伝統文化プロデュース【連】メールマガジン ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)____________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [嵯峨野文化通信] 第182号
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伝統文化プロデュース【連】は
日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です
嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します
毎月1日・15日(月2回)
■VOL:182(2013/9/2)
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■□■もくじ■□■
■【連】からのお知らせ ————-実践講座「江戸時代の〈教養〉を考える」
が始まります!
月釜 重陽「きく尽くし」のご案内
「能あそび」のお知らせ
弘道館講座のご案内
■(リレー連載)—————————————第十三回
■(連載)『ニッポン城郭物語』————————– 第八十七幕
■(連載)『北野の芸能と茶屋』————————– 第八十六回
■[嵯峨野学藝倶楽部]9月開講講座のお知らせ
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□■【連】からのお知らせ■□
■実践講座「江戸時代の〈教養〉を考える」が始まります!
今月より始まる弘道館の新しい講座として、江戸時代の教養文化を考える実践講
座を開催いたします!
内容は「茶」と「謡(うたい)」です。
第一部では井伊直弼の「茶の湯ー全集ー」を読み下し、第二部は「謡」を行いま
す。謡では能楽師の林宗一郎氏をむかえ、実際に皆で声の出し方から学びます。
講座の前には弘道館の月釜もありますので、月釜にご参加させる方はぜひ併せて
ご参加ください!もちろん、月釜にご参加予定のない方もお待ちいたしております
!皆で一緒に考えながらひもといていきましょう。
日 時:9月8日(日)
時 間:16時30分〜19時(予定)
場 所:有斐斎弘道館
内 容:第一部 勉強会「井伊直弼『茶の湯ー全集ー』をよむ
(リーダー 濱崎加奈子、太田達)
第二部 実践「お謡をうたってみよう」
(講師 林宗一郎〈能楽師〉)
参加費:3,000円(第一部のみ、第二部のみの場合は2,000円)
※学割あり(2,000円/第一部のみ、第二部のみの場合は1,000円)
お問い合わせ、お申込はコチラ
TEL :075ー441ー6662
MAIL:kouza@kodo-kan.com
■月釜 重陽「きく尽くし」のご案内
今月より第三期がスタートします!
9月は「重陽」をテーマに第1回目ならではの趣向でお迎えいたします。
まだ若干数空きがございますので、お謡とあわせてご参加ください!
日 時:9月8日(日)
時 間:14時、15時のみ空きあり
場 所:有斐斎 弘道館
参加費:3,000円
詳しくはコチラ
http://kodo-kan.com/tea.html
お問い合わせ、お申込はコチラ
TEL :075ー441ー6662
MAIL:tea@kodo-kan.com
■「宗一郎 能あそび」のお知らせ
室町時代に誕生し、今も生き続けている能の世界をさまざまな角度から「あそび
」ます。
能についてたくさんの方にもっと身近に感じていただきたい!という想いから
始まりました。能はわからないけど興味があるという方にも、とてもわかりやすく
能について学べる機会です。夕暮れ時の有斐斎弘道館の庭にひびく謡(うたい)と
舞。
ぜひご参加ください!
日 時:9月13日(金)18時30分〜19時30分
*18時より呈茶あり
テーマ:山姥(やまんば)
<能あそび>ポイント
装束ファッションショーによる、能役者の装束コーディネート法を伝授し
ます!
講 師:林 宗一郎(能楽師)
参加費:3,000円(生菓子、抹茶付)
■弘道館文化講座のご案内
京文化教養講座1「天皇からみる京都」
日 時:9月14日(土)
テーマ:「霊元天皇」
時 間:11時~12時30分(90分)
場 所:有斐斎 弘道館
講 師:太田 達(京都女子大学非常勤講師)
参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)
■京文化教養講座2「茶の湯の文化を識る」
日 時:9月26日(木)
テーマ:「陶工・尾形乾山ーその人生と芸術ー」
時 間:13時~14時30分(90分)
場 所:有斐斎 弘道館
講 師:西川 秀敏(法蔵禅寺住職)
参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)
詳しくはコチラ
http://kodo-kan.com/seminar.html
お問い合わせ、お申込はコチラ
TEL :075ー441ー6662
MAIL:kouza@kodo-kan.com
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伝統文化プロデュース【連】では、メンバーが伝統文化に対しそれぞれの想いを
持って活動を行っています。そこで、毎回ひとりずつ、メンバーにその想いを語っ
てもらうべく連載を企画いたしました。皆の本音や理想、どんな話が飛び出すこと
でしょう?
