《座談》吉坊ゆらり咄を弘道館で続けている理由

有斐斎弘道館の人気講座「吉坊ゆらり咄」の落語家 桂吉坊さんと
館長 濱崎がそれぞれの想いを語らいました。

座談:桂吉坊さん × 濱崎加奈子(有斐斎弘道館 館長)

桂吉坊(かつらきちぼう)
1981年兵庫県生まれ。1999年、桂吉朝に入門。2000年より3年間、桂米朝のもとで内弟子
修行。以後、古典落語を中心に舞台を重ねる。2007年には「地獄八景 浮世百景」で役者としてもデビュー。2011年、咲くやこの花賞大衆芸能部門受賞。
公式サイト http://www.kichibo.net/

濱崎
今回(7/1土曜開催)で「吉坊ゆらり咄」も9回目となりますね。いつも本当に大勢の方々にお越しいただき、ありがたく思っております。そして、とてもとてもお忙しい中、有斐斎弘道館の活動にご理解をいただき、ご協力くださる桂吉坊さんと、木ノ下裕一さんに、心から感謝申し上げます。
前回の2月の会の時なのですが、終わったあと、吉坊さんが「僕らは有斐斎弘道館で咄をするのが好きです。この場を残したいと心から思っています」と仰ってくださったのがとても深く心に残っているのですが。

弘道館で咄をするのが好き

吉坊
そうなんです。まず建物が素敵ですよね。というか江戸時代の空気がそのまま続いている気がして、こちらも気持ちがすーっと入っていくといいますか。それに、来て下さるお客様も熱心で、他の落語会では感じられない独特の雰囲気があって、僕自身も毎回とても楽しみにしています。

濱崎
江戸時代の学問所趾としてなすべきことは何かを考えたとき、「落語」というのはとても有名な「科目」だと思うのです。落語はもちろん「学問」ではありませんが、今の時代にちょっと欠けているな〜という学びが、落語にはたくさんつまっていますよね。

歌舞伎から落語へ
説教節から能、そして落語へ

濱崎
「吉坊ゆらり咄」は、ひとつの芸能がそれだけで成立しているわけではなく、歌舞伎から落語へと発展するなど、時代に応じて変遷していることや、同じ時代でも芸能どうしの関わりがあって成立していることなどを、体感する場になっています。
前回なら、説経節から能へと連なる「弱法師(よろぼし)」の話があって、はじめて落語「弱法師」の面白さがわかる。
そんな「面白さ」をみなさまに<発見>していただくのが、有斐斎弘道館の役割だと思っています。なぜなら、それこそが、江戸時代の人々の「楽しみ方」だったのだから。
テーマにちなんだお菓子をおだしするのも、菓子が色々な芸能文化とも関わりが深く、学びの糸口になると思うからなのです。

和蝋燭のもとで「聞く」ということ

kichibouyurari

(2017年2月11日 弱法師)

吉坊
それから、「和蝋燭」でというのがよいですね。弘道館でしかありえない贅沢。暗すぎて見えへんと言われたこともありますが(笑)

濱崎
咄のなかでタイミングよくふわ〜っと炎が揺れて、みんながゾクっとするということもありましたねえ。

吉坊
ちょっと暗い部分があるということは、現代において人間関係を取り戻すためにも必要だと思うんです。「想像する」というのは、落語の大事な部分なので、そこを喚起させてくれる環境は大事なんだろうなあと。いろいろな意味で、弘道館での落語は、僕にとって「挑戦」でもあるんです。

濱崎
多忙を極めながらも、さらに続けていこうとおっしゃってくださる先生方と、参加してくださる方々の思い。そんな多くの方々の思いを、ぜったいに形にしなければならない、この場所の保存活動を達成しなければならないと、心を新たにいたしました。ありがとうございます。

 

次回、吉坊ゆらり咄のご案内

開催日 2017年7月1日(土)
時間 開始:18:30(18:00より呈茶) 終了予定:20:30(予定)

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コラム 

多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
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