伝統文化プロデュース【連】メールマガジン
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〔嵯峨野文化通信〕 第31号
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日々の暮らしに「和」の魅力をプラスしてみませんか?
伝統文化プロデュース【連】は、日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識に
ついて、学び広めていくための活動をしている団体です。
京都・嵯峨野から、最新の情報を皆さんにお届けします!
毎月1日・15日(月2回)
★VOL:31(2007/5/15)
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○【連】からのお知らせ———————–[嵯峨野学藝倶楽部]
○(連載)『京都タイムトラベル』————-京都御苑 かつてはどんな?(4)
○(コラム)やまとのくには言の葉のくに——-第七首
○京の伝統行事——————————-鞍馬寺・五月満月祭
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こんにちは(^▽^)/ 〔嵯峨野文化通信〕です。
5月に入って気温が高い日があると、初夏を思わせますね。皆さんは夏のご予定おあ
りですか? 五月と言えば五月病という言葉を連想してしまいますが、今回の〔嵯峨野
文化通信〕は、五月病の方にもリフレッシュできる内容でお届けします。
それでは、〔嵯峨野文化通信〕のスタートです!
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【連】からのお知らせ
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現在、[嵯峨野学藝倶楽部]にて開講中の講座「サロン文化史〜食の立場から〜」。
7月からは、「<食>から見る祭礼」というタイトルのもと、祭礼における神饌や撒饌、
直会の宴など、<食>から祭文化を考えます。現在の日本人の食文化を築いてきた<祭
礼>に注目します。歴史と深く結びつき、日々の生活にも活かされている伝統の食文化
を見つめてみませんか?
「<食>から見る祭礼」の講座内容
[日程] 7月14日(土)・・・「祇園会」
8月18日(土)・・・「盂蘭盆会と地蔵盆」
9月15日(土)・・・「収穫祭 ずいき祭を中心として」
10月27日(土)・・・「嘉吉祭の神饌」
11月17日(土)・・・「霜月祭と花祭」
12月15日(土)・・・「春日おん祭」
(※内容は変更する場合があります)
(※資料・茶菓子の数がありますので、事前にお申込みください)
[時間]いずれも、午前11時〜12時30分(茶菓子付)
[場所]嵯峨野「三壷庵」
●[嵯峨野学藝倶楽部]のURL
http://www.ren-produce.com/sagano/
★[嵯峨野学藝倶楽部]に関するお申込み・お問い合わせは、コチラから★
メール:sagano@ren-produce.com
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(連載)『京都タイムトラベル』―京都・時空・逍遥・記―
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京都御苑 かつてはどんな? (4) 太田 達
まずは『京都坊目誌』より抜粋したい。
「明治二年三月、車駕東行の跡、皇族華族多く東京に移り、或は郭外に転居す。漸次其
邸址を収めて之を平坦ならしめ、桜町、二階町、中筋町、梨木町、八条殿町、院参町、
西院参町、東殿町、西殿町、内椹木町、内丸太町等の道路を廃し、新に広衢を通ず。建
礼門前の南に輦路を開き、外囲四周には土塁を築き、花木を交植し、他は皆芝伏せて為
す。称して御苑と云ふ」
今の御所のイメージが出来上がった。794年11月「山河襟帯自然に城を作す」の
詔によって平安遷都が宣言された後、途中、清盛の福原遷都や、南北朝期の混乱はあっ
たが、この国の都は一貫して京都であり、東京はあくまで『坊目誌』の引用どおり「車
駕東行」、つまり、天皇の出張先であった。しかし、このエリアの公家町の住民たちも、
華族という新しい身分となり、東京へ移り住んだ。東京の邸地と交換で御苑内の土地は
上地された。御所九門外の公家屋敷は、上地されず、その姿を残した。代表例が、冷泉
家である。
私の家も下級公家であったが、吉田に邸があったことと神祇の家であったために、本
