〈レポート〉京菓子展特別ワークショップ「枕草子をデザインする②」

毎年弘道館が行っている京菓子デザイン公募展に向けたイベントとして、8月23日(火)に今年2回目の京菓子展特別ワークショップを行いました。講師は「御菓子丸」主宰の 杉山早陽子 さんです。(https://www.instagram.com/okashimaru_/

今回もGOOD NATURE STATION にて、菓子についての講義を受け、実際に京菓子を作る体験をして頂きました。

 

お話は、そもそも京菓子とは何か、というところから。

京菓子と和菓子(京都以外の地域)の写真を比較します。東京の和菓子を例にみると、花であれば花びらがくっきり描かれるなど、形が具象的にあらわされています。対して京菓子では、柔らかい丸みのおびた形で花を表現しており、非常に抽象化された形をしているのが分かります。同じようにウグイスのお菓子でも、東京ではウグイスの形そのものに近いのに対し、京菓子ではほとんどただの丸。京菓子では動物のお菓子に目をつけないことが特徴です。名古屋や大阪ではどうかというと、東京のものに近かったり、京菓子に近かったりと、その中間的な特徴をもっているそう。方言のようで面白いですね。

抽象的な京菓子では、何を表したお菓子かわからなくなりそうですが、お菓子の「銘(=名前)」でそのお菓子が何を表しているのか知ることができます。抽象的な形でも、「朝涼」という銘のお菓子なら、朝顔だと分かる。そこが京菓子ならではの楽しみ方でもあるとのこと。

また、素材でも違いがあり、京都では「こなし」という白あんと小麦粉を蒸しあげてもみこんだものが使われることがほとんどです。東京では「練り切り」がよく使われます。餅がたくさん練りこんであってもちもちしているのが特徴です。

お菓子には型を使ったものも手で作るものもありますが、手の跡が残っていないのが上手なお菓子作りのポイントだそう。

 

さっそく京菓子を作っていきます。その前に、杉山さんの実演も。手のひらと茶巾を使って、さきほども紹介された「朝涼」という朝顔の京菓子を作ります。

今回は京菓子なので、「こなし」の生地を使います。赤・黄・青の三種類の色を混ぜて様々な色をつくり、へらと茶巾と自分の手で様々な形にしていきます。杉山さんのおっしゃったように「手の跡がお菓子に残らないように」という点に注意しながら、参加者の方それぞれに菓子作りに挑戦しました。

 

「昨年は京菓子展の展覧会を見に行きましたが、今年はデザインに応募してみます。」という方も。

京菓子展 2022 – 手のひらの自然 枕草子HP (https://kyogashi.jp/ )の京菓子デザイン公募は、8月31日(水)までです。締切まであと少しとなりましたが、まだまだご応募お待ちしております。

今回の杉山さんのワークショップも参考に、ぜひ京菓子のデザインや実作にも挑戦してみて下さい。

 


京菓子デザイン公募展は、京都を代表する芸術文化である京菓子を通して、広く皆様に古典文学について知っていただくとともに、京菓子についての理解を深めていただくことを趣旨とするものです。八年目となる本年は、「枕草子」の世界よりイメージを膨らませ、新たな感性で表現した京菓子作品を募集します。

京菓子展 2022 – 手のひらの自然 枕草子HP (https://kyogashi.jp/ )

▼応募
8月31日(水)必着
▼募集部門
①京菓子デザイン部門/どなたでも応募可能。
 菓子職人が、デザイン画を菓子にします!
②茶席菓子実作部門/実作可能な方。
※年齢、国籍、プロ・アマは問わない。

多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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