嵯峨野文化通信第265号ドラフト
嵯峨野文化通信第265号
伝統文化プロデュース 【連】メールマガジン  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)_________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [嵯峨野文化通信] 第265号
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伝統文化プロデュース【連】は
日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です
嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します
毎月1日・15日(月2回)
■VOL:265(2017/4/1)
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■□■もくじ■□■
■【連】からのお知らせ ーーーーーーTOPIC!!
催し「帯を知る帯を楽しむ」受付中!
有斐斎弘道館 講座のご案内
■(連載)『ニッポン城郭物語』———–第百三十一幕
■(連載)『北野の芸能と茶屋』———–第百六十回
■[嵯峨野学藝倶楽部]2017年4月 開講講座のお知らせ
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□■【連】からのお知らせ■□
◆TOPIC!!
催し「第12回 帯を知る 帯を楽しむ」参加申込受付中!
12回目となる人気企画。今回のテーマは「染めの織物 繍いの織物」。
西陣織は、高い技術を背景に染物や刺繍の技法やその技法で表現された文様や柄を
どん欲に取り込み織物で再現してきました。それらの一部を、ご覧いただくこと
ができます。高い技術で手間暇をかけて織り上げられた西陣織は、まるで美術品。
そんな西陣織の逸品の本当の良さを売買を通じてではなく、単純に見て触れて楽し
んでいただき、より多くの人に知っていただきたいと思います。
今回は、大変好評の帯の試着会もございます。気になるあの織屋の帯を締めて庭で
記念撮影をしてみませんか。西陣織の専門的なお話を聞いて、お茶を一服。
普段は聞くことのできない素朴な疑問にも、職人の方が答えてくださいます。
心ゆくまで西陣織をお楽しみください。
「第12回 帯を知る 帯を楽しむ」実施概要
開催日:2017年4月9日(日)
時 間:11時〜17時
(座談会『西陣織における絣』は11時〜と14時〜)
会 費:一般2000円/学生1000円(呈茶付)
主 催:京の帯処西陣屋
共 催:公益財団法人 有斐斎弘道館
◆講座のご案内
■講座 「皆川淇園を読む」
日 程:2017年4月16日(日)
時 間:14時〜16時
テーマ:禿鷲頭顱由来記
講 師:松田清氏(京都大学名誉教授)
費 用:一般2000円/学生1000円(25歳以下/要学生証提示)
(但し、近世京都学会会員は無料)
■講座 「茶の湯文化を識る」
茶の湯の歴史を分かりやすく楽しく学ぶことができる本講座。京文化にとって欠
かすことのできない日本文化を代表する茶道。ぜひこの機会にその歴史をマスタ
ーしましょう。茶道の経験は不問ですのでお気軽にご参加ください。
日 程:2017年4月18日(火)
時 間:13時〜14時半(12時半より呈茶あり)
テーマ:懐石の菓子
講 師:太田宗達
費 用:2000円(テーマにちなんだお菓子と抹茶付)
*上記、催しおよび各種講座のお問い合わせ、お申込みはコチラ
TEL :075ー441ー6662
メール :kouza@kodo-kan.com
有斐斎弘道館HP:http://kodo-kan.com
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■『ニッポン城郭物語』■
-百三十一幕-
梅原 和久
以前から何度も報道されていた名古屋城天守の木造化再建が、いよいよ実現に向
けて動き出す。平成29年2月の名古屋市議会において、約10億円の関連予算案が可
決されたことにより、4月に行われる名古屋市長選の後、既に優先交渉権者となっ
ている竹中工務店と契約し、設計を進めていくことになったのだ(※1)。
旧国宝だった名古屋城天守の戦災焼失後、鉄筋コンクリートで再建されたのが昭
和34年。この時期、昭和30~40年代は、戦災からの復興の象徴として、全国各地の
城で相次いで天守が再建された時代である。もちろんいずれも木造ではなく、二度
と燃えることのない鉄筋コンクリート製。ただ、当時は木造よりも頑丈だと思われ
ていたこれらの建物も、50年超の歳月を経て、軒並みコンクリートの耐用年数切れ
