嵯峨野文化通信 臨時号

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         〔嵯峨野文化通信〕 臨時号 2010年5月5日
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        日々の暮らしに「和」の魅力をプラスしてみませんか?

   伝統文化プロデュース【連】は、日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識に

        ついて、学び広めていくための活動をしている団体です。

        ♪♪♪〔嵯峨野文化通信〕臨時号をお届けします♪♪♪            

 
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  ○【連】からのお知らせ——– 犬飼千賀子きもの展のお知らせ
                  楽しいお茶会、「重五茶会」のご案内
                  「太田達のお茶を愉しむ展」が開催されます!
                  脇山さとみ展「楽しい茶会」
                  波紋音(はもん)コンサートへの誘い
  ○祝・100号記念座談会

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 【連】からのお知らせ
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 ○犬飼千賀子きもの展のお知らせ

  本日まで、御所西の弘道館において友禅作家・犬飼千賀子さんの作品のきもの展が開催
 されています!犬飼さんは【連】の活動に協力してくださっています。
  ゴールデンウイークの最後の一日を、ゆったりと着物の世界で過ごしてみませんか?

  日程:5月1日(土)〜5日(水)
  時間:10時〜17時
  場所:弘道館(京都市上京区上長者町通新町東入)
  費用:入場無料

  詳しくはコチラ
  http://kodo-kan.com/event.html

 ○楽しいお茶会、「重五茶会」のご案内

  本日、【連】メンバーである太田達がお茶会「重五の茶ー速水宗達的ー」を行います!
  弘道館を現代に再興することを目指す【連】の活動の一環として行われるお茶会に、皆
 さんも足を運んでみませんか?
  事前申込みは不要ですので、どうぞお気軽にお越しください!

  「重五の茶ー速水宗達的ー」
  日程:5月5日(水)
  時間:特に決まっておりませんので、ご都合の良い時間にお越しください。
  場所:弘道館(上京区上長者町通新町東入)
  費用:建物保存のため、お気持ち程度ご協力いただいております。
  ※事前申込みは不要です。

  詳しくはコチラ
  URL:http://blog.oimatu.shop-pro.jp/

 ○「太田達のお茶を愉しむ展」が開催されます!

  前回メルマガ臨時号にてお知らせしました、東京・銀座の松屋百貨店にて開催される、
 「現代の数寄者 太田達さんによる お茶を愉しむ展」の詳細をお知らせいたします!

  ”「茶〜TEA〜」をもっと楽しんでみませんか。”
  日本の伝統的な文化のほとんどすべてを包括する茶道。近年は海外でも関心が高まって
 います。そんな茶道の奥深さを、自由な発想で堀下げ、また広めている有職菓子御調進所
 「老松」主人で、【連】メンバーでもある太田達の、楽しいお茶の世界を楽しんでいただ
 きます。独自の美意識を具現するべく、自らの目で集め、プロデュースした茶碗の数々、
 世界各地での茶会の映像上映や、太田達プロデュースの茶会など、盛りだくさんの企画で
 す。
  「お茶は初めて」という方にもおすすめです。日々のくらしにお茶の視点を取り込む楽
 しさもお伝えします。また、今回の企画のための限定菓子も販売いたします。
  どうぞお気軽にお越しください。

  「婦人画報」創刊105周年×「松屋銀座」開店85周年特別コラボレーション企画

  日程:5月19日(水)〜25日(火)
  時間:10時〜20時(最終日は16時まで)
  場所:東京・松屋銀座7階美術画廊(東京都中央区銀座3-6-1)
  費用:入場無料
  ※5月19日(水)と23日(日)に、それぞれ茶会とトークが開催されます。(時間
   未定)

 ○脇山さとみ展「楽しい茶会」

  有職菓子御調進所「老松」嵐山店でも使用されている脇山さとみさんの器作品を、弘道
 館にてゆったりとお楽しみいただける茶会が開催されます!
  23日には、脇山さんのトークも行われます。また、「老松」の若手の菓子作家の方々
 によるお茶会がほぼ連日開催され、毎回、趣向を凝らしたお菓子をお楽しみいただけます
 ので、お時間おありの方はぜひ足をお運びください!

  日程:5月20日(木)〜30日(日)
  時間:12時〜18時まで(金・土曜日は19時まで)
  場所:弘道館(京都市上京区上長者町通新町東入)
  費用:500円(お飲み物付)
  ※お茶会とは別に、ご希望の方は「老松」の和菓子と抹茶がいただけます。別途500
   円が必要です。

  <イベント>
  脇山さとみ アーティストトーク
    日程:5月23日(日)
    時間:14時より
    費用:無料(予約は不要です)

  お茶会
    日程:5月20日(木) 田辺桃  「プチトリアノン」
                杉山早陽子「超静寂茶会」
       5月21日(金) 秋山亜弓 「めがねと音楽と私 no music,no life」
       5月22日(土) 田中優子 「紅茶と遊ぶ」
                吉岡節子 「焼飯釜」
       5月24日(月) 寺田庄吾 「非現実的現実」
                永田貴子 「グローバル」
       5月25日(火) 塩貝祥代 「愛」
    時間:14時より
    費用:別途500円(予約は不要です)

  弘道館のHPはコチラ
  http://kodo-kan.com/event.html

 ○波紋音(はもん)コンサートへの誘い

  「脇山さとみ展」開催中の5月23日に、弘道館にて永田砂知子さんによる「波紋音コ
 ンサート」が行われます!鉄でできた創作楽器「波紋音」の音色を聞きに、ぜひ弘道館に
 お越しください!

