嵯峨野文化通信 第160号

 伝統文化プロデュース【連】メールマガジン

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  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第160号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

         
       嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

                毎月1日・15日(月2回)
 
                       ■VOL:160(2012/10/2)

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                  ■□■もくじ■□■

  ■【連】からのお知らせ ——–弘道館文化講座のお知らせ
                  「英語で茶道」開催のお知らせ
                  「帯を知る/帯を楽しむ3」が決定いたしました!
  ■(連載)『ニッポン城郭物語』————————– 第七十六幕                    
  ■(連載)『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』—— 第五十九回
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』————————– 第六十四回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]10月開講講座のお知らせ

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               □■【連】からのお知らせ■□

 ■弘道館文化講座のお知らせ

 「京都文化教養講座1~天皇からみる京都~」

 日 程:10月13日(土)
 テーマ:「花園帝」
 時 間:11時~12時30分(90分)
 場 所:有斐斎 弘道館
 講 師:太田 達
 参加費:1回2,000円(生菓子、抹茶付き)

 
 「京都文化教養講座2~茶の湯の文化を織る~」

 日 程:10月16日(火)
 テーマ:「茶室の建築」
 時 間:13時~14時30分(90分)
 場 所:有斐斎 弘道館 
 講 師:桐浴 邦夫(京都伝統建築専門学校講師)
 参加費:1回2,000円(生菓子、抹茶付き)

 詳細はコチラ
 http://kodo-kan.com/seminar.html
 
 お申込み、お問合せはコチラ
 kouza@kodo-kan.com
 

 ■「KAWAII 茶会」が開催されます!

  ただいま開催中のBIWAKOビエンナーレ内にて、弘道館チーム主催の茶会のお知らせで
 す!
  こちらは、カワイイ席主にカワイイ映像、カワイイお菓子と、カワイイで埋め尽くさ
 れた楽しい茶席となります!当日鏡内ではフリーマーケットも催されているようですの
 で、お気軽にご参加ください!

  「KAWAII茶会」

 席 主 CARYY茶夢茶夢+茶道プラス
 日 時 10月14日(日)15時〜16時頃
 場 所 弘誓寺本堂(滋賀県東近江市五個荘金堂町615)
 アクセス JR琵琶湖線「能登川」駅から近江バス「ぷらざ三方よし」下車、徒歩5分(JR
 京都駅より能登川駅まで新快速で39分)/近江鉄道「八日市」駅より「能登
 川」駅ゆきバスにて「ぷらざ三方よし」下車/近江鉄道「五個荘」駅よりタク
 シーで5分(京都から五個荘駅へは、JR彦根駅で乗換えて22分)
 参加費 500円 *申込不要

 ■「英語で茶道」開催のお知らせ

  8月より開講いたしましたこちらの講座。日本文化は辞書では学べません。
 英語の定型文を覚えるのではなく、より相手に伝わるにはどうすれば良いのかを一緒に
 考えて行きましょう。
  英語や茶道がお好きな方はもちろん、英語も茶道も全く分からないけど興味がある。
 といった方もぜひお越しください。
  英語の説明を聞きながら点前の動作を同時に行いますので、英語を耳で聞くだけより
 も習得しやすいです。
  ご参加お待ちいたしております!

  日程:10月25日(火)
  時間:18時30分より(90分程度を予定)
  場所:有斐斎 弘道館
  講師:田中 朝子(翻訳通訳者、三壷庵茶道教室)
  費用:3,000円
  対象:海外渡航をひかえた社会人、大学生
     海外で日本文化を伝えることに関心のある方
     短時間でお茶のエッセンスを英語で習得したい方
     英語とお茶と、どちらも気軽に楽しんでみたいという方
     日本の伝統文化を体験してみたい留学生、外国の方
  
  詳細はコチラ
  http://kodo-kan.com/seminar.html

  お問合せ・お申込みはコチラ
  kouza@kodo-kan.com

 ■「帯を知る/帯を楽しむ3」が決定いたしました!
 
  ご好評をいただいております「帯を知る/帯を楽しむ」の第3回が決定いたしました!
  今回は冬に向けて、テーマは「雪」。雪輪を始めさまざまな冬の帯が登場いたします。
 呉服屋さんに行っても、帯の詳しいお話や裏話を聞く機会ってなかなかないですよね。
 たくさんの帯が揃いますので、見ているだけでも本当に飽きません。
  お散歩がてら、どうぞご来館ください!

  教養サロン「帯を知る/帯を楽しむ」

  日 程:11月4日(日)
  時 間:12時~16時30分
      ※上記のうちお好きな時間にお越しください。自由にご覧いただけます。
      ※13時と15時にトークを予定しております。
  場 所:有斐斎 弘道館
  講 師:詳細が決まり次第、ホームページにてお知らせいたします。  
  参加費:2,000円(茶菓子つき)
  
  詳細はコチラ
  http://kodo-kan.com/event.html

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                ■『ニッポン城郭物語』■

