嵯峨野文化通信 第172号

 伝統文化プロデュース【連】メールマガジン   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)_________

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第172号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

       嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

             毎月1日・15日(月2回)

                   ■VOL:172(2013/4/2)

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                ■□■もくじ■□■

  ■【連】からのお知らせ ————-「KYOTO GRAPHIE」が開催されます!
                    弘道館文化講座のお知らせ                             
                    ロッテ「和のチョコパイ」キャンペーン
のお知らせ
  ■(連載)リレー連載 ———————- 第七回
  ■(連載)『ニッポン城郭物語』————- 第八十二幕
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』———— 第七十六回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]4月開講講座のお知らせ

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              □■【連】からのお知らせ■□

  ■「KYOTO GRAPHIE」が開催されます!

  京都発の本格的な国際写真フェスティバルが開催されます!
  全12カ所のシンボリックな開場を舞台に、約10カ国のアーティストからなる
 国際色豊かな写真展が行われます。
  その中で、有斐斎弘道館では1950年代に大徳寺に住まいながら、戦後日本の
暮らし「日本の原像」を捉えたニコラ・ブーヴィエ(1929~1998)の貴重
な写真を日本初公開します。
  期間中には、さまざまなアーティストとのコラボレーションイベントや、茶会の
開催も予定していますので、ぜひご参加ください!

  日 時:4月13日(土)〜5月6日(月・祝)
  時 間:10時〜17時(16時30分入館まで)
  休館日:17日(水)、24日(水)
  観覧料:800円

  【期間中イベント】

  kyoto graphie参加アーティストによるトーク、能とのコラボトーク、京菓子×
写真レクチャーほか、楽しい趣向で展覧会を楽しむ企画です。
   先着予約制となっております。お問い合わせください。

  4月14日(日)アーティストトーク
  4月21日(日)京菓子×写真トーク
  4月28日(日)森田玲氏(篠笛奏者)
  5月 5日(日)林宗一郎氏(能楽師)

  時 間:10時〜11時30分
  参加費:3,000円
 
 【茶会「はるかなる原像(仮)」】

  日 時:4月20日(土)
  時 間:18時〜
参加費:3,000円

  ■弘道館文化講座のご案内

  京文化教養講座1「天皇からみる京都」

  日 時:4月20日(土)
  テーマ:「後奈良天皇」
  時 間:11時〜12時30分(90分)
  場 所:有斐斎 弘道館
  講 師:太田 達(京都女子大学非常勤講師)
  参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

京文化教養講座2「茶の湯の文化を識る」

日 時:4月11日(木)
  テーマ:「川上不白」
  時 間:13時〜14時30分(90分)
  場 所:有斐斎 弘道館
  講 師:太田 達(京都女子大学非常勤講師)
  参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)
 
     
  ■ ロッテ「和のチョコパイ」キャンペーンのお知らせ

  ただいまロッテより、有職菓子御調進所老松監修による「和のチョコパイ」の
限定販売キャンペーンが開催されています! 
  濃茶「萬風の昔」(祇園辻利)を使用したクリームの中に、ほんのりと甘い白
小豆(しろしょうず)かのこ豆を使用し、クリームの味をひきたたせると共に断
面の美しい色合いを表現しております。ロッテの大人気商品「チョコパイ」が一
味変わり、とてもあっさりとした京菓子ならではのお味です。
  一般販売は行われておりませんので、ぜひこの機会に入手し味わってください!
 
