嵯峨野文化通信 第85号

伝統文化プロデュース【連】メールマガジン 
 
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              〔嵯峨野文化通信〕 第85号
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         日々の暮らしに「和」の魅力をプラスしてみませんか?

    伝統文化プロデュース【連】は、日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識に
          ついて、学び広めていくための活動をしている団体です。

         京都・嵯峨野から、最新の情報を皆さんにお届けします!

               毎月1日・15日(月2回)

                      ★VOL:85(2009/8/15)

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  ○【連】からのお知らせ —————– 花街シンポジウム、本日開催!
                 老松さんが京菓子展に参加されます!
                 茶道教室から茶会のご案内
  ○ (新連載)『餅と饅頭ー和漢の境まぎらわす事ー』— 第一回
  ○(連載)『やまとのくには言の葉のくに』———— 第五十首
  ○[嵯峨野学藝倶楽部]8月・9月開講講座のお知らせ

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              【連】からのお知らせ
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 ○花街シンポジウム、本日開催!

  前号でお知らせしていました花街シンポジウムは、本日が開催日です!
  『京の花街 ひと・わざ・まち』の刊行を記念して開催するこのシンポジウムで、第一
 部では花街に関しての討議を行い、また「地方(じかた)」と呼ばれるお座敷の演奏者の
 方にスポットをあて、お話を伺います。そして先斗町の芸妓・もみ鶴さんにお座敷唄の演
 奏を披露していただきます。また第二部では執筆にご協力いただいた上七軒や宮川町など
 の芸妓さんにお越しいただきます!軽食もご用意しております。
  第二部の飛び入り参加も大歓迎ですので、お時間おありの方はぜひお越しください!

 「京の花街 ひと・わざ・まちー<歌舞練場>から花街の現状と未来を考えるー」
  日程:8月15日(土)
  時間:第一部 14時開演(13時30分開場) *参加無料
     第二部 17時開会(16時30分受付) *参加費 8、000円
  場所:京都コンサートホール (京都市左京区下鴨半木町1-26)
  出演:もみ鶴(先斗町芸妓)・美代治(宮川町芸妓)・勝喜代(上七軒芸妓)
     太田達・平竹耕三・上林研二・井上えり子・濱崎加奈子 

   お問い合わせはコチラまで
   担当スタッフ八木 
   TEL:090ー6808ー0453

   【連】詳細HPはコチラ
    http://www.ren-produce.com/kagai-sympo2/

   読売新聞にこのシンポジウムの紹介と、花街についての特集記事が載りました。
   連のメンバーが多数登場しています。
   http://osaka.yomiuri.co.jp/kyoto/news/20090808kn02.htm
   http://osaka.yomiuri.co.jp/kyoto/news/20090810kn01.htm

  ※前号のメルマガ第84号でお伝えしました、シンポジウムの受付時間のご案内に間
 違いがありました。
  第二部の受付時間は、16時ではなく16時30分です。申し訳ありませんでした。

 ○菓子司「老松」が京菓子展を開催されます!

  第84号でもお伝えしましたが、8月18日から、京都国立近代美術館において「プ
 ラっときんび〜なにがあるかな? 京都国立近代美術館」が開催されます。今回は池田
 満寿夫の作品を展示されますが、同美術館内で【連】の活動にも協力してくださってい
 る菓子司「老松」が池田満寿夫作品にちなんだ京菓子展を開催されるそうです!
  京都国立近代美術館のコレクションである池田満寿夫作品を京菓子で表現するという、
 聞いているだけでわくわくする企画です!
  また美術館内にあるカフェ505では、池田作品にちなんだ京菓子がいただけるそう
 です。
  アートと京菓子の共演を、ご覧になってみませんか?

