嵯峨野文化通信第181号

伝統文化プロデュース【連】メールマガジン   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)____________

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第181号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です
 嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

         毎月1日・15日(月2回)

               ■VOL:181(2013/8/15)
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           ■□■もくじ■□■

  ■【連】からのお知らせ ————- 弘道館文化講座のお知らせ
  「今様合 ワークショップ」のご案内
 茶会 重陽「きく尽くし」のご案内
 「宗一郎能あそび」のご案内
 「映画における利休論」のご案内
  ■(リレー連載)———————-第十二回『伝える想い、伝わる想い』                    
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』————————– 第八十五回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]8月開講講座のお知らせ

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          □■【連】からのお知らせ■□

 ■弘道館文化講座のお知らせ

 京文化教養講座2「茶の湯の文化を識る」

 日 時:8月22日(木)
 テーマ:「公家と茶」
 時 間:13時~14時30分(90分)
 場 所:有斐斎 弘道館
 講 師:太田 達(京都女子大学非常勤講師)
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/seminar.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

■「今様合 ワークショップ」のご案内

 今から約千年前に京で流行した歌謡、今様(いまよう)。
 今様は今から約千年前に京で流行した歌謡で、このできばえを左右に
分かれて競う遊びを「今様合」と呼びます。
 今様を愛し『梁塵秘抄』を編纂された後白河院が、承安4年、十五夜
連続にて「今様合」を催されたことでも有名ですが、この秋、平安の御世
をしのび、宇治木幡の松殿山荘にて十五日連続今様合が行われます。

 さて、この連続今様合の復興にあたって、今様合ワークショップが開催
されることとなりました。
 今様が身近に感じられるチャンス、ぜひお気軽にご参加ください。

 日 時:2013年8月27日(火)
 内 容:講座「後白河院と今様ー十五ヶ日にふれてー」/
     朧谷寿(同志社女子大学名誉教授)
     実演「今様合」/日本今様謌舞楽会
     ワークショップ「今様を作ってみよう!」
 時 間:15時~16時30分
 場 所:有斐斎 弘道館
 参加費:1,000円

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/event.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:info@imayou.jp

■茶会 重陽「きく尽くし」のご案内

 毎回ご好評をいただいております弘道館の『月釜』。
 来月より早くも第3期を迎えることとなりました。 
 
 第3期スタートとなる9月は、重陽にちなみ「きく」がテーマとなっています。
 様々な趣向の菊を、どうぞお楽しみください。

 日 時:9月8日(日)
 時 間:9時、14時、15時のみ空きあり
 場 所:有斐斎 弘道館
 参加費:3,000円

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/tea.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:tea@kodo-kan.com
 

 ■「宗一郎能あそび」のご案内

 室町時代から、あらゆる伝統芸能の基底として生き続けている能。
 能の世界をさまざまな角度から「あそんで」みませんか。装束ファッション
ショーによる、能役者の装束コーディネート法も見られます!
 楽しみながら、日本文化の扉を開けたい方、ぜひお待ちしています。

 各回のテーマにあわせた菓子もお楽しみに!

 日 時:9月13日(金)
 テーマ:「山姥(やまんば)」
 時 間:18時30分~19時30分
    *18時より呈茶あり
 場 所:有斐斎 弘道館
 講 師:林 宗一郎(能楽師)
 参加費:3,000円(呈茶付き)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/event.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

■「映画における利休論」のご案内

 茶聖・利休は日本映画の中でこれまでどのように取り上げられてきたのでし
ょうか。
 千利休が登場する映画・映像をいくつか取り上げながら、語らいましょう。

 新たな利休論をご一緒に拓きませんか。

 日 時:9月19日(木)
 テーマ:「映画における利休論」
 時 間:14時~17時
 場 所:有斐斎 弘道館
 講 師:中田智之(楽々荘主人)
 参加費:2,000円(茶菓子付)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/event.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

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 伝統文化プロデュース【連】では、メンバーが伝統文化に対しそれぞれの想いを持
って活動を行っています。そこで、毎回ひとりずつ、メンバーにその想いを語っても
らうべく連載を企画いたしました。皆の本音や理想、どんな話が飛び出すことでしょ
う?

