京菓子をデザインするヒント⑯〜2021年受賞作品・茶席菓子実作部門〜

京菓子をデザインするヒント ⑯〜2021年の茶席菓子実作部門「笹岡隆甫賞」作品〜

2021年は「徒然草」をテーマに作品を募集しました。
茶席菓子実作部門では、全国の菓子職人、和菓子作家の方々からご応募いただいております。
【銘】閑居
【参考にした段】 第55段「家の作りはやうは、夏を旨とすべし」
序段「つれづれなるままに、日暮らし、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくれば」
【コンセプト】
徒然草には吉田兼好の住宅論が散りばめられています。建築に携わる者なら誰もが知る名言「家の作りはやうは、夏を旨とすべし」。夏の風通しを基準に考え、障子や襖といった軽い建具で仕切られた日本の建築は外部と内部の境界が曖昧で海外では<透明な建築>と認識されています。透明な建築空間の中で日本人は季節を感じながら独自の文化と美意識を育んできました。吉田兼好もまた、隠遁生活の中で内側に向かい、人々の心に響く普遍的な文学を綴りました。
この菓子はそうした遁世者、兼好法師の姿を切り取った菓子です。錦玉羹を草庵に見立て、その中でひとり思索し徒然草を綴る兼好の姿を重ねました。
【受賞者名】佐藤 由紀子
今年のテーマは「枕草子」
応募の締め切りは8月31日(水)必着です!
皆様のご応募お待ちしております。
▼WEB応募受付中。

多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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