伝統文化プロデュース【連】メールマガジン  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)_______
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [嵯峨野文化通信] 第167号
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伝統文化プロデュース【連】は
日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です
嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します
毎月1日・15日(月2回)
■VOL:167(2013/2/16)
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■□■もくじ■□■
■【連】からのお知らせ ——–「WAGASHI × ART展」ただいま開催中です!
「寛永文化と数寄屋建築」講座のご案内
■(連載)リレー連載『和菓子を伝える』———————- 第四回
■(連載)『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』—— 第六十四回
■(連載)『北野の芸能と茶屋』————————– 第七十三回
■[嵯峨野学藝倶楽部]2月開講講座のお知らせ
□■【連】からのお知らせ■□
■「WAGASHI × ART展」ただいま開催中です!
【連】の活動に協力くださっている有職菓子御調進所 老松の職人さんたちが現
代アートとコラボレーションされています。
にっちもさんというアーティストの作品に「アートを感じ、それぞれの表現方
法で感じたモノを和菓子で表現しました。現代アートとコラボした、和菓子の新
しい魅力をお楽しみください。
日 時:2月1日(金)~3月24日(日)
時 間:9時30分~16時
場 所:有職菓子御調進所 老松 嵐山店
(京都市右京区嵯峨天龍寺)
※喫茶スペースでの展示となりますので、お一人さま1オーダーでお願い
いたします。
アーティストにっちもさんのブログはコチラ
http://ameblo.jp/nicchimoblog/
アクセスはコチラ
http://www.oimatu.co.jp/shop.html
お問合せはコチラ
TEL:075-881-9033(老松 嵐山店)
■「寛永文化と数寄屋建築」講座のご案内
弘道館講座の中でも人気のある桐浴邦夫先生の講座が開催されます!
まだ若干数の空きがございますので、どうぞお誘い合わせのうえ、ご参加ください!
日 時:2月21日(木)
時 間:13時~14時30分
講 師:桐浴 邦夫(京都建築専門学校講師)
参加費:2,000円(茶菓子付き)
場 所:有斐斎弘道館
詳細はコチラ
http://kodo-kan.com/seminar.html
お申込み、お問合せはコチラ
kouza@kodo-kan.com
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■□■ 新連載 リレー企画 ■□■
伝統文化プロデュース【連】では、メンバーが伝統文化に対しそれぞれの想いを
持って活動を行っています。そこで、毎回ひとりずつ、メンバーにその想いを語っ
てもらうべく連載を企画いたしました!皆の本音や理想、どんな話が飛び出すこと
でしょう?
第三回は、弘道館講座にて本格的な京菓子をまなぶ講座「京菓子専門講座」講師
である岩澤麻美氏です!
― 第四回 『和菓子を伝える』 ―
岩澤 麻美
(「京菓子専門講座」講師、有職菓子御調進所 老松)
「皆さんはどんな和菓子を食べた事がありますか?」
私が、菓子作り教室へ来た方へ始めに聞くようにしているフレーズです。
お茶を習っている方なら「きんとん」や「上用饅頭」、貰い物のイメージがある
方なら「羊羹」「最中」など、一番始めに思いつく菓子を聞くと、その方にとって
お菓子がどんな存在なのかよくわかります。
その中で学生さんを中心に少しずつ増えている答えが「コンビニの御手洗団子」
や「スーパーのおはぎ」などの大量生産型の菓子です。
私も買い物ついでに手を伸ばしてしまうタイプなので、わからない事もないので
すが、菓子屋としては悔しい気持ちでいっぱいになります。
そんな事もあり、老松の教室では体験プラス職人ならではの話をします。
「日本人にとって菓子の基本は贈答品なので、菓子屋はお客様の気持ちを形にす
る代行業者のようなものです。人によって形が違うので一つひとつ手でお作りしま
す。」
そんな話をすると興味を持って下さる方もたくさんいらっしゃいます。
ケーキやクッキー、チョコレートなどの洋菓子も素敵ですが、和菓子本来の良さ
がもっとたくさんの方に伝わればと思います。
■『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』■
― 第六十四回 ―
荻田 みどり
