嵯峨野文化通信 第187号

伝統文化プロデュース【連】メールマガジン   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)__________

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第187号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

     嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

              毎月1日・15日(月2回)

                    ■VOL:187(2013/12/3)

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                  ■□■もくじ■□■

  ■【連】からのお知らせ —–「SALON de IPEC 2013 in Kyoto 日本
                      デザインの今」を開催しています!
                 実践講座「江戸時代の〈教養〉を考える」の
                                   ご案内
                 弘道館講座のご案内 
                 「BOOK OF TEA」をよんでみませんか。 
                 「クリスマス茶会」のご案内 
  ■(連載)『ニッポン城郭物語』————————– 第九十幕
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』————————– 第九十二回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]12月開講講座のお知らせ

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              □■【連】からのお知らせ■□

 ■「SALON de IPEC 2013 in Kyoto 日本デザインの今」を開催しています!

  本日より弘道館にて、隔年開催される「インテリアプランニング賞」の巡回展と
 「JAPAN STYLE & DESIGN NOW」をテーマに開催されたパリ・デザインウィーク
 2013の帰国展、メゾン・エ・オブジェ報告セミナー、ミラノ・フォーリサロー
 ネ「日本のかたち展」の帰国展を合同開催しております!
  和の佇まいに展示されたインテリア作品の秀作と国際展示会で発表した作品の数
 々をお楽しみください。

 日 期:2013年12月3日(火)〜11日(水)
 時 間:10時〜17時
     ※最終日は16時閉館
 入場料:500円
     ※別途500円で呈茶あり

  [関連企画]
 セミナー:メゾン・エ・オブジェ報告セミナー(建築CPD認定プログラム)

 日 時:12月8日(日)
 時 間:14時〜16時
 参加費:1,500円(入館料含む)
 
 1部  「パリ・デザインウィークに見るインテリアトレンド」 
     講師:中山 邦子氏
 2部  パネルディスカッション「パリ・デザイン・ウィーク2013とデザイン
     トレンド」
     パネリスト:安藤 眞吾氏、北川 良明氏、草木 義博氏 他
 

 ■実践講座「江戸時代の〈教養〉を考える」のご案内

  皆さんで一緒に謡を楽しみませんか?
  第一部では井伊直弼の「茶の湯ー全集ー」を読み下し、第二部は「謡」を行いま
 す。謡では能楽師の林宗一郎氏をむかえ、実際に皆で声の出し方から学びます。
  歌は苦手という方や経験は全くないという方も大歓迎です。
  「謡がひとつでもうたえるようになりたいなぁ」から始まった勉強会、ぜひご参
 加お待ちしております。     
 
 日 時:12月8日(日)
 時 間:16時30分〜19時
 場 所:有斐斎弘道館
 内 容:第一部 勉強会「井伊直弼『茶の湯ー全集ー』をよむ
     (リーダー 濱崎加奈子、太田達)
     第二部 実践「お謡をうたってみよう」
     (講師 林宗一郎〈能楽師〉)
 参加費:3,000円(第一部のみ、第二部のみの場合は一部2,000円)
     ※学割あり(2,000円/第一部のみ、第二部のみの場合は1,000円)

 ■弘道館文化講座のご案内

 京文化教養講座1「天皇からみる京都」

 日 時:12月14日(土)
 テーマ:「孝明天皇」
 時 間:11時~12時30分(90分)
 場 所:有斐斎 弘道館
 講 師:太田 達(立命館大学非常勤講師)
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 京文化教養講座2「茶の湯の文化を識る」

 日 時:12月19日(木)
 テーマ:「武家の茶」
 時 間:13時~14時30分(90分)
 場 所:有斐斎 弘道館
 講 師:太田 宗達(立命館大学非常勤講師)
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/seminar.html
 
 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com
 

 ■「BOOK OF TEA」をよんでみませんか。

  昨年より始まりました、英語で日本の伝統文化を発信する講座です。
  いままでは、お手前などの実践を英語で行って参りましたが、今回は岡倉天心の
 「BOOK OF TEA」をよみます。
  世界中でよまれている「BOOK OF TEA」、日本では知らない方も多いそうです
 が、翻訳本も多数出版され、さまざまな見解がなされています。
  こちらを皆で考えながら読み解いてみませんか。英語が苦手な方、茶道の経験の
 ない方もぜひお越しください。
  ご参加をお待ちしております!

 「英語で伝統文化 茶道編」

 日 時:12月19日(木)
      1月23日(木)
 時 間:18時30分~20時(90分)
 場 所:有斐斎 弘道館
 講 師:田中 知子(翻訳通訳者、三壷庵茶道教室)
 参加費:3,000円(生菓子、抹茶付)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/seminar.html
 
 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 ■「クリスマス茶会」のご案内

  早いもので、もう12月。2013年もあと少しとなりました。街では、ジン
 グルベルが聞こえてきますね。
  さて、今年も弘道館で開催いたします!
  クリスマスパーティですが、お茶会です。お茶会ですが、クリスマスパーティ
 です。
  普段とはひと味違ったお茶会を、弘道館で楽しみましょう。
  皆さまお誘い合わせのうえ、お気軽にご参加ください!
  