            ー第七十六幕ー  〜二条城の話 その3〜
              
                                    梅原 和久

   明治以後の二条城については、どの資料を見てもあっさりとした記述しかされていな
  い。慶喜が二条城を退去した翌月の明治元年(1868)1月、二条城に新政府の太政
  官代が置かれるが、翌年の東京遷都に伴って、留守官の管轄となる。明治4年(187
  1)には京都府に移管、二の丸御殿は京都府庁舎となる。途中明治6年(1873)に
  は全国の他の城と同様に陸軍省の所管となるが、府庁としての使用継続は認められてい
  た。
   明治17年(1884)、城は宮内省の所管となり「二条離宮」と改称、大正天皇の
  即位の大典も行われる。昭和13年(1939)、京都市に下賜されて現在に至る。現
  在の正式名称が「元離宮二条城」であるのは、この約50年間の離宮時代のゆえである。
  
   さて、長い二条城の歴史の中で、最も謎に包まれているのが「京都府庁時代」の13
  年間である。国宝二の丸御殿が、かつて府庁の庁舎であった、などと言われても、今で
  はなかなか想像がつかない。研究史としても空白であり、この時代の城内の様子を記述
  した文献も寡聞にして知らない。

   そこで、京都府総合資料館所蔵の行政文書を繙き、その実像に迫ってみたい。この文
  書は、これまで城郭史の分野ではほとんど使われてこなかったが、慶応4年に京都府が
  立庁した前後からの文書群であり、地方公共団体が所蔵する行政文書としては全国で初
  めて重要文化財に指定されたという貴重なものである。
   この文書を掘り起こす、という作業は、以前からずっとやってみたかったことなのだ
  が、なかなか実現できずにいた。この連載であまり専門性の高いことを書くつもりはな
  いが、次回から、その一端を少しずつ紹介していきたい。
   なお、参考とするのは、京都府行政文書のうち、「二条城借受定約並本丸返礼一件」
  (明治11年~27年)及び「二条離宮引渡一件」(明治18~32年)である。

           ■『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』■      
 
                   第五十九回       
                                  荻田 みどり

   前回は、『蜻蛉日記』の初瀬詣を見た。出発初日から多くの「あはれ」が見え、作者
  の感動が伝わる。今回は、出発初日の宿泊先でのことである。この日は橋寺というとこ
  ろに泊まった。

    酉の時ばかりに降りて休みたれば、旅籠どころとおぼしきかたより、切り大根(お
   ほね)、柚の汁してあへしらひて、まづ出だしたり。かかる旅だちたるわざどもをし
   たりしこそ、あやしう忘れがたうをかしかりしか。
 
   午後六時頃に到着し車から降りて休む。すると、調理場と思われるあたりから刻んだ
  大根を柚子の汁であえたものを出された。読んでいるだけで、料理が想像されて、よだ
  れが出そうなくらいである。普段出かけることも滅多にない作者であれば、外泊も今ま
  でにない経験だろう。そして、旅先ならではの夕食メニューは作者に筆をとらせる。  
   『蜻蛉日記』はもとより、平安期の王朝文学作品でこれほど詳細に料理が描かれるの
  は珍しい。料理に感想がつけられることも、である。それほど作者にとって忘れがたい
  思い出になったようだ。

                ■『北野の芸能と茶屋』■           

                    第六十四回            
                                   井上 年和

   正徳4年(1714)2月19日
   「(前略)七本松森内 山本藤次郎 廿五日迄辻能仕度由ニ而少小屋掛之舞台こしら
  へ能仕候処、(中略)乍去毎年正二三月又ハ七八九ニハ、五日七日程之内参詣次第天気
  次第ニしやうぎ・はり幕なといたし、(後略)」
                           『北野天満宮史料 目代記録』

   山本藤次郎という者が、辻能と言いながら舞台を設置してしまった。
   御目付役の石崎喜右衛門が来て「舞台を構えて辻芝居をするやつなんか見たことない
  わ。」とクレームを付けると、去年は藤治郎も「去年の1・2・3月、7・8・9月は
  5~7日程天気の具合で床机や張幕を設けて芝居をしていました。時々やっていました
  が、特に断ってはいなかった。」と答え、それに対し「会式(えしき 法会の儀式)の
  時に辻芝居をやるのは良いが、会式がないときに辻芝居をやるときは言いに来なさい」
  と優しく窘めている。

   寛永頃、承応・万治・寛文頃、明暦頃と元禄頃と度重なる芸能規制を受けてきた京都
  の芸能集団は、全く懲りずに公演を続けてきた。
   尤も、芸能興行における収入は寺社に地子銭として納め、勿論、奉行所にも還元され
  るわけであるから、芸能興行規制は幕府にとっても痛し痒しなところもあって、なかな
  か一斉検挙と言うわけにはいかなかったのであろう。

   こんな仲を完全に断ち切るためかは判らないが、翌月からは町奉行所より芝居停止令
  が出される。しかし、その直前までは芸能主催者と御目付役の間は結構なあなあな仲で
  あったようだ。

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       □■[嵯峨野学藝倶楽部] 10月開講講座のお知らせ■□

 詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日コース)」
  日程:10月10、24日(水)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土曜日コース)」
  日時:10月6日(土)21日(日)27日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。
 
 ■「今様・白拍子教室」
  日程:10月13、27日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:13時~14時
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

 ●URL
  http://www.ren-produce.com/sagano/club/

 お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com

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                 ■□■ひとこと■□■
  
   やっと京都も秋らしくなりました。
   弘道館では、萩が満開で昨日の台風で「こぼれ萩」になりました。
   あとは、蚊がいなくなるのを待つばかりです!
                                   (いまむら)
  
      [次回は、10月15日(月)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。