵流狂言方の茂山逸平先生にお越しいただきます。
  ぜひご参加ください!

 日 程:2015年7月24日(金)
 時 間:18時30分~20時(90分)
 ※18時より呈茶あり
 講 師:林 宗一郎(能楽師)
 ゲスト:茂山逸平(大蔵流狂言方)
 参加費:3,000円(生菓子、抹茶付き)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/event.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662 
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

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              ■『ニッポン城郭物語』■
                  
                 -第百十幕-
                                梅原 和久

  この6月、またまた大きな発見があった。現在は地上に何の痕跡も残さない、太
 閤秀吉が築いた初代伏見城、いわゆる指月城の遺構である大規模な石垣や堀、それ
 に大量の金箔瓦が見つかったのである(※1)。

  これまでから、部分的な発見はあったものの、城の中核部分と比定される場所の
 発掘は初めてであり、ほとんど解明されていなかった指月城の一端が明らかになっ
 た。
  指月城と言えば、連想されるのが大地震である。文禄5年閏7月13日子の刻(午
 前0時)ごろ、推定マグニチュード7とも言われる直下型の大地震が京阪神を襲っ
 たのだ。この地震は、3年前に築かれたばかりの指月城にも甚大な被害をもたらし
 た。天守は倒壊、秀吉自身は辛くも難を逃れたものの、城内だけで、奥女中ら6百
 人が圧死したと言われている。地震後、秀吉は全壊した指月城の再建をあきらめ、
 隣の木幡山に新たな伏見城を築くことになる。

  さて、6月20日に行われた指月城の発掘現地説明会には、約2,300人もの見学者
 が集まったという。秀吉の隠居城の大規模遺構なので、その注目度の高さも納得で
 ある。ただ、3年前の聚楽第の石垣発見(※2)時もそうだったが、「発見」され
 、1日だけ一般に公開された後は、当初からの予定どおり埋め戻され、その上には
 マンション等の建築物が建つ。地下の遺構は「現場保存」の名の下で、次の建て替
 えまで、確実に数十年は日の目を見ることもない。

  秀吉クラスの大物になると、その居城や陣城は、他府県であれば一大史跡公園と
 して大規模な整備が行われている。大坂城や名護屋城、小田原一夜城などは、国の
 特別史跡や史跡に指定されるとともに、地下に埋められた遺構等も掘り返して整備
 されているのだ。

  京都の場合は、そこを掘れば確実に遺構が出てくることが分かっていても、早く
 から宅地化が進んでいたこともあって、地上の既存建物の建て替えがなければ確認
 することすらできない。こと城の話だけではない問題ではあるが、残念ながらこれ
 が京都の埋蔵文化財保存の現状なのである。

 (※1)この件の報道。
  http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20150619000045
  http://iseki-hakktsu.com/investigation/index22.html
 (※2)ちなみに3年前の聚楽第石垣のときも、2,300人。偶然とは言え…
  http://www.asahi.com/area/kyoto/articles/OSK201212240111.html

              ■『北野の芸能と茶屋』■
                  
                -第百二十八回-
                                井上 年和
 
  大正十二年(1913)6月1日
 「木谷蓬吟氏等の研究する近松翁の三戯曲 淨曲名作實演会 北野倶楽部に開催」
                           『技芸倶楽部1巻3号』

  木谷蓬吟とは、大阪出身の大正から昭和にかけて活躍した演劇研究家で、本名を
 正之助という。大阪市立商業学校を卒業後、神戸の貿易銀行に就職したことが、後
 に「貿銀」をもじって 「蓬吟」と号する由来となったという。

  日露戦争の陣中で近松研究を志し、父の死を機会に近松研究に取り組み、昭和9
 年には近松研究会を創り、近松や郷土についての講演を行い、 生涯近松研究に没
 頭した。
   父親は義太夫節の太夫である第5代竹本弥太夫で、蓬吟も父の「弥太夫日記」
 や遺著をもとに近松門左衛門,坂田藤十郎らの業績を紹介し、「私の近松研究」や
 「文楽今昔譚」、「五世竹本弥太夫 芸の六十年」、「浄瑠璃研究書」、「私の近
 松研究」、「人間近松門左衛門」、「文楽史」、「近松の天皇劇」、「道頓堀の三
 百年」等を著した。

  この木谷蓬吟が上七軒に関わって近松翁の三戯曲の淨曲名作を実演したのか、上
 七軒が勝手に実演したのか判らないが、当時木谷蓬吟といえば相当有名な研究家で、
 名前を出せば客が呼べるほど流行であったのかもしれない。

  何れにしても、研究に基づき名作を実演するという発想は教育の成果であり、今
 から見れば少し固いかもしれないが、当時の技芸に対する意欲を読み取れるのであ
 る。
 
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        □■[嵯峨野学藝倶楽部] 7月開講講座のお知らせ■□

   詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日 コース)」
  日程:7月8 、22、29日(水)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:9時~14時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土曜日 コース)」
  日時:5月5日(日)、18、25日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:9時~18時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

  お問合せ・お申込みはコチラまで→sagano@ren-produce.com

 ■「今様・白拍子教室」
  日程:7月11日(土)
     ※その他の日程 は個人稽古につき、お問い合わせください。
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:13時~14時30分
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。
  今様のお問い合わせ、お申し込み、見学はコチラまで→info@imayou.jp

   URL:http://www.ren-produce.com/sagano/club/

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                ■□■ひとこと■□■

    ついに7月にはいりました。夏ですね。
    梅雨らしいお天気が続きますが、もうすぐ祇園祭がやってきます。

     [次回は、7月15日(水)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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