嵯峨野文化通信 第151号

伝統文化プロデュース【連】メールマガジン

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  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第151号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

         
       嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

                毎月1日・15日(月2回)
 
                     ■VOL:151(2012/5/16)

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                  ■□■もくじ■□■

  ■【連】からのお知らせ ——————-「小さくて深い菓子展」のご案内
  こども茶会を開催します
                        茶会での基本を学びませんか?
                        京文化教養講座のお知らせ
  ■(連載)『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』———- 第五十一回
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』————————– 第五十五回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]5月開講講座のお知らせ

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               □■【連】からのお知らせ■□

 ■ 「小さくて深い菓子展」のご案内

  現在、弘道館では二十四節季にまつわる菓子を、随時、作品を変更し展示しており
 ます!
  現在は「立夏」をテーマに、展示をしています。
  少しでもたくさんの方に見ていただければと思い、有斐斎弘道館の表門前にショー
 ケースを置いて展示中です!
  お近くへお越しの際はぜひお立ち寄りください。
  また、館内では、抹茶と和菓子を召し上がっていただくこともできます(有料)。

  時 間:10時より16時まで
  場 所:有斐斎 弘道館(京都市上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524ー1)
  ※抹茶と節気のお菓子については、予約制となりますので、前日までにご連絡ください。
  
  弘道館のHPはコチラ
  http://kodo-kan.com/index.html

  ■こども茶会を開催します

  毎年ご好評をいただいている、こども茶会が今年も開催されます!
  こども茶会は、小さいお子様もご一緒に茶席に入っていただけるお茶会です。
  菓子作り体験もできますので、ぜひ、お子様と一緒にお越しください。
  お茶会が初めての方で、ご希望の方には簡単に茶会のレクチャーをさせていただき
 ます。予約不要ですので、どうぞ、お気軽にお越しください!
  
  日程:5月26日(土)
  時間:10時~15時
      ※午後の方が、比較的ゆったりとお過ごしいただけます。
  場所:有斐斎弘道館
  費用:大人   1,500円
     中、高生 1,000円
      小学生    500円
      乳幼児      無料
  ※大人の方のみでもご参加いただけます。お子様は必ず保護者同伴でお願いします
  ※菓子作り体験は、別途500円をいただきます。

  お問合せはコチラ
   有職菓子御調進所「老松」    電話 075-463-3050

  「老松」のHPはコチラ
  http//www.oimatu.co.jp

 ■茶会での基本を学びませんか?

  茶会に出席した際に困らないために、基本的なお茶のいただき方や、茶会の流れを
 学んでみませんか?
  お茶会に行ってみたいけれど、経験がなくて不安・・・という方に最適な講座です!
  5回で茶会の客の基本をマスターでき、修了時には修了証を授与いたします。
  扇子など、受講に必要なものはお貸しいたします。
  気軽な服装でお越しいただけます。ぜひお申込みください。

 日程・内容: 7月17日(火) 茶室についてまなぶ/茶室の入り方、床の間の拝見
          8月21日(火) 茶会の構造をまなぶ/薄茶のいただき方
          9月18日(火) 茶席の菓子についてまなぶ/濃茶のいただき方
        10月16日(火)  茶道具についてまなぶ/拝見の仕方
        11月20日(火)  正客になった場合は/客の実践(復習)
 講師:高田宗真
 時間:10時30分~12時
 場所:有斐斎 弘道館
 受講料:5回15000円(各回、茶菓子付)※要申込

  お問合せ・お申込みはコチラ
   メール kouza@kodo-kan.com
   電話  075-441-6662

 ■京文化教養講座のお知らせ

  講座「天皇からみる京都」の、第二弾の開講が決定しました!
  各時代の天皇をひもとき、京都をより深く学びませんか?
  弘道館の庭を眺めながら、美味しい菓子と抹茶をお召し上がりいただけます。
  ゆったりと、京の知を訪ね、語らいましょう。

  「天皇からみる京都」
  日程・内容:7月14日(土)  後鳥羽帝
          8月11日(土)  後嵯峨帝
          9月8日(土)   亀山帝 後宇多帝
          10月13日(土) 花園帝
          11月10日(土) 後醍醐帝
          12月8日(土)  南朝と北朝
  講師:太田達(有職菓子御調進所「老松」主人)
  時間:11時~12時30分
  場所:有斐斎 弘道館(上京区元土御門町524-1)
  受講料:6回12000円(茶菓子付/1回2000円)*要申込

  お問合せ・お申込みはコチラ
   メール kouza@kodo-kan.com
   電話  075-441-6662

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           ■『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』■      
 
