伝統文化プロデュース【連】メールマガジン  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)__________
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [嵯峨野文化通信] 第174号
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伝統文化プロデュース【連】は
日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です
嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します
毎月1日・15日(月2回)
■VOL:174(2013/5/1)
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■□■もくじ■□■
■【連】からのお知らせ —-「KYOTO GRAPHIE」が開催中です!
弘道館文化講座のお知らせ
「街かど古典カフェ」特別講座2
〜伝統文化の若き獅子たち〜が開催されます!
教養サロン「帯を知る/帯を楽しむ」のご案内
■(連載)『ニッポン城郭物語———————— 第八十三幕
■(連載)『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』—– 第六十七回
■(連載)『北野の芸能と茶屋』———————- 第七十八回
■[嵯峨野学藝倶楽部]5月開講講座のお知らせ
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□■【連】からのお知らせ■□
■「KYOTO GRAPHIE」開催中です!
ただいま京都では、KYOTO GRAPHIEという国際写真フェスティバルが開催され
ています!
全12カ所のシンボリックな会場を舞台に、約10カ国のアーティストの作品展
を行っており、有斐斎弘道館では、スイスの写真家であり旅行家のニコラ・ブーヴ
ィエ(1929~1998)の作品を展示しています。
日本の常民文化を撮影したブーヴィエの作品と弘道館の融合は、お互いをより一
層引き立たせた空間となりました。
残りあと一週間の開催となりますので、連休の間にぜひお越しください!
日 時:~5月6日(月・祝)
時 間:10時~17時(16時30分入館まで)
場 所:有斐斎 弘道館
観覧料:800円
※抹茶と和菓子を別途600円で用意しております。
「ギャラリートーク&能楽」
KYOTO GRAPHIEイベントとして、5月5日には能楽師の林宗一郎氏にお越しい
ただきニコラ・ブーヴィエの作品とのセッションを行います。
日本の伝統芸能に深い興味を示したブーヴィエの作品と能楽とのコラボレーショ
ン。
ただいまご予約受付中ですので、ぜひご参加ください!
「この世の生がはかなく苦しみ多いものであることを思い起こさせる、いささかう
らさびれた場所のすべて・・・、そんな場所で得た経験が能を見る楽しみを増して
くれることだろう」
― ニコラ・ブーヴィエ ―
「ギャラリートーク&篠笛」
日 程:5月5日(日)
時 間:10時~11時30分
出 演:林 宗一郎(能楽師)
参加費:3,000円(茶菓子付き)
お問い合わせ、お申込はコチラ
TEL :075-441-6662
MAIL:kouza@kodo-kan.com
■弘道館文化講座のご案内
京文化教養講座1「天皇からみる京都」
日 時:5月11日(土)
テーマ:「正親町天皇」
時 間:11時〜12時30分(90分)
場 所:有斐斎 弘道館
講 師:太田 達(京都女子大学非常勤講師)
参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)
京文化教養講座2「茶の湯の文化を識る」
日 時:5月16日(木)
テーマ:「速水宗達」
時 間:13時〜14時30分(90分)
場 所:有斐斎 弘道館
講 師:太田 達(京都女子大学非常勤講師)
参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)
お問い合わせ、お申込はコチラ
TEL :075-441-6662
MAIL:kouza@kodo-kan.com
■「街かど古典カフェ」特別講座2〜伝統文化の若き獅子たち〜が開催されます!
古典の日制定記念として「街かど古典カフェ」が開催されます。
今回は、煎茶、華道、香道の伝統文化を担う継承者たちによるお茶席や、数寄屋
研究者に解説いただきながら宇治の松殿山荘を見学できます。
そして、【連】代表の濱崎加奈子がパネルディスカッションの聞き手として登場
いたします!ぜひご参加ください!
