嵯峨野文化通信 第192号

伝統文化プロデュース【連】メールマガジン   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)__________

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第192号
       (____________________*°。・゜。。・゜。

 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

     嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

              毎月1日・15日(月2回)

                    ■VOL:192(2014/2/1)

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                  ■□■もくじ■□■

  ■【連】からのお知らせ —–「花街文化サロン」への誘い
               実践講座「江戸時代の〈教養〉を考える」の
                                  ご案内
               弘道館講座のご案内 
  ■(連載)『ニッポン城郭物語』————————– 第九十二幕
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』————————– 第九十六回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]2月開講講座のお知らせ

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

              □■【連】からのお知らせ■□

 ■「花街文化サロン」への誘い

  花街の文化を弘道館で楽しみませんか。
  上七軒の芸妓・尚鈴さんにお越しいただき、舞や唄などを楽しむ企画です!
 普段ではなかなか聞けないようなお話もきけるかも・・。
  お茶屋さんに行ったことがない方も、女性の方も、ぜひお気軽にご参加ください
 !お食事をしながら、ゆっくりとした時間を過ごしましょう。
  ご参加お待ちしております!  

 日 時:2月16日(日)
 時 間:正午より
 場 所:有斐斎 弘道館
 参加費:10,000円(食事代込み)
     ※事前の銀行振込をお願いいたしております。
      詳しくはお問い合わせください。

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/tea.html
 
 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 ■実践講座「江戸時代の〈教養〉を考える」のご案内

  皆さんで一緒に謡を楽しみませんか?
  第一部では井伊直弼の「茶の湯ー全集ー」を読み下し、第二部は「謡」を行いま
 す。謡では能楽師の林宗一郎氏をむかえ、実際に皆で声の出し方から学びます。
  歌は苦手という方や経験は全くないという方も大歓迎です。
  「謡がひとつでもうたえるようになりたいなぁ」から始まった勉強会、ぜひご参
 加お待ちしております。     
 
 日 時:2月16日(日)
 時 間:16時30分~19時
 場 所:有斐斎弘道館
 内 容:第一部 勉強会「井伊直弼『茶の湯ー全集ー』をよむ
     (リーダー 濱崎加奈子、太田達)
     第二部 実践「お謡をうたってみよう」
     (講師 林宗一郎〈能楽師〉)
 参加費:3,000円(第一部のみ、第二部のみの場合は一部2,000円)
     ※学割あり(2,000円/第一部のみ、第二部のみの場合は1,000円)

 ■弘道館文化講座のご案内

 京文化教養講座1「信仰からみる京都」

 日 時:2月8日(土)
 テーマ:稲荷山と東寺「稲荷神域の謎」
 時 間:11時~12時30分(90分)
 場 所:有斐斎 弘道館
 講 師:太田 達(立命館大学非常勤講師)
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 京文化教養講座2「茶の湯の文化を識る」

 日 時:2月27日(木)
 テーマ:「再び千利休の茶室とその周辺」
 時 間:13時~14時30分(90分)
 場 所:有斐斎 弘道館
 講 師:桐浴 邦夫(建築史家/京都建築専門学校講師)
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 「英語で伝統文化 茶道編」

 日 時:2月27日(木)
 時 間:18時30分~20時(90分)
 場 所:有斐斎 弘道館
 講 師:田中 朝子(翻訳通訳者、三壷庵茶道教室)
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/seminar.html
 
 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com
 

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄       
  
              ■『ニッポン城郭物語』■
                  
                -第九十二幕-

                                梅原 和久

   先日、職場の旅行で大分に行ってきた。夜の食事以外は自由行動というプランだ
 ったので、当然のごとく城巡りをしたのだが、驚いたのは7名もの同僚がこのマニ
 アックな行程に参加してきたことである。2日間で佐伯・臼杵・中津・日出と回っ
 たのだが、この中で一般的な観光地といえば、今年の大河ドラマの主人公である黒
 田官兵衛が築いた中津城くらい。その他は天守が復元されている訳でもなく、いず
 れも地味といえば地味な城跡である。
  縄張り図や古写真など、簡単な資料を用意して、現地で適宜解説をしたことによ
 り、石垣ばかりの城跡でも、想像していた以上に楽しんでもらえたようだ。佐伯で
 は、昭和45年まで残っていた三の丸御殿が佐伯文化会館建設のために壊されたと
 いう話(※)など、高度成長期くらいまでは文化財に対する扱いが、それほどまで
 にぞんざいだったことを、現場を見ることで実感してもらうこともできた。
  また、移築建造物なども可能な限り訪ね歩いたのだが、最後に訪れた日出(ひじ
 )で、事件は起こった。
  
