伝統文化プロデュース【連】メールマガジン
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [嵯峨野文化通信] 第144号
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伝統文化プロデュース【連】は
日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です
嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します
毎月1日・15日(月2回)
■VOL:144(2012/2/2)
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■□■もくじ■□■
■【連】からのお知らせ ——————————-「白雪と白梅」展のご案内
有斐斎弘道館月釜「梅花茶会」のご案内
文化講座のご案内
研究報告会「花街の建築と景観」のお知らせ
■(連載)『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』———- 第四十四回
■(連載)『北野の芸能と茶屋』—————————— 第四十八回
■(連載)『やまとのくには言の葉のくに』——————– 第 百 首
■[嵯峨野学藝倶楽部]2月開講講座のお知らせ
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□■【連】からのお知らせ■□
■「白雪と白梅」展のご案内
前号でもお知らせいたしました「日菓」さんの「白雪と白梅」展が開催されます!
和菓子をつかって、さまざまな活動をされている「日菓」さん。今回は、友禅染め職
人の佐伯昭彦・加代子さんとともに、和歌の世界を披露してくださいます。
各回12名の定員となっておりますので、お早めにお申し込みください。
日 程:2月5日(日)
時 間:11時、13時、15時(それぞれ1時間程度)
※15時の回は満席となりました
場 所:有斐斎弘道館
費 用:2,500円(茶菓子、巾着付き 染めものの巾着は持ち帰りできます)
お問合せ・お申込みはコチラ
nikka.pokka@hotmail.co.jp
※希望時間と人数をお知らせください
日菓のHPはコチラ
http://nikkakyoto.exblog.jp/
■ 有斐斎弘道館月釜「梅花茶会」のご案内
まだまだ寒い日が続きますが、もうすぐ立春ですね。そして、梅の季節がやってまい
ります。
今月の月釜は「梅花茶会」。特別ゲストとして上七軒の芸妓・尚鈴さんをお迎えいた
します!花街とお茶についてのお話をお伺いしながら、弘道館で春を感じませんか。
11時のお席は会員の方のみとなっておりますが、それ以外のお席は弘道館月釜会員
以外の方もご参加いただけますので、どうぞお問い合わせのうえご参加ください。
日 程:2月19日(日)
時 間:11時、12時30分、14時
場 所:有斐斎弘道館
参加費:5,000円(会員の方は不要)
詳細はコチラ
http://kodo-kan.com/tea.html
申し込み、問合せ先はコチラ
TEL :075-441-6662
MAIL:tea@kodo-kan.com
有斐斎弘道館(上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524‐1)
http://kodo-kan.com/access.html
ただいま、月釜会員募集中ですのでお気軽にお問合せください。
年会費:1万円(各回の参加費は不要です)
■ 文化講座のご案内
新年より始まりました文化講座、第2回目のご案内です。
第1回目の講座の内容がすこし弘道館のブログにも掲載されています。
京文化教養講座は1回毎の受講が可能です!京菓子専門講座については途中参加も受
付けておりますので、どうぞご参加ください!
「京文化教養講座1~天皇からみる京都~」
日 程:2月18日(土)
テーマ:「宇多帝」
時 間:11時~12時30分(90分)
場 所:有斐斎 弘道館
講 師:太田 達(京都女子大学非常勤講師)
参加費:6回12,000円(1回毎2,000円)*茶菓子付き
※1回毎の場合は要事前予約
「京文化教養講座2~茶の湯の文化を識る~」
日 程:2月21日(火)
テーマ:「江戸初期の茶室を廻って」
時 間:13時~14時30分(90分)
場 所:有斐斎 弘道館
講 師:桐浴邦夫(京都伝統建築専門学校講師)
参加費:6回12,000円(1回毎2,000円)*茶菓子付き
※1回毎の場合は要事前予約
「京菓子専門講座2」
「春の餅と葛」をテーマに、京菓子の歴史、理論、製作技法、デザインを学びます。
日 程:2月21日(火)
テーマ:「梅の思想と梅の菓子」
時 間:15時~16時30分(90分)
場 所:有斐斎 弘道館
講 師:太田達 ほか
参加費:6回30,000円 *茶菓子付き
※上記の講座を受講するには申込みが必要です。
お申込み、お問合せはコチラ
TEL :075-441-6662
MAIL:kouza@kodo-kan.com
講座についての詳細はコチラ
http://kodo-kan.com/seminar.html
有斐斎弘道館(上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524‐1)
http://kodo-kan.com/access.html
※4月より開講予定の講座
「茶会はじめ 中級」(全5回)
「今様・白拍子・平家物語」(全6回)
■ 研究報告会「花街の建築と景観」のお知らせ
本メルマガの執筆者でもある井上年和さんと新潟大学の岡崎篤行先生方が行われて
いる研究会の報告会が弘道館で開催されます。
花街は、日本の伝統文化を総合的に継承する装置であり、意匠の凝らされた造作や
外構を持つ花街建築、ならびに情緒あふれる歴史的景観を持つ都市空間です。今回、
平成22~23年度にかけて、京都、東京、新潟などの各花街を対象に進められた共
同研究の成果を報告し、花街建築及び景観の特性と、花街の景観保全に向けた計画的
課題を展望されます。
一般聴講可能です。詳細は後日お知らせいたします!