第十三回は、前回に引き続き弘道館にインターシップとして勉強に来られている
棚橋あおいさんです。
どのような想いで弘道館へインターシップへこられたのかを伺いました。これか
ら何を得て修了されるのか楽しみです。
-第十三回-
京都精華大学人文学部2年
棚橋 あおい
私は京都精華大学人文学部2年生の棚橋あおいです。現在夏休み期間を利用して、
8月9日から有斐斎弘道館にてインターンシップを行っています。大学では主に日本
の伝統文化や民俗学などについての勉強をしています。今回インターンシップ先に
有斐斎弘道館を選んだのも日本の伝統文化に興味があり、直接関わってみたいと思
ったからです。
私が有斐斎弘道館を知ったのは、大学のウスビ・サコ教授からの紹介でした。私
が所属する人文学部主催のインターンシップに参加することにした際、渡されたイ
ンターンシップ先のリストの中に、サコ教授の紹介として載っていました。丁度そ
の頃日本の伝統文化に関する講義を受講していたこともあり、有斐斎弘道館が日本
の伝統文化を守る活動を行っているということでここに決めました。実際にインタ
ーンシップを始めるまでは、イベントの手伝いだけをすると思っていましたが、始
めてからは意外なほど地味な作業が多いなと感じました。例えば毎日行う庭の掃除
や水撒きです。最初は暑い中外で雑草を採ったりホースで水を撒いたりするのはと
ても大変で辛かったです。しかし、今ではそれほど苦にはならなくなりました。弘
道館に来るお客さんに喜んで見てもらえるような庭にしたい、最近ではそう思うよ
うになりもっと頑張ろうと思えるようになりました。このような地味な作業でもお
客さんに喜んでもらうためには必要不可欠なものだなと実感しました。
イベントでの様々な仕事でも、皿洗いや会場の準備、道具の準備などほとんどが
裏方の仕事ではありますが、どれもお客さんを喜ばすための重要な仕事だなと思い
ます。恐らくそれは他のスタッフの方たちも同じように思っていると思います。
なので私も他のスタッフの方たちと共にこれからもお客さんのために頑張っていこ
うと思います。
■『ニッポン城郭物語』■
ー第八十七幕ー
梅原 和久
さて、いよいよこれまで全く紹介されたことのない、京都府庁としての二条城に
ついて掘り下げてみよう。先日放送の大河ドラマで、主人公の八重が、高島政宏扮
する府大参事の槇村正直に予算増額を直談判する場面があったが、その舞台は何を
隠そう、二条城にあった当時の京都府庁なのである。
さて、以前の連載で、明治12年(1879)に京都府が旧二条城の建物等を調査した
結果を示した(※1)。現在では失われている外周石垣上の高塀や土蔵、本丸仮御
殿や太鼓櫓などが存在していたことを紹介したが、当然ながら役所としての機能を
満たすには、これらを含めた既存の建物だけではいかにも手狭であった。
そこで、明治になってから、京都府の手によって多くの建物が二の丸に建設され
ることになった。過去4回に渡って連載した、二の丸東北隅にあった望火櫓も、府
が設置した建物の一つである。
京都府総合資料館蔵の文書「二条城借受定約並本丸返礼一件」の中に、当時の府
庁の建物配置が伺える図面がある。いつもの情報ページ(※2)に掲載したが、こ
れは本邦初公開の貴重なものである。
ここでは、旧二条城の建物をピンク色、府庁による増築部分を黄色に塗り分けて
おり、役所としての使い勝手を良くするために、御殿の建物を連結したり、部屋を
継ぎ足したりしていたことが分かる。
ただ、この図面を含む文書には、これらの建物が、実際どのように使われていた
のかを示す情報はない。次回は、別の文書からこの点に迫ってみたい。
最後に別件。8月28日の全国ニュースにおいて、二条城で「皇室の菊紋の下から
徳川家の葵紋が見つかった」ことが大きく取り上げられた(※3)。これは、明治
18年に宮内省管理の離宮となった際に、城内の葵紋が悉く菊紋に変えられたことに
よるものであり、従来からよく知られていた話である。今回の報道は、修理のため
に2年近く非公開だった唐門の再公開に当たっての話題提供、という側面が強そう
である。
(※1)当時存在した建物を黄緑色で表示してみた。
http://umeshiro.web.fc2.com/77.html
(※2)今回分の情報ページ。
http://umeshiro.web.fc2.com/87.html
(※3)実は言わずもがなの記事。マニアの世界では逆に、菊に変えそびれて残さ
れた葵紋を探す、という楽しみ方もある。
