嵯峨野文化通信 第235号

伝統文化プロデュース 【連】メールマガジン   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)_________

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第235号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

     嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

              毎月1日・15日(月2回)

                   ■VOL:235(2015/12/1)
   
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                 ■□■もくじ■□■

  ■【連】からのお知らせ ——-「土御門ことばあそび」のご案内
                 弘道館講座のご案内
                 「忠臣蔵茶会」を開催します!  
                 「ゴトウ千香子 歌舞伎 仮名手本忠臣蔵
                           作品展」のご案内       
  ■(連載)『ニッポン城郭物語』——————– 第百十五回
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』——————– 第百三十六回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]12月開講講座のお知らせ

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             □■【連】からのお知らせ■□ 

 ■「土御門ことばあそび」のご案内

  白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける
                             文屋 朝康
  日本語の美しさ・伝統定型詩の楽しさをご一緒に味わってみませんか。
  かつて日本人の教養のベースには和歌があり、俳諧・俳句がありました。
  和歌、それにつらなる近現代短歌は1300年、俳諧・俳句は600年余の歴史
 を持ち、またいずれも茶道をはじめ他の日本の伝統文化とも密接な関わりがありま
 す。 
  「短歌合」とは、歌人を左右に分け優劣を競う短歌合わせを行います。
  今回のお題は『風』。
  初心の方へは、サポート・アドバイスもありますので、お気軽にご参加ください!

 日 時:12月日6(日)
 時 間:13時〜15時
 内 容:第一部 レクチャー  講師:植山俊宏
     第二部 短歌合 題詠:『風』
 参加費:2,000円(学生1,000円/要学生証提示)

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 

 ■弘道館講座のご案内

 京文化教養講座1「信仰からみる京都」

 日 程:12月12日(土)
 時 間:11時~12時30分(90分)
 講 師:太田 達(立命館大学非常勤講師)
 テーマ:「霜月祭とクリスマス」
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 京文化教養講座2「茶の湯の文化を識る」

 日 程:12月17日(木)
 時 間:13時~14時30分(90分)
 講 師:太田 宗達(立命館大学非常勤講師)
 テーマ:「井伊直弼」
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 英語で伝統文化「茶道編」~BOOK OF TEAをよむ~

 日 程:12月17日(木)
 時 間:18時30分~20時(90分)
 講 師:田中 朝子(通訳翻訳家)
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 詳しくはコチラ 
 http://kodo-kan.com/seminar.html

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

  
 

 ■「忠臣蔵茶会」を開催します!

  歳末恒例となりました、講談と茶で楽しむ忠臣蔵!
  忠臣蔵を知らずして日本文化を語るなかれ。講談を聴かずしてと歳を越すなか
 れ。
  ほろり涙しながら、一碗のお茶をしみじみあじわうひととき。
  弘道館ならではの、絶対ためにたる時間をお過ごしください。
 
 日 時:12月13日(日)
 時 間:11時、13時
 テーマ:「赤穂義士傳 誉の刀鍛冶」
 会 場:有斐斎弘道館
 参加費:3,000円(茶菓子つき)
 
 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 

 ■「ゴトウ千香子 歌舞伎 仮名手本忠臣蔵作品展」のご案内

  12月5日(土)から、弘道館の2階アートスペースにおいて「ゴトウ千
 香子 歌舞伎 仮名手本忠臣蔵 作品展」を開催します!
  ゴトウさんの体に響き伝わる、歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」三段目の「音
 」が描かれた作品たちが並びます。
  13日には忠臣蔵茶会も開催しますので、あわせてどうぞ。
 
 日 時:12月5日(土)〜12月14日(月)
 時 間:10時〜17時 ※水曜日休館
 入館料:500円
 会 場:有斐斎弘道館
 
 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/event.html 

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

   
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             ■『ニッポン城郭物語』■

                ー百十五幕ー
                                梅原 和久

  驚きのニュース。明治6年(1873)に取り壊された尼崎城の天守を復元した
 いという人が現れた。しかも、10億円以上の私財を投じて。家電量販店の旧ミド
 リ電化(現エディオン)の創業者、安保 詮さんがその人。創業の地への恩返しと
 して、尼崎市に天守の寄贈を申し出たのだという(※)。

  尼崎には、ほんの140年ほど前まで、天守や三層櫓が林立する大城郭が存在し
 ていた。そんな事実がまるで嘘であるかのように、現在の尼崎には城の面影は全く
 ない。近年尼崎城址公園が整備されたが、そこにある石垣も塀も、本物は何一つな
 いのだ。

