嵯峨野文化通信 第161号

伝統文化プロデュース【連】メールマガジン

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  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第161号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

         
       嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

                毎月1日・15日(月2回)
 
                      ■VOL:161(2012/10/15)

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                  ■□■もくじ■□■

  ■【連】からのお知らせ ——–「蕪村の菓子展」が開催されます!
                  「英語で茶道」講座のお知らせ
                  「帯を知る/帯を楽しむ」のお知らせ
  ■(連載)『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』———- 第六十回
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』————————– 第六十五回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]10月開講講座のお知らせ

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               □■【連】からのお知らせ■□
 
 ■「蕪村の菓子展」が開催されます!

  京都府庁界隈において行われる「まちかどミュージアム」への参加事業として、有斐斎
 弘道館では、京菓子作品の展示を開催いたします!
  昨年大好評をいただいた「伊藤若沖展」に引き続き、今年は皆川淇園と同時代に生きた
 「与謝蕪村」をテーマに展示を行います!有職菓子御調進所老松 有志による創意あふれる
 京菓子の世界をぜひお楽しみください。
 日程:10月27日(土)~11月11日(日)
 時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
 場所:有斐斎 弘道館
 費用:1000円(抹茶または煎茶と菓子をお楽しみいただけます)
    ※毎週水曜は休館です。

 ■「英語で茶道」開催のお知らせ

  新しく開講いたしましたこちらの講座。日本文化は辞書では学べません。
 英語の定型文を覚えるのではなく、より相手に伝わるにはどうすれば良いのかを一緒に
 考えて行きましょう。
  英語や茶道がお好きな方はもちろん、英語も茶道も全く分からないけど興味がある。
 といった方もぜひお越しください。
  英語の説明を聞きながら点前の動作を同時に行いますので、英語を耳で聞くだけより
 も習得しやすいです。
  ご参加お待ちいたしております!

  日程:10月25日(火)
  時間:18時30分より(90分程度を予定)
  場所:有斐斎 弘道館
  講師:田中 朝子(翻訳通訳者、三壷庵茶道教室)
  費用:3,000円
  対象:海外渡航をひかえた社会人、大学生
     海外で日本文化を伝えることに関心のある方
     短時間でお茶のエッセンスを英語で習得したい方
     英語とお茶と、どちらも気軽に楽しんでみたいという方
     日本の伝統文化を体験してみたい留学生、外国の方

  詳細はコチラ
  http://kodo-kan.com/seminar.html

  お問合せ・お申込みはコチラ
  kouza@kodo-kan.com

 ■教養サロン「帯を知る/帯を楽しむ」のお知らせ
 
  ご好評をいただいております、こちらの教養サロン。今回は冬に向けて、テーマは「雪」。
 雪輪を始めさまざまな冬の帯が登場いたします。
  呉服屋さんに行っても、帯の詳しいお話や裏話を聞く機会ってなかなかないですよね。
  たくさんの帯が揃いますので、見ているだけでも本当に飽きません。
  お散歩がてら、どうぞご来館ください!

  教養サロン「帯を知る/帯を楽しむ」

  日程:11月4日(日)
  時間:12時〜16時30分
     ※上記のうちお好きな時間にお越しください。自由にご覧いただけます。
     ※13時と15時にトークを予定しております。
  場所:有斐斎 弘道館
  参加費:2,000円(茶菓子つき)※要予約 
  
  詳細はコチラ
  http://kodo-kan.com/event.html

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           ■『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』■      
 
                    第六十回                                                                 荻田みどり

    だいぶ秋めいてきた。あと1ヶ月もすれば、紅葉が色づき、人々の目を楽しませるこ
  とだろう。紅葉の色づきは昨年よりも良好との予想が出ているが、今から楽しみである。
   さて、一足先に『源氏物語』総角巻の紅葉狩りの場面を見てみたい。旧暦であるため、
  日付は十月朔日ごろ。この日から季節は冬になる。
   薫は匂宮に、宇治での紅葉狩りを提案した。親しい人だけで内密にとの考えだったが、
  匂宮は今上帝の三の宮。自然に噂は広がり、お供も大勢になった。
   内密に、と思っていたのは、紅葉狩りを口実に宇治の中の君に匂宮を逢わせるためで
  あった。匂宮は中の君と契りを結んだものの、宇治は忍び歩きには遠く、なかなか行け
  ないでいた。そのため、薫は紅葉狩りを建前に宇治へ行くことを計画し、宇治の姫君た
  ちにも匂宮をもてなす準備を整えさせていた。率先してあれこれ指図し、御簾をかけ替
  えたり、岩陰に散り積もった紅葉の朽葉を少し払わせたりする。

