伝統文化プロデュース【連】メールマガジン
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〔嵯峨野文化通信〕 第46号
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日々の暮らしに「和」の魅力をプラスしてみませんか?
伝統文化プロデュース【連】は、日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識に
ついて、学び広めていくための活動をしている団体です。
京都・嵯峨野から、最新の情報を皆さんにお届けします!
毎月1日・15日(月2回)
★VOL:46(2008/1/1)
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○新年のご挨拶
○(連載)『京都タイムトラベル』————-茶屋・茶店篇
○(連載)『ニッポン城郭物語』—————第24幕
○やまとのくには言の葉のくに—————–第二十首
○京の伝統行事——————————-下鴨神社・蹴鞠初め
○[嵯峨野学藝倶楽部]からのお知らせ———「京都歴史講座」・「花街文化講座」
○【連】からのお知らせ———————–【連】の活動説明会
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新年のご挨拶
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濱崎 加奈子
新年あけましておめでとうございます。
【連】の活動も、本年で5年目を迎えることになります。「伝統文化」に関心をもち、
その知恵に学び、発信していこうとする気持ちを共にする仲間が集まり、結成されまし
た。誰が中心ということなく、やりたい人がやりたいことをやる。一人では学べないこ
とにアプローチし、一人ではなし得ないことを共に達成し、そこで得たものは、他の仲
間に、そして、社会へと還元する。こうした小さな活動の積み重ねは、少しずつ輪を広
げ、着実に何か新しい力になりつつあると実感しています。
去年の夏頃から、伝統文化、あるいは文化のプロデュースに関心のある学生や社会人
の方から、立て続けに、活動に参加したいとの問い合わせをいただきました。このよう
なことを受け、1月12日(日)には、【連】の活動がどのようなものか、知っていた
だく機会をもうけることになりました。興味のある方は、ぜひご参集ください。
【連】という名は「連歌」から採りました、と説明しています。ある物事には必ず背
景があり、歴史があります。そんな「連なり」の連鎖こそが、日本文化の厚みであり、
豊かさであると考えるからです。そしてそれは、人と人、人ともの、人と場の「連なり」
でもあります。【連】の活動の多くは、具体的にはイベントのコーディネイトや教室事
業、伝統芸能支援などですが、根本的には、人やものを「つなぐ」役割をしているのだ
なと、つくづく感じています。
【連】の活動に参加していただいている方は、必ずしも、伝統文化に元々親しんでこ
られた方ばかりではありません。活動を通して、自ら学びながら発信し、発信すること
で、より文化の力を深く身につけているように思われます。連歌の流行した中世には、
堂上地下が交わり、歌の世界を即興で遊ぶことができました。そのような、本当の意味
での「教養」を、実践を通して身につけ、本当の意味で「遊ぶ」ことができればと考え
ています。
「連」という字に「さんずい」をつけると「漣(さざなみ)」という語にもなります。
小さな行動が、漣のように静かな波紋を広げていくことができればいいなあと、5年前、
語りあったことを思い出します。水面の波紋は、大きくなれば消えて見えなくなります
が、それこそが、社会における意味であり、喜びでもあると思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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(連載)『京都タイムトラベル』―京都・時空・逍遥・記―
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茶屋・茶店篇(1) 太田 達
大晦日、紅白歌合戦の終わる11時45分頃から、京都の洛中洛外の寺院では一斉に除
夜の鐘が打たれる。TVの画面でも、「ゆく年、くる年」という番組のオープニングにお
いて、雪の永平寺の画像が除夜の鐘の音とともに映し出される。現実の鐘音と、電波のそ
れが、どちらかわからなくなる。毎年、京都の町中において、くり返され、何処ででも体
験できる。京都市内では、いかに、寺院が多いかと身をもって体感する瞬間であろう。昨
今では、どちらの寺院も、順に百八の煩悩を祓わせてくださる。甘酒などふるまわれる寺
院もある。TVの前を離れて、鐘つきにいこう。ぜひ一度おためしください。
この寺院だらけの京都も、その創成時には、東寺・西寺の二院しかなかった。京内にお
ける寺院の造営は、厳しく禁止されていたのである。二度と奈良の轍を踏まないように、
ということなのであろうか。では、このタブーを破って、現在の山のようにある多くの京
中の寺院の先鞭を切った寺は、一体何処であろうか。それは、六角堂(頂法寺)である。
いけばなの池坊でも有名。烏丸六角に位置している。京の中心・へそ石といえば、誰もが
頷いていただけるであろう。その縁起の伝承によると、平安遷都以前、聖徳太子が彼の持
仏である如意輪観音を安置するために創建したと言われている。が、発掘調査により、そ