  日程:5月23日(日)
  時間:19時頃(予定)
  場所:弘道館(京都市上京区上長者町通新町東入)
  費用:2000円
  主催:弘道館
  ※時間などの詳細は決まり次第、弘道館のHPに掲載されます。

  弘道館HPはコチラ
  http://kodo-kan.com/event.html

  永田砂知子さんのHPはコチラ
  http://nagatasachiko.com/L-12.jpg

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                祝・100号記念座談会
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                 ■座談会第三回■
            「人とのつながり 出会いのきっかけ」

  前回のメルマガ臨時号では、嵯峨野学藝倶楽部の開催地「三壷庵」の名前の由来や「嵯
 峨野学藝倶楽部」を始めたきっかけを語っていただきました。
  今回は、座談会メンバー同士が出会ったきっかけについて語っていただきます!

 ー前回は、[嵯峨野学藝倶楽部]の開催地である「三壷庵」の由来についてお話いただき
  きました。そもそも、【連】を始めたのには、どのような意図があったのでしょうか?

 (濱崎加奈子 *以下、濱)今、【連】に関わっている方々と話をしてると、すごく刺激
   を受けるじゃないですか。こんなに面白い人がいて、面白い話題があって、自身の興
   味をどんどん深めていける。ものすごく面白い。でも、「こんなこと、みんな知らん
   のちゃうかな」と思うことがたくさんあって。

 (田口稔恵 *以下、田)そうですね。私も大学時代から太田先生のお話には大いに刺激
   を受けました。

 (濱)太田さんのことに限らず、田口さんや梅原さんのマニア度といったら・・いつもび
   っくりさせられます(笑)。そういう、文化の宝庫みたいな人たちが身近にたくさん
   いるのですけど、私、そういう「すごい人・もの」に接したら、「独り占めするのは
   もったいない!」と感じるタイプで。何かに感動したら、「これをみんなに知らせた
   い!」と。今様についても同じなんですよ。「これ、みんなが知ったら、どんなに楽
   しいだろう」って。知らないで通り過ぎていく、っていうのはもったいないでしょ。
   知った上で通りすぎるのはいいけど・・・。まあ、お節介なんですけどね。
    なので、太田さんみたいに「引き出しはいっぱいあるけど、全然その引き出しが開
   けられてない」という事態には堪えられない(笑)。太田さんなんて、そういう意味
   ではモンスター級の存在なので大変なんですけど、出会ったら最後ですね。放ってお
   けない。

 (梅原和久 *以下、梅)太田さんの話はほんとにスゴイ。もったいないよなぁ、我々し
   か聞いていない話がいっぱいありすぎて。

 (濱)でしょ? その引き出しを開けてやろう!というのが、【連】結成の発端と言える
   かもしれないんですよ。

 (梅)私が太田さんに会ったのは、2002年。

 (太田達 *以下、太)そう、衝撃的な出会いやってんよ!

 (梅)太田さんが「セバスチャン」をさせられたという!(一同笑)この中で一番古い付
   き合いなのが濱崎さんなんやけど、彼女が大学1年生だったときのフィリピンツアー
   から。僕がその団長でね。当時は僕が上やった(笑)。その時のメンバーが久しぶり
   に集まる機会があって、そのときに太田さんが大原の無心庵でお茶をしてくださって。

 (太)その時、唯一僕に気ぃ遣うてくれたのが、梅原さん!(一同笑)

 (梅)あの時は本当にお世話になりました。

 (太)後から着く人に、お祝いのサプライズをしかける、ということで、僕はその人を案
   内する役割。つまり、濱崎さんや梅原さんらは茶室に隠れていて、その人が着いたら
   茶室に通す。すると皆は茶室の中でギターを弾いて、わぁっと驚かせるという趣向。
   僕は外から案内するので、着物を着てたのだけど・・・

 (梅)そういえば冬、しかも真夜中でしたよね!