日 時:7月12日(金)
時 間:13時〜15時30分(受付12時)
場 所:松殿山荘
(宇治市木幡南山18番地)
参加費:2,000円
定 員:60名(応募多数の場合は抽選)
申込方法:郵便往復はがきにて応募
(下記HPにて近日発表されます)
【プログラム】
・お煎茶体験 13時〜13時40分
小川 可樂(小川流煎茶家元嗣)
笹岡 隆甫(華道「未生流笹岡」家元)
蜂谷 宗苾(志野流香道若宗匠)
・松殿山荘の解説と見学 13時40分〜14時20分
解説:桐浴 邦夫(建築史家・京都建築専門学校教員)
・パネルディスカッション 14時20分〜15時30分
パネラー:小川 可樂、笹岡 隆甫、蜂谷 宗苾
聞き手 :濱崎 加奈子(有斐斎弘道館館長)
お申込方法、詳細はコチラ
「古典の日推進委員会」 TEL:075-212-476707
H P:http://www.kotennohi.jp/
※近日詳細発表予定
■教養サロン「帯を知る/帯を楽しむ」のご案内
第4回目を迎えました、こちらの教養サロン。
今回は「水」をテーマにした帯が勢揃いいたします!たくさんの帯を一度に見る
機会はなかなかありませんよね。
このサロンは、西陣の帯屋さんにお越しいただき、帯をつくる工程や普段聞けな
い裏話などを伺いながら帯について学ぶ会です。
ご予約お待ちいたしております。
日 時:6月9日(日)
時 間:11時〜16時(展示は随時ご覧いただけます)
※13時よりトークイベントがございます。
場 所:有斐斎弘道館
参加費:2,000円(主菓子、薄茶付き)
※要予約
お問い合わせ、お申込はコチラ
TEL :075-441-6662
MAIL:kouza@kodo-kan.com
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■『ニッポン城郭物語』■
ー第八十三幕ー
梅原 和久
このところ近代二条城についてだけを深掘りしているが、たまには城ニュースを
いくつか。
私も含め、城好きに好評な熊本城の復元。史実に基づき、忠実に建造物の木造再
建を続けているが、勇み足があったようだ(※)。
4月末、各紙で報道されたのでご存知の方も多いだろうが、復元を進める熊本市
に対し、文化庁が「調査研究の態勢が不十分で、史跡保護の視点に欠ける利活用が
ある」「市の城の運営は客寄せに見えかねない」「調査から復元までが性急すぎる
。はじめに計画ありきではない」などと厳しく批判し、計画の進め方を根本的に見
直すよう指示したという。再建前に発掘調査を行うのだが、出土した遺構の調査報
告を文化庁に提出していなかった、というのが直接の原因だったようだ。
ごもっともな指摘であり、市長も「築城400年に向けて整備を行ってきたこと
もあり、事業のスピードなど進め方に問題があった。今後は専門家による組織を設
置し、調査研究を重視して復元整備に取り組みたい」と表明することになった。訪
れる度に往時の偉容を取り戻していく熊本城の復元は楽しみだったが、こういうこ
となら仕方がない。気長に待ちたい。
一方で、同じ特別史跡の大阪城でモトクロスの世界大会開催、という構想につい
ては、文化庁が許可を出すという意外な結果となった(※)。橋下大阪市長が「大
阪の知名度が上がる」と前向きだったこともあって話題となっていたが、こちらは
OK。コースや観客席の造成のために数千トンの土盛りをしても、地下遺構への影
響はないそうだ。どうやって検証したのかは知らないが。同じ客寄せでも、大阪は
問題なく、熊本はダメ。すっきりしないが、そういうものなのだろうか。
最後に、数年前から復元工事が続く名古屋城本丸御殿について。平成30年(2
018)の完成を前に、まず玄関と表書院が完成し、この5月29日から公開され
る。楽しみである。
(※)熊本城と大阪城の記事。
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20130424-OYT1T00
059.htm
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/121217/wlf12121713
460003-n1.htm
■『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』■
第六十七回
荻田 みどり
(前回のつづき)朱雀院から娘の女三の宮のもとに、春のたよりが届いた。朱雀
院が籠っている山寺の近くでとれた筍や野老(ところ=やまいも科の蔓草)に和
歌が添えられている。
世をわかれ入りなむ道はおくるともおなじところを君もたづねよ
(この世を離れて入ろうとする道は、私におくれるとはいえ、同じ所をあなたも
訪ねていらっしゃい)
「おなじ〈ところ〉」=出家して目指す「極楽」に贈り物の「野老」を掛けてい