 「池田満寿夫×京菓子 日付のある菓子」
  日程:8月18日(火)〜23日(日)
  時間:9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
     ※21日(金)は20時まで(入館は19時30分まで)です。
  場所:京都国立近代美術館1階ロビー(京都市左京区岡崎円勝寺町 )
  費用:無料
  ※ただし、池田満寿夫作品を鑑賞するには鑑賞チケットの提示が必要です。
   またカフェ505で京菓子をお召し上がりいただく場合は有料となります。

  なお、8月18日14時より、東京大学大学院教授の小林康夫氏が池田満寿夫
 について語るトーク形式の講演会が行われ、「老松」主人で【連】のメンバーでもある
 太田達も参加いたします。ぜひご聴講ください!

 日程:8月18日(火)
 時間:14時〜15時30分
 場所:京都国立近代美術館1階講演室
 費用:無料
 ※11時より受付で整理券を配布。先着100名まで参加可能です。

 プラっときんびHP
 http://space.geocities.jp/seed_museum/index.html

 ○茶道教室から茶会のご案内

  第84号でもお知らせしました、「ゆかた茶会」のご案内です!
 まだまだ蒸し暑い日が続きますが、今回の茶会はこういった暑い日にこそぴったりな趣向
 でお茶がいただけます! 
  ぜひお誘い合わせの上、お越し下さい!

  日程:8月29日(土)
  場所:老松 嵐山店2階(京都市右京区嵯峨天龍寺)
       京福電鉄「嵐山」駅下車、徒歩3分
       JR「嵯峨嵐山」駅下車、徒歩10分
       阪急電車「嵐山」駅下車、徒歩12分
  席入り:10時30分
      11時30分
      13時30分
      14時30分 の4回です。
  料金:一服 800円

   お問い合わせ・お申し込みはコチラまで
    メール:rieandaskaandrie@yahoo.co.jp

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           (新連載)『餅と饅頭ー和漢の境まぎらわす事ー』    
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                  第一回    

                                   太田 達

  「菓子の中で、何が好きですか」というアンケートを実施したとき、餅系のものと饅頭
 系のものがアンケートの上位を占める結果が出た。勿論、このアンケートは「和菓子」の
 中でという注釈つきである。

  「和菓子」という概念は、明治に入り西洋の文物が多くこの日本に流れ込んだときに出来
 あがった。西洋の菓子である「洋菓子」に対する本邦の菓子という意味の、対立の概念とし
 て生まれ、初めて日本人に認識された。このように、島国日本は、その歴史の中で、外国か
 ら流入した物が、元々この国にあった「同じ物」と出会ったとき、比較しその価値について、
 様々な思考を巡らし、その境を紛らわすという行動を繰り返してきた。しかし、実は、明治
 からおよそ150年あまりの間、和菓子の代表とされてきた「饅頭」に、日本人が出会った
 のは約1000年前の出来事であり、そのとき「饅頭」はれっきとした舶来品であった。日
 本人の基本的な食物ともいえる「餅」にしても、はるか縄文の時代、南方あるいは中国折江
 省あたりからもたらされたものである。この時代まで遡ると、日本の基層的食物というべき
 なのかもしれないが・・・。
  そこで菓子という、食品の中でも特殊ともいうべきモノを通じて、舶来品と本邦のモノの
 対立と同化について考えてみたい。まず、菓子とは、いかなるものか?

  人間が、生物としてその個体を維持する為に、栄養物を摂取する行為とその摂取物、要
 するに食事と食物というだけの範疇に入らない食品。甘味や、塩味などの味覚を強調し、
 あるいは食感など触覚に工夫し、様々な匂いで嗅覚、また色彩で視覚までをも刺激し食味
 感覚を増進させた嗜好品として製造された食品である。
  簡単にいえば、ヒトが生きていく上でどうしても必要な食物とは言えない訳であり、現
 にこのような嗜好品は「健康保持」という昨今の風潮の中でその肩身を狭めている。しか
 し、工業化や様々な技術の進歩において、産業としての製菓業の飛躍的な成長がみられ
 その種類と製造量が増加し、それがヒトに必要とされているのも事実である。

  この矛盾の答えは、この「菓子」という文字の中にある。
                                 (以下 次号へ)
                            

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           (連載)『やまとのくには言の葉のくに』
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                  第五十首                 

                                   田口 稔恵

 魂まつる年の終はりになりにけり今日にやまたも会はむとすらむ
(曾禰好忠・詞花集 冬)

