嵯峨野文化通信 第243号

伝統文化プロデュース 【連】メールマガジン   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)_________

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第243号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

     嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

              毎月1日・15日(月2回)

                   ■VOL:243(2016/4/5)

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                 ■□■もくじ■□■
  ■【連】からのお知らせ ——- 弘道館講座のご案内
             「糺勧進猿楽」を開催します。
  ■(連載)『ニッポン城郭物語』——————– 第百十九回
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』——————– 第百四十四回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]4月開講講座のお知らせ

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              □■【連】からのお知らせ■□

 ■弘道館講座のご案内

 京文化教養講座1「信仰からみる京都」

 日 程:4月9日(土)
 時 間:11時~12時30分(90分)
 講 師:太田 達(立命館大学非常勤講師)
 テーマ:「嵯峨 平安遊宴の地」
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 京文化教養講座2「茶の湯の文化を識る」

 日 程:4月12日(火)
 時 間:13時~14時30分(90分)
 講 師:太田 達(立命館大学非常勤講師)
 テーマ:「珠光から紹鷗へ」
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/seminar.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 ■「糺勧進猿楽」を開催します。

  昨年5月に賀茂御祖神社第三十四回式年遷宮を祝して550年ぶりに再興された
 「糺勧進能」から1年。このたび、賀茂の田植神事を狂言として芸能化した「御田
  」を上演することとなりました。
  「御田」は、「糺勧進能」において上演された能「賀茂」の間狂言としても有名
 です。また、550年前の史料「寛正五年糺河原勧進猿楽図」は、狂言の番組の最
 初としても有名であることから、550年前の記録に残る演目のひとつ「入間川」
 を併せて上演いたします。
  「糺勧進猿楽」は、祈りの場において育まれてきた芸能(うた・まい)を実感し、
 後世につなげていくプロジェクトです。正遷宮は終えましたが、造替事業はまだま
 だ続きます。「勧進」を通して人々が神仏につながっていた時代に思いをはせなが
 ら、日本文化の未来を考える一夜になることを願っています。
  ぜひお越しください。

 日 程:4月27日(水)
 時 間:19時開演(18時15分開場)※20時終演(予定)
 場 所:賀茂御祖神社(下鴨神社)舞殿(重要文化財)
 参加費:3,000円(自由席/先着200名程度)※雨天決行
 出演者:茂山七五三   笛  杉信太朗
     茂山 正邦   小鼓 林 大和
     茂山 宗彦   大鼓 渡部 論
     茂山 逸平   太鼓 前川光範
     丸山やすし
     松本  薫
     井口 竜也
     鈴木  実

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/tadasu-noh/home.html

 お申込み、お問い合わせはコチラ
 TEL :075ー781ー0010(下鴨神社代表電話)
 MAIL:tadasu-noh@kodo-kan.com

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              ■『ニッポン城郭物語』■

                -第百十九回-
             
名古屋城天守を木造で建て直す、という構想が本当に実現するかもしれない。

平成28年2月の名古屋市議会において、天守の整備検討に関する予算が付帯決議
 付きとはいえ可決され、さらには具体的な事業計画の公募型プロポーザルで、竹中
 工務店の案が採用されたと報じられたのである(※)。

  竹中工務店の計画では、総事業費は約470億500億円。完成は、市が条件と
 した東京五輪・パラリンピックの開催寸前の平成32年(2020)7月とした。市の試
 算である400億円を上回っているが、これは石垣を積み直す必要が出てきた場合
 を想定したもの。木材の調達は原則国産で、一部外国産を使用する。車椅子利用者
 向けに、4人乗りの小型エレベーターを設置するが、取り外しが可能な形とするこ
 とで、忠実な復元を目指す、とのこと。

