伝統文化プロデュース【連】メールマガジン
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [嵯峨野文化通信] 第140号
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伝統文化プロデュース【連】は
日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です
嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します
毎月1日・15日(月2回)
■VOL:136(2011/12/2)
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■□■もくじ■□■
■【連】からのお知らせ ————————文化講座のご案内
有斐斎弘道館月釜「松浦の太鼓茶会(忠臣蔵)
」のご案内
『淡交別冊』第60号「京の茶の湯―お茶人の
ための京都案内」発売のご案内
2012年 春の弘道館文化講座のご案内
■(連載)『ニッポン城郭物語』—————————— 第六十八幕
■(連載)『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』———- 第四十回
■(連載)『北野の芸能と茶屋』—————————— 第四十三回
■[嵯峨野学藝倶楽部]12月開講講座のお知らせ
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□■【連】からのお知らせ■□
■ 文化講座のご案内
今年は、三壷庵から有斐斎 弘道館へ場所を変えて、さまざまな専門講座を行ってまい
りましたが、その講座も今年最後の回となりました!
みなさま忙しい師走の季節となりますが、どうぞお誘い合わせの上、ご参加ください!
「京都文化教養講座1~信仰からみる京都~」
日程 :12月10日(土)
テーマ:「門跡とは」
時間 :11時~12時30分(90分)
場所 :有斐斎 弘道館
講師 :太田 達(池坊学園教授、京都女子大学非常勤講師)
参加費:1回2,000円(生菓子、抹茶付き)
※上記の講座を受講するには申込みが必要です。
kouza@kodo-kan.com
講座についての詳細はコチラ
http://kodo-kan.com/seminar.html
■ 有斐斎弘道館月釜「松浦の太鼓茶会(忠臣蔵)」のご案内
ご好評いただいております、有斐斎弘道館の月釜。
こちらも本年度最後となっております。10月より会員制となりましたが、もちろん
会員以外の方もご参加いただけますので、どうぞお誘い合わせの上、お越しください!
日 程:12月18日(日)
時 間:11時~15時
場 所:有斐斎弘道館
参加費:1,500円(会員の方は不要)
※ご予約が必要となりますので、お問い合わせください。
詳細はコチラ
http://kodo-kan.com/tea.html
申し込み、問合せ先はコチラ
TEL :075-441-6662
MAIL:tea@kodo-kan.com
有斐斎弘道館(上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524‐1)
http://kodo-kan.com/access.html
ただいま、月釜会員募集中ですので気軽にお問合せください。
年会費:1万円(各回の参加費は不要です)
■『淡交別冊』第60号「京の茶の湯―お茶人のための京都案内」発売のご案内
本日、淡交社さんから「茶の湯のメッカ」である京都の茶の湯の名跡や文化を紹介
した一冊が発売されます。
こちらの「ガイド京の茶の湯めぐり」で、【連】代表の濱崎加奈子が茶の湯一日観
光コースを案内しています。
京都の歴史と伝統を踏まえながら、京都における茶の湯をしっかりと理解できる内
容となっておりますので、どうぞご覧ください!
詳細はコチラ
http://www.tankosha.co.jp
発売日;2011年12月2日
発売元:淡交社
価 格:1,600円(税込)
■2012年 春の弘道館文化講座のご案内
現在開講中の講座は年内で終了しますが、新しい文化講座が新年より始まります!