研究報告会「花街の建築と景観」
(平成22~23年度 科学研究費補助金「伝統文化継承装置としての花街建築および景
観の特性と計画的課題」)
日 時:平成24年3月17日(土)14:00~17:00
場 所:有斐斎弘道館
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■『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』■
第四十四回
荻田 みどり
インフルエンザが猛威を振るっているようだが、皆さま大丈夫でしょうか。
もし風邪気味の方がいらっしゃるなら、平安時代の特効薬はいかがでしょうか。
帚木巻の雨夜の品定めは、源氏や頭中将を含め、4人の男たちが女性についてあれこれ
語り合う。その中で、式部丞(しきぶのじょう)は、博士(大学寮の教官)の娘との体験
談を語る。
式部丞がある博士のもとに学問を受けに通っていた頃、ふと言い寄った女であった。女
は生半可の博士が顔負けするほど学才が高く、逢瀬のときにも美しい筆跡で学問を教えて
くれていた。ただ、やはり自分より頭のよい女というのは引け目を感じるものらしく、男
は離れがたい宿縁を思いながらも足は遠のいていった。
久しぶりに立ち寄ると、女は物越しで顔を見せない。怒っているのかと思いきや、そう
ではない。ただ、早口でこのように言う。
「月ごろ風病(ふびやう)重きにたへかねて、極熱の草薬(ごくねちのさうやく)を服
(ぶく)して、いと臭きによりなん、え対面賜はらぬ。目のあたりならずとも、さるべか
らん雑事らはうけたまはらむ」
重い風邪に堪えかねて、「極熱の草薬」を服用したところ、ひろく臭くて対面すること
ができません、という。学識の高い女らしく、漢語が張り巡らされている。女が漢文の知
識をひけらかすのはよしとされなかった時代に、である。その悪臭を放つ「極熱の草薬」
とは何かといえば、「蒜(ひる)」、つまりニンニクのことである。確かに栄養価は高い
ニンニクだが、臭いは女性としても困りもの。常々逢っていて、仲睦まじいカップルなら、
たまのニンニクの臭いはご愛敬だが、最近姿を見せなかった男に久しぶりに逢う姿として
はふさわしくない。女も分かっているから余計に対面できないのだ。女は思ったことだろ
う。「なぜこんな日に来るの!?」と。
男は男で、縁を切るよい口実と、臭いが充満する部屋から逃げ去った。「自分に逢いた
くないからニンニクを食べたのだ」と歌を残して。女は賢女らしく即座に歌を返すが、男
にもう女への愛着はない。
今も風邪ひきにニンニクはよいとされるし、寒い冬に身体を温めるにはもってこいだが、
臭いとの葛藤はいつの時代も変わらない。身体も心も温めてくれるのならよいのだが。
■『北野の芸能と茶屋』■
第四十八回
井上 年和
明暦二年(1656)4月5日
「一、四月五日ニ始ル、見物ニ参候へハ、案ノ如ク名左衛門也、かぶき也、貴賤郡集也
、」
『北野天満宮史料 目代記録』
北野社で、歌舞伎興行が始まり、またもや貴賤を問わず群衆していたようだが、早くも
4月14日には「一、十四日ニ御公儀より勧進本・太夫本ヲよひ被成候由ニ候、十五日よ
り御法度ニ被仰付候也、ソレハかふき故也、」とあって、公儀より勧進元・太夫元を召し
、歌舞伎法度を命ぜられ、中止に追い込まれた。
もともと、承応元年(1652)には若衆歌舞伎は禁止され、明暦二年(1656)春
には「芝居ハ残らず停止申渡され候」『文斎日記』とあり、また、『江戸名所記』では、
寛文元年(1661)に「都の四条河原には、若衆かぶき、女形は跡を削られ、(中略)
都のかぶき崩れて浪人しける」という記事があって、この時期には、歌舞伎興行が禁止さ
れていたのである。
幕府が行った歌舞伎禁制のねらいは公家と武家に向けられており、風俗政策は京都政策
に対応するのである。
歌舞伎が再興されたのは寛文九年(1669)のことで、これは徳川幕府の京都支配が
寛文八年(1668)を境に、所司代体制より町奉行体制に移行し、長く不安定な状況に
あった興行の再興を陳情し、許可されたのである。
こうして京都の歌舞伎界は公的な保証を得て蘇生し、元禄期の全盛時代へ向かって急速
な発展を遂げるのであるが、その再興は「名代」の赦免という形で行われ、町奉行から直
接支配を受けることになり、幕府の京都支配の鎖にしっかりと繋がれてしまった。
公家や武家をパトロンとしていた洛中の芸能集団は、この頃を境に庶民を最大の顧客と
する方向へ転換していったのである。
■『やまとのくには言の葉のくに』■
嵯峨野文化通信第25号より始まり、今号で第百首を迎えられました『やまとのくには
言の葉のくに』。おめでとうございます!そして、いつもありがとうございます!