  日出城は、秀吉の正室高台院の兄の子を祖とする木下氏の城である。義兄であっ
 た細川忠興の支援を受けて築城したこともあって、3万石の小藩ながら壮大な石垣
 が残っている。また、明治時代に町内に移築されて、現存している裏門櫓や鬼門櫓
 を城内に再移築するなど、近年特に整備が進んでいる城である。海を望む城跡をじ
 っくり堪能した後、近くの龍泉寺に移築されている旧日出城裏門の遺構を見に行く
 ことになった。
   
  しかし、寺に着き、周辺を歩いても、境内に入ってもそれらしき門が見あたらな
 い。諦めきれず、お隣の松尾寺で聞いてみたところ、衝撃的な答えが返ってきた。
 何と昨年10月に取り壊されたというのである。江戸時代から何とか残されてきた
 日出城の貴重な遺構が、ほんの2ヶ月ほど前に壊された…
    
  ただ、このことは日出町にとっても痛恨の出来事だったようだ。帰宅して早速、
 日出町に聞いてみたところ、教育委員会の担当者からは、この門が以前から瓦の落
 下等があり、老朽化が問題視されていたこと、寺としては日出町に移築保存を相談
 していたが、町の方針として寺での現地保存を決めたこと、それによって寺は「町
 は引き受けてくれない」と認識してしまい、町への事前相談・報告なく取り壊して
 しまったことなど、詳しい経緯を丁寧に教えてもらった。

  高度成長期は…と昔話のように言っている場合ではなかった。この情報はまだ、
 ネット上ではどこにも載っていないようである。日本全国にわずかに残された城の
 遺構のうち、平成25年10月に城門が一棟失われたことをここに報告しておく。

 (※)佐伯城三の丸御殿の破壊について触れたバックナンバー。
  http://archive.mag2.com/0000185716/20080501190000002.html

 

             ■ 『北野の芸能と茶屋』■                            
                  
         ー九十六回ー
                               井上 年和

  嘉永五年(1852)2月
  「下之森ハ嘉永五壬子二月願済致し上七軒と一躰ニ相成候哉ニ相見候事」
                            『京都府下遊廓由緒』

  下之森と上七軒が一体となった。もともと何れも北野社境内に発生した茶屋街な
 のであるが、上七軒茶屋街は東門前の松梅院周辺に位置し、室町時代には将軍や貴
 族が主に利用していた場所、下之森茶屋街は北野社の南に拓けた七本松広場という
 庶民に開放された場所に発生している。
  場所的には少し離れた位置なのであるが、茶屋株が統合されたという意味なので
 あろうか。

  下之森には18世紀の初めに「下七軒茶屋」が存在し「上七軒」の地名の発祥と
 なったことや、19世紀頃からは芝居や見世物に建物を貸すために常設的な造りの
 建物が増えていったことは、これまでの記事に度々書かせていただいたところであ
 る。

  慶応3年(1867)の『四方のはな』を見ると、「いか屋」という店に芸妓17
 名、遊女13名、「いづゝ屋」という店に芸妓11名、半線香9名、遊女9名で、
 芸妓の小計28名、遊女の合計22名、総計59名の芸妓・遊女が存在したことが
 判る。
  『京都府下遊廓由緒』の「附図」を見ると、新建町に7軒、東町に14軒、西町
 に13軒、三軒町に11軒の合計45軒の茶屋が描かれているが、明治11年(18
 78)発行の『都の花競』では、下之森の芸舞妓が記載されておらず、明治初期には
 茶屋が衰退していったと考えられる。
  ただし、三軒町は五番町域と接していたため吸収され、大正15年(1916)に
 は娼妓を55名も抱える遊廓街となった。

  大衆のための芸能広場に立地していた茶屋街は、時代の波に淘汰され、消滅して
 いく運命を辿ったのである。

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

          □■[嵯峨野学藝倶楽部] 2月開講講座のお知らせ■□

  詳しくは、 http://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日コース)」

  日程:2月12、26日(水)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土曜日コース)」
  日時:2月1、15日(土)、23日(日)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「今様・白拍子教室」
  日程:2月8、22日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:13時~14時
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

 ●URL
  http://www.ren-produce.com/sagano/club/

  お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

               ■□■ひとこと■□■
     
   近頃暖かい日が続きますね。
   春らしい気候に、弘道館の庭掃除もとても気分が良いです。が、
   暖かくなると虫も出てきだし、なんとも複雑な気分になる今日このごろです。
   
    [次回は、2月15日(土)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 

多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。