伝統文化プロデュース【連】メールマガジン
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [嵯峨野文化通信] 第159号
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伝統文化プロデュース【連】は
日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です
嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します
毎月1日・15日(月2回)
■VOL:159(2012/9/17)
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■□■もくじ■□■
■【連】からのお知らせ ———–BIWAKOビエンナーレ2012協力企画
茶会のご案内
「大人の京都塾」のご案内
■(連載)『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』———- 第五十八回
■(連載)『北野の芸能と茶屋』————————– 第六十三回
■[嵯峨野学藝倶楽部]9月開講講座のお知らせ
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□■【連】からのお知らせ■□
■BIWAKOビエンナーレ2012協力企画茶会のご案内
9月15日より始まりました「BIWAKOビエンナーレ2012」。
期間中に、弘道館チームがさまざまな茶会を開催いたします!普段では味わえない近江な
らではの茶会ばかりです。
ぜひご参加ください!
<天籟宮ブリコラージュ>
新内とのコラボレーションです。ビエンナーレ事務局にもなっている八幡堀端の屋敷に
はアート作品が並んでおり、あわせてお楽しみいただけます。
日程:9月29日(土)
時間:18時~19時30分頃を予定
場所:天籟宮(てんらいきゅう/滋賀県近江八幡市玉屋町6)
(JR「近江八幡」駅または近江鉄道「近江八幡」駅下車、徒歩30分、または、タク
シーで5分。「近江八幡」駅より近江バス9番のりばから「長命寺」行き「大杉町」
下車)
費用:2,000円(要申込み)
席主:太田達
演奏:新内志賀
<電車茶会>
彦根駅から八日市駅までの往復車内にて茶会をお楽しみいただけます。
日程:9月29日(土)
時間:13時30分~15時15分(15時14分彦根駅着、解散)
場所:近江鉄道「彦根」駅
(JR京都駅より新快速で47分)
費用:1,550円(彦根鉄道全線一日乗車券代を含む/要申込み)
席主:嵯峨野三壷庵
詳細はコチラ「近江鉄道HP」
http://www.ohmitetudo.co.jp/railway/event/2012/biennale/
<KAWAII茶会>
KAWAIIをテーマにした気楽なお茶会となっています。境内ではフリーマーケット
なども楽しめます。
日程:10月14日(日)
時間:15時~16時頃
場所:弘誓寺本堂(滋賀県東近江市五個荘金堂町615)
(JR琵琶湖線「能登川」駅から近江バス「ぷらざ三方よし」下車、徒歩5分
/近江鉄道「八日市」駅より「能登川」駅ゆきバスにて「ぷらざ三方よし」下車
/近江鉄道「五個荘」駅よりタクシーで5分)
費用:500円(申込み不要)
席主:CARYY茶夢茶夢+茶道プラス
<湖上茶会>
古代より御神体としてあがめてきた井伊家ゆかりの「多景島」付近の運行を予定し
ています。琵琶湖クルーズの船内にて、ゆったりとお茶をお楽しみください。
日程:11月3日(土・祝)
時間:14時~15字30分頃
場所:彦根港(滋賀県彦根市松原町375)
(JR彦根駅よりタクシーで5分)
費用:3,000円(要申込み)
席主:嵯峨野三壷庵
各茶会のお問合せはコチラ
tea@kodo-kan.com
イベントに関してのHPはコチラ
http://kodo-kan.com/tea.html
■「大人の京都塾」のご案内
伝統文化プロデュース【連】代表、濱崎加奈子の京都塾が東京にて開催されます!
京都は日本文化の知を深く実感できる土地。時代のなかで柔軟に生きるためのお手本
がたくさんつまっています。
講義では、このような文化を深く楽しむための入門法を伝授するとともに、京文化の
複雑な位相を、一つ一つ解き明かしていきます。
さらに、毎回、講座テーマにあわせた主菓子を有職菓子御調進所『老松』に特別調
製いただき京都よりお持ちします。
京都にはなかなかお越しになれないという皆さま、お待たせいたしました!
※講座は東京のみでの開催となりますが、11月には現地講座も開催され、こちらは
京都発着のツアーもございます。
ぜひお誘いあわせのうえご参加ください!
