嵯峨野文化通信 第2号

☆————-伝統文化プロデュース【連】メールマガジン————-
      〔嵯峨野文化通信〕 第2号 2006年3月1日
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 伝統文化プロデュース【連】は、日本の伝統文化にこめられた知恵と美意
    識について、学び広めていくための活動をしている団体です。

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 ■□■ もくじ ■□■

 1.【連】の今後の催し
 2.京都をめぐる歳時記 〜啓蟄の章〜
 3.Many Stories of the Tea Ceremony(新連載)
 4.ニッポン城郭物語(新連載)
 5.予告編
 6.メンバー紹介

◇━━ 1.【連】の今後の催し━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

○嵯峨野学藝倶楽部 開講のお知らせ

・はじめに
 このたび、日本の伝統文化を気軽に楽しく体験すると同時に、より深く学ぶ
ことができる場として「嵯峨野学藝倶楽部」を開講します。
 嵯峨野は、京都の歴史風土を考える上で重要な土地です。その嵯峨野の地で、
京都の文化ならびに日本の伝統文化について、ともに学び、ともに考える場に
なっていくことができればと思っています。
 4月開講の講座は、「京都歴史講座」「京菓子学概論」「茶道教室」「今様
白拍子教室」です
 そのほか「一日謡教室」「一日舞踊教室」「男の着物講座」など、多数の講
座の開講を予定しています。
 どうぞお気軽にお越しください!!

■1■京都歴史講座————————————————–■

 各時代ごとに、さまざまな顔を見せてきた京都。
 歴史を知ることで、今の暮らしにもつながる新しい発見が得られることでし
ょう。みなさんのご質問にもお答えします。

 第1回:4月9日(日)午後1時〜2時
 第2回:5月7日(日)午後1時〜2時
 第3回:6月11日(日)午後1時〜2時
 (原則として、月1回いずれかの日曜日)以後の開講日は未定です。

 講 師:中村武生氏(佛教大学、天理大学非常勤講師)

 参加費:1回1,000円(茶菓子付)

 定 員:各回30名(先着順)

■2■京菓子学概論————————————————–■

 「京菓子から日本の文化を考える」をテーマに、3回シリーズで開催します。

 第1回:4月22日(土)午後1時〜2時30分
 「京菓子と京都」・・・京菓子から京都の歴史と風土を考えます。
 第2回:5月27日(土)午後1時〜2時30分
 「菓子と信仰」・・・菓子から思想や信仰の世界を探ります。
 第3回:6月10日(土)午後1時〜2時30分
 「京菓子と文芸」・・・「銘」の文化を考えます。

 講 師:太田 達氏(「老松」主人/京都女子大学、立命館大学非常勤講師)

 参加費:5,000円(3回) 茶菓子付(実習はありません)
     1回参加の場合は、2,000円になります。

 定 員:各回30名(先着順)

■3■茶道教室——————————————————■

 茶道といえば堅苦しいイメージがありませんか?
[嵯峨野学藝倶楽部]の教室では、楽しくお茶を喫(の)むことからはじめま
す。
 なお、茶書(お茶について書かれた書物)をひもほどきながら、お茶におけ
る「なぜ?」に答える講義のおまけつきです。

 4月開講日:8日(土)・22日(土)
 5月開講日:7日(日)・27日(土)
 6月開講日:10日(土)・24日(土)
 (以後の日程は、決まり次第お伝えします)

 毎月2回、午後3時〜8時に開講しています。
 [時間内であれば、納得されるまでいていただいて結構です]

 講師:西村宗靖氏(裏千家茶道準教授)、太田 達氏(裏千家茶道上級講師)

 月謝:3,000円/入会金3,000円

■4■今様・白拍子教室———————————————-■

 「今様(いまよう)」は、平安時代に貴賎を問わず愛された歌謡です。
 この教室では、七五調四節の今様歌をつくったり、平安時代の雅び文化を学
んだりします。稽古を続ければ、三船祭や祇園祭などの行事や寺社での奉納に
装束を着て参加することも可能です!