の創建は10世紀の終わり頃というのが、定説である。続いて、寛弘元年(1004)、
常に鹿皮の衣を着ていた皮聖と呼ばれた行円によって、行願寺が、一条北辺小川あたりに
建立された。これが、革堂である。今は、寺町丸太町を下がったところにある。西国三十
三ヶ所の札所である。本尊は千手観音。
続いて、因幡守・橘行平の私寺である平等寺、現在の因幡堂薬師が、四条烏丸を下がっ
たところに創建された。正確には、この因幡堂が、平安都城内で、二番目の寺ということ
になる。これら三ヶ寺は、現在でも「堂」という呼称であることに着目いただきたい。平
安末期の世相の中で、民衆の救済を意図して布教活動を行い、貴賤の別なく広く都市住民
の大衆信仰を集めた。まさしく、町堂の濫觴である。宗派乱立の時代に、その枠を超えて、
地域住民の生活共同体の集会所的な性格を帯びていくことになる。衆会の空間として、後
に、茶店・茶屋へとその姿を変えるものとして考えてゆきたい。
(つづく)
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(連載)『ニッポン城郭物語』
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―第二十四幕― 〜帰雲城の話〜
梅原 和久
正月号ということで、少し趣向を変えて。城の本等には殆ど出てこないが、その筋では
有名な城の話。なぜ一部で有名かと言えば、いわゆる「埋蔵金伝説」と関連があるからで
ある。
帰雲(「かえりくも」と呼ぶのが一般的)城は、合掌造りで有名な今の岐阜県大野郡白
川村にあったとされる城である。なぜ「あったとされる」なのか。そう、今はどこにあっ
たのかさえ分からないからだ。天正13年(1586)11月に発生した大地震に伴う山
崩れにより、城は300戸ほどあったと言われている城下町と共に埋没してしまったので
ある。(※)
この地震はマグニチュード7.9〜8.1と推定されるほど大規模なもの(阪神大震災
でさえM7.3)で、近畿から東海、北陸にかけての広い範囲に甚大な被害をもたらした。
わずか400年余り前まで栄えていた町が、今では跡形も残らず、その場所さえも分から
なくなってしまうほどに。
しかし、この帰雲城が歴史の中に埋もれることがなかったのは、ある伝説がまことしや
かに噂されたためである。それが、城主内ヶ島氏の埋蔵金伝説なのだ。内ヶ島氏は元は砂
金の鉱脈を探す鉱山師でもあったと伝えられ、当時の戦国武将の中では際立って大量の金
を保有していたという。時の権力者であった足利義政の慈照寺(銀閣)や織田信長の安土
城建設の際には莫大な献金をすることで保身を図ったとも言われている。
何しろ地震で一瞬にして飲み込まれたのだから、持ち出したり隠したりする暇はなかっ
たはず。その点が、例えば徳川埋蔵金伝説のようなものとは異なるところである。もし内
ヶ島氏が伝えられている通り金山を経営していたとすれば、その莫大な富もそのままこの
地に埋もれている可能性はある。
いずれにせよ、どこにあるかさえ分からない幻の城である。今年は一攫千金を狙う、と
いうあなた、帰雲城跡推定地付近を発掘して埋蔵金(埋没金か?) を狙ってみては?
(つづく)
(※)白川村役場・白川村商工会のページ。地震で崩れた崖の写真を見ることができる。
http://www.vill.shirakawa.gifu.jp/db/play/contents/kiun.html
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やまとのくには言の葉のくに
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第二十首 田口稔恵
新しき年のはじめの初春の今日降る雪のいや重(し)け吉事(よごと)
大伴家持 『万葉集』巻20
(元旦のこの日に降る雪のように、今年一年、ますます良いことが重なりますように。)
大伴家持は、万葉集の主要編纂者の一人と考えられる、万葉第四期の代表歌人。一見、
初春に降る雪に、一年の幸運を託す、単純な予祝の歌のように思えるが、この歌を詠ん
だ時期、家持は決して幸運と呼べる人生を送ってはいなかった。大伴一族は、古来、軍
事を司ってきた名族だが、藤原氏の隆盛に押され、政治的不遇の時を過ごさねばならな
かった。758年、家持は左遷されて因幡国守となり、その翌年の元旦に詠まれたのが
この歌である。いかに痛切な願いが込められているのかが窺えよう。
歌人としてあまりにも有名な家持だが、藤原仲麻呂暗殺計画を立案した1人と言われ、
事件は未遂に終わったものの、天平宝字8年(764年)、薩摩守への転任という報復
人事を受けることになった。家持の政治的野心を感じさせる。天皇家の「伴の緒」たる
一族の長として「海ゆかば水漬く屍 山ゆかば草むす屍 大君の返にこそ死なめ」と詠
んだ家持の、天皇ーひいては国家への熱が、歌の向こうに透けて見える。
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京の伝統行事 〜祭に出かけてみませんか?〜
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○下鴨神社・蹴鞠はじめ
平安初期、宮中で行われていた蹴鞠の儀式で、御所の伝統行事として伝承されてきま
した。平安期の雅びな王朝装束を身にまとい「アリ」「ヤア」の掛声で蹴鞠が行われま
す。皇室とゆかりの深い下鴨神社で京都蹴鞠保存会が奉仕している行事です。