来年も濃い内容のさまざまな講座をご用意いたしておりますので、どうぞご参加
ください。
「京文化教養講座1~天皇からみる京都~」
1月14日(土)嵯峨帝
2月18日(土)宇多帝
3月10日(土)花山帝
4月14日(土)白河帝
5月12日(土)崇徳帝
6月 9日(土)後白河帝
時 間:11:00~12:30
講 師:太田達
参加費:6回12,000円(1回毎2,000円)*茶菓子付き
※1回毎の場合は要事前予約
「京文化教養講座2~茶の湯の文化を識る~」
1月17日(火) 正月の茶
2月21日(火) 江戸初期の茶室を廻って 講師:桐浴邦夫
(京都伝統建築専門学校講師)
3月13日(火) 雛の茶と利休忌
4月17日(火) 本願寺と藪内
5月15日(火) 初風炉とは
6月19日(火) 古田織部~へうげたるもの~
時 間:13:00~14:30
講 師:桐浴邦夫、太田達、濱崎加奈子
参加費:6回12,000円(1回毎2,000円)*茶菓子付き
※1回毎の場合は要事前予約
「京菓子専門講座2」
「春の餅と葛」をテーマに、京菓子の歴史、理論、製作技法、デザインを学びます。
1月17日(火) はなびら餅と餅文化
2月21日(火) 梅の思想と梅の菓子
3月13日(火) 上巳と草の餅(ひちぎり)
4月17日(火) 実習:桜の主菓子を作る(講義「桜の思想」付き)
5月15日(火) 葛菓子について
6月19日(火) 実習:ご自身の葛菓子をデザインし、創菓する
時 間:15:00~16:30
講 師:太田達 ほか
参加費:6回30,000円 *茶菓子付き
お申込み、お問合せはコチラ
TEL :075-441-6662
MAIL:kouza@kodo-kan.com
有斐斎弘道館(上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524‐1)
http://kodo-kan.com/access.html
※4月より開講予定の講座
「茶会はじめ 中級」(全5回)
「今様・白拍子・平家物語」(全6回)
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■『ニッポン城郭物語』■
ー第六十八幕ー ~京都新城の話~
梅原 和久
前号で取り上げた妙顕寺城の後、秀吉が次なる洛中拠点として築いたのが、かの有名な
聚楽第である。甥の関白秀次の失脚にともなって聚楽第が完成からわずか九年で破却され
た後、秀吉は既に隠居城としていた伏見城、そして本拠地である大坂城に居を移したとい
うのが広く知られている「史実」であろう。
しかし、秀吉は聚楽第破却から五年後、三度目で最後の洛中拠点を築き始める。それが
京都新城である。旧聚楽第に代わる新しい城、という意味だが、文献によっては「太閤御
屋敷」「秀頼卿御城」などとも呼ばれている。この城があったのは現在の京都御苑の南東
大宮御所・仙洞御所のある辺りであるが、ほとんど知られていない。世に城の本は数多く
あるが、この城を紹介したものはないのではないか。
それほど知名度のない城ではあるが、当時の公家の日記などの文献にはそれなりに登場
する。慶長二年(1597)の正月に縄張りが始まり、「三条から南へ四町、東洞院から
東へ四町」という範囲が城地として設定されたが、翌年四月には秀吉の命により土御門通
から南へ六町、京極から西へ三町という、禁裏に隣接した場所へと移された、とある。
また五月と十月には秀吉が自ら工事の監督にきたこと、そしてその十月の際は、松葉で
目を突いて怪我をしたことも分かる。
この城は、秀頼の元服と朝廷での昇進の際に使用されたことが伝わっているが、外観等
の様子が分かるものは何もない。ただ、それも文献からかろうじて伺うことができる。
秀吉が京都新城完成の翌年、慶長三年(1598)に没すると、この城には大坂城から
出た北政所が入る。そして慶長五年(1600)、関ヶ原の合戦の少し前に、京都新城を
一部破却し、石垣や櫓、門を撤去しているのだ。城としての防備を外すことで、戦乱に巻
き込まれることを防ごうとしたのだろうが、逆にこの記載により、京都新城が本格的な城
の構えであったことが分かるのである。
関ヶ原の合戦後、ここは正式に北政所邸となった。江戸初期の公家町絵図には「高台院
殿」と表記され、洛中洛外図にもその姿が描かれているが、既に城の面影はない。北政所
の死後、この地は後水尾上皇の仙洞御所に再利用されることになり、現在に至っている。
なお、京都迎賓館建設に先立つ発掘調査の際に、幅6メートル深さ2メートルの巨大な
堀が南北140メートルも検出された。京都新城の北側に位置するため、直接の遺構であ
るかどうかは不明だそうだが、同時期のものであることから、何らかの関連があることは
間違いなく、秀吉が直接手がけた城の威容を想像する手掛かりになっている。
■『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』■
第四十回
荻田 みどり
今回は、閑話休題。
先日、福井県越前市の武生(たけふ)という所に行ってきた。ここは、紫式部の父藤原
為時が越前守として赴任していた、越前国府があったといわれる場所である(越前国府の
場所ははっきりとはわかっていないが)。そのため、紫式部も父に付き添い、約2年間越
前国で暮らしていた。
『源氏物語』浮舟巻にも、浮舟が薫と匂宮の二人の板挟みになっている状態から苦悩し、
母にそばにいてほしい旨訴える場面で、母の言葉に「武生」の語が見える。
「さなむ思ひはべれど、かしこもいともの騒がしくはべり。この人々も、はかなきこと
