嵯峨野文化通信 第47号

 伝統文化プロデュース【連】メールマガジン
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             〔嵯峨野文化通信〕 第47号
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         日々の暮らしに「和」の魅力をプラスしてみませんか?

    伝統文化プロデュース【連】は、日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識に
          ついて、学び広めていくための活動をしている団体です。

         京都・嵯峨野から、最新の情報を皆さんにお届けします!
               毎月1日・15日(月2回)

                       ★VOL:47(2008/1/15)

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  ○【連】からのお知らせ———————–嵯峨野学藝倶楽部のフライヤー
  ○(連載)『京都タイムトラベル』————-茶屋・茶店篇(2)
  ○やまとのくには言の葉のくに—————–第二十一首
  ○京の伝統行事——————————-狸谷山不動院・初不動

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 【連】からのお知らせ
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  【連】が主催している[嵯峨野学藝倶楽部]のフライヤー、第3弾が完成しました!
 前回に引き続き作成してくださったのは、武蔵野大学環境学科住環境専攻・水谷俊博研究
 室の渡部まりやさんです。今回は、青を基調として作成してくださいました。

  フライヤーが欲しい方、フライヤーを置いてくださるところなどありましたら、下記の
 アドレスまで、お知らせください。

 ●フライヤー
 http://www.ren-produce.com/sagano/flier3.html
 ●問合せ:sagano@ren-produce.com

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              (連載)『京都タイムトラベル』―京都・時空・逍遥・記―
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                 茶屋・茶店篇(2)           太田 達

  京都の昔の景色や人々の日常のくらしをいきいきとヴィジュアルに示してくれるものが
 「洛中洛外図」である。大永から天文年間にかけての1520〜30年代をまさにタイム
 トンネルのごとく見せてくれるのが、その中でも町田本と呼ばれる六曲一双の屏風である。
 その上京隻には上京のランドマークともいえる町堂一条革堂が描かれているが、その隣に
 は井戸や跳ねつるべを備えた町風呂がある。当時の貴族山科言継の日記に出てくる有名な
 一条風呂であることは、その位置関係からみてまちがいないだろう。

  南北朝のころから殿上人の邸や寺院には湯殿がつくられた。公家や高僧が互いの邸に招
 き、風呂を勧めあった。応永年間(1400年頃)の山科家の当主教言などは、風呂完成
 の喜びのあまり、友人とともに日に三度の入浴をしたとの記録がある。また、享徳3年
 (1454)には「銭湯」の語を見出すことができる。実は公家の風呂好きは、平安末期
 に始まっていたようだ。『中右記』などによると、長治元年(1104)「白河法王湯治」
 、同年、藤原家忠「宇治にて塩湯」など枚挙にいとまがない。邸内に風呂をもつ公家たち
 は誘い合わせて町の銭湯に通った。彼らの場合、当然貸し切り(止め湯という)であるこ
 とが大抵であるが、郷風呂や施湯、功徳風呂、遊び事、茶会の林汗など貴賤が交わる機会
 が生まれた。入浴後は小漬けや吸い物、麺類で酒宴である。湯女もいたらしい。室町一条、
 そこもまさに中世衆会の空間であった。
                                     (つづく)

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 やまとのくには言の葉のくに
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                   第二十一首           田口 稔恵

  たつぷりと真水を抱きてしづもれる昏(くら)き器を近江と言へり
                         河野裕子『桜森』
 (たっぷりと真水を抱くようにして静まっている昏い器のようなこの地を、近江と言っ
 ていることだ。)
 