 4月開講日:8日(土)・29日(土)の午後1時〜2時
 5月開講日:6日(土)・20日(土)の午後1時〜2時
 6月開講日:3日(土)・17日(土)の午後1時〜2時
 (以後の開講日は未定です)

 講師:石原さつき氏(日本今様謌舞楽会 家元)

 月謝:5,000円/入会金3,000円

 ☆いずれの講座も初めての方、大歓迎!です。男女・年齢は問いません☆

  ○開催場所:嵯峨野 三壷庵(さんこあん)
        [住所:京都市右京区嵯峨野開町14−1]

  ○アクセス:京福電鉄「帷子ノ辻」駅下車、徒歩2分
        JR山陰線「太秦」駅下車、徒歩10分
        京都駅よりタクシーで25分

  ○申込み・問合せ先:氏名、住所、電話番号、ご希望の講座名を、下記
のアドレスまでメールでお知らせください。

         info@ren-produce.com(【連】事務局)

◇━━ 2.京都をめぐる歳時記 〜啓蟄の章〜 ━━━━━━━━━━━◇

 3月6日は、季節感を表す言葉として用いられる二十四節季のひとつ「啓
蟄(けいちつ)」です。
「啓蟄」の“啓”は[開く]、“蟄”は[土中で巣籠り(すごもり)している虫
]の意で、春になって、虫たちが目覚めて動き始めることを指します。

 啓蟄は『礼記』「月令」の「蟄虫始振」に由来する、古い語です。しかし、
漢王朝の5代目景帝の諱(いみな)が啓であったために、啓を遠慮して「驚蟄(
きょうちつ)」と改められました。(でも、いきなり驚蟄と言われたら、虫た
ちもビックリしたでしょうね)。
 漢の滅亡によって、啓の字を忌避する理由はなくなりましたが、その後も驚
蟄が続けて用いられ、唐王朝になって啓蟄が復活しました。
 
 しかし、唐では暦法を「大衍暦(たいえんれき)」になった時、驚蟄にまた復
帰しました。日本では遣唐使によって「啓蟄」が取り入れられ、奈良時代後半
には「大衍暦」を用いるようになった後も、啓蟄を驚蟄に改めることはなかっ
たそうです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜「啓蟄」の時季を楽しむために 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

            ☆★☆ 涅槃会 ☆★☆

 この頃、「涅槃会(ねはんえ)」と呼ばれる行事が各地で催されるって知っ
てました?
 「涅槃会」は、陰暦2月15日、釈尊入滅の日に全国の各寺院で営まれる法
会で、現在は3月15日に行われるところもあります。
 「仏生会(ぶっしょうえ)」「成道会(じょうどうえ)」とともに三大法会
「三仏忌(さんぶつき)」の一つとされ、古来から仏教各宗派で法要が営まれ
てきました。
 「涅槃」とは、サンスクリット語で<ニルヴァーナ>といい[吹き消すこと]を
意味します。煩悩の炎を吹き消し、悟りを開いた状態のことで、一般には、釈
尊の入滅をさす言葉としても使われています。
 釈尊はインドのクシナガラにある沙羅双樹(さらそうじゅ)のもとで80歳
の生涯を終えられました。

 日本では推古天皇の時代、奈良の元興寺(がんごうじ)で行われたのが最初
で、やがて全国の寺院に、のちに民間へも流布していきました。
 各寺院では「涅槃図」を掲げ、「遺教経(ゆいきょうぎょう)」釈尊の最後
の説法を記した経などを読誦されます。

 「涅槃図」には、釈尊が右脇を下にして横臥し、周囲には仏弟子をはじめ鬼
神、動物など森羅万象ことごとくが嘆き悲しむ様子が描かれています。
 京都・東福寺には、室町時代の画家明兆(みんちょう)の筆によるもので、
3月14日から3日間だけ、一般参詣者にも拝観を許されている涅槃図があり
ます。
 この涅槃図のおもしろいところは、嘆き悲しむ動物たちの中に、普通は、登
場しない猫が描き込まれていることでしょうか。

■—京都市内の涅槃会———————————————–■

○清涼寺の涅槃会
 清涼寺の涅槃会は、法要の後、嵯峨大念仏狂言とお松明式が行われます。お
松明式は、京の三大火祭りの一つで、本堂前に8メートル余の大松明3基を立
て、点火されます。この燃え具合で、農作物の吉凶が占われるそうですよ。
 この寺の涅槃図は、弘化3年(1846)に松本入道・藤原柳岳がしたもの
です。