 (祖先の魂を祀る年の終わりになったなあ。今日はまた、亡くなった人たちに会おうとする
 のだろうか。)

  現代において、死者の魂を祀る日が、夏の盛りの盆であることが常識であり、よほど古い
 習俗を伝えている地方に行かねば、年の終わりに死者の魂を祀った歴史的な痕跡に出会える
 ことは少ない。
  日本には、元来、初春と初秋の満月の日に祖先の霊を祀る習慣があり、そこに中国から伝
 わった盂蘭盆会が集合して、春は年神を祀る正月の祭、秋は亡者を供養する盆へと性格を別
 ったのではないか、と言われている。
 
  作者である曾禰好忠は、これまでも何度か取りあげたのだが、在世中は歌風が新奇すぎて、
 賛否両論を巻き起こす人物であった。彼の低い身分や、それを跳ね返すかのような強い自負
 心のせいで、損をしていた部分も見受けられるのだが、それゆえに世間におもねるような仕
 事はしなかった。(というか、できなかった。損な性格である。)しかし、時代の変遷につ
 れて、和泉式部らとともに評価され、詞花集において入首数は一位となっている。
  彼の評価が高まったことで、好忠の作品はテクストとして歌集の形で保存され、結果、古
 い習俗を垣間見ることができる種々の歌が遺った。

  丹後に赴任して「曾丹」という欲しくないニックネームまでもらってしまった好忠だが、
 生活感ある清新な歌も多くのこしており、鄙での生活が彼の歌風に与えた影響は大きいと思
 われる。
  メルマガ発行母体である【連】主催の嵯峨野学芸倶楽部で教室が開かれている「今様」も、
 今年は丹後の「静御前伝説」にちなんで、丹後で合宿する予定である。
  合宿を経てパワーアップした秋以降の取り組みを、乞うご期待!

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 ◆[嵯峨野学藝倶楽部] 8月・9月開講講座のお知らせ ◆
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 詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧下さい。

 ★「京文化を語ろう」
  日程:9月12日(土)
  時間:11時〜12時30分(90分)
  講師:太田 達
  テーマ:「宗教から京都を考える〜2つの本願寺〜」
  参加費:1回1,000円(茶菓子付)
  ※1回のみの参加も、受付けています。

 ★「京都歴史講座」
  日程:8月16日(日)
  時間:11時〜12時30分(90分)
  講師:中村 武生
  テーマ:「山城・加茂・笠置町の旧蹟」
  参加費:1回 1,000円 (茶菓子付)
  ※1回のみの参加も、受付けています。

 ★「茶道教室(水曜日コース)」
  日程:8月19日(水)
  時間:13時〜18時(ご都合の良い時間にお越し下さい)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、受付けています。

 ★「茶道教室(土曜日コース)」
  日程:8月25日(土)
  時間:15時〜20時(ご都合の良い時間にお越し下さい)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、受付けています。

 ★「うたことば研究会」
  日程:8月29日(土)
  時間:10時〜11時
  監修:田口 稔恵
  ※資料代等が必要です。詳細はお問合せ下さい。

 ★「今様・白拍子教室」
  日程:8月29日(土)
  時間:13時〜14時
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。

 ●URL
  http://www.ren-produce.com/sagano/club/
 
 お問合せ・お申込みはコチラまで→sagano@ren-produce.com

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  思いもかけない出会いが、今の自分を作っているような気がします。
 自分が決めた道とは違い、期待や予想ができない出来事から新しい見方を学んできたよう
 な。

  その素敵な出来事のひとつに、間違いなく【連】スタッフの方との交流があります。私
 にとって新しい、様々なことを教えていただき、体験し、考えたことが自分の一部になる
 経験はとても有意義なものでした。
  今日行われる花街シンポジウムに足を運んでくださる皆さんにも、そんな素敵な出会い
 や発見があることを祈りつつ・・・。

                                    (まつだ)

     [次回は、9月1日(火)に配信予定です!次回もお楽しみに。]
 
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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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