嵯峨野分化通信 創刊号

☆———–伝統文化プロデュース【連】メールマガジン———-
     嵯峨野文化通信 創刊号 2006年2月20日
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    連のメールマガジン〔嵯峨野文化通信〕へ、ようこそ!

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 □■□ もくじ ■□■

 1.創刊のごあいさつ
 2.【連】の由来
 3.〔嵯峨野文化通信〕について
 4.【連】の今後の催し
 5.京都をめぐる歳時記 〜雨水の章〜
 6.予告編
 7.メンバー紹介

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◆—1.創刊のごあいさつ————————————-◆

 日本の文化にこめられた知恵や美意識について、遊びながら学び広
めていくことを目的に活動する【連】が、メールマガジンを発刊する
ことになりました。
 結成して3年。おかげさまで賛同者も増え、さまざまな催しを開催
して参りました。
 メールマガジン〔嵯峨野文化通信〕を通じて【連】の活動の報告や
予定をお知らせするだけでなく、もっと伝統文化とは何かを、より多
くの方々に知っていただきたいと思っています。
 そして、現代の貧困ともいえる文化施策や私たちを取り巻く多様な
文化状況を、よりよいものに変えていければと考えています。
 時に未熟な見解や思慮不足の意見もあるかもしれませんが、さまざ
まな人々とさまざまな意見を交わすことで、よりよいものになるので
はないでしょうか。
 皆様からのご意見をお待ちしています。
                   【連】代表 濱崎 加奈子

◆—2.【連】の由来—————————————–◆

 【連】という名称は、「連歌(れんが)」から採りました。
 連歌とは、文字通り、歌をつなげていく遊びです。
 人の歌に、自分の歌をつける。そして、自分の歌にまた違う人が歌
をつける――つまり、一つのイメージが次のイメージを呼び、また、
そのイメージが新しいイメージを生み、連(つら)なっていくのです。
そんな連鎖が日本の伝統文化の中にはたくさん見られ、一種独特の共
同体と個性的な文化をかたちづくっています。
 しかし、戦後の日本は、この文化的文脈が切断された状況にあると
痛感しています。
 人と人のつながり、人と歴史のつながり。そんな「つながり」たち
を回復していきたいと願い、【連】と名付け、発会しました。

●【連】のホームページ
http://www.ren-produce.com/

◆—3.〔嵯峨野文化通信〕について—————————◆

 2004年、【連】は、平安京および、その後の京都文化の原点と
もいえる太秦(うずまさ)・嵯峨野の地に新たな活動の場を得ました。
 そして、「アトリエREN」「嵯峨野 三壷庵(さんこあん)」の2軒
を拠点として、ボランティアスタッフによる勉強会、イベントの開催
を行っています。
 しかし、もっともっとより多くの人たちにその活動を知ってもらい
たく、メールマガジン〔嵯峨野文化通信〕をはじめることにしました。
〔嵯峨野文化通信〕の発行は、毎月1日と15日の2回を予定してい
ます。

◆—4.【連】の今後の催し———————————-◆

○2月25日(土)に、北野天満宮で梅花祭が行われます。
 【連】では、この日、絵馬所で花街(かがい)に関する簡単な意識
調査を実施します。梅花祭に来られた際には、気軽にお声をかけてい
ただければ嬉しいです。
 絵馬所では、あわせて、昭和初期の上七軒の写真を公開します。

日 時:2006年2月25日(土)午前10時〜午後3時
場 所:北野天満宮 絵馬所(呈茶会場内)
 
○3月21日(火)に「北野上七軒界わいを語る会」が開催されます。
 【連】が運営のお手伝いをするこの会は、京都で最も古い花街「上
七軒」とその界わいについて、地元の人たちと話しあうものです。
 当日は、昭和初期の上七軒の写真を展示するほか、歴史研究で人気
の中村武生先生による、楽しいお話も伺えます。
 みなさんのご参加、お待ちしております!
   
日 時:2006年3月21日(火・祝)午前9時30分〜受付開始
場 所:上七軒歌舞練場(上京区御前通今出川上ル)
内容=講演会:午前10時〜11時
       演 題=「北野天満宮と御土居」
       講 師=中村武生先生(佛教大学・非常勤講師)
   地元の人たちと語る会:午前11時〜午後15時
      「昭和の北野上七軒界わい」の写真を見ながら、みなさ
んと昔の町並みや行事などについて、ざっくばらんに
話し合います。

参加費:無料(参加ご希望者は、当日、直接会場へお越しください)
主 催:京都市景観まちづくりセンター・
    北野上七軒界わいまちづくり委員会
協 力:上七軒花街文化研究会(【連】)

◆—5.京都をめぐる歳時記 〜雨水の章〜———————◆

 二十四節気(せっき)を知っていますか?
 二十四節気は、太陰暦を使用していた時代に、季節をあらわすため
の工夫として考え出されたものです。1年を24等分にし、その区切
りごとに名前をつけ、現在でも、季節の節目節目に、これを示す言葉
として使われています。
 今日、2月20日は、二十四節気のひとつ「雨水(うすい)」の時
季です。
「雨水」とは、今まで雪が降ったり凍ったりしていた季節がゆるんで、
水分が雨となって降るようになるという意味です。昔は「雨水」を以
て農作業の準備を始めたそうですよ。