などえしやるまじく、せばくなどはべればなむ。武生の国府(こふ)に移ろひたまふとも、
忍びては参り来なむを。なほなほしき身のほどは、かかる御ためこそいとほしくはべれ」
など、うち泣きつつのたまふ。
母には再婚した夫常陸介と、出産を間近に控えた娘がいる。その慌ただしい中では、浮
舟を常陸介邸に連れて帰ることはできない。浮舟は常陸介の子ではないため、なおざりに
されていた。またそのような居心地の悪い思いをさせたくないという思いも母にはある。
それで、常陸介邸に迎えることはできないが、もし武生の国府のような遠い所へ浮舟が移
ったとしても、母は浮舟の許へこっそりと会いに行くと、浮舟をなだめる。2年間暮らした
越前国だが、紫式部にとっても京からは遠い場所であった。
武生では、「紫式部公園」なるものが作られている。紫式部像が立ち、池には橋が渡さ
れ、寝殿造の釣殿がせり出している。
そんな越前国で有名な食といえば、今は越前そば。紫式部公園の隣でも、美味しい越前
そばをいただけた。では、平安期はどうだったのかと、「延喜式」をひもといてみた。
巻33大膳下に、越前国から京に貢進された「菓子」の類が見える。「甘葛煎(あまづらせ
ん)」、「暑預(やまのいも)」、「暑預子(むかご=やまのいもの茎の一部が肥大化し
たもの)」、「椎子(しいのみ)」がある。巻23民部下にも「甘葛汁一斗」とある。
甘葛煎とは、ツタの抽出液を水飴状に煮詰めた、古代の甘味料の一種であり、砂糖がな
い時代にあっては貴重なものだった。庶民には採取するだけで手の届かないものであろう
が、越前守の娘である紫式部ならもしかしたら、清少納言が氷に甘葛をかけて食べたよう
に、京を離れた武生でも甘味を楽しんだかもしれない。
■『北野の芸能と茶屋』■
第四十三回
井上 年和
元和年間(1615~1624頃)
「(前略)北野の社に参りて見れば、貴賤群衆の限りなく、輿や車を遣り違へ、時めき
あへるその中に、(中略)
又、有方を見てあれば、連歌の座敷と打見えて、唐木の筆臺、花梨の文臺、下繪の懐紙
折重ね、執筆と見えし若男、衣紋気高く引繕ひ、慇懃げにも差し出て、宗匠座敷に直りけ
れば、既に連歌は始まりぬ(中略)
又或方を見てあれば、若侍をりあひて、大声を挙げて鞠を蹴る。(中略)
又或方を見てあれば、遊女遊君集りて、若き人々打交り、三味線・胡弓に綾竹や調べ添
えたるその中に、石村検校参られて、歌の調子を上げにけり。(後略)」
『竹齋』
『竹齋』は元和~寛永年間頃に書かれた仮名草子である。よって、日記や見聞記とは違
って、実像を映し出している文章とはいえないかもしれないが、当時の人々は北野に対し
おおよそこのようなイメージを持っていたのであろう。
あっちもこっちも人だかりでタクシーも連なり、あっちを見れば歌、あっちを見ればサ
ッカー、あっちを見れば呼び込み、あっちを見れば音楽とまさに近世洛中の「プレイスポ
ット」であったのだ。
現在の天神さんも出店が出て、多くの人が行き交い大変な賑わいであるが、当時は出店
の他にも音楽や歓声がこだまし、茶屋で酔っぱらった客が騒いだり、下之森から中之森に
かけては年中騒々しかったことであろう。
北野の芸能と茶屋は、このような喧噪の中で発達していったのだ。
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□■[嵯峨野学藝倶楽部] 12月開講講座のお知らせ■□
詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。
■「茶道教室(水曜日コース)」
日程:12月7、21日(いずれも、水)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「茶道教室(土曜日コース)」
日時:12月3、10(いずれも、土)23日(金、祝)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:下記時間内で、ご都合の良い時間にお越しください
( 3日)10時~19時
(10日)15時~19時
(23日)10時~18時
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「今様・白拍子教室」
日程:12月10、24日(いずれも、土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:13時~14時
講師:石原 さつき
※見学/体験も、随時受付けています。
性別・年齢・経験は問いません。
■「うたことば研究会」
日程:12月24日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:15時~16時(60分)
監修:田口 稔恵
※資料代等が必要です。詳細はお問合せください。
●URL
http://www.ren-produce.com/sagano/club/
お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com
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■□■ひとこと■□■
京都の紅葉も終盤を迎えたようで。
今年は温度変化の影響により、例年に比べると色づきが劣ると聞いておりまし
たが、やはり綺麗ですよね。
真っ赤に染まる紅葉、自然の素晴らしさには何者もかなわないです。
(いまむら)
[次回は、12月15日(木)に配信予定です!次回もお楽しみに。]
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