伝統文化プロデュース【連】メールマガジン
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〔嵯峨野文化通信〕 第54号
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日々の暮らしに「和」の魅力をプラスしてみませんか?
伝統文化プロデュース【連】は、日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識に
ついて、学び広めていくための活動をしている団体です。
京都・嵯峨野から、最新の情報を皆さんにお届けします!
毎月1日・15日(月2回)
★VOL:54 (2008/5/1)
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○【連】からのお知らせ———————–「京都流議定書」
「五感でよむ源氏」
○(連載)『京都タイムトラベル』————- 天狗の酒盛
○(連載)『ニッポン城郭物語』————— 第二十八幕
○[嵯峨野学藝倶楽部]5月開講講座のお知らせ
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【連】からのお知らせ
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○【連】協力イベント 京都流議定書【Do you Kyoto? Do you Kyotostyle?】
前号でもお知らせした「もっと京都を知る一日〜伝統〜」は、いよいよ明日5月2日
に開催されます。会場は東山三十三間堂横のハイアットリージェンシー京都です。一日
を通して楽しめるイベントが盛りだくさんですので、是非ご来場ください。
詳細はホームページで→ http://www.ueda-h.co.jp/press/080407.html
○プラザカレッジ京都学講座「五感でよむ源氏」
今年は源氏物語が記録に登場してから千年にあたるため、京都各地で関連行事が行わ
れています。今回お知らせするのは、キャンパスプラザ京都で開催される連続講座、「
五感でよむ源氏」。その第6回目を、【連】代表の濱崎加奈子が担当します。他の回で
も、源氏物語にまつわる多様な文化・思想・時代 背景などをそれぞれの分野の専門家が
深く解説されることになっています。
タイトル:2008年度プラザカレッジ京都学講座「五感でよむ源氏」
第6回「“お香”雅びなるもの、その継承」
日程:6月15日(日)
時間:午後2時〜3時30分(開室午後1時30分)
会場:キャンパスプラザ京都 4階 第2講義室
定員:250名 ※事前申込制・先着順
全10回講座を通じての受講のみ事前申込を受け付けています。
定員を満たしていない場合のみ、当日受付ができます。
費用:全10回10,000円。当日受付は一講座につき1,500円
詳しくは、下記のURLから
http://www.consortium.or.jp/contents_detail.php?frmId=942
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(連載)『京都タイムトラベル』―京都・時空・逍遥・記―
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天狗の酒盛 太田 達
今回は、私の人生の中で何度も繰り返されている危機的なスケジュールにおいても、
結構大きな荒波の中での執筆ということで、番外編的なものとなることをお許しをいた
だきつつ…。
昨夜、上嵯峨、愛宕神社一の鳥居前の鮎茶屋「平野屋」さんで催された宴に参加した。
四百年以上の歴史をもつ建物でもたれたこの会は、フランスからの友人を迎えるための、
8人のこじんまりとしたものだったが、昼に苔寺をたずね、夢窓疎石に思いを馳せて写
経をし、藪内宗家の燕庵で茶を服し、利休、剣仲、織部と会劫したのちに、最上のシャ
ンパーニュ4本と若鮎を喰らい、愛宕山名物の「志んこ」を撮(つま)みつつ「歌仙を
巻く」というものであった。ちなみに、仏人たちは初めての連歌だというのにすばらし
い句で(勿論仏語でだが)一座を盛り上げてくれた。そう、他の6人の日本人も初めて
だった。茶屋の女将さんいわく、「昔はみな斯様(かよう)に遊んではりました。でも、
近年はとんと…」。「平野屋」さんもそうなのだが、「お茶屋」や茶店を基とする「料
理屋」などで、寄せ書き風の屏風や襖などを見ることがある。江戸時代中葉の文人たち
の記述に斯様な茶屋遊びがある。「洛中洛外図」の花の下連歌や遊山とは、このような
ものであったのであろう。共通の知識、認識で遊ぶ、まさに日本文化の特質。句がつな
がり、夜が更けるにつれ、口三味線ならぬ口ピアノ、アカペラのジャズ、シャンソン、
果ては、バッハ、モーツアルトまで飛び出した。下戸のくせに最上のシャンパーニュと
いうので卑しん坊をしてしまった私は、うすれゆく意識の中で「天狗の酒盛」という言
葉が思い浮かんだ。
昨今、嵯峨野学藝倶楽部の「花街講座」でよくひもとくようになった『雍州府志』の
「宮川町」辺りの記述に愛宕念仏寺があり、何故東山に愛宕? と不思議に思ったので
よく覚えているのだが、その六道珍皇寺と六波羅蜜寺にはさまれた天台宗の寺院の年中
行事に「天狗の酒盛」があった。これは、正月二日に諸人に火伏の牛王札を授ける儀式
なのだが、その時、方丈において、八坂犬神人たち、八坂の絃召(つるめそ)たち(愛