  真水を抱いた昏い器、そして近江とくれば、誰しも琵琶湖を想像するであろう。うら
 らかに波うち寄せる湖畔の景とは異なった一面を切りとった歌である。滋賀は、「古き
 都」として、いにしえ人からも哀傷を伴った憧憬の対象とされてきた。「近江の海夕波
 千鳥汝が鳴けば心もしのに古思ほゆ」「さざなみや滋賀の都は荒れにしを昔ながらの山
 桜かな」など、旧都−それはつまり、人の営みの中で栄華を極めながら忘れ去られ、荒
 廃していった、『無常』の象徴である−の哀しさを、自らの姿に投影させて歌に詠み込
 まれてきたのだ。幾世もの人々の万感の想いをその身に映し、しずかに見守ってきた悲
 の器の底知れぬ深さを、「昏き」と表現したのは、女性歌人ならではの鋭敏な感性に依
 っているかもしれない。

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 京の伝統行事 〜祭に出かけてみませんか?〜
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 ○狸谷山不動院・初不動

  狸谷のみ放題という、青竹に入れた、ガン封じの笹酒の接待があります。狸谷不動院
 は桓武天皇勅願の不動尊を安置したのがはじまりです。厄除け大護摩供で家内安全・商
 売繁盛を祈願されます。笹酒は、ここの護摩火で温めたものだけに霊験もあらたかなも
 のです。

 日程:1月28日(月)
 場所:狸谷山不動院(左京区一乗寺松原町6)

 ●狸谷山不動院のURL
 http://www.tanukidani.com/

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         ◆[嵯峨野学藝倶楽部]1月開講講座のお知らせ ◆
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          詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/から

  ★「京都歴史講座」
    日程:1月20日(日)
    時間:午前11時〜12時30分(90分)
    内容:「嵯峨野」
    参加費:1回1,000円(茶菓子付)
    ※1回のみの参加も、受付けています。

  ★「茶道教室(水曜日コース)」
    日程:1月19日(土)
    時間:午後3時〜8時(ご都合の良い時間に、お越しください)
    ※見学/体験も、随時、受付けています。

  ★「茶道教室(水曜日コース)」
    日程:1月23日(水)
    時間:午後1時〜5時(ご都合の良い時間に、お越しください)
    <ご要望に応じて、午前中や夜などの時間帯も検討いたします>
    ※見学/体験も、随時、受付けています。

  ★「茶道教室(土曜日コース)」
   日程:1月26日(土)
   時間:午後3時〜8時(ご都合の良い時間に、お越しください)
   ※見学/体験も、随時、受付けています。

  ●URL
  http://www.ren-produce.com/sagano/flier3.html

         お問合せ・お申込みはコチラまで→sagano@ren-produce.com

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  今日は、小正月(こしょうがつ)ですね。小正月は、正月の望の日(満月の日、旧暦
 一月十五日)のことです。元日を大正月と呼ぶのに対して呼びます。中国式の太陰太陽
 暦が導入される以前、望の日を月初としていたことの名残りと考えられています。なお、
 この小正月までが本来の松の内です。

  この日の朝には小豆粥を食べる習慣がありました。古くは『土佐日記』や『枕草子』
 などにも、小正月に小豆粥を食べたことが記されています。現在でも東北地方の農村な
 どに、左義長の前に小豆粥を食べる習慣が残っている地域があります。これらの地域で
 は、元日から小正月の期間中に小豆(あるいは、獣肉を含む赤い色をした食品全般)を
 食することが禁忌とされている場合が多いそうです。

  年神や祖霊を迎える行事の多い大正月に対し、小正月は豊作祈願などの農業に関連し
 た行事や家庭的な行事が中心となります。松の内に忙しく働いた主婦をねぎらう意味で、
 女正月という地方もあります。かつて元服の儀を小正月に行っていたということから、
 1月15日は成人の日という国民の祝日になりました。しかし、その名前から小正月と
 の関連がわかりづらいうえ、小正月自体がなじみが薄いものとなったこともあり、20
 00年から成人の日は1月の第2月曜日に変更されています。

  今年、成人を迎えられた皆さま、おめでとうございます!!

   [次回は、2月1日(金)に配信予定です! 次回もお楽しみに(^▽°)]
        ☆治☆
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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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