  尼崎城は、明治の廃城時期が尼崎港の防波堤の修築時期と重なったため、石垣の
 ほとんどが根こそぎ運び出された。堀は埋められ、わずかに残されていた石垣も、
 昭和30年代半ばの第二阪神国道開通に伴って完全に撤去されたために、地上から
 その遺構が完全に失われたのである。

  今回の天守建設予定地は、市有地でもある現在の城址公園だそうで、本来天守が
 あった場所からは数百メートル離れている。おまけに、このお方、「城には全然興
 味はない」そうで、天守についても「エレベーターを設置して、多くの人が見学し
 やすい資料館のような場所にしてほしい」とのこと。

  せっかくの申し出であり、寄付者の意向も尊重する必要があるかもしれないが、
 ここは尼崎市に頑張ってもらいたい。
  尼崎城は古写真や絵図が複数残っていることから、天守についてもかなり正確な
 復元が可能である。本来の天守があった場所には小学校が建っているため、場所ま
 で正確に、とまでは難しいかもしれないが、これだけの額を投じる大事業なのだ。
 天守の形をしているだけの博物館ではなく、史実に沿った、後世に残る平成の天守
 を再建してもらいたい。   

 (※)新聞報道。
  http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201511/0008596266.shtml
  こちらの映像では、何度も「城には全然興味はない」とコメント。とほほ。
  http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20151126-000000
  68-nnn-soci

   ■『北野の芸能と茶屋』■
                  
                -第百三十六回-
                                井上 年和

  大正十五年(1926)7月
  「上七軒の芸妓 野上金太郎(その1)
  上七軒遊廓は技芸熱の強い土地である。私が上七軒で初めて温習会を観たのが今
 から三十年も以前の事で、其頃組合事務所や歌舞練場が慥か現在の組合事務所の前
 を北に突当たった辺りに在った事を仄かに覚えている。」

  技芸倶楽部では、様々な人からの投稿記事が掲載されているが、一般の方の寄稿
 なのか、記者によるものなのか判然としない。加藤藤吉の様な著名な研究者に近い
 ような記者もいれば、「鹿城」のように数回寄稿しているような人もいるし、「一
 記者」として匿名で寄稿している人もいるし、明らかにペンネームの人もいて、寄
 稿内容の信憑性にも甚だ疑問な部分もあるが、それを承知でこの野上金太郎さんの
 上七軒における体験談とその感想文を見てみよう。
 
  まず、「上七軒遊廓は技芸熱の強い土地である」とあって、やはり上七軒は技芸
 にかけては京都の花街でも熱心であったことが窺い知れる。
  しかし、それはこの記事より約30年前、つまり明治29年(1896)頃のこ
 とで、歌舞練場の場所も大正15年当時と違っていたという。

  第118回(平成27年1月15日 第215号)では明治15年(1882)
 「上七軒女紅場規則」には女紅場の場所が社家長屋町671番地と現在のくろちく
 (元吉田屋)の位置となっているし、明治35年(1902)「京都市實地測量地図」
 でもこの地点に丸印に女と書かれているので、現在の組合事務所の北道の突き当た
 りであったことは間違いなさそうであるということを書かせていただいた。
  そして、明治29年には、この女紅場に歌舞練場があって、既に温習会が開催さ
 れていたと言うことである。

  明治時代の女紅場の実態となる史料が少ない中で、この野上金太郎さんの記録は
 非常に重要な証言と言えるのである。

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        □■[嵯峨野学藝倶楽部] 12月開講講座のお知らせ■□

   詳しくはhttp://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日 コース)」
  日 程:12月9日、16日、23日(水)
  時 間:9時~14時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講 師:西村 宗靖・太田 宗達
  場 所:嵯峨野三壷庵
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土、日曜日 コース)」
  日 程:12月6日(日)、12日(土)、20日(日)
  時 間:9時~18時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講 師:西村 宗靖・太田 宗達
  場 所:嵯峨野三壷庵
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

 ■「今様・白拍子教室」
  日 程:お問い合わせください。
  場 所:嵯峨野三壷庵
  時 間:13時~14時30分
  講 師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。
  今様のお問い合わせ、お申し込み、見学はコチラまで→info@imayou.jp
   URL:http://www.ren-produce.com/sagano/club/

  お問合せ・お申込みはコチラまで→sagano@ren-produce.com

  URL:http://www.ren-produce.com/sagano/club/

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                ■□■ひとこと■□■
    
    前回の11月15日号について、発行が出来ておらず
    大変ご迷惑をお掛けいたしました。
    申し訳ございません。
    今後とも、「嵯峨野文化通信」をどうぞよろしくお願いいたします。

     [次回は、12月15日(火)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。