家筋は京都に残った。ばあ様に聞いた話だが、下屋敷は今の同志社大学の中にあり、華
族会館に売却され、その後同志社大学となったと何度も私に言っていた。親戚筋なのだ
が、藤谷家というのが烏丸今出川交差点の東北角から冷泉家にかけての所にあり、今は
新装されたそれっぽい壁があるだけなのだが、私が小学校の頃その家というか、屋敷の
おそろしく暗くて広い台所で藤谷家の当主であったばあちゃんに英語を習っていた記憶
がある。ちなみにそのばあちゃんは、あの津田梅子さんに習ったらしい。今でも同志社
の赤レンガを見るたびに、何故だか悔しい想いをしている。
話はそれたが、これも門外にあった有栖川宮跡には裁判所ができた。毎日そのあたり
は縁日のような屋台が並び、賑やかであったらしい。また、明治六年から四年間春の間
は、御殿と仙洞御所の庭を使って博覧会がひらかれた。先日、[嵯峨野学藝倶楽部]の
「サロン講座」において、この博覧会を明治の宴会として扱ったのだが、そこでは都を
どりの原型のようなものや、ガーデンパーティー動物園のような事がなされていた。今
でも「ええんかいな」と思うようなことだが、当時もスゴイ人気だったようである。
また、御所の東側には、天皇即位の大礼式の時に、大饗式に大饗宴が行われ、その後、
大きな運動場になった饗宴場グランドがあった。ここも子供のころよくソフトボールを
していた所なのだが、今は迎賓館になってしまって誰も入れなくなってしまった。是非
市民に開放してほしいものである。たくさん人が来るのではないか。よく云われる経済
効果はスゴイですよ。歴史的にみても。
ちなみに、明治十年一月、西南戦争をきっかけにした行幸中に、十年ぶりのかつての
自分の家を見て、そのムチャクチャさにあわてた明治天皇は、御所の保存を京都府に沙
汰した。京都府は大保存事業として、外周に石積みし、その上に松を植え、また、張芝
をし、多くの樹木を植え、公園化した。これが現在の御苑である。府はこれを宮内省に
引き渡したが、戦中戦後荒廃した。GHQのキャンプになりかけたこともあるらしい。
その後、国民財産として大蔵省のものとなり、昭和46年国民公園の管理は環境庁に移
った。今我々がグランドなど借りに行く時、環境省に申込むのはこういう理由があるか
らである。
(了)
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(コラム)やまとのくには言の葉のくに
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―第七首―
田口 稔恵
ながらへば またこの頃やしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき
藤原清輔
(生き永らえていたならば、またやはりつらいことが多いこの頃のことも、懐かしく思
い出されるのだろうか。かつて辛いと思った時代も、今となっては恋しく思われるのだ
から。)
つらい今日も、明日になれば懐かしくなるのだろうか、と、なんとか逆境にも耐え忍
ぼうとする後ろ姿が思い浮かぶ。藤原清輔の祖父・顕季は、多くの歌合の判者をつとめ
た歌壇の指導者で、六条家という一流を為した。清輔は、顕季から学ぶところが多かっ
たことが、清輔著の歌学書『袋草紙』によって知られる。御子左家の藤原俊成と、歌合
の判を巡って激しいを応酬があり、清輔の激昂ぶりに周囲がしらけて口をつぐんだとい
う伝説があり、歌壇の主導権を巡って六条家と御子左家が鎬を削る中での、清輔の歌や
歌学に対する矜持が、よく表れていよう。
父顕輔も、崇徳院から単独で勅撰和歌集の撰集の命をうけたほどの実力者であったが、
清輔は父との確執に苦しんだと伝えられる。顕輔は清輔の異母弟に愛着を寄せ、官途に
心配りし、清輔は「甚だ以て堪え難き」と心情を吐露している。しかし、その反目や葛
藤を乗り越え、一途に和歌の道に勤しんだ清輔は「歌のかたの宏才は肩をならぶる人な
し」(鴨長明『無名抄』)と称賛されるまでになった。歌に生きた人の、血の相克や歌
道に対する苦悩の珠玉とも言える一首である。
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京の伝統行事 〜祭に出かけてみませんか?〜
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○鞍馬寺・五月満月祭
ウエサク祭の起源は、釈迦の降誕、悟りを開いた日、入滅の日が、全てヴァイシャー
カ(Visakha)月(インド歴第二月)の第一満月の夜であったという伝承から来ていて、
