嵯峨野文化通信 第91号

 伝統文化プロデュース【連】メールマガジン 

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              〔嵯峨野文化通信〕 第91号
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         日々の暮らしに「和」の魅力をプラスしてみませんか?

    伝統文化プロデュース【連】は、日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識に
          ついて、学び広めていくための活動をしている団体です。

         京都・嵯峨野から、最新の情報を皆さんにお届けします!

               毎月1日・15日(月2回)

                      ★VOL:91(2009/11/15)

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   ○【連】からのお知らせ ———— 今様熊野ツアーが映像作品になりました!
【連】太田達協力の記事が掲載!
                     太田達が「日めくり万葉集」に出演!
来年の<京文化を語ろう>のご案内
   ○(連載)『餅と饅頭-和漢の境まぎらわす事-』—— 第七回
   ○[嵯峨野学藝倶楽部]11月・12月開講講座のお知らせ
 

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 【連】からのお知らせ
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  本来、15日発行のところ、2日遅れての発行となってしまい、申しわけありません。
 嵯峨野文化通信をの発行を楽しみにしてくださっている読者の皆様には、ご迷惑をお掛け
 しましたこと、お詫び申し上げます。今後は、遅れることがないようにしていきたいと思
 いますので、今後ともご愛読ください。

 ○今様熊野ツアーが映像作品になりました!

  12月25日より長野県にて、日本人の「放浪・遊行性」をテーマにしたシンポジウム
 が開かれます!シンポジウム3日目には【連】スタッフである佐藤芽生さんが、今様熊野
 ツアーで撮った映像をもとに作った作品「今様を求めて」が上映されます。
  日本文化の中でなくてはならない要素である「放浪・遊行性」について、空也から長野
 県伊那に実在した放浪の俳人井月(せいげつ)までを追い、<映像とことば>で放浪の系
 譜をたどります。
  お近くにお住まいの方はぜひお越しください!

  日程:12月25日(金)~27日(日)
  時間:27日 PART4.海外の放浪の民
     10時~    大森康宏「私の人生 ジプシー・マヌーシュ」(60分)
     11時10分~ 川瀬慈「ラリベロッチー終わりなき祝福を生きるー」
                                  (30分)
     11時50分~ 北村皆雄・三浦庸子「ベンガルの語り絵師ポトゥア」
                                  (24分)
     13時20分~ 講演と映像 大森康宏(立命館大学教授)「ジプシーと巡礼」
     14時30分~ 映像民俗学の会/ 伊那ビデオクラブ会員映画上映(応募)
              ・「巡礼・世界の聖地~メッカ編、チベット編」(40分)
               制作:毎日放送、企画:梅本史郎・康浩郎
               制作協力:パトリア、ヴィジュアル フォークロア
               ディレクター:弘理子(チベット編)他
              ・多比良健夫『稲荷山の歳時記』(54分)
              ・ 佐藤 芽生「今様を求めて」(15分)
              ・伊那ビデオクラブ会員作品(またきてね・天空の里・やき
               もち踊り・再起・天竜舟うた・盗賊猿一家・追憶の駒ケ岳
               各5分)

     ※25日、26日の日程は割愛させていただきます。
      詳しくは下記HPをご覧ください。
  費用:3日間通し800円、学生400円(井月顕彰会、映像民俗学の会会員無料)
     一日券は300円、学生200円
  所:伊那市生涯学習センターホール いなっせ6階
     長野県伊那市荒井3500-1

  お問合せはコチラ
   TEL:0265-78-5801

  井上井月顕彰会HPはコチラ
   http://www.seigetsu.org/index.php?f=&ci=13445&i=13504

 ○【連】太田達協力の記事が掲載!

  『婦人画報』12月号(10月31日発売)の「通の美食手帖」に【連】太田達が協力
 しています。ぜひご覧下さい!

  婦人画報HPはコチラ
   http://www.hfm.co.jp/product/fujingaho/magazine/0912
 

 ○太田達が「日めくり万葉集」に出演!

  『餅と饅頭-和漢の境まぎらわす事』の執筆者で、和菓子の老舗「老松」の店主を勤め
 る【連】メンバーの太田達がNHK「日めくり万葉集」に出演しました!
 「日めくり万葉集」は1200年前に詠まれ、膨大な歌を伝える万葉集の中から、毎日選
 者が一首選び、その歌に対する思い入れや、その歌の魅力を語っていただく番組です。
  太田達が、選者を担当した放送は、9月17日・11月5日です。
   
 「日めくり万葉集」HP
  http://www.nhk.or.jp/manyoushuu/kako/index.html

 ○来年の<京文化を語ろう>のご案内

  太田達を講師として迎え行っている講座<京文化を語ろう>の来年のテーマは「宗教か
 ら京都を考える」第2弾です。今年下半期にやってきました「宗教から京都を考える」を
 発展させ、信仰としての神社をとりあげます。京都文化の形成に大きな影響をあたえた神
 社。その信仰は全国に広がりを見せました。京都の産業、文化、政治まで、幅広く捉えて
 いきます。
  
  日程:1月16日  テーマ:「八坂」
     2月13日      「北野」
     3月13日      「稲荷」
     4月10日      「賀茂」
     5月8日       「八幡」
     6月12日      「愛宕」