第十二回は、現在弘道館にインターシップとして勉強に来られている正田健一郎さ
んです。
 どのような想いで弘道館へインターシップへこられたのかを伺いました。これから
何を得て修了されるのか楽しみです。

      『伝える想い、伝わる想い』

                 京都精華大学人文学部総合人文学科
                 日本・アジア文化コース  三回生
                           正田 健一郎

 大学に入ってから、伝統文化に学ぶ授業を受けた。能楽師、芸妓の方々や、それ
をプロデュース、またサポートする方々などがゲスト講師として講演にきてくださ
った。その授業を通して私は、グローバル化するならまず自国の文化を知ること、
伝統文化が無意識下でもその国自身の基盤になる精神性を持ち得ていることを感じ
取った。また、今までの自分がそういったことを強く意識してこなかったことがな
によりの驚きだった。
 京都の伝統文化は、日本の歴史が詰まっているものだと思うので、是非語り継が
れていって欲しいし、そう思うだけでなく、私たちも他人事でなく自分の国の文化
を知り、深く考えていくべきだ。

 ただ、その伝統文化を大切だ、守らなければならない、というものの、そこには
現実的に残していく難しさが存在している。
 その理由としては、時代の変化で人々の生活の水準が変わったことによる需要と、
日本人があまり自国の文化に関心がないからではないのかと感じる。
関心がない、というよりは学ぶ機会がない、の方が正しいのかもしれない。しかし、
学校のカリキュラムに日本の伝統文化を学ぶ授業を取り入れてみるのもいい。

 マンションが建て替えられてしまうところをなんとか阻止しているという弘道館。
そこにインターンシップを希望した私は、そんな伝統文化を支えている裏側を見る
きっかけを得られた。ゆったりとした空間をつくるためにお庭の草引きを行う。中
から見て綺麗にみえるように考えて作り上げていく。そこには、伝えようとする人
の想いが積み重なる。ありきたりでありがちなことなのかもしれないが、ありがち
にみえるからこそ大切なのではないだろうか。

 私は大学の授業というきっかけで伝統文化の存在の大切さをしることができた。
今度は私自身が誰かの架け橋になれれば……とまでは言えないが、そう思える人を
一人でも増やすことができたら、そう思う。

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         ■『北野の芸能と茶屋』■
             八十五回
                           井上利和
安政初年頃
「客受屋遊女呼入茶屋
    上七軒 遊女 45人
        芸者 83人
        客請の者 71軒
        遊女芸者廻し方の店 4軒
    下之森 遊女 27人 内12人店附
        芸者 17人
        客請の者 18軒
        遊女芸者廻し方の店 2軒」 『煙花新議』

『煙花』とは売春婦のことで、この煙花新議には京都の各花街の遊女や芸者、茶屋の
実数が記載されている。

 これを見ると上七軒では遊女が45人と想像以上に多い数字が書かれている。芸
者83人、客請けの者(茶屋)が71軒、遊女芸者廻し方の店(小方業、置屋)が4軒
は納得のいく数字であろう。遊女と芸者の合計は128人で、その内遊女が35%
芸者が65%という比率になる。

しかし、この数字は上七軒がどこまでの範囲を指すのか不明で、例えば『洛陽勝覽』
に書かれていたような寺院の境内にある「つり物・出会もの宿」なども含められるの
か検証が必要である。
下之森では遊女と芸者の合計は44人で、その内遊女が61%、芸者が29%で圧
倒的に遊女が多く、これを見るだけでも近代に北新地遊郭に吸収されていく理由が
納得できる。

近世においては、上七軒でも遊女、芸者が入り乱れて存在していたことは、やはり
紛れもない実態であったようである。

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      □■[嵯峨野学藝倶楽部] 8月開講講座のお知らせ■□

  詳しくは、 http://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日コース)」

  日程:8月21、28日(水)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土曜日コース)」
  日時:8月3、17日(土)25日(日)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「今様・白拍子教室」
  日程:8月10、24日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:13時〜14時
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

 ●URL
  http://www.ren-produce.com/sagano/club/

  お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com

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         ■□■ひとこと■□■
 
 残暑が厳しいですが、皆様にとって何か夏バテ対策のアイテムはありますか?

 私は何故か、熱いものが飲みたくなります。
 これ程の猛暑なのに、冷たいアイスよりも、熱い、熱い、抹茶が恋しい今日この
 頃です。 

    [次回は、9月1日(日)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。