                   第五十一回       

                                  荻田 みどり

  日本での母の日は、1931年(昭和6年)、皇后の誕生日である3月6日を母の日と
 したのが始めらしい。後に、アメリカの母の日に合わせて5月第2日曜日に定着した。
 母の日は古くは17世紀のアイルランドやイギリスに見られるが、父の日は20世紀初
 頭のアメリカで始まったもののようだ。そこに起源は持たずとも、世界各国様々な日に
 「母の日」「父の日」が行われ、感謝の気持ちを贈っている。
  『源氏物語』に目を転じてみると、そういえば子が親に贈り物をする場面はあまり見ら
 れない。恋愛を主題とする物語であるという特質もあり、もっと日常的に贈り物をし合っ
 ているため描かれないのかもしれないが、礼節を重んじる儒教思想の浸透していた時
 代である。現代よりも親子の関係が気安くはなかったのかもしれない。
  『源氏物語』に見られる子が親に贈り物をする例は、儀式的なものだった。若菜上巻
 において、源氏は40歳を迎える。40歳といえば、平安時代にはもう「翁」と言われる
 年齢である。これを祝う「四十の賀」が催され、まず正月23日に源氏の養女・玉鬘が若
 菜を奉る。

   正月二十三日、子の日なるに、左大将殿の北の方(玉鬘)、若菜まゐりたまふ。

 源氏はあまり派手な演出を好まないため、内密に準備を進め、盛大に催す。こうなると、
 源氏は辞退することもできない。他人が見ても、年の数え違いではなかろうか、と思わ
 れるみずみずしい美しさで、子の親などとは到底思われない。自身もまだまだ若い、若
 者には負けるまいと思っている。しかし、「四十の賀」と銘打って、食べれば若返るとさ
 れる「若菜」を贈られると、少々きまりが悪く思われる。
  「四十の賀」は主催者を変え、この一年何度も繰り返される。権勢を極めた源氏はお
 祝いムードに流されながらも老いのコンプレックスの中、朱雀院の娘である13、4歳の
 女三の宮を迎える。そして、六条院は崩壊していく。この第二部の初めの巻「若菜」は、
 そうした象徴的な場面の初めなのである。

                ■『北野の芸能と茶屋』■           

                   第五十五回            
                                  井上 年和

   元禄八年(1695)
   「一、能泉男子油等ヲ商由也、此者茶屋之下女ヲ為妻松梅院家来丹波半左衛門借
    家ニ居候由也、(中略)此度茶屋ノ家来ニ成、松梅院家来之家ヲかり、真盛町ニ居
    候事、以之外之様子ニ候、自今勘当可然候、若其分之ため不可然候旨也、能泉
    云、畏申候、宿へ帰り勘当仕候様子、女ニも子共ニも為申聞、其上ニ而御返事可
    仕旨也、」
                         『北野天満宮史料 宮仕記録(続1)』

  能泉のところの息子が茶屋の下女を妻として油商売を始めたので、不届きにより勘当
 されようとしている。
  ほんの7年前には能知の弟である伝十郎が、茶屋の下女を妻にして義絶を命じられ、
 前の年の元禄七年(1694)にやっと赦免されたところであるが、今回もまた同じような
 騒動である。
  北野社中では、宮仕達と茶屋の娘と深い関係になることを衆中の恥辱として戒めてい
 たのであるが、実態は度々この様な結末に陥っていたのだ。

  第52回(平成24年4月1日 第148号)でも紹介させて頂いたように、多くの宮仕達は
 宿坊を経営しており、息子達に茶屋や油商売を禁じたところで説得力がなかったと思わ
 れる。
  この息子は、茶屋の家来(お手伝いのことか?)になって、真盛町にある松梅院の家
 来である丹波半左衛門の家を借りて住んでいるというのだ。
  やはり、北野社の宮仕達は情け深く、勘当されても駆け落ちせずに近くに住めるという
 のが不思議なところで、よほどこの周辺は住み心地が良かったとみえる。

  宮仕達と茶屋は、17世紀中頃から幕府により布かれた遊女、茶屋、芸能等の風俗対
 策や身分差別により、一時的には互いの行き来を閉ざしてるようにみえたが、規制が緩
 むとまた元通りに関係は改善されていくのである。

  これまでも度々指摘してきたように、北野社周辺においては、茶屋や宿坊は貴族や将
 軍等の貴人を収容するために、宮仕や御子が経営していた施設であると考えられ、宮
 仕の居宅とこれらの施設は、元はと言えば同じ穴から出た狢であって、鳥居前町、馬
 喰町、真盛町、徳勝院長屋(現社家長屋町)の中に混然と軒を連ねていたのである。

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       □■[嵯峨野学藝倶楽部] 5月開講講座のお知らせ■□

 詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。

 ■「茶道教室(土曜日コース)」
  日時:5月19、26日(いずれも、土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
      26日は、9時~12時、15時~19時となります。お気をつけください。
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(水曜日コース)」
  日程:5月23日(水)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。
 
 ■「今様・白拍子教室」
  日程:5月26日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:13時~14時
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

 ●URL
  http://www.ren-produce.com/sagano/club/

 お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com

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               ■□■ひとこと■□■
  
  暑くなったと思ったらまた寒くなり、なかなか夏服に移行できません。
 この時期は「頑張って節電して過ごそう!」と思うのですが、いざ暑くなると難しいですね。
 皆さんは、今年の夏はどのような節電対策を考えていらっしゃるでしょうか。

                                   (まつだ)
  
      [次回は、6月1日(金)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。