る。
朱雀院は出家したものの、同じく出家した娘の女三の宮を放ってはおけない。最
も喜びの多いはずの出産直後に、出家したいと申し出た女三の宮。それほど信心深
いわけではない。現世を逃れたいよほどの理由があったからであろう。朱雀院は既
に現世を離れた身であり、娘に執着するのも憚られる。そこで、春のたよりにこと
よせて、同じ出家した道の先に立ち、娘を気遣うのである。それに対する女三の宮
の返歌は以下である。同じく「野老―所」の掛詞が響いている。
うき世にはあらぬところのゆかしくてそむく山路に思ひこそ入れ
(憂き世(現世)とは別のところに行きたくて、父上が現世を背いて入った山路
に私も思いを寄せています。)
その返歌を見た源氏は、心配そうにする朱雀院の様子を考えず、さらに心配させ
るように「あらぬ所(現世とは別の所)」を求めるとは情けないことと話す。その
小言さえ、女三の宮にとっては厭わしいものであろう。春のたよりである「野老」
によって、朱雀院は女三の宮を現世から離れた「所」へと誘い、女三の宮もその
「所」を求めて行く。
源氏一人が取り残された気分で現世に止まり、この後、筍にかぶりつく薫を苦々
しく見つめることになるのである。
■ 『北野の芸能と茶屋』■
七十八回
井上 年和
元文二年(1737)
『洛陽勝覽』その4
「平野茶屋 万 海老 蛭子 鯛 一座三匁 一日揚拾五匁
此地色は田舎めきたり。あそひ面白し。初心輩至極の場所也。
是より坂をあかれは、紙屋川端に料理茶屋有。豆腐を第一とする也。秋はむく鳥
有。」
北野社境内から移動し、平野のことを記している。元禄十四年(1701)に北野
社の土手(御土居)を切り開いて造った幅二間の通路を渡ったのであろう。
平野の茶屋として、4軒の名が挙げられている。宝永八年(1711)に紹育が借
金を踏み倒そうとした「ゑひや」、「たいや」の名も見られる。
1座3匁と下之森、上七軒と比べて安い。色は田舎めいているけど、遊びはおも
しろく、初心者が遊ぶには打って付けの場所ようだ。西陣衆と違って一般の初心者
向けなのであろうか。遊び慣れたら下之森や上七軒で遊ぶようになるのであろう。
「是より坂をあがれば」とあるので、これらの茶屋は御土居の下に建っていたと
思われる。春先は梅、秋は紅葉を鑑賞しながら一服できたことであろう。
坂の上の紙屋川端には豆腐を第一とする料理茶屋があって、秋にはむく鳥(スズ
メ目ムクドリ科)を食べさせる。
北野社近辺の茶屋はそれぞれのロケーションを生かした個性的なお店が立ち並ん
でいたのである。
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□■[嵯峨野学藝倶楽部] 5月開講講座のお知らせ■□
詳しくは、 http://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。
■「茶道教室(水曜日コース)」
日程:5月8、29日(水)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「茶道教室(土曜日コース)」
日時:5月12(日)、18、25日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:12、25日 10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
18日 10時~13時、15時~19時
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「今様・白拍子教室」
日程:5月11、25日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:13時~14時
講師:石原 さつき
※見学/体験も、随時受付けています。
性別・年齢・経験は問いません。
■「うたことば研究会」
ただいま休講中です。
再開日が決定次第お知らせいたします。
●URL
http://www.ren-produce.com/sagano/club/
お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com
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■□■ひとこと■□■
まだまだ寒い日が続きますが、新緑の綺麗な季節となりましたね。
弘道館のお庭も苔がいきいきとし、蟻も元気に巣をつくりだしました。
今年の夏は苔と共に暑さを乗り越えることが目標です!
[次回は、5月15日(水)に配信予定です!次回もお楽しみに。]
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