嵯峨野文化通信第267号
伝統文化プロデュース 【連】メールマガジン  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)_________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [嵯峨野文化通信] 第267号
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伝統文化プロデュース【連】は
日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です
嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します
毎月1日・15日(月2回)
■VOL:267(2017/5/1)
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■□■もくじ■□■
■【連】からのお知らせ ーーーーーーTOPIC!!講座「茶事はじめ」
有斐斎弘道館 講座・茶会のご案内
■(連載)『ニッポン城郭物語』———–第百三十二幕
■(連載)『北野の芸能と茶屋』———–第百六十三回
■[嵯峨野学藝倶楽部]2017年5月 開講講座のお知らせ
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□■【連】からのお知らせ■□
◆TOPIC!!
講座「茶事はじめ」
茶事に出席した際に困らないために、懐石の頂き方や茶事の流れを学ぶ実践講座。
茶事の流れを体験することができ、終了時には修了証を授与いたします。「お茶事
に参加してみたいけれど、経験がなくて不安・・・」という方に最適な講座です。
最終回は、実際に「正午の茶事」に参加します。
*実施概要
日 程:第一回 2017年 5月13日(土)席入〜懐石
第二回 2017年 6月10日(土)懐石〜中立
第三回 2017年 7月 8日(土)濃茶
第四回 2017年 8月 5日(土)薄茶 まとめ
第五回 2017年 9月 2日(土)正午茶事
※実際に正午の茶事にご参加いただきます
時 間:13時半〜15時
※ただし、9月2日のみ午前11時に席入り
講 師:高田 宗真 氏 ほか
受講料:全5回 55000円(正午の茶事代金を含む)
◆茶会・講座のご案内
■茶会「月釜」
弘道館の保存活動のひとつとして続けてきた「月釜」。
早くも第6期を迎えております。毎回趣向をこらした茶会を開催しておりますの
で、会員様もビジター様も、どうぞお気軽にご参加くださいませ。
日 程:2017年5月7日(日)
時 間:9時/10時/11時/13時/14時/15時
※お席の空き状況には変動がございます。
お電話にてご確認の上、ご予約くださいませ。
■講座「江戸時代の教養を考える」
5月7日、月釜の後は、講座「江戸時代の教養を考える」がございます。
第1部「茶書を読む」では、戦国時代から安土桃山時代にかけての豪商であり茶
人であったといわれている山上宗二の秘書伝「山上宗二記」を読みます。
第2部「謡をうたってみよう」では、全国でご活躍中の能楽師の方を講師として
お招きし、皆さんとご一緒に謡曲「善界(ぜがい)」を謡います。
日 時:2017年5月7日(日)
時 間:第1部 「茶書を読む」 16:30~18:00
第2部「お謡をうたってみよう」18:00~19:00
資料代:1部または2部のみ 2000円(学割1000円)
1部と2部 3000円(学割2000円)
※学割の場合は要学生証提示/25歳以下の方
お申込:電 話 075-441-6662
ウェブ http://kodo-kan.com/classes/edojidai-kyouyou/
*上記、催しおよび各種講座のお問い合わせ、お申込みはコチラ
TEL :075ー441ー6662
メール :kouza@kodo-kan.com
有斐斎弘道館HP:http://kodo-kan.com
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■『ニッポン城郭物語』■
-百三十二幕-
梅原 和久
毎年4月、桜の時期に合わせ、京都池坊会館で「春のいけばな展」が開催される。
今年、私はこの会場に初めて足を運んだ。お花を始めた、というわけではない。同
時開催された「二条城・二条離宮と池坊」という特別展が目当てである。
池坊は、将軍の代替わりや六角堂住職の継承に際し、江戸城に赴いて挨拶をする
ことが慣例となっていた。
元治元年(1864)、攘夷を迫る朝廷と交渉するため14代将軍家茂は二回目の上洛