占星のカレンダーに従って、ウエサク祭の期日は決定されます。ヴァイシャーカ(Visa
kha)月の満月は、太陽が雄牛座から登る日(4/21〜5/21頃)であり、旧暦では
四月十五日になります。我々が使用している太陽暦(グレゴリオ暦)では四月から五月
頃の満月にあたるということから、結果的に概ね五月の満月に当たることになります。
また、ウエサク(Vesak/Wesak)という言葉は、ヴァイシャーカ(Visakha)が変化した
ものです。ウエサク祭は仏教がインドから広まったとき、アジア各地(チベット、タイ、
ミャンマー、スリランカほか)など多くの国の文化に伝播し、それぞれの文化特有の方
法で行われています。鞍馬に祀られる魔王尊はサナト・クマラであると言われ、金星か
ら鞍馬山に降り立ったと伝えられる。
5月満月の宵の密教の祭典はとても神秘的。満月の下、数百の燈籠に火が入り、鞍馬
寺の本尊である魔王尊・毘沙門天・千手観音に、幸福と平和を祈願します。大杉の霊木
で作った五智の宝冠の印を胸に着け、ロウソクを手にした参列者達が、魔王尊の「お力
の宝棒」による祝福を受け、千手観音に供えた霊水を授かります。呼び名は昭和22年
この行事がヒマラヤ山中で行われるウエサク祭に似ていることからきています。全ての
ものの目覚めを願う幻想的な光景が続きます。古式の秘儀(始まりは室町時代とも)な
ので、共に祈る心で参拝してくださいとのこと。かなり冷え込みますので上着をお忘れ
なく。 雨天決行。写真撮影不可。
[日時]5月31日(木) 午後7時〜
[場所]鞍馬寺(左京区鞍馬本町1074)
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◆[嵯峨野学藝倶楽部]5月開講講座のお知らせ ◆
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詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/から
★「今様・白拍子教室」
日時:5月19日(土)午後1時〜2時(60分)
※見学/体験も、随時、受付けています。
▽詳細は、コチラから。http://www.ren-produce.com/sagano/imayou/
★「京都歴史講座」
日時:5月20日(日) 午前11時〜12時30分(90分)
タイトル:「平安時代の京都その2−平安京遷都―」
参加費:1回:1,000円(茶菓子付)
▽詳細は、コチラから。http://www.ren-produce.com/sagano/rekisi/
★「茶道教室(水曜日コース)」
日程:5月23日(水)
時間:午後1時〜5時(ご都合の良い時間に、お越しください)
<ご要望に応じて、午前中や夜などの時間帯も検討いたします>
※見学/体験も、随時、受付けています。
▽詳細は、コチラから。
http://www.ren-produce.com/sagano/chadou/suiyoubi/suiyoubi.html
★「茶道教室(土曜日コース)」
日程:5月26日(水)
時間:午後3時〜8時(ご都合の良い時間に、お越しください)
※見学/体験も、随時、受付けています。
▽詳細は、コチラから。
http://www.ren-produce.com/sagano/chadou/doyoubi/doyoubi.html
お問合せ・お申込みはコチラまで→sagano@ren-produce.com
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今日、5月15日は葵祭! 葵祭と言えば、華麗な服に、美しく飾られた車(牛車)、
頭にカモアオイ(フタバアオイ)の花を挿して、華々しく行われているパレードですね。
でも、中世に入ると、財政難により、華やかさは、だんだんと失われていき、ついに
は1467年から11年間続いた応仁の乱によって完全に中止となります。その後、華
々しいパレードが再開されたのは、それから二百年以上経った元禄七年(1694)の
ことであり、この時から「賀茂祭」は「葵祭」と呼ばれるようになりました。昔、カモ
アオイの花を頭に挿して行列した事からこう呼ばれるようになったとも、祭の復興に
『葵の御紋』の徳川幕府の多大な援助があったからとも言われています。
[次回は、6月1日(金)に配信予定です! 次回もお楽しみに(^▽°)]
☆治☆
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