嵯峨野文化通信 第180号

伝統文化プロデュース【連】メールマガジン   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)____________

  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第180号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

     嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

              毎月1日・15日(月2回)

                    ■VOL:180(2013/8/2)

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                  ■□■もくじ■□■

  ■【連】からのお知らせ ————-「暁天茶会」を開催します!
  弘道館文化講座のお知らせ 
                     有斐斎 弘道館「月釜」のご案内                 
  ■(連載)『ニッポン城郭物語』————————– 第八十六幕
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』————————– 第八十四回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]8月開講講座のお知らせ

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               □■【連】からのお知らせ■□
 
 ■「暁天茶会」を開催します!

  日も迫って参りました。弘道館恒例の朝茶会です!
  夏の朝を弘道館の庭を眺めながら朝粥と一服いかがですか?
  朝に飲む抹茶は格別です。  
  まだ若干数お席に空きがございますので、お誘い合わせのうえご参加ください!

 日 時:8月11日(日)
 時 間:8時〜 (10時ころ終了予定)
 場 所:有斐斎弘道館
 参加費:3,000円
 
 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:tea@kodo-kan.com
            

 ■弘道館文化講座のご案内

 京文化教養講座1「天皇からみる京都」

 日 時:8月10日(土)
 テーマ:「後西天皇」
 時 間:11時〜12時30分(90分)
 場 所:有斐斎 弘道館
 講 師:太田 達(京都女子大学非常勤講師)
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 京文化教養講座2「茶の湯の文化を識る」

 日 時:8月22日(木)
 テーマ:「公家と茶」
 時 間:13時〜14時30分(90分)
 場 所:有斐斎 弘道館
 講 師:桐浴 邦夫(京都建築専門学校講師)
 参加費:2,000円(生菓子、抹茶付)

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/seminar.html
 
 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:kouza@kodo-kan.com

 
 ■有斐斎 弘道館「月釜」のご案内
 
  毎回ご好評をいただいております弘道館の『月釜』のご案内です。
  9月より第3期を迎えることとなりました。
  1回ごとにさまざまな趣向を凝らし、皆さまをお迎えいたします。趣向について
 は、お越しいただいてからのお楽しみ・・・。
  第一回目は9月8日です。まだご案内可能なお席もございますので、ぜひご参加
 ください!

 日 時:9月8日(日) 
 時 間:14時、15時のみ空きあり
 場 所:有斐斎 弘道館
 参加費:3,000円

 【第2回目以降日程】 
      11月10日(日)※席、参加費未定 
 2014年 1月19日(日)
       3月 9日(日)
       5月11日(日)

 【月釜会員募集中!】
 年会費:10,000円
    

 詳しくはコチラ
 http://kodo-kan.com/tea.html
 
 お問い合わせ、お申込はコチラ
 TEL :075ー441ー6662
 MAIL:tea@kodo-kan.com

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              ■『ニッポン城郭物語』■
                  
                  ー第八十六幕ー
                                 梅原 和久
 
  府庁となった二条城では、役所としてのルールが次々に定められた。前回は門番
 の規則をご紹介したが、今回は役人(府職員)のお作法について。

  当時の勤務時間は、辰の刻(午前8時)に出仕、未の刻(午後2時)退散となっ
 ていた(暑い時期には、朝6時出仕、12時退散とすることもあった)。そして、
 出仕すると、押印簿に押印。出勤時間は違えど、出退の管理の仕方は150年近く
 経った今と全く同じである。
  庁内(現在は国宝二の丸御殿)においては立礼を用い、靴を履くことになったこ
 とから、今後は床に座る必要はなく、椅子に座るべきことも定められた。そして、
 床上では靴を履くこととし、下駄や雪駄、草履などは不可とされた。
  また、二条城に移った当時の役人は、当然の如く帯刀していた。彼らの仕事ぶり
 や庁舎となった二の丸御殿の様子を示す記録がある。明治4年(1871)の9月
 23日、府庁が二条城に移転してきたばかりの頃の、貴重なものである。長くなる
 が、興味深いので引用してみよう。

  「大広間で軽食を饗された後、知府事は、城館のいくつもの部屋と数日前から椅
 子や机を入れたばかりの彼の執務室に我々を案内した。役人たちはかなりぎこちな
 く座って、我勝ちに物を書いていた。というのも頭(かしら)が現れると、礼儀上
 ひとしお熱が入るように求められているからなのだ。各部屋には棚があり、そこに
 刀が置かれている。刀は大切な家具なのだ。というのも刀でもってふざけてはいけ
 ないからであり、軍人階級に属する役人の刀は、彼らがなによりも紳士であること
 を忘れぬように気をひきしめているからである。刀が一番大切なもので、筆は二の
 次なのだ。」 『オーストリア外交官の明治維新ー世界周遊記 日本篇』より(※)
  
  「知府事」は府知事の誤記のように見えるが、当時の記録にもある。当時の府知
 事は、初代知事である長谷信篤。その権威は現代とは比べ物にならないくらい絶大
 であり、同書にはこんな記載もある。「彼の行く手では、どこもかしこも叩頭だ。
 誰も彼も平伏し、我々は頭が床を叩く音を耳にした。」
  明治になったとはいえ、まだまだ封建時代を引きずっていたことがよく分かる。
  府庁勤務の役人の帯刀が禁止されたのは、明治6年(1873)6月であった。