を果たす。その機をとらえ、時の14世池坊専正は二条城において御礼の挨拶をする
ことになったのである。
今回、大政奉還150周年を記念して、池坊が所有するこの時期の二条城に関する
図面や文書等が特別に公開された。これらは、これまで城郭研究者の間では知られ
ていなかったものであり、これによってまた新たな発見があった。
将軍家茂に御礼挨拶をした時の記録である『代替御礼住職継目御礼記録』には、
会場が二の丸御殿黒書院であったこと、池坊の挨拶の際は多数の町人や他の寺社も
同席していたことなどが記録されており、大変興味深い。ただ、二条城の歴史とい
う観点からすれば、最も興味深いのは、新聞報道された二百帖之御間に関する記録
であろう(※)。
3代将軍家光以来230年ぶりの将軍上洛を前に、二条城は急遽整備されることに
なった。二条城が所蔵する「文久二年戌年二條御城中二丸御殿向并仮建物絵図」は
その計画図といわれており、白書院の北側や大広間の北側などに大きな建物が記載
されている。
ただその数年後、15代慶喜在城時の二条城を天守台の上から写した写真があり、
白書院等二の丸御殿の屋根が写っているのだが、白書院の北には何もないように見
える。そのためこれまでは、家茂上洛時の二条城改修は最低限の応急措置にとどま
り、図に示されたような大きな建物は実際には建てられなかったと考えられてきた。
今回展示された池坊所蔵の『代替御礼住職継目御礼記録』には、「昨年御新建二
百帖之御間の内御同朋道具置場ト申書付の処屏風シキリにて休息所出来有之」とあ
り、新たに作られた200畳敷きの部屋を道具置き場や休息所にしたことが明記されて
いる。さらに池坊には、これら増築部分の間取りも記載された二条城蔵の図と同様
の図面もあった。
これまで、図面の情報しかないことから、その実在が疑われていた御殿の増築。
今回公開された文書により、かなり信ぴょう性が高くなった。池坊専正は、黒書院
での挨拶の際の席の場所まで書き残すほどの筆まめな人物である。道具置場にした
などと、200畳敷きの部屋の使い方まで図入りで記録している以上、あったと考え
るほうが自然だろう。
ただ、明治12年、京都府庁となった二条城の記録にこれらの建物の記載はない。
新築後数年で取り壊されるほど、簡易なものであったのだろう。
※ 二条城の御殿、実際に増築か 池坊に文書残る
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20170408000118
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■『北野の芸能と茶屋』■
井上 年和
第163回 (平成29年5月1日 第267号)
明治27年(1894)3月11日
●宴会場新築の計画 上七軒遊廓の貸座敷業者が首唱にて今度北野神社近傍に一の
宴会場を新築せんとの計画を為し西陣地方有力家の賛成を得て本日其相談会を魚亀
楼に開くよし其新築費は金五千円にて一株十円の株券を募り同遊廓中にて千五百円
丈け負担するに就ては芸娼妓の線香一本に付き金四厘づゝ積立て之に充つるならん
とのこと
『日出新聞』
北野天満宮のそばに宴会場を建築する計画が持ち上がっていたようだ。
費用は5,000円とし、10円ずつの株券を募り、1,500円分を上七軒で負担するために、
芸娼妓の花代から少しずつ積み立てるといった資金調達を考えていたようだ。
とあるデータによると、この頃の1円は現在の4,000~20,000円位に相当するようで、
建設費は2千万円~1億円程度ということになる。
この頃の上七軒は西陣の景気も好調で、女工場では“歌舞”が開催されているし、
『京都府統計』を見ても京都市内では貸座敷数が年々増加を続け、近代になり京都花
街が順調に発展していった様子が伺える。
施設が女工場だけでは手狭になるほど当時の上七軒は隆盛を見せていたのだ。
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□■嵯峨野学芸倶楽部からのお知らせ■□
詳しくはhttp://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。
■茶道教室
日 程: 水 曜 日・・・5月10・24・31日
土 曜 日・・・5月6・20日
日 曜 日・・・5月28日
場 所: 三壷庵
※見学/体験も、随時受付けています。
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■□■ひとこと■□■
5月といえば、京都三大祭りのひとつともいわれる”葵祭”。
有斐斎弘道館のお庭の葵も芽をだしました!
[次回は、2017年5月15日(月)に配信予定です!次回もお楽しみに。]