 日 時:3月15日(水)午前10時〜
 拝観料:当日は無料(15日以外は、400円)

○真如堂の涅槃会

 真如堂では、江戸時代の宝永年間(1704〜1711)に描かれた涅槃図
(極彩色)が公開されてます。(午前9時〜午後4時)
 3月15日には、涅槃会法要があり(午前9時30分〜)無病息災がかなう、
と言われている「花供祖(はなくそ)あられ」の授与もあります。

 日 時:3月1日(水)〜31日(金)
 拝観料:600円(入山料込)

●真如堂のホームページ
http://www.net-tendai.jp/s/shinnyodo.html

○泉涌寺涅槃会

 泉涌寺で一般公開される大涅槃図は、日本最大の紙本極彩色で、作画には僧
厭求(えんぐ)や海北友賢(かいほうゆうけん)らが関わりました。
 15日には、涅槃会法要が行われます。

 日 時:3月14日(火)〜16日(木)
 拝観料:500円(15日は300円)

●泉涌寺のホームページ
http://www.mitera.org/

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     ★春の足音が聞こえたら・・・。
       涅槃図を見ながら、新しい発見を探してみませんか?

◇━━ 3.新連載『Many Stories of the Tea Ceremony』━━━━━━━━◇

    第1話 ブッダガヤ茶会記 ―上―   太田 達

 それは、とてつもなく長い露地渡り(※註1)となった。
 2月12日午後1時。関空発エアインディア香港経由に搭乗。香港まで約4
時間。そして、1時間半ばかり駐機時間。なんと、エアインディアは、機外へ
出してもらえない。中国人の掃除のおばさんがいっぱい入ってくる。何処に、
身を置けばよいのか・・・。

 それにしても、ボロボロの機体である。座席前のテーブルの留め具がこわれ
ている。着陸のショックで緊急酸素マスクが勝手に降りてくる。ロイヤルネパ
ールエアーのほうがずっと上等。この機は、10年前のモンゴルエアー並みか。
と思っているうちに夕食。またカレーである。

 そして、多分、パリに着くほどの時間をかけ、ニューデリーに着いた。本来
の席入り(※註2)で言うなら、やっと腰掛け待合い(※註3)か。乗り継ぎ
便の都合でデリーに2泊。そして、国内便のサハラエアーに乗り、パトナとい
うインド中部のアショカ王ゆかりの町に着く。

 ここからがスゴイ。ガタゴト道、熱と砂ぼこりの平原が続く。数ヶ月前、山
賊が出たとかで、バスの前後に軍のジープがつく。バスの天井に頭をぶつけ続
けること4時間、車は尼連禅河(ブッダガヤにある河で、この河を渡った後、
釈迦は悟りをひらく)を越えた。これは蹲踞(※註4)か。そして、ガヤの街
に入る。喧噪と、人、牛、人、犬、人、山羊。警護の兵隊たちが、銃で威嚇し
て道をあける。この街はにじり躙り口(※註5)なのか。躙り戸(※註6)を
開けると、バスはブッダガヤの静寂に入った。
                               (つづく)

(※註1)露地渡り<ろじわたり>・・・茶室に伴う庭のことを「露地(ろじ)
」という。
 利休は精神面を強調し、露地の境涯を仏界にたとえた。茶室に入るには、露
地に入り、歩をすすめながら世俗のほこりを清め捨てるといわれている。
(※註2)席入り<せきいり>・・・茶事・茶会に招かれた客が茶席に入るこ
とをいう。
(※註3)腰掛け待合い<こしかけまちあい>・・・露地にある腰掛け。
席入りの前に、亭主と挨拶をかわすため、ここに腰をかけて待つ。
(※註4)蹲踞・・・露地にある手水鉢で、茶席に入る前にここで手と口を清
める。
(※註5)躙り口<にじりぐち>・・・茶室特有の小さな出入口。
(※註6)躙り戸<にじりど>・・・躙り口の板戸。
                  参考文献)『茶道用語辞典』(淡交社)