仏教とともに中国から伝来した蹴鞠は、平安貴族の遊びとして流行し、鎌倉時代には
武士や庶民にも広まりました。蹴鞠(重さ卵2個分)は、革製の沓(くつ)を着用した8
人が1組となり、右足の甲だけを使って蹴り上げ、相手の受けやすいところに渡します。
勝負事ではなく、長く続けることが作法だそうです。
日程:1月4日(金)
場所:下鴨神社(左京区下鴨泉川町59)
●下鴨神社のホームページ
http://www.shimogamo-jinja.or.jp/home/
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[嵯峨野学藝倶楽部]からのお知らせ
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【連】が主催している[嵯峨野学藝倶楽部]では、今年、新しい講座が開講しま
す! また、現在、開講している「京都歴史講座」の内容が一新します。新たな顔
を見せる[嵯峨野学藝倶楽部]の各種講座に、ぜひ、お足お運びください。
○「京都歴史講座」〜京都近郊ものがたり〜
京都市内の歴史についてお送りしてきた「京都歴史講座」ですが、今年からは、
京都近郊の地域についての歴史をお伝えいたします。また、タイトルの内容の他に
も、最新の歴史ニュース速報をお伝えしています。意外と知られていない歴史の裏
舞台や、史実関係から見る京都の様々な地域。歴史を知ることで、日々の暮らしに
も新たな発見が見つかることでしょう。
「検定」受験を目指している方、歴史が苦手という方も、スライドを使用した分
かりやすい本講座に、ぜひ一度お越しください。
開講日&講座内容:(毎月第3日曜日を予定しています)
1月20日(日) 「嵯峨」
2月27日(日) 「紫野・鷹峯」
3月16日(日) 「山科・醍醐」
4月20日(日) 「伏見」
5月18日(日) 「八幡」
6月 8日(日) 「宇治」
(※1回ごとの受講も可能です)
開講時間:午前11時〜12時30分(90分)
講師:中村武生(佛教大学・天理大学非常勤講師)
参加費:1回1,000円(茶菓子付)
お申込み&お問合せ:sagano@ren-produce.com
○(新講座)「花街文化講座」
現在、京都には5つの花街(祇園甲部、祇園東、上七軒、先斗町、宮川町)がありま
す。花街は、単なる遊興の場所ではなく、菓子・酒・料理・着物・建築といった衣食住
の全てにわたり日本の美や知恵が凝縮されています。
この講座では、花街の歴史・各花街の文化をとりあげ、<花街>から日本の伝統文化
を考えます。その文化を追うことで、現代社会や経済におけるさまざまな問題点が見え
てくるかもしれません。また、花街での宴会も予定しています。
開講日&講座内容:1月12日(土) 「花街の歴史(概論・通史)」
2月26日(土) 「上七軒」
3月15日(土) 「祇園」
4月19日(土) 「島原」
5月10日(土) 「先斗町と宮川町」
6月 7日(土) 「伊勢参りと花街」
(※1回ごとの受講も可能です)
開講時間:午前11時〜12時30分(90分)
講師:太田 達(花街文化研究会代表/京都女子大学非常勤講師)
参加費:1回1,000円(茶菓子付)
お申込み&お問合せ:sagano@ren-produce.com
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【連】からのお知らせ
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1月12日(土)、【連】の活動についての説明会を行います!
【連】が、どのような活動をしているのか、活動内容について詳しく知りたい方、ま
た、ボランティア活動に興味がある方、ぜひ、ご参加ください。
日時:1月12日(土) 午後1時〜
場所:嵯峨野「三壷庵」
お問合せ:sagano@ren-produce.com
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◆[嵯峨野学藝倶楽部]1月開講講座のお知らせ ◆
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詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/から
★「茶道教室(水曜日コース)」
日程:1月9日(水)
時間:午後1時〜5時(ご都合の良い時間に、お越しください)
<ご要望に応じて、午前中や夜などの時間帯も検討いたします>
※見学/体験も、随時、受付けています。
★「茶道教室(土曜日コース)」
日程:1月12日(土)
時間:午後3時〜8時(ご都合の良い時間に、お越しください)
※見学/体験も、随時、受付けています。
●2008年の講座内容と日程はコチラ。
http://www.ren-produce.com/sagano/flier3.html
お問合せ・お申込みはコチラまで→sagano@ren-produce.com
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皆さま、新年あけましておめでとうございます!
〔嵯峨野文化通信〕も始まって2年目を迎えようとしています。今年も、【連】の活動
をはじめ、京都の情報を中心にお送りしていきます。これからも、よろしくお願いいた
します☆
[次回は、1月15日(火)に配信予定です! 次回もお楽しみに(^▽°)]
☆治☆
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