  今後、4月に木造復元の是非を問う市民2万人対象のアンケートや報告会を実施
 し、理解を求めていくそうだが、果たして市長の思惑通りに進むかどうか。

  戦災焼失前に作成された実測図や大量に残る写真等に基づき、正確に復元できる
 とすれば素晴らしいことだが、市長が期待するだけの経済効果が本当に出るのか。
 市民の寄付によって建てられた現在のコンクリ天守を壊してまで、市民は木造天守
 を求めるのか。財政難の中、税金の投入をどこまで押さえられるのか。課題は山積
 みである。

  早ければ来年中に文化庁の許可を得て、来年6月にも解体工事にかかるというこ
 とだが、さてどうなるか。

 (※)報道記事。市長がちょんまげ姿でおちゃらけている。
  http://www.kensetsunews.com/?p=63531
  http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20160330-OYTNT50000.html

             ■『北野の芸能と茶屋』■

                -第百四十四回-
                                井上 年和

  昭和4年(1929)1月
  上七軒にも天杯拝受の芸妓がある 藤村秀助さんのこと(その3)
 「ハイ、妾(わたし)の耳、夫はまだ確然(しっかり)ですゆゑ何でも聞こえます。
 目も未だ眼鏡の厄介にはなりません。併し、歯は大部分が雇ひであります。御酒も
 煙草も好みませず、甘いものも亦餘り好きません。其代りお肴は何でも来いで可な
 り澤山食べますハヽヽヽ。ナニ妾の十八番(おはこ)………其様ものはありまへんが、
 妾は若い時から舞の地を勤める事が至つて好きで、温習会其他の会には毎時舞の地
 を勤めてきました。何分永い間のことですゆゑ古い事は段々忘れて来ます。自分の
 年齢さへもハツキリ覚えぬ位で皆さんに笑われて居る様な訳です。今度の御大典に
 就いてお上からお杯を下さるとの御沙汰がありましたが、そのお杯は何といふ訳で
 下さるのか、その訳を知らずに居りましたところ、それは八十歳以上になつてゐる
 からとの事で、其処で初めて妾は八十歳になつてゐるのかと自分ながら驚愕して段
 々聞き質して見ますと八十歳どころかチャンと八十四歳になって居る事に気がつき、
 偖は左様いう訳で御天子様からお杯を下さるのであるか真に生甲斐ある幸福な事と
 歓んでおります」と喜悦の色面に溢らし・・・サイナラ(鹿城生)
                        『技芸倶楽部7巻1号』

  藤村秀助さんは84歳になっても、耳も目も達者だが、歯は雇い(入れ歯)であ
 るという。酒も煙草も甘いものも好まないが、お魚が好きで、また、子どもの頃か
 ら稽古に励んだ地方という職業も楽しんでいる様で、正に健康で生き甲斐のある生
 活を送っていたようだ。

  年齢を忘れているというのは、本当に呆けているのか、呆けた振りをしているの
 か判らなく奥が深い。
 
  しかし、健康的な食事を取り、手に職を付け、何歳になっても好きな仕事ができ
 、生き甲斐を持っていつまでも元気に過ごせる秘訣は、老若男女を問わず、現代に
 も通じるものがあるのではないだろうか。
 

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        □■[嵯峨野学藝倶楽部] 4月開講講座のお知らせ■□

   詳しくはhttp://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日 コース)」
  日 程:4月13日(水)、21日(木)、27日(水)
  時 間:9時~14時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講 師:西村 宗靖・太田 宗達
  場 所:嵯峨野三壷庵
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土、日曜日 コース)」
  日 程:4月9日(土)、17日(日)、29日(金・祝)
  時 間:9時~18時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講 師:西村 宗靖・太田 宗達
  場 所:嵯峨野三壷庵
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

  URL:http://www.ren-produce.com/sagano/club/

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                ■□■ひとこと■□■

     散る桜 残る桜 散る桜
     いま京都の街中も弘道館も、たくさんの観光の人で溢れています。
     これほどまでに人を魅了する桜は、儚く美しいですね。
    

     [次回は、4月15日(金)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。