  時間:11時~12時30分(90分)
  講師:太田 達
  参加費:1回1,000円(茶菓子付)
  
   ※1回のみの参加も、随時受付けています。

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                  (連載)『餅と饅頭-和漢の境まぎらわす事-』
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                   第七回

                                    太田 達

  尊氏の母の出身地が綾部であることが、足利氏にとって、特別な場所になる。
  現在、京都縦貫自動車道と舞鶴自動車道が交差する地点のインターチェンジの名が「安
 国寺IC」。この「安国寺」というのは、尊氏、直義の兄弟が元弘の乱以降の戦没者の追
 悼を発願し、日の本六十六国二島全てに一寺一塔を建立した臨済僧夢窓疎石の提案により
 康永四年(1345)、光厳上皇の院宣を仰いで後、5年ほどかけて実施された寺である。
 これは守護国の確認、支配権の確立、旧仏教へのプロパガンダ等、政治的な重要政策なの
 だが、利生塔の建立という、仏舎利を二粒ずつ全国に納める行為は、聖武天皇の国分寺と
 同様、あるいはそれ以上の行為となった。釈迦牟尼という遥か彼方の時代、天竺=インド
 という遥か彼方の南方の地を多くの日本人が感じたのではないか。

  「三国一の花嫁」の三国は天竺、唐土、本邦なのだが、天竺のイメージは700年前の
 日本人には造りにくいであろう。釈迦牟尼の悟りをその原理とする禅は、明日の命を知ら
 ない武士階級にとって受入れやすいものであった。しかし、武士と謂えども人間という部
 分においては、厭離穢土(えんりえど)、欣求浄土(ごんぐじょうど)。念仏禅が本音な
 のかもしれない。そして、自然な欲望として、不老不死の神仙思想がある。渡海僧または
 渡来僧が、禅とともに浙江省から持ち込んだ多くの思想に、大系化された道教もある。

  江戸時代天保年間に発刊された『道歌心の索』。これは、日本の禅宗史を代表する五十
 人を百人一首形式で紹介している。その第一番が、檀林皇后、橘嘉智子。「もろこしの山
 のあなたに たつ雲は ここに炊く火の けむりなりけり」実は、禅の本邦への渡来はお
 よそ6回に渡るとされ、その第6伝が明庵栄西である。その第4伝とされるのが、橘嘉智
 子が南宋杭州より招聘した義空を嵯峨檀林寺の初祖としたこととされる。そう、『橘』が
 重要であり、夢窓疎石の発案で、尊氏、直義が亡き後醍醐天皇の鎮魂のため(実際は、藤
 原氏における管公のように、後醍醐の怨霊化を恐れたのであろう)心血を注いだ、これも
 実際彼ら自身が石や土を運んだとも言われている、それほど真剣に造営した天龍寺である。
  大覚寺統縁の亀山殿の旧跡に建立といわれているが、実は、その地は橘嘉智子の檀林寺
 の旧跡である。これは偶然ではなく後者を意識したものであろうし、寺院名の天龍寺も、
 もともと、本邦三例目となる年号を被せた「暦応資聖禅寺」となるはずであったが、比叡
 山衆徒の圧力により暦応を捨て、撰んだ寺名は道教的な強い聖なる天に昇る龍となった。

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 ◆[嵯峨野学藝倶楽部] 11月・12月開講講座のお知らせ ◆
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 詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧下さい。

 ★「茶道教室(水曜日コース)」
  日程:11月18日、12月2日、16日(いずれも、水)
  時間:13時~18時(ご都合の良い時間にお越し下さい)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ★「茶道教室(土曜日コース)」
  日程:11月21日、12月5日、12日(いずれも、土)
  時間:15時~20時(ご都合の良い時間にお越し下さい)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ★「京都歴史講座」
  日程:11月22日(日)
  時間:11時~12時30分(90分)
  講師:中村 武生
  テーマ:「意外と多い商人・学者の邸宅跡の碑」
  参加費:1回 1,000円 (茶菓子付)
  ※1回のみの参加も、随時受付けています。

 ★「今様・白拍子教室」
  日程:11月28日、12月5日、26日(いずれも、土)
  時間:13時~14時(60分)
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。

 ★「うたことば研究会」
  日程:11月28日(土)
  時間:10時~11時(60分)
  監修:田口 稔恵
  ※資料代等が必要です。詳細はお問合せ下さい。

 ★「京文化を語ろう」
  日程:12月12日(土)
  時間:11時~12時30分(90分)
  講師:太田 達
  テーマ:「宗教から京都を考える~キリスト教~」
  参加費:1回1,000円(茶菓子付)
  ※1回のみの参加も、随時受付けています。

 ●URL
  http://www.ren-produce.com/sagano/club/

 お問合せ・お申込みはコチラまで→sagano@ren-produce.com

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  先日、遅刻をしそうになりタクシーを使った時のこと。
  運転手のおじさんがとてもいい人で、気さくに話しかけてくれ、遅刻ぎりぎりだという
 事を話すと裏道を抜けてなんとか時間に間に合うようにしてくれました。
  感謝し、お礼を言ってタクシーを降りました。
  集合場所に向かって走りながら、こういったコミュニケーションは気持ちがいいなと思
 いました。

                                    (まつだ)

     [次回は、12月1日(火)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。