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20130828-OYT1T0
0234.htm?from=os4
■ 『北野の芸能と茶屋』■
ー八十六回ー
井上 年和
寛政二年(1790)
「寛政二庚戌年六月祇園町同新地ヲ始所々隠売女多人数傾城町江婢ニ差下相成茶
屋株一時ニ被差止候節上七軒下之森背之者モ同様相成候事(記録無之)」
「同年十一月祇園町同新地・二条新地・七条新地・北野上七軒都合四ヶ所江初テ
五ヶ年限ヲ以遊女屋廿軒宛壱軒ニ付人数拾五人ニ限差許相成去六月傾城町江差下相
成候売女引取渡世致候儀并傾城町江口銭差出差配受候儀等申渡相成候由尤下之森之
内東町西町(三軒町新建町ハ此内ニナシ)共上七軒ニ組合内野遊女商売人モ此両所(
両所ハ上七軒下之□也)江相集リ右軒数相揃渡世致来候事(記録アリ)」
『京都府下遊郭由緒』
寛政2年(1790)6月に祇園はじめ、上七軒・下之森等京都の茶屋株が差し止
められた。淫売女(遊女)を多数抱えていることが御公儀の政策に差し障ったよう
だ。
これらの遊所には茶屋を始めとする遊興施設が集まっていたが、当然のように遊
女を抱えている茶屋もあり、地域として「傾城町」というレッテルを貼られていた
のだ。
これを受け、各遊所では取り決めを定めて公儀へ提出したようで、これが認めら
れたのかは判らないが、寛政2年(1790)11月には早くも祇園、二条新地、七
条新地、上七軒の4箇所は、口銭を差し出せば5年限り20軒まで、1軒につき1
5人まで遊女を抱えても良くなった。
下之森の東町・西町は上七軒に組み入れられ、内野と上七軒と下之森と足し合わ
せて20軒ということのようだ。
前回もご紹介させていただいたように、安政初年には上七軒で「遊女芸者廻し方
の店」4軒に遊女45人、下之森では2軒に27人となっており、これが全てであ
れば約70年後になっても、数字的には寛政2年の取り決めは一応守られていると
言ってよいが、当然他にも存在したであろうし、明治7年(1874)「京都府下遊
郭由緒附図」を見ても、内野では15軒程の「店付遊女」が存在していたことを考え
ると、内野にも遊女屋は存在していたと考えられるので、実数はもっと多かったで
あろう。
当時の統治力では、数字的な規制を強いても無理があったように思われる。
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□■[嵯峨野学藝倶楽部] 9月開講講座のお知らせ■□
詳しくは、 http://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。
■「茶道教室(水曜日コース)」
日程:9月11、25日(水)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「茶道教室(土曜日コース)」
日時:9月14、21日(土)15、29日(日)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:14日15時~19時
15日 9時〜14時
21、29日10時~19時
(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「今様・白拍子教室」
日程:9月14、28日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:13時~14時
講師:石原 さつき
※見学/体験も、随時受付けています。
性別・年齢・経験は問いません。
■「うたことば研究会」
ただいま休講中です。
再開日が決定次第お知らせいたします。
●URL
http://www.ren-produce.com/sagano/club/
お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com
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■□■ひとこと■□■
今年も暑かったですが、あっという間に夏が終わったような気がします。
すこしずつ涼しくなり、秋に近づいていることが嬉しい今日このごろです。
[次回は、9月15日(日)に配信予定です!次回もお楽しみに。]
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