◇━━ 4.新連載『ニッポン城郭物語』━━━━━━━━━━━━━━━━◇

                               梅原和久

 創刊号発刊の時期が迫り、連載記事のネタを検討していたときのこと。いく
つかアイディアが出た後、「ちょっと軽い読み物があってもいいなぁ」という
ことになった。ボスHAMA崎(伏せ字の意味なし)から「城のことでも書け
ば?」と、提案しているようでいて、実は有無を言わせない命令が下ったのは
そのときである。
 そう、私は「知らない人は知らないが、知る人ぞ知る」城好きなのである。

 とは言え、別に「三度の飯より城が好き」と言うわけでもないし(二度の飯
くらいなら我慢できる)、「好きなタイプは姫路城の白壁のような肌で…」っ
てなことを言ってみたりするほどのフェチでもない。
 ただ、話の流れで城好きであることを告白すると、大抵の人は「へぇ〜、変
わってるね」という顔をする。「変」と断言してくれる正直な人もたまにいる。

 しかし、城好きというのは自分で言うのも何だが、そんなに「変」ではない。
(泥酔者ほど「酔ってない」と言い張るのと同じだ、と言う意見には聞く耳を
持つ気はない)同好の士は案外いたりする。現に【連】メンバーの中にもいた。
同じ大学同じ学部の後輩であるってところが何なのだが。

 実際のところ、城に関するHPはたくさんあるし、ちょっと大きな本屋に行
ってみれば、「城の本のコーナー」とは言えないまでも、城の本が集められて
いることもある。そんなときは、「ほら、こんなに城好きがいるってことやん
!」と、誰に対してなのかは分からないが、自慢したいような気分にもなるっ
てなもんである。

 では、私はなぜ城に心惹かれるようになったのか。そのことを書こうと思っ
たのだが、既にこれだけの量になっているので今回は断念することにする。決
して、考えてみたけど特に思い当たることがなかったからではない。断じて。

 なお、この連載のタイトルは「ニッポン城郭物語」だが、別に城の来歴や主
にまつわる物語を書くつもりはない。そういうことなら、他の本やHPを見れ
ばどこでも読めるからである。
 ここでは、私の興味の範囲である近世城郭(織豊期から幕末までに存在した
城)のみを対象とし、ポイントを絞ることなく徒然なるままに書いていくこと
にする。

 では今回はこの辺で。次回は「城ってなんやねん」という内容でお送りする
予定。予告したことを忘れた場合は別だが。

                               (つづく)

◇━━ 5.次回予告━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

 次回から、【連】のメンバーによる連載モノ、第2弾が始まります。

「新・都鄙の連関」(毎月15日号に掲載予定)
 都から地方へ、地方から都へ。人、モノ、文化は流通する。
新しい京都文化論を語ります。

「京都文化警察」(毎月15日号に掲載予定)
 京都の町の景観や文化状況を、【連】の「摘発組」と「褒賞組」が判定しま
す。

◇━━ 6.メンバー紹介━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

【連】のメンバーによる、自己紹介のコーナー。
2人目に登場するのは、建築家の井上年和さんです。

 大学時代は、歴史的建造物の調査や伝統的木構造の研究をしていました。現
在は、財団法人建築研究協会というところで、文化財建造物の修理設計や社寺
の設計をしています。
 上七軒に住み始めたのは、8年前のこと。最初は「北野洛邑館(1階が老松
洋菓子部のマンション)」に住んでいたんですが、そこで、共通の知人を介し
て濱崎さんにめぐり会ってしまいました。以来、【連】にも引きずり込まれて
しまっているようです。
 今は、うどんのふた葉さんの隣の町家に住んでいます。
また、見に来て下さいね。

○O+編集後記+O○−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−−-−-−-−-−

 今回から、【連】のメンバーによる連載がスタート!しました。
どちらの連載も、話の続きが気になりますね。

 日本の文化に関する身近な話題や、京都の歳時記などについて、これからも、
皆さんにどんどんお知らせしていきます。

 次回は、【連】のメンバーによる新たな連載も始まる予定です。
 
 [次の発行は、3月15日(水)の予定です。次回も、お楽しみに!]

  日本の伝統文化を、いっしょに楽しみましょう! 
                                (治)

−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-O○

        

多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。