毎号、メルマガの締めくくりに相応しい綺麗な和歌を綴ってくださいますが、執筆者の
田口さん本人も「はんなり」ということばの相応しい女性です。
私は、いつも「うたことば研究会」や有斐斎弘道館でのイベント等、田口さんの「はん
なり」な世界に酔わせていただいております。
『やまとのくには言の葉のくに』ファンの方は是非一度、文章だけでは伺うことの出来
ない本物の田口節を聞きにいらしてください。
編集担当 今村 友紀
第 百 首
田口 稔恵
この花の一よのうちに百種(ももくさ)の言ぞ隠(こも)れるおほろかにすな
(藤原広嗣 『万葉集』巻8 1456)
(この桜の花の一よの中に、百千もの言葉が隠されているのだ。おろそかにしないでお
くれ)
今回、「やまとのくにはことのはのくに」が100首目を迎えた。 100に因んだ歌
を選ぼうと思い立って、こんな気障な歌を選んでみた。歌の中に登場する「一よ」は、何
を指すか未詳である。「一枝」の転とも、桜の花びら一枚のこととも言われている。「一
」と「百」を対応させた構図であろう。
『万葉集』巻8の「春の相聞」の部立に入っている。「藤原朝臣広嗣が、桜花を郎女に
贈る歌一首」という詞書がある。和歌の、もっとも原初的な意味合いを残した万葉の歌は、
たまにページを繰るとはっと新鮮な思いに胸を打たれる。
相聞歌は、男女間で遣り取りした恋の歌であるから、返信の歌が続いている。
郎女が和(こた)ふる歌一首
この花の一よの内は百種の言持ちかねて折らえけらずや
(この花の、一よの中は、百千の言葉を抱えきれず折れたのではありませんか)
「君の為に手折ったんだよ、この花を。多くの思いが込められているから大事にしてお
くれ」というアプローチに対し、「その思いの重さで枝が折れたの?」と返しているので
、天然ボケの女性でなければ、広嗣は軽くあしらわれてしまったのだろう。
広嗣は、藤原式家の祖・宇合の長男。お坊ちゃんのプレイボーイの歌に見えてしまう。
ただ、詞書を無視し、単独でこの歌を読むと、師から弟子へ、親から子へ、大事な親友
へなど、拈華微笑の境地を伝える歌のような気もしてくる。これだから和歌は面白い。
最後になりますが、毎回滑り込みで原稿を提出してご迷惑をおかけした編集の皆さまに、
心より御礼申し上げます。
和歌を中心とした、様々な「やまとのくにのことのは」をお届けできるよう、これから
も精進いたします。
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□■[嵯峨野学藝倶楽部] 2月開講講座のお知らせ■□
詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。
■「茶道教室(水曜日コース)」
日程:2月15、29日(いずれも、水)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「茶道教室(土曜日コース)」
日時:2月11、18、25日(いずれも、土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時ご都合の良い時間にお越しください
(18日のみ、9時~12時、15時~19時)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「今様・白拍子教室」
日程:2月11、25日(いずれも、土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:13時~14時
講師:石原 さつき
※見学/体験も、随時受付けています。
性別・年齢・経験は問いません。
■「うたことば研究会」
日程:2月25日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:15時~16時(60分)
監修:田口 稔恵
※資料代等が必要です。詳細はお問合せください。
●URL
http://www.ren-produce.com/sagano/club/
お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com
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■□■ひとこと■□■
本当に寒い日が続きますね。
今年は京都市内にまだ本格的な雪が降っておりません。毎年数回は積もるの
ですが・・積雪が待ち遠しいような、路面凍結が怖いような、複雑な気持ちで
過ごしています。
(いまむら)
[次回は、2月15日(水)に配信予定です!次回もお楽しみに。]
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