嵯峨野文化通信 第238号

 伝統文化プロデュース 【連】メールマガジン   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)_________

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第238号
        (____________________*°。・゜。。・゜。

 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

     嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

              毎月1日・15日(月2回)

                    ■VOL:238(2016/1/17)

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 ■□■もくじ■□■
  ■新年のご挨拶
  ■【連】からのお知らせ ——- 弘道館講座のご案内
                  「能あそび」2016年のご案内
        「弘道館と京都の文人サロンをWikipediaに
                          載せよう」を開催します。
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』——————– 第百三十九回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]1月開講講座のお知らせ

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

              □■【連】からのお知らせ■□

 ■弘道館講座のご案内

 京文化教養講座2「茶の湯の文化を識る」

 日 程:1月19日(火)
 時 間:13時~14時30分(90分)
 講 師:太田 宗達(立命館大学非常勤講師)
 テーマ:「正月の茶」
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 英語で伝統文化「茶道編」~BOOK OF TEAをよむ~

 日 程:1月19日(火)
 時 間:18時30分~20時(90分)
 講 師:田中 朝子(通訳翻訳家)
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/seminar.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 ■「能あそび」2016年のご案内

  江戸時代の京の人々の教養のひとつであった〈能〉の世界について、能を楽しみ
 ながら理解を深めていくべく、講座「能あそび」を展開してまいりました。
  2016年は、能の舞台をこなす上で欠かすことのできない、装束や面など、能
 を支える技術とその伝承について探ってみたいと思います。
  「道明寺」をひとつの焦点とし、進めてまいります。数ある能の曲のなかでも大
 曲であり、見所も満載!そんな見せ場のひとつ「乱拍子」について理解を深めてい
 ただくスペシャルコーナーも。
  また、素謡で「道明寺」をお楽しみいただくなど、多彩に展開いたします。
  どうぞお楽しみに!

  1月22日(金)「面を知る」
         ゲスト:見市泰男氏(能面打)
  3月18日(金)「素謡を楽しむ」
         ゲスト:有松良一(高安流ワキ方)、茂山逸平(大蔵流狂言方)
  5月20日(金)「謡本を楽しむ」
         ゲスト:檜常正(檜書店)、小辰恭子(檜書店)
  7月22日(金)「装束を知る」
         ゲスト:佐々木洋次(佐々木能装束 四代)
             筒井謙丞(佐々木能装束)
  9月16日(金)「扇を知る」
         ゲスト:福井藤次郎(十松屋福井扇 十六代)
  11月18日(金)「拍子を知る」
         ゲスト:大倉源次郎(大倉流小鼓方十六世宗家)

 時 間:18時~20時(18時より呈茶)
 講 師:林宗一郎(観世流能楽師)
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:3,000円(生菓子、抹茶付)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/event.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 ■「弘道館と京都の文人サロンをWikipediaに載せよう」を開催します。

  市民が地域のARTS(文化芸術)について調べ、Wikipediaの記事にまとめ、情報
 提供をするプロジェクト、Wikipedia ARTS(ウィキペディアアーツ)。
  弘道館やそれらの周辺の文人ネットワークに焦点を当て、Wikipediaに記事を掲載
 してみませんか。記事を書いたことのない方でも大丈夫です。書き方のレクチャー
 や司書さんが資料の探し方も教えてくださいます。
  ご興味のある方は、ぜひご参加ください!

 日 程:2月6日(土)
 時 間:13時~17時
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:1,000円(茶菓子付き)
 定 員:30名
 主 催:ARTLOGUE、有斐斎弘道館
 協 力:京都府立図書館、オープンデータ京都実践会アート部
 後 援:OpenGRAM Japan 

 詳細、申込先はコチラ
 https://artlogue.doorkeeper.jp/events/36855

 お問い合わせはコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

          ■『北野の芸能と茶屋』■

                 -第百三十九回-
                                井上 年和
  大正十五年(1926)7月
  「上七軒の芸妓 野上金太郎(その4) 
  多の家に美人の娘があった。夫が芸妓に出てゐた。名はお瀧と云ひ而も廓内での一
 流株、舞巧者の一人であった。私が前に同廓で温習会を観た時にもこのお瀧の舞を観
 た。又大藪てるといふ舞妓上りの若い芸妓があった。是も中々の舞巧者で、私の遊ん
 だ座敷でお瀧もおてるも共に舞を観せて呉れた。又お瀧の妹に瀧榮とか云った芸妓が
 あつた。是は舞はゼロで三味は可なり味かった。兎に角私の上七軒芸妓を知ったのは
 お瀧、おてる、瀧榮なんかが最初である。その貸座敷もその芸妓も其後何うしたか、
 現今は全く消息を知らない。けれども私は上七軒芸妓の芸熱に強い事を今におき忘る
 ヽ事は出来ない。また忘れやうと思っても忘れられない。夫は其後幾星霜を経るとも
 上七軒芸妓の決して低下して居らないのみか、ますます昇騰しているからである。此
 は私が言ふまでもなく弘く諸君ご承知のことであらう。」
                           『技芸倶楽部4巻7号』

  また前回に続き、明治41年(1908)頃を思い出している野上金太郎さんの回
 想記である。皮肉屋の亭主のいる多某というお茶屋には「お瀧」という上七軒で一流
 株の芸妓がおり、「大藪てる」という若い芸妓、お瀧の妹に「瀧榮」という芸妓がい
 たという。

  残念ながらこれらの芸妓の名前は、当時の史料にも見いだせないが、明治11年
 1878)発行の『都の花競』に「大藪うた」、「大藪むめ」、「大藪はる」と言う
 大藪姓の芸舞妓が見られるし、明治45年(1912)の『京都電話番号簿』には
 「大藪むめ」、「大藪久吉」が貸座敷を営んでいたことが判るし、大正15年(19
 26)の『技芸倶楽部4巻77』には「大藪千代」が「大梅」という貸座敷を営んで
 いたことも判るので、「大藪てる」はいずれかの関係者に違いないと思われ、「大藪」
 さんは当時の上七軒にたくさんいたか、引き継ぎがうまくいっていたと考えられる。

  何れにしても、この「お瀧」、「大藪てる」、「瀧榮」の3人の芸は相当達者であ
 ったようで、金太郎さんは忘れようにも忘れられないというのである。

  そして、その後18年経っても上七軒の芸はますます昇騰し、上七軒の芸達者は世
 間に広く知らされていたと述べており、この伝統が現在まで綿々と受け継がれている
 のである。

   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

        □■[嵯峨野学藝倶楽部] 1月開講講座のお知らせ■□

   詳しくはhttp://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日 コース)」
  日 程:1月21日(木)、27日(水)
  時 間:9時~14時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講 師:西村 宗靖・太田 宗達
  場 所:嵯峨野三壷庵
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土、日曜日 コース)」
  日 程:1月16日(土)、23日(土)
  時 間:9時~18時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講 師:西村 宗靖・太田 宗達
  場 所:嵯峨野三壷庵
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

 ■「今様・白拍子教室」
  日 程:お問い合わせください。
  場 所:嵯峨野三壷庵
  時 間:13時~14時30分
  講 師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。
  今様のお問い合わせ、お申し込み、見学はコチラまで→info@imayou.jp
   URL:http://www.ren-produce.com/sagano/club/

  お問合せ・お申込みはコチラまで→sagano@ren-produce.com

  URL:http://www.ren-produce.com/sagano/club/

   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                ■□■ひとこと■□■

      今朝は、今冬はじめて杉ゴケが凍っていました。
      弘道館の冬がやってきました。

     [次回は、2月1日(月)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 

多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。