京菓子をデザインするヒント⑦〜2021年受賞作品・茶席菓子実作部門〜

京菓子をデザインするヒント⑦〜2021年の茶席菓子実作部門「優秀賞」作品〜

2021年は「徒然草」をテーマに作品を募集しました。
茶席菓子実作部門では、全国の菓子職人、和菓子作家の方々からご応募いただいております。
【銘】 一路(いちろ)
【参考にした段】
第188、41、49、93、155段
【コンセプト】
(進むべき道は自分で見つけまっすぐ進む)
●一枚目の多色の練りきり
赤青黄の色素のみを使用し作った色を白の練り切りではさみ伸ばしたもの
白で挟むことでぼんやりとしているものの、5色のはっきりとした色をしている。
見えにくい中には、色んな感情、情報、選択肢があることを表した
●上に重ねた紫
最終的に希望、夢(銀箔)を見出し、自分で進むべき道を見つけ(白のライン)、冷静に、淡々と、でも情熱を持つという意味を込めて紫色で表した。
伝統色である紫式部で表現した三角のような、三角じゃないような形で示したのは人と同じでなくていい、それぞれのやり方や表現で良いという意味を込めた。
最近でいえば、世の中の情報を得やすくなり迷い、不安、怒り、希望など多くの感情に揺れ動く人が多いかもしれません。
知ったうえで必要な情報だけを手に入れ、取捨選択し周りに流されず、自分の中にある弱さに流されず、自分で進むべき道を決めてまっすぐ進む41段、49段、93段、155段を読んで、それぞれに与えられた残された時間は誰にもわからないし、明日終わるかもしれない、ならば一番したいことをして生きていきたい、と。必要に迫られたことは考えなくても何とかするものですから。でも本題は忘れないようにしたいものです。
188段のように準備ばかりして、目標にたどり着く道にすら乗ることができずに人生が終わるという事がないように、ぶれない強さを持つという気持ちを込めて作った作品です。
菓銘は『真実一路』という意味も込めてまっすぐ進むという意味で付けました。
【受賞者名】藤本 宏美
今年のテーマは「枕草子」。
応募の締め切りは8月31日(水)必着です!
皆様のご応募お待ちしております。
▼WEB応募受付中。

多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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