前回、薫が筍をかじっているのを源氏が見て、行儀が悪いと思う場面について見
た。1歳の頑是ない赤ん坊にこのようなことを思う源氏を、手厳しいと思うだろう
か。しかし、こう思う源氏には、薫を手放しにかわいいとは思えない、複雑な気持
ちがある。
薫は、世間的には源氏と女三の宮の子として育てられているが、実は、柏木と女
三の宮の密通によって生まれた子なのだ。源氏は既にそれを知ってしまっている。
だからこそ、食物に執着する姿、つまり欲求を顕わにする姿に、不義によって生ま
れながらも生きようとする執念のようなものを感じてしまう。
御歯の生ひ出づるに食ひ当てむとて、筍(たかうな)をつと握り持ちて、雫も
よよと食ひ濡らしたまへば、「いとねぢけたる色ごのみかな」とて、
薫は生えかけている歯を筍に当てて、握り持ち、よだれをたらたらと流しかじっ
ている。
その姿に、源氏は「ねぢけたる(ひねくれた)色ごのみ」だと思う。「色ごのみ」
とは、源氏のような恋愛上手な風流人、とでも言おうか。現在の「好色」とはニュ
アンスが異なる。それが、薫の場合ひねくれているというのだ。
源氏は、薫が筍にかぶりつきよだれを垂れ流す姿から、柏木と女三の宮の密通を
想起し、不快感をにじませる。それでも源氏は、その薫を自分の子として腕に抱か
なければいけない。食欲を顕わにする異物のような薫の姿は、源氏とは血のつなが
らない、理解しがたいものであることを、源氏に露呈させてしまうのである。
■ 『北野の芸能と茶屋』■
― 第七十三回 ―
井上 年和
享保十年(1725)6月16日
「公辺江出候写 口上之覚
一、北野七本松森之内南側松梅院一分支配場所ニ而、晴天廿日切之芝居御赦免被
仰付候ニ付、右芝居之北側へ取葺屋根筵葭簀囲ニ而茶小屋五軒、渋紙又ハ葭簀ニ而
囲小間物菓子等商売之小屋拾軒、建申度奉存候、尤芝居相仕廻申候ハヽ早速取払可
申候、被為仰付被下候様奉願候、以上、
竹内御門主内
目代後見
享保十年巳六月十六日 鯉川源之丞
松梅院役人
御奉行様 東郷孫右衛門」
『北野天満宮史料 目代記録』
下之森の広場の南の方でまた芸能興行を催そうとしている。芝居小屋の北側には
茶小屋を5軒、菓子等の商売小屋を10軒建てようとしているので、第46回(平成
24年1月1日 第142号)で紹介させていただいた勧進能の小屋とまではいかな
いものの、なかなか規模の大きな芝居小屋であることが想像できる。
茶小屋の屋根は「取葺」で筵や葭簀で壁を作るようで、これは中之森や下之森の
商売小屋と同じ造りである。また、菓子等の商売小屋は渋紙か葭簀で囲うだけの簡
単なものであるらしい。
芝居が終わるとすぐに撤去できる構造のようである。
芝居興行が開催される度に劇場と周辺の商売小屋の建設と撤去は、この頃でもま
だ繰り返し行われていたのだ。
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□■[嵯峨野学藝倶楽部] 2月開講講座のお知らせ■□
詳しくは、 http://www.ren-produce.com/sagano/club/ をご覧ください。
■「茶道教室(水曜日コース)」
日程:2月、13、27日(水)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「茶道教室(土曜日コース)」
日時:2月2、9、23日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:9、23日 10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
2日 10時~12時30分、15時~19時
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「今様・白拍子教室」
日程:2月2、16日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間: 2日 11時~14時30分
16日 13時~14時
講師:石原 さつき
※見学/体験も、随時受付けています。
性別・年齢・経験は問いません。
■「うたことば研究会」
ただいま休講中です。
再開日が決定次第お知らせいたします。
●URL
http://www.ren-produce.com/sagano/club/
お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com
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■□■ひとこと■□■
先日、「あんみつ」のおはなしを人から聞きまして。
和菓子屋さんや甘味処さん、それぞれいろんな視点からみた「あんみつ」に
心が惹かれました。春にむけて「あんみつ」巡りを計画中です。
(いまむら)
[次回は、3月1日(金)に配信予定です!次回もお楽しみに。]
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