 日 時:12月22日(日)
 時 間:17時 (18時30分終了予定)
 場 所:有斐斎 弘道館
 参加費:2,000円

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/tea.html 

 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:tea@kodo-kan.com  

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              ■『ニッポン城郭物語』■
                  
                -第九十幕-

                                梅原 和久

  前回に引き続き、京都府総合資料館所蔵の文書『二条離宮引渡一件』から、京都
 府庁時代の二条城建築物について。
  前回は府民が最初に訪れる「人民溜」や「人民応接所」、現在の国宝二の丸御殿
 でいうと入口付近の式台や遠侍あたりを見てみたが、今回はもう少し奥の部分、黒
 書院や白書院、更には台所や御清所のあたりがどうなっていたのかを見てみよう。

 まず目立つのは、現在は二の丸御殿とは独立して立っている台所と御清所が、南
 にある遠侍や黒書院と連結されて、一体化していたということである。役所として
 使用している以上は、庁内をスムーズに移動できることが求められる。そのため、
 建物から建物へと、瓦を乗せた屋根付きの廊下を作り、所々に「建出」として増築
 を行うことでスペースを増やしていた。建出の記載があるのは大広間西南隅、台所
 の西側と北側など9箇所。

  では、人が集まる施設には不可欠なトイレはどうなっていたのだろうか。現在の
 二の丸御殿には見られないが、府庁時代には当然ながらトイレが各所に設置されて
 いた。多くは建物をつなぐ廊下部分に、張り出す形で作られており、独立して建て
 られたものと合わせ、この文書にはこれまた9箇所が記載されている。

  また、遠侍の東、現在団体客用の出入口がある辺りには「元仮上京区役所」が、
 御清所の東には「銀行詰所」があり、大広間の東、式台の北に増築された建物は「
 元地理掛製図場」と呼ばれる場所であったことが、この図面から判明した。
  当時、どの部屋にどの係があったのかなど、庁舎の配置が分かる資料はまだ発掘
 できていない。しかし、明治18年に取壊し対象となった部分だけであるとはいえ、
 この文書によって初めて明らかになったのは、大きな成果であると言えるだろう。

 (※)明治18年時点の京都府庁の建物
http://umeshiro.web.fc2.com/90.html

              ■ 『北野の芸能と茶屋』■                            
                  
       ー九十二回ー
                               井上 年和

  寛政年間『寿仲間の定め(その6)
  「一、仲間寄合之節、何事によらす無不参罷出可被申候。且、一統之儀ニ而、括
     り銭定り候儀ハ、行事之無苦労、早速差出し可申候事。
  一、仲ヶ間中臨事吉凶共、各々罷出助成可被申事。
  一、遊女芸者、常々御客様之善悪之取沙汰は決而致間敷候、并ニ子供迚も互ニ
    譏合無用事。
  一、遊女芸者、二季祝儀もの取遣り一切無用事。
    右箇条、今般取極、家並ニ相渡し申置候間、芸者子方并ニ茶屋一同、堅相
    用可被申候。万一心得違之仁在之、於不相用は、無拠差配相止メ町分仲ヶ
    間相除キ可申間、此旨篤と承知可在之候。仍而如件。
    寿仲ヶ間取締 遊女屋中(印)」   
                           『北野会館所蔵文書』

  寄合がある時は必ず出席すること、また、「括り銭」は何があってもすぐに支払
 うこと、寿仲間の吉凶事には必ず参加することを定めている。「括り銭」とは、町
 の入用徴収銭のことのようである。
 遊女芸者はお客さんの善悪の取沙汰をしてはいけない、また、舞妓も互いに談合
をしてはいけない、つまり、あの客が良い、この客は嫌とか言って、甲乙を付けて
はいけないと言うことである。現在でも誰にでも愛想良く接してくれるのは、この
頃から「お・も・て・な・し」の精神が引き継がれているのである。

 遊女芸者は二季の祝儀を受け取ったり与えてはいけない。お中元やお歳暮の遣り
取りは禁じられていたのだ。

 これまで6回に亘り『寿仲間の定め』を見てきた。その内容は、役所への姿勢、
廓内の風紀、収益の管理、客との関係等を規制したものであった。芸者、置屋、お
茶屋は皆これらの規制を堅く守らないと除名という厳しい処分を受け、また、上七
軒花街自体の存在が危機にさらされていたのである。

  現在でも一種の「けじめ」を持つ上七軒が、その伝統を保持しつつ、これからも
 末永く生き続けて欲しいと願う。

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          □■[嵯峨野学藝倶楽部] 12月開講講座のお知らせ■□

  詳しくは、 http://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日コース)」

  日程:12月4、18日(水)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土曜日コース)」
  日時:12月7、14、21日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「今様・白拍子教室」
  日程:12月13、27日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:13時~14時
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

 ●URL
  http://www.ren-produce.com/sagano/club/

  お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com

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               ■□■ひとこと■□■
     
    ここ最近、一気に冬らしくなってきましたね。
    大阪では初雪が降ったと聞きました。
    寒さ対策を未だ検討中です。どなたか良い対策ご存知の方教えてください!
        
 
    [次回は、12月15日(日)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。