という問題を抱えることになった。耐用年数が切れるということは、建物をそのま
まの状態にしておけば倒壊等の危険がある、ということなのだ。
しかし、そのための対策は、簡単ではない。史跡等に指定された城跡での建物の
再建は、規制面が大らかだった50年前と異なり、文化財保護法や建築基準法、消防
法等の各種法令による厳しい制限がかかるためである。つまり、既存建物と同じも
のが、現在の法令下では建てられないことになるのだ(※2)。
そのため、打てる対策としては
1 耐震化等の補強工事をして、十数年間の延命を図る
2 既存建物を取り壊し、厳密な考証のもとで木造再建する
のいずれかしかない。もちろん、再建を断念し、取り壊して更地にするという手も
ない訳ではないが、既に地元のシンボルとして定着している建物を消し去ってしま
うことは、住民感情としても認めがたいだろう。
これまで、1による補強工事は大阪城と大垣城、小田原城で実施された。そして
2の初めての例が、今回の名古屋城ということになる。2を行うためには、外観だ
けでなく、内部構造に至るまで、詳細が分かる正確な図面や模型、古写真等の資料
が存在することが絶対要件である。これらの基準をクリアできる城というのは、実
はほとんどない。現在2の木造再建の動きを見せている城は、他にも和歌山城や松
前城などがあるが、その中でも最も資料が整っているのが名古屋城なのである。
国の特別史跡における木造復元は初めての試み。しかも既存の建物を一旦取り壊
し、その後その場所に再建するという大事業である。今後の天守再建のモデルとな
るよう、慎重に進めてもらいたい。
(※1)名古屋城の木造復元を決定 総工費500億円 22年完成へ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201703/CK2017032402000255.html
(※2)裏を返せば、史跡等に指定されていなければこれらの規制はかからない。
例えば、先号でお伝えした尼崎城天守は、外観だけを復元した、鉄筋コンクリートに
よる再建が行われることになっている。
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■『北野の芸能と茶屋』■
井上 年和
第161回 (平成29年4月1日 第265号)
昭和12年(1937)3月
最近筆者の見聞した上七軒総ての状況 全廓一丸となって大発展(その8)
以上が先ずかに七軒廓の現状その現状を通観すると共に廓内の情勢を見聞するに、全
廓一丸総て圓満に一致結合して居らるゝ事がありありと判る(鹿城)
『技芸倶楽部15巻3号』
これまで7回に亘って昭和12年における上七軒の状況をみてきた。
この年には日中戦争も始まり、日本全体が思い空気に包まれていたのではないだろう
か。そんな中で歌舞練場を改築し、明るい話題を求めて盆踊りや豊国詣を敢行したこ
とは思い切った取り組みであったに違いない。
統計データを見ても、京都では茶屋数、芸舞妓数がこの頃から減少し始め、花街が衰
退しており、盛り上げていかなければいけないという気運が高まっていたのかもしれ
ない。
あるいは戦争なんかどこ吹く風という感じで、マイペースで行事を楽しんでいたこと
も考えられる。
何れにしても、上七軒が一丸となり、率先して明るい話題を振り巻いていたことは間
違いがないようだ。
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□■嵯峨野学芸倶楽部からのお知らせ■□
詳しくはhttp://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。
■茶道教室
日 程: 水 曜 日・・・4月12・19・26日
土 曜 日・・・4月15日
日 曜 日・・・4月23・30日
場 所:新・三壷庵(京都市上京区室町通武者小路西入or東入)
(4月よりお稽古場が移動しました。移動に伴い、新・三壷庵にお越しいた
だける方は新たに登録をしていただきます。ご協力のほどお願い致します。
詳しい場所のご案内につきましては、有斐斎弘道館までメールまたはお電
話にてお問い合わせくださいませ)
※見学/体験も、随時受付けています。
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■□■ひとこと■□■
本日より4月、新しい生活が始まる方もいらっしゃることとおもいます。
良き春をお迎えになられますよう、心よりお祈りいたしております。
[次回は、2017年4月15日(土)に配信予定です!次回もお楽しみに。]
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