    よしあるくだもの、肴など、さるべき人なども奉れたまへり。

   気の利いたくだものや酒の肴など、必要な人手なども薫が手配する。薫は宇治の八の
  宮の死後、姫君たちの後見役のようにふるまい、匂宮と中の君との仲も取り持った。全
  ては自身が大君とよい関係になりたい外堀を埋める作業であろう。この前の場面では、
  自身の邸に大君を迎える準備も進めていた。
   薫の差配は隅々にまで行き届いており、万事が順調である。姫君たちは、ありがたく
  思う一方で、客人であるはずの薫の主人のようなふるまいに複雑な気分である。が、今
  はあまり窮屈には考えず、匂宮がお越しになるのを待ち受けている。(つづく)

                 ■『北野の芸能と茶屋』■
     
                   第六十五回
                                   井上 年和

   正徳四年(1714)6月1日
  「一、七本松定芝居御法度とて午ノ六月朔日より堅ク末々も停止と被 仰付候、北野不
  限所々宮芝居之分同前ニ候、」
                           『北野天満宮史料 目代記録』

   正徳四年(1714)には、江戸・大坂とともに、京都でも町奉行所により社寺境内
  ないし門前での芝居興行に停止命令が出された。
   寛永頃の女歌舞伎禁制、承応・万治・寛文頃の若衆歌舞伎禁制、明暦二年(1656)
  の芝居停止令と相次ぐ芸能統制を受けてきたが、正徳四年(1714)3月にも芝居の
  停止令が出されたのである。

   『京都御役所向大概覚書』「六十八 寺社境内芝居申渡之事」をみると、
  「寺社境内に有之能・説教・操・物まね等芝居之事、元禄年中既に停止之処に訴訟之旨
  有之に就て、其法を定められ、芝居をも事軽く構へ、衣服等も木綿の外を用ゆへからさ
  る由を以て免許せられ候、然所に近年以来二階桟敷等を構へ、衣服等も是に准し諸事結
  構に及ひ候次第不届之至に候、依之自今以後は急度彼芝居等一切に禁制せしめ候者也、」
  とあって、能・説教・操・物まね等の芝居を元禄頃に停止したが、未だに徹底されてい
  ないので今後は停止する旨が記されており、また、桟敷は2・3階建がダメで1階のみ
  とし、桟敷から内証道を拵えて、楽屋や座元の家で遊興したり、狂言をすること、桟敷
  や茶屋へ呼んだりすること、桟敷へ簾を掛けたり、幕を張ったり、屏風等を立てて見通
  しを遮ることを禁じたり、その他にも役者の衣類についての指示や、狂言芝居近所の茶
  屋の座敷に上がることは一切禁じ、これまで上がった分も町奉行に届けるよう指示し、
  各町の名主、五人組に伝える事など事細かに規制が布かれた。

   目代記録は、この停止命令に対応したものである。

   延徳年間(15世後期)や天正年間(16世紀後期)には院内で芝居や踊りを催し、
  また、下之森や中之森で芸能開催者や出茶屋から場所代として地子銭を納めさせていた
  松梅院も、これには応えたに違いない。

   芸能や茶屋街に対する規制は、もともと宮廷や武家に対する政策に対応したものであ
  ったが、社寺をも規制の枠に嵌めようとしていくのである。

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       □■[嵯峨野学藝倶楽部] 10月開講講座のお知らせ■□

 詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日コース)」
  日程:10月10、24日(水)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土曜日コース)」
  日時:10月6、21日(日)27日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。
 
 ■「今様・白拍子教室」
  日程:10月13、27日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:13時〜14時
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

 ●URL
  http://www.ren-produce.com/sagano/club/

 お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com

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                 ■□■ひとこと■□■
  
  今回から新しく編集のお手伝いをさせていただくことになりました、なんばです。
  不慣れなところもありますが、皆さまに楽しみにしていただけるメルマガ作りに向けて
  精一杯頑張ります!どうぞよろしくお願いします!
                                  (なんば)

    [次回は、11月1日(木)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。