 (※)著者はアレクサンダー・F・V・ヒューブナー。オーストリア・ハンガリー
   帝国の外交官だが、皇帝フランツ・ヨゼフ一世の側近であり、クリミア戦争終
   結の際のパリ条約ではオーストリア全権として署名しているほどの超大物文人
   政治家でもある。引退後、世界一周旅行の一環で日本に2ヶ月強滞在している
   が、その間なんと明治天皇と会見、徳川慶喜、三条実実、岩倉具視、大久保利
   通など、そうそうたる面々に直接会っていることからも、その大物ぶりが分か
   る。引用部分は、原本では二条城ではなく「伏見城」と記載されているが、
   これは明らかに単純な間違い。伏見城は200年以上前に廃城となっている。

    また、例によって少しだけ情報ページを更新したのでご参照を。
   http://umeshiro.web.fc2.com/86.html

              ■ 『北野の芸能と茶屋』■                            
                  
           八十四回
                                井上 年和
  
  寛政元年(1789)7月26日
  「就御尋口上書
 一、当町茶屋株御免年月并冥加銀上納之訳御尋ニ御座候。右茶屋株之義、いつ頃蒙
 御免候哉判間敷義ニ而、古来より商売仕来候。勿論、享保十五年戌六月西陣大火之
 砌、書物等モ類焼ニ付、委敷訳書等難相知御座候。
 一、当町茶株九軒在之、古来、一同商売仕来候処、其後段々不繁昌ニ而、九軒之内
 八軒休株ビ相成、右商売筋御名目銀等借受、町中及難渋ニ付、右休株八軒悉商売へ
 貸附申度旨、宝歴十年寅正月奉願上候処、願之通御赦免被成下候ニ付、右八軒之内
 四軒、五条橋下南京極町へ貸附、則、商売人并ニ双方町役連判を以て其節御断書奉
 差上候。然る処、其後右株差戻し候ニ付、町内ニ所持仕、当時六軒商売仕、三軒は
 休株ニ相成罷在候。
 一、当町茶屋株ニ付、御冥加銀一軒ニ付銀拾二匁宛、毎年差上可申旨奉願上候処、
 安永四年未九月七日、東御役所様へ被召出、願之通被仰付依之、御冥加銀、東西御
 役所様へ上納奉申上候。然ル処、昨年大変ニ付、御触通り承知、去申年は御冥加銀
 上納不仕候。
 右茶屋株御尋、乍恐口上書奉差上候通、相違無御座候。以上。
 寛政元年酉七月廿六日     御境内真盛町 年 寄 又四郎
 五人組 助治郎」       『北野新地文書』

  寛政元年(1789)に提出された、真盛町年寄の又四郎および五人組の助次郎か
 ら提出された口上書きである。
  宛名は判らないが、「御境内真盛町」となっているので、北野社へ提出したもの
 と思われる。
  勿論、北野社を通じて幕府へ報告されたのであろう。

  茶屋株がいつ免許されたか問われたが、享保15年(1730)6月の大火で焼失
 したので判らないという。 
 真盛町には茶屋株が9軒あったが、繁盛せずに9軒のうち8軒が休業し、宝暦10
 年(1713)1月に8軒のうち4軒が茶屋株の五条橋下(現在の五条楽園)の南京
 極町の茶屋へ貸し付けようと願い出て、それが認められたのが、『京都府下遊郭由
 緒』によると翌年の12月となっている。その後、茶屋株は差し戻され、真盛町に
 は6軒の茶屋が経営されたが、3軒は相変わらず休業していた。
 
  安永4年(1775) からは茶屋株1軒につき冥加金は銀12匁を上納していた
 が、天明8年(1788)に大変なこと(天明の大火)があったから、上納金を納
 めなかったようだ。 
  この様な口上書を差し出したのは、幕府の茶屋に対する規制強化が背景にあった
 と考えられる。 
  翌年6月には祇園をはじめ、茶屋株を差し止められており、各遊所が規制の対象
 となったのだ。
 
  これ以降、幕府体制の改革により、数度にわたり茶屋株の差し止め・差し許しや
 遊所の合併・所属替え等が行われ、やがて近世の遊所が終息していくのである。

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          □■[嵯峨野学藝倶楽部] 8月開講講座のお知らせ■□

  詳しくは、 http://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日コース)」

  日程:8月21、28日(水)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土曜日コース)」
  日時:8月3、17日(土)25日(日)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「今様・白拍子教室」
  日程:8月10、24日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:13時〜14時
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

 ●URL
  http://www.ren-produce.com/sagano/club/

  お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com

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               ■□■ひとこと■□■
   
        近頃、各地で豪雨の事故が相次ぎました。
        毎年嬉しさと共に不安になる季節でもあります。
        皆さまのお住まいは大丈夫でしょうか。
        身体、気候ともに無事夏を越えられますように。

 
    [次回は、8月15日(木)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

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多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。