講座<大人の京都塾『京の知恵、美を愉しむ』~有職に学ぶ、数寄に遊ぶ~>
日 時:10月18日~毎月第三木曜日
時 間:19時~20時30分
講 師:濱崎加奈子(伝統文化プロデュース【連】代表、有斐斎 弘道館 館長)
費 用:10月期、1月期とも各3ヶ月
会員 12,600円
一般 14,175円
テーマ:10月18日 「京の菓子」
11月15日 「京の茶」
12月20日 「京の香り」
1月17日 「京の舞」
2月21日 「京の宴」
3月21日 「京の祈り」
詳細、お申込みはコチラ「池袋コミュニティ・カレッジ」
http://cul.7cn.co.jp/programs/program_617120.html
旅<京都塾・現地講座~本場で感じ、学ぶ旅 京の巷は美の壷也>
日 時:11月17日~18日(1泊2日)
時 間:19時~20時30分
講 師:濱崎加奈子(伝統文化プロデュース【連】代表、有斐斎 弘道館 館長)
費 用:東京駅発着 99,800円
京都駅発着 76,800円
詳細、お申込みはコチラ「旅の学校」
http://www.7netshopping.jp/7tabi/sp/school/
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■『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』■
第五十八回
荻田 みどり
少し朝晩が涼しくなってきた。外では虫の音が響いている。平安時代でいうと9月は
晩秋にあたるのだが、そんな秋の気配を感じながら、今回は『蜻蛉日記』の安和元(96
8)年9月の記事にスポットを当てたい。作者藤原道綱母は、かねてからの願いがあり、
初瀬詣に出かけた。奈良の長谷寺(初瀬寺)へ詣でるのである。今のように車や電車があ
るわけではない。洛外はもとより家の外へさえあまり出ることのない女性にとっては、片
道4日の大旅行である。この初瀬詣の行程には、行く先々で見聞きしたものに対する新鮮
な驚きや感動が豊富に描かれている。一部をご紹介したい。
夜明け前に出発し、正午頃には宇治の別荘に到着した。宇治川のきらきら輝く様子やたく
さんの舟が行き交うさまは全て「あはれ(しみじみと感慨深い)」に思われる。
しりのかたを見れば、来困じたる下衆ども、悪(あ)しげなる柚(ゆ)や梨などを、
なつかしげにもたりて食ひなどするも、あはれに見ゆ。破子(わりご)などものして、
舟に車かき据ゑて行きもて行けば、贄野の池、泉川など言ひつつ、鳥どもゐなどしたる
も、心にしみてあはれにをかしうおぼゆ。
後ろを見ると、歩き疲れた下人たちがみすぼらしげな柚子や梨などを、大事そうに手に
持って食べている。破子(お弁当)などを食べて、舟に車をかつぎ入れて川を渡る。下人
たちの姿も舟から見える風景も、作者にはみずみずしく映る。
「悪しげなる柚や梨やなど」によって下人の卑賤さが際立つが、作者は下人たちに同情
を寄せているわけでも、蔑んでいるわけでもない。全てが京では見られない光景ばかりで、
「あはれ」に見えるのだ。
平安貴族は現代よりもずっと閉鎖された空間で暮らしていた。一生に何度あるかわから
ない旅だからこそ余計に、世界は驚きに満ち、作者は風景からも人の様子からも貪欲に感
動を感じ取ろうとした。そして、些細なことまで記憶に残り日記として書き留められたの
だろう。この旅の記録は上巻の終わりまで続く。
■『北野の芸能と茶屋』■
第六十三回
井上 年和
正徳三年(1713)4月1日
「一、 暮過徳勝院借屋茶屋坂本屋投火有之、早速鎮り候、」『北野天満宮史料宮仕記録』
「坂本屋」は第62回(平成24年9月1日 第158号)でも少し触れたが、能育の息
子である紹育が借金をしていた茶屋である。徳勝院は現在の歌舞練場に位置し、借屋はそ
の北側すなわち歌舞練場北道から老松北野店にかけてと、西側のマンション辺りにあった。
いずれも茶屋を営んでいたと考えられる。第57号の記事をみると坂本屋は町名が真盛町と
なっているので、歌舞練場の北側すなわち歌舞練場北道から老松北野店にかけての囲に存
在したと考えられるのだ。
『洛中洛外図』(北村家本)をみると、恐らく徳勝院と思われる建物の中に扇を持った人
たちが歩き、西向きの建物は茶屋を営んでいるように見える。
『北野天満宮史料 目代記録』によると、明暦三年(1657)には、能覚、能海から「徳勝院
先規ヨリ無之処、茶ヤ被仕候神前近クニ候ヘハ、万事物騒ニてめいわく火ノ用心方々ニ候間
、御とめ可被下候、」とあって、他の宮仕達からも物騒で火の用心に悪く迷惑だからやめて
くれと言われるほど非難の対象となっていたのだから、火事になりそうになった坂本屋は身
も蓋もないといった状況であっただろう。
尤も56年も前の話だから覚えている者もいなかっただろうが、初期消火で大事に至らなくて
幸運であった。
この徳勝院は明治になり廃院となり、長屋諸共その跡地は社家長屋町という町名を付けら
れたが、政府に没収された後に有志により買われ、現在は歌舞練場が建っている。
坂本屋が放火され、早速鎮まったというたわいもない記事であるが、これにより北野社の
宮仕が茶屋に長屋を貸しており、その名は「坂本屋」であったということがわかるのである。
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□■[嵯峨野学藝倶楽部] 9月開講講座のお知らせ■□
詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。
■「茶道教室(水曜日コース)」
日程:9月12、26日(水)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「茶道教室(土曜日コース)」
日時:9月2日(日)8、15日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「今様・白拍子教室」
日程:9月1、15日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:13時〜14時
講師:石原 さつき
※見学/体験も、随時受付けています。
性別・年齢・経験は問いません。
■「うたことば研究会」
ただいま休講中です。
再開日が決定次第お知らせいたします。
●URL
http://www.ren-produce.com/sagano/club/
お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com
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■□■ひとこと■□■
昨日、この嵯峨野文化通信をとても楽しみにしているとおっしゃってくださる
読者の方にお会いしました。
なかなかお会いできなくても、このような形で繋がっているんだと思うと
とても嬉しかったです。
もっと楽しみにしていただけるよう精進してまいります!
(いまむら)
[次回は、10月1日(月)に配信予定です!次回もお楽しみに。]
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