〜〜〜〜〜〜〜〜「雨水」の時季を楽しむために〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

   ☆★☆ 2月25日(土) 北野天満宮・梅花祭 ☆★☆

 北野天満宮は、村上天皇天暦元年(947)に、菅原道真公の御霊
を鎮めるために創建されました。

  東風(こち)吹かば匂いおこせよ梅の花
   主なしとて春な忘れそ     
                  道真

 上記は、左遷により、九州の大宰府に向かう菅原道真公が、寂しい
旅立ちの際に、詠んだ歌です。
 その時に、京の邸の梅の木が筑紫(福岡県)まで飛んだという「飛
び梅伝説」にちなみ、北野天満宮には各時代多くの崇敬者により多数
の梅の銘木が集められ、梅の名所となりました。
 
 梅花祭は、御祭神の菅原道真公が延喜3年(903)2月25日に
薨去された祥月命日に行われる祭典です。鳥羽天皇天仁2年(110
9)2月25日にこの祭典が行われた記録が残っていることから、約
900年もの古い歴史を持っています。

 この祭典では、貞明皇后参拝の古例によって皇后陛下の御代拝が行
われます。古くは、御祭神を宥(なだめる)と音の通じる菜種の花を
供え「菜種御供(なたねのごく)」としていたそうですが、明治以降
の新暦になると、菜種のかわりに梅の花を用いたことから次第に「梅
花御供(ばいかのごく)」と呼ばれるようになったということです。

 また、白梅・紅梅の小枝を挿した「紙立(こうだて)」――仙花紙
を筒状にして、底に小さなかわらけを敷き、中に玄米を入れ、梅の小
枝を挿し立てた特殊神饌で「香立」とも書く――を、男女の厄年にち
なんで、42本(白)と33本(紅)ずつの梅を2台にわけて御神前
にお供えされます。
 25日の当日、授与所では「紙立」に用いた玄米を「厄除玄米」と
して授与されるそうです。
 この神事は、誰でも見ることができます。

時 間:午前10時〜 梅花祭神事(於:本殿)

 また、この日、境内の梅花の下では、上七軒の芸妓・舞妓さんによ
る華やかな野点が開かれます。
 天正15年(1587)豊臣秀吉公が、同宮境内で北野大茶湯を催
した故事にちなんで、御祭神菅原道真公1050年大萬燈祭にあたる
昭和27年(1952)から毎年「梅花祭野点大茶湯」が開催されて
います。

時 間:午前10時〜午後3時 野点(於:絵馬所)
入場料:1,500円(お抹茶と和菓子付き)

● 北野天満宮のホームページ
http://www.kitanotenmangu.or.jp/news/05.html

★2月と言えば、[梅]をイメージする人も多いと思います。でも、知
ってました?
  梅のシーズンは、新暦だと、2月じゃなくて、3月なんです!
4月になってから、満開になることも珍しくないんですよ・・・実は。

 また、今年の梅の遅れは、1ヶ月以上と言われています。
 自然に咲く梅の花で、季節感を楽しんでみてはどうでしょう? 

■◇■——————耳より情報!!——————-■◇■

 ♪梅花祭の野点の席で出されるお菓子、老松さんと鶴屋吉信さんの
ものが半々!ということを知ってました!?
    梅花祭に来られたみなさんは、どちらがあたるのかな?

 ♪北野天満宮の境内には、上七軒の舞妓さんや芸妓さんが作った俳
句の書かれた短冊が梅の木にかかっているんです。
     皆さんのお気に入りの俳句は、ありますでしょうか?

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◆—6.予告編———————————————-◆

 次号から【連】のメンバーによる連載を始める予定です。
その連載の内容を、少しだけお知らせしますね。

「Many Stories of the Tea Ceremony」(毎月1日号に掲載予定)
 人が集えば何かが生まれる。
【連】のメンバーがかかわった茶会のシーンから、サロン文化を考え
ます。

「ニッポン城郭物語」(毎月1日号に掲載予定)
 城、城、城。今なお多くの人を魅了する城。城マニアの連メンバー
が、城への愛を語るマニアックなコーナーです。

「新・都鄙の連関」(毎月15日号に掲載予定)
 都から地方へ、地方から都へ。人、モノ、文化は流通する。
新しい京都文化論を語ります。

「京都文化警察」(毎月15日号に掲載予定)
 京都の町の景観や文化状況を、「連」の「摘発組」と「褒賞組」が
判定します。

◆—7.メンバー紹介—————————————-◆

 【連】のメンバーによる、自己紹介のコーナーです。
 まずは、代表の濱崎加奈子からスタートです!

 伝統文化に興味をもったのは、京都大学在学時代。
 邦楽の稽古やお茶屋さんでのアルバイト、歌舞伎の舞台鑑賞などを
通して、「伝統文化」の虜になりました。
 現在は、修士から博士過程まで在籍した東京大学の研究員として、
日本人の見えないものに対する感性としての「香道」の美学、また「伝
統文化プロデュース論」をテーマに研究、執筆しています。そのかたわ
ら、【連】の運営もしています。
 自分自身も抱いていた伝統文化に対する「壁」を低くすること、つま
り、伝統文化に携わる人々と研究者、また、それらに興味を抱かれる方
々との間を橋渡しする役割を果たすことが、これからの大きな目標です。

○O+編集後記+O○−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−-−

 〔嵯峨野文化通信〕の創刊号は、どうでしたか?

 日本の文化に関する身近な話題や、京都の歳時記などについて、
これから皆さんにどんどんお知らせしていきます。
 次回から、【連】のメンバーによる連載もスタートします!
 
 [次の発行は、3月1日(水)の予定です。次回も、お楽しみに!]
  
  日本の伝統文化に、少しでも興味を持ってもらえるといいな。

                             (治)

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。