【キャンペーン参加方法】

・下記HPの専用応募ハガキをダウンロードし、ロッテのチョコパイ商品のお買い
上げレシートをハガキに貼って応募。
  ※お一人さま何口でもご応募できますが、応募ハガキ1枚につき1口です。
  応募期間:3月19日(火)~4月19日(金)

http://lotte-chocopie.com/wa/

・下記オンラインショップより、購入予約をされた方の中から抽選で100名さ
まに販売。
※お申込みはお一人さま1回限りとなっております。
購入予約期間:3月19日(火)~4月30日(火)

  http://lotte-shop.jp/shop/contents2/wa_chocopie.aspx
  
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             ■□■ 新連載 リレー企画 ■□■

  伝統文化プロデュース【連】では、メンバーが伝統文化に対しそれぞれの想
いを持って活動を行っています。そこで、毎回ひとりずつ、メンバーにその想い
を語ってもらうべく連載を企画いたしました!皆の本音や理想、どんな話が飛び
出すことでしょう?
  第七回は、京都の有名老舗旅館に勤務され、日々伝統文化と向き合っておられ
る千葉光幸氏です!
                
                               千葉 光幸
                       (旅館勤務、三壷庵茶道教室)

         ― 第七回 ―

京都に越して来て7年余り、この間に着物クラブに参加し祇園で遊んだり茶道や
華道に通い、茶会や華展と和文化に触れて来ました。

お稽古に通ってもなかなか上達しませんが、回を重ねる内に楽しめる様になりま
した。生きて行く上で必要なものではないけど、忙しい日常の中でふと立ち止まり
、自然な自分を取り戻す時間であると思います。

『道』の付くものは螺旋状に続き、終わりが無く生涯がお稽古であると聞きまし
た。今は「出来ない」と言う焦りはなくなり、ゆっくりと永く楽しんで行ければ良
いと思える様になりましたその魅力を少しでも多くの人に伝える事が結果として『
道』の継承に繋がる事になると思います。

先日、花器が売れず職人さんが廃業に追い込まれていると聞きました。それだけ
華道教室の生徒さんが減っているとの事です。

茶道にはいろんなお道具が使われますが、私たちがその魅力を発信する事に依っ
て、伝統文化の継承にとどまらず、伝統工芸の発展にもつながる事と強く思ってい
ます。

              ■『ニッポン城郭物語』■
                  
                 ー第八十二幕ー
                                 梅原 和久

   明治初期の二条城において、ひときわ目立つ存在だった望火櫓。明治期の京都府
  行政文書を使って、この望火櫓の詳細を調べてみよう。

  望火櫓が京都府行政文書に初めて登場するのは明治3年(1870)の閏10月
  19日。「既ニ千本邸ノ望火櫓及ヒ鐘楼ヲ廃シ始メテ庁内新建ノ楼櫓ヲ用フ」とあ
  る。明治3年当時の府庁は、旧京都守護職上屋敷跡、つまり現在地にあった。二条
  城に移るのは翌4年6月である。
  ともかく、所司代千本屋敷(現在のNHK京都放送局)の望火櫓と鐘楼の機能が
 府庁に移されたことが分かる。「始メテ」とあるように、この時初めて正式に、出
  火地点を確認するための望火と住民周知の業務が所司代から府庁に引き継がれたと
  いうことである。ここで注目は「庁内新建」という表現。ここからは「既存の建物
  の移築」というニュアンスは読みとりにくい。
  
  次に登場するのは明治4年6月、府庁の二条城移転の1週間前に「望火櫓普請中」
  の記録が見え、更に同年12月26日には「庁内望火櫓ヲ新築シ是ニ至テ功竣ル」
  とある。この記事には、「これまでは大小の太鼓を並べて1箇所に置いていたが、
  今回の望火櫓は狭少なので、別々に置く」ということも併せて記載されている。
  それまでよりも建物の規模が小さくなったことを示す記事だが、ここでも注目す
  べきは「望火櫓ヲ新築」である。