宕念仏寺は現在、東山区松原大和大路弓矢町にある)が、舞えや歌えの大騒ぎの大宴会
をする。このときの彼らの風体が喧雑なので、天狗の酒宴。実はこの愛宕念仏寺、今私
たちが「天狗の酒盛」をしている「平野屋」さんの北、30メートルの場所にある。今
ではみな、愛宕にあるのが当たり前と認識しているが、違います。大正14年(192
5)、松原警察署のためにその境内地を裂かれ、この地に移転した事実。官憲の横暴さ
を声高らかに叫びつつ終わります。お粗末でした。
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(連載)『ニッポン城郭物語』
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―第二十八幕― 〜御殿の話〜
梅原 和久
4月20日、130年ぶりに蘇った熊本城本丸御殿大広間の一般公開が始まり、話題を
集めている。江戸時代から残る絵図や文献、古写真などの資料を基に、大工・左官・飾金
具師・絵師・石工・表具師などが復元のために結集した平成の一大プロジェクトであり、
熊本市が投じた総事業費は約54億円にのぼるという。
「土建屋を儲けさせるだけの無駄な公共事業」と批判をする人もいるようだが、城を築
くための技術は現在ほとんど失われているため、伝統技術と熟練した匠の技の継承のため
には、復元は得難い機会となる。昨今の城復元ブームにおいて、その対象が地域のランド
マークとなる天守だけではなく、当時の政庁の中心であった御殿にも及んで来ているのは、
「伝統技術の保存・継承」という行政課題に対応するという意味もあるのだ。(※1)
というのも、天守はその派手な外装に比して内装はシンプルなのに対し、御殿は障壁画
・欄間彫刻・飾金具など、装飾の粋を集めた建物と言え、そこで使われている技術の数も
半端ではないからである。
そもそも、城の御殿が元あった位置に現存している例は非常に稀である。全国で見ても
わずか4例(二条城二の丸御殿・川越城・掛川城・高知城の本丸御殿)にすぎない。天守
の現存数が12であることを考えても、その希少さが分かる。明治の廃城時、天守につい
ては城のシンボルとして藩士から保存運動が起こったこともあったが、御殿に関しては寡
聞にして知らない。御殿は旧藩主の住まいである上に、政庁でもあったために、その役割
を終えて取り壊されるときに、感傷のようなものが入り込む余地がなかったのかもしれな
い。
いずれにせよ、御殿が顧みられるようになったのは平成も10年代になってから。近い
ところでは、昭和45年(1970)まで残っていた大分佐伯城の三の丸御殿が、あろう
ことか佐伯「文化」会館建設のために取り壊された、という例がある。このとき建設され
た文化会館が現在では老朽化し、その建てかえが検討されている(※2)と聞くにつけ、
空しさがつのる今日この頃である。
(※1)御殿の本格的な復元は、平成12年(2000)の丹波篠山城を端緒として、
その4年後の平成16年(2004)に佐賀城、今回の熊本城、そして平成34年
(2022)完成予定の名古屋城へと続いている。
(※2)佐伯市長期総合教育計画より。
http://www.city.saiki.oita.jp/life/img/tyoukisougoukyoikukeikaku/5-1.pdf
「文化財の保存・継承」という文句が泣かせる。お前が言うな! と言いたいところ。
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◆[嵯峨野学藝倶楽部]5月開講講座のお知らせ ◆
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詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/から
★「花街文化講座」
日程:5月10日(土)
時間:午前11時〜12時30分(90分)
内容:「先斗町と宮川町」
参加費:1回1,000円(茶菓子付)
※1回のみの参加も、受付けています。
★「茶道教室(土曜日コース)」
日程:5月10日(土)
時間:午後3時〜8時(ご都合の良い時間に、お越しください)
※見学/体験も、随時、受付けています。
★「茶道教室(水曜日コース)」
日程:5月14日(水)
時間:午後3時〜8時(ご都合の良い時間に、お越しください)
※見学/体験も、随時、受付けています。
★「京都歴史講座」
日程:5月18日(日)
時間:午前11時〜12時30分(90分)
内容:「八幡」
参加費:1回1,000円(茶菓子付)
※1回のみの参加も、受付けています。
●URL
http://www.ren-produce.com/sagano/club/
お問合せ・お申込みはコチラまで→sagano@ren-produce.com
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ゴールデンウィークもいよいよ後半戦。今年も恒例の非公開文化財の特別拝観が各地
で行われていますね。今回はどこに行こうかな?
その前に、とりあえず明日はハイアットリージェンシー京都へよろしく!
(ピンチヒッターうめ)
[次回は、5月15日(木)に配信予定です! 次回もお楽しみに。]
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