嵯峨野文化通信 新年特別号

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        〔嵯峨野文化通信〕 新年特別号 2007年1月1日
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  伝統文化プロデュース【連】は、日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識に
 ついて、学び広めていくための活動をしている団体です。

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  あけまして おめでとうございます(^^)/▽☆▽\(^^)

  今日から新しい1年の始まりですね。〔嵯峨野文化通信〕に登録して下さってい
 る皆さま、いつも、ご購読くださり、ありがとうございます。もうすぐ〔嵯峨野文
 化通信〕は、1周年を迎えます。続けてこれたのも、皆さまのお陰ですm(__)m

  今年の干支は「亥」。いのししと言えば、猪突猛進のイメージを思い浮べる人が
 多いようですね。悪い意味に取られがちですけど、己の信じた道を真っすぐに進め
 る強さを持っているということなのかもしれません。一年の計は元旦にあり。皆さ
 んは、どんな計画をたてるのでしょうか? 私は、今年も日本の様々な伝統文化&
 新しいことに、どんどんチャレンジしていきたいと思っています(o^∀^o)これから
 は、様々な情報をお届けするだけではなく、皆さまとキャッチボールができるよう
 な〔嵯峨野文化通信〕を作っていけたらいいなと思っています。

  今年も、楽しく&より身近に感じてもらえるような〔嵯峨野文化通信〕を皆さま
 にお届けしたいと思いますので、よろしくお願いいたしますヾ(=^▽^=)ノ
                                   (治)

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 §――新年にあたり―――――――――――――――――――――――――――§

                          【連】代表 濱崎 加奈子

  お正月というのは、一年の中でも、「伝統文化」をもっともよく感じる時ではな
 いだろうか。おせち料理、年賀状、門松・・・。着物で初詣、という方もいらっし
 ゃるのでは。

  私たち「伝統文化プロデュース 連」は、伝統文化を身近に感じてもらおうとい
 う活動をしている。そういう意味では、「伝統モノ」にあふれるお正月は、伝統文
 化を知ってもらうチャンスではなかろうか。

  年末の大掃除、年越し蕎麦。そして、元旦を迎えて、お屠蘇、おせち料理。親類
 が集まったり、初詣に行ったり。もっとも、近年はこのような正月恒例の行事をし
 ない方も多いようだが、それでも、「蕎麦だけは食べておこうか」とか、「窓だけ
 でも拭いておこう」とか、それなりの正月準備をする人も多いと思う。

  12月30日、私たち【連】の事務所にもしめ縄と松が飾られた。毎年、早め早
 めと思いつつ、なかなか手が回らない。メンバーのOさんが「一夜飾りはよくない」
 と幼い頃から言われてきたというので、何としてでも今日飾らないといけない(註)
 しかも日が暮れたらダメというので気がはやる。午後になり、タイムリミットが迫
 ってきた。ついに、スーパーでしめ縄を買ってしまった。Oさん曰わく、しめ縄は
 賀茂の農家の方が農閑期に作って売りに来るものとかで、去年まではなるべく道端
 に売りに来ているものを選んでいたのだが・・・。

  正月に関しては、こと縁起や習慣を大事にする風が残っている。Oさんも普段は
 どちらかというと合理的。不要な慣習など無くてもいいという考え方の人なのに、
 正月になると、ふと思い出すのだろうか。言い伝えられてきたことを、「これだけ
 は」と守ろうとするのは面白い。

  正月には縁起物があふれているが、決して合理的とはいえない。冗談のような語
 呂合わせが多い。昆布は「喜ぶ」=よろ「こぶ」だとか、黒豆は「まめ」に暮らせ
 るように、などなど。それでも、長年行われてきたことには、何らかの意味がある
 のではと思ってしまう。最近、しめ縄の「橙(だいだい)」が蜜柑で代用されてい
 ることがあるというが、それだと意味がない!と思うのは私だけだろうか。橙(だ
 いだい)を使うのは、代々(だいだい)家が続くことを祈ってのことであって、そ
 れを蜜柑に変えてしまうなら、使わなくてもいいじゃないかと。
  ちなみに、裏白(うらじろ)は、裏が白いことから、潔白であることや白髪にな
 るまでの長寿を意味し、譲葉(ゆずりは)は、新しい葉が成長した後で古い葉が落
 ちることから、代々譲って子孫が長く続くことを願って用いられる。・・・やっぱ
 り語呂合わせだ。

  そんな語呂合わせをなぜ知っているのかといえば、幼い頃母に教えてもらったの
 だ。Oさんの「一夜飾り」は公家であったお祖母さんのお話とか。
  正月準備をしていると、何かと「思い出す」事が多い。それは何も言い伝えだけ
 ではない。

  掃除をしながら1年間のことを思い、お飾りをしながら「去年はどうだったかな」
 などと振り返る。そうして、自分の幼い頃や楽しかった思い出がぐるぐる脳裏を巡
 り、果ては、来年はこうしようとか、将来のことを思ったりする。

  なぜ、過去のことを思い出すと、未来のことまで考えてしまうのか。過去を振り
 返ると、現在の自分の位置を知ることになる。自分の位置を知ることによって、明
 日はこうしよう、来年はこうしようという指針なり目標なりが生まれるだろう。と
 すれば、過去を知ることは未来を創ることである、ということにもなろうか。

  伝統的な文化が遺っている意味もまた、そこにある、と私は考える。おせち料理
 をきっかけに、過去のことを思い出す。着物をきっかけに、先人の知恵を思う。伝
 統文化は、自分の中で、過去と現在、未来をつなぐ「きっかけ」を与えてくれるも
 のなのだと思う。

  伝統文化に親しみ、その楽しさを見いだすことは、そういうことでもある、と私
 は思っている。自分の生きている根拠を探しあてることができる、とでもいおうか。

  このお正月、たっぷりと「伝統文化」にひたってみてください。新たな発見があ
 るかもしれません。

 (註)「一夜飾り」が悪いとされるのは、神に対して誠意がないからとか、葬式を
    連想するからなど、いろいろ説がある。

 ○O+編集後記+O○******************************************************

  皆様、新年明けましておめでとうございます。
 あれ? 数日前に新年号が来てたような…とお思いの方もいらっしゃると思います
が、そうです。配信ミスです。

  このまま放っておくわけにもいくまい、という訳で、新年特別号を配信すること
 にしました。転んでもタダでは起きません。今年も〔嵯峨野文化通信〕をよろしく
お願いします! 
                                   (梅)

 [次の発行は、1月15日(月)の予定です。お楽しみに!]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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