  これまでこの望火櫓は、所司代千本屋敷から二条城に移築されたものとされてき
  た。その根拠の一つとなっていたのが、昭和6年に田中緑紅が著した『京の面影』
  である。そこには、望火櫓の古写真とともに、「府庁が出来てから、千本屋敷の西
  北の隅にあつた高い火見櫓を富所へ移し、城内東北隅に立て、尚其下には諸民より
  土砂を運ばせて土台を作りこれに鐘楼を立て大鐘を釣って非常時に報らせた」とあ
  る。封建時代の名残のような、市民の労働奉仕の記述も興味深いが、この「移し」
  という表現が、昭和55年に発行された京都史のバイブル、『京都の歴史』では「
  移建」とされ、現在二条城二の丸御殿前に置かれている鐘楼の説明版に受け継がれ
  たのである。

  ただ、当の府庁の公式文書の記録は上に述べたとおりであり、これまで望火櫓が
  「千本屋敷から移築された」とされてきたことに近い記録は、最初に紹介した明治
  3年のものなのだが、これは「望火櫓という建物の移築」ではなく、「望火櫓と鐘
  楼を利用した消防防災機能の移転」だと考えられる。そもそも、前号でみたように
  、この時代の京都は、望火櫓の建設ラッシュであった。大して複雑な構造でもない
  望火櫓、しかも江戸時代から使われている年代物を、あえて再利用する必然性はな
  いだろう。
  
  つまり、古写真に見る二条城の望火櫓(※)は、従来言われていた千本屋敷から
 の移築物ではなく、この場所で新たに作られたものと考えられるのである。

(※)以前作成したページをリニューアルしてみた。
  http://umeshiro.web.fc2.com/80.html 
  

           ■ 『北野の芸能と茶屋』■                            
                   
               七十六回
                          井上 年和

   元文二年(1737)
   『洛陽勝覽』その2
  「是より北野の方へゆけは、角菱、大ひしなとヽて豆腐茶屋十軒斗もあり。
  下七軒茶屋  大黒 瀬戸 八文字 津国 鯉 扇
  此所遊ひよし、衣裳は所かし也。一座四匁  一日揚弐拾匁
  此前七本松とて繁昌の処也。常に辻芝居、市なとの商人数多有。森の内水茶屋
  御好みなれは御酒も出申候。」

  下之森の状況を記しており、内野の北側には「角菱」、「大ひし」などという豆
  腐茶屋が10軒ほどあり、下七軒茶屋のうち6軒の名前が挙げられている。

  第56回(平成24年6月1日 第152号)、第60回 (平成24年8月1
日第156号)でも書いたとおり、宝永四年(1707)の『京都御役所向大概覚
書』に記載されている馬喰町か三軒町の6軒の茶屋が30年の間に一軒増え、七
軒茶屋 になったと考えられる。下之森にも七軒茶屋ができ、北野社東門前の七軒
茶屋と対比されるようになり、「上七軒」、「下七軒」という呼び方が生まれた
のであろう。

  「此前七本松とて繁昌の処也」とあるように、下七軒茶屋の前は下之森の七本松
広場であるので、馬喰町・三軒町ともあてはまるが、内野からの続きと考えると、
三軒町ではないだろうか。

  下七軒茶屋での遊びは良くて、衣裳は所かし?く、一座4匁とは内野の能茶屋
や上七軒よりも高い。
   下之森七本松広場は常に辻芝居、市がたち、商人が多数いて、下之森の水茶屋
はお酒も出す。その廻りに豆腐茶屋、下七軒茶屋が建ち並ぶなど、下之森はまさ
に洛中の大歓楽街であったのだ。
 
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          □■[嵯峨野学藝倶楽部] 4月開講講座のお知らせ■□

  詳しくは、 http://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日コース)」

  日程:4月3、17日(水)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土曜日コース)」
  日時:4月13、27日(土)、21日(日)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「今様・白拍子教室」
  日程:4月6、20日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:13時~14時
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

 ●URL
  http://www.ren-produce.com/sagano/club/

  お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com

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                 ■□■ひとこと■□■

    暖かくなり、緑が生き生きとしだしてきたのが嬉しい今日このごろです。
    去年得た経験を糧に、今年は杉苔と仲良くなりたいです。    

      [次回は、4月15日(月)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。