 (太)そう、真冬の寒いときに、なぜか薄い薄い夏の着物着て。で、庵の前にタクシーが
   着いたかと思ったら、来た人が「ぎゃーッ」っていって逃げて行った。忘れもせん。
   (一同、笑)

 (田)私、たぶんその直後くらいに梅原さんを紹介していただいたんですよ。

 (太)僕が田口さんに会ったのは今から12,3年前かな。僕が京都女子大学の非常勤で
   講師をはじめた頃だったと思うけど、100人くらいのクラスだったので大変で。そ
   の時に、八木意知男先生という国文学の先生が、稔恵さんを連れて来られて、「素晴
   らしい方をつけます」と。で、しゃべってたら、めっちゃ面白い。「なんやこの人」
   って。

 (梅)僕が田口さんを紹介された時も「めっちゃおもろい人」やと。(一同、笑)実際、
   会うた時、めっちゃおもろかった(笑)。

 (田)太田先生、初めて梅原さんにお会いした時のお話は「衆道」のことでしたよね。
   (笑)あの、おかまのママさんがいるバーで・・

 (梅)初めて会うて、何で衆道の話やねん!(笑)しかし盛り上がったなぁ。

 (太)いや、二人とも「衆道」に反応してくれたし、やっぱ「イケるなあ」と(笑)。
   やっぱり、色んなことを知ってるということは大事。知識があって、それをもって共
   通の場で遊べるのが、日本文化の大事なところ。梅原さんとか見てたら、秘めてるも
   のがいっぱいある。職場では出していないようなものを。そういうのを出し合って、
   そしてそれがずっとそれが続いてるのがすごいなあと。

 (濱)1人でなくて、チームやったら、モンスタークラスの引き出しも引き出せるかなと。
   無理やりにでも!(笑)

 ー梅原さんと田口さんの、太田さんとのつながりがわかりました。ところで、太田さんと
  濱崎さんはどこで出会われたんですか?

 (太)初めてまともに喋ったのは濱崎さんが大学4年生で、これから東京行くという時か
   な。

 (濱)実はその前にちょっと接点はあったらしいけど・・・。

 (太)あ、「素人歌舞伎」ね。南座で、同じ舞台に立っていた!

 (濱)私、学生時代に上七軒でバイトをしてたので、よく「上七軒つながりね」と言われ
   るのだけど、違うんですよ。上七軒では一度も会ってない! 老松さんの店頭を何回
   も眺めに行ってたのだけど。(一同、笑)

 (太)たぶん、その頃はまじめに働いてた。そやから飲みに出るとか何にもなしに、もう
   会社の建物の中にずっとおっただけやから・・・。それで、もうそんなん厭やと思っ
   ていたところに、八木意知男先生に拾ってもうて、京女に行った。で、初めてここで
   僕の話を分かってくれる人に会うたというか。

 (濱)それで、今様の会でお会いしていろいろお話しました。その時いただいた名刺に「
   ナガランド」と書き込んであります。「ナガに入りたいのでつながりのある人はいな
   いか」と頼まれました。

 (梅)それもおかしな話題やね(笑)。

 (田)私も太田先生に出会う前に、いちど今様を見に行っているんですよ。

 (梅)結局、そういう、なにか人の接点から始まってるよね。

 (濱)プロデュースというかコーディネーションというか。この人とこの人を会わせたら
   面白いなぁ、みたいな。

 (梅)そういうことやわ。だから、こういうメンバーになってる!

 (太)そう、編集者の岸本さんは、田口さんの教え子。松田さんは、講義にふらっと来た
   生徒で「変なやつやな」ってずっと思ってて。(一同、笑)で、他の学生が分からん
ようなマニアックなことを言うた時に、ものすごい目で反応しはるんや。(一同、笑)

 (田)沢山の学生に声をかけても、こうして残ってくれているのは彼女たちだけというこ
   とを考えると、やっぱりご縁ですね。

 (太)「つながる」とか「連なる」とかいうこと。それで、なにか人生が楽しくなってき
   た。素晴らしいことだよね。
   茶道教室でお世話になっている西村靖子先生も、実は今もメールが来てたのだけど、
   もう、本当に感動なんですよ。ああいう楽しい、幸せなお茶がある、ということに!
    僕もそうだけど、彼女にとって、残り半生を生きる目的というたらおかしいけどね、
   50歳を超えて、そういうものになってきていると思う。彼女も、小学校は一緒やっ
   たけど、それは当時は知らんかった。けど、今から13年前にお茶の会の長をするこ
   とになった。その時コンビを組んで以来、ずっと一緒にやってきた。彼女はとても才
   能のある人で、でも、自分の稽古場をお持ちでなかった。それこそ、もったいない。
   それで、無理を言って嵯峨野学藝倶楽部の茶道教室をお願いした。茶道教室に来てる
   人達ってみんな生き生きしてるよねぇ。彼女も喜びを感じていると言ってくれる。そ
   ういう成果はあるよね。

 (濱)西村先生の茶道教室はすごいですよ。ほんとうに、笑いが絶えない。以前違う教室
   に通っていた人が、「お茶がこんなに楽しかったとは」と驚いている。先生も、教室
   のお弟子さんたちだけでお茶会したときに「お茶のすばらしさを改めて感じた」と言
   ってくださって。

 (太)彼女、言うてたねぇ。本当によかった。そういう意味では、濱崎さんが言う、「連
   なる」という理念は成功じゃないかと思います。

  

  次回は、「伝統文化プロデュース」という言葉についてのお話をお聞きします!

                ♪次回もお楽しみに♪

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      ♪♪次回メルマガ102号は、5月15日(土)に配信予定です!♪♪
 
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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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