嵯峨野文化通信 第163号

統文化プロデュース【連】メールマガジン

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  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄)   [嵯峨野文化通信] 第163号
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 伝統文化プロデュース【連】は
 日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
 遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です

       嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します

                毎月1日・15日(月2回)

                       ■VOL:163(2012/11/16)

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                  ■□■もくじ■□■

  ■【連】からのお知らせ ——————-「食・器」展が開催されます!
                        北野天満宮もみじ苑・梅交軒 濃茶席のお知らせ
                        「極上の京都」放送のお知らせ
                        弘道館 月釜「開炉」のお知らせ
  ■(連載)『北野の芸能と茶屋』——————————————– 第六十七回
  ■(連載)『源氏が食べる―平安文学に描かれる食』————————– 第六十二回
  ■[嵯峨野学藝倶楽部]11月開講講座のお知らせ

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               □■【連】からのお知らせ■□

 ■「食・器」展のお知らせ

  上七軒にある洋菓子店GRACE SAISONのパティシエ、出石陵磨さんと陶芸家の小林航
  さんによる食と器の展覧会が弘道館にて開催されます。
  期間中には、弘道館で出石さんの洋菓子もお召し上がりいただけます。
  洋菓子と陶器のコラボレーションをぜひお楽しみください!

  「食・器」展

  日 程:11月22日(木)~24日(土)
  時 間:10時~17時(16時までに入館ください)
  入館料:500円(茶菓子は別途300円) 
  場 所:有斐斎 弘道館

 ■北野天満宮のもみじ苑が公開中です

  11月も中旬を迎え、紅葉も本格的になってきました。
  北野天満宮のもみじ苑が公開中です。
  期間中は老松さんの茶菓子をお楽しみいただけます。
  夜の紅葉も幻想的ですよね!

  日程:11月3日(土)~12月9日(日)
     *ライトアップ期間
     11月17日(土)~12月9日(日)
  時間:10時~16時
     *ライトアップ実施日
     10時~20時 (ライトアップは日没より)
  場所:北野天満宮(京都市上京区馬喰町)
  費用:中学生以上 600円、小人 300円(いずれも茶菓子付)
     ※参拝は無料です。もみじ苑へは上記の入場料がかかります。

  □梅交軒 濃茶席の案内 

  今年は何と、この「もみじ苑」公開期間中、特別なお茶席が設けられます。
  天正15年(1589年)に豊臣秀吉公が開催した大茶会「北野大茶湯」にちなんだ
  茶文化ゆかりの地でのお濃茶です。梅交軒からは紅葉もとってもきれいに見えます!
  ぜひご堪能ください。

  日時:11月10日~16日 午前10時30分受付、午後3時終了
  11月17日~24日 午前10時30分受付、午後7時終了

  場所:北野天満宮もみじ苑内「梅交軒」
  
   ※11月3日~12月9日北野天満宮「もみじ苑」公開期間
   ※11月17日~12月9日は「もみじ苑」ライトアップ期間(日没から午後8時まで)

  費用:一名様2,000円(もみじ苑入苑料込み。お濃茶は一組ごとに廻していただきます)

  北野天満宮のHPはコチラ
  http://kitanotenmangu.or.jp/

  ■「極上の京都」放送のお知らせ

  有職菓子御調進所老松 主人 太田達が、KBS京都の情報番組「極上の京都〜京都人の案内する本物の京都〜」に出演いたしま   す!京都を活動拠点とするマエストロが週代わりに登場し、自然、物、食べ物、お店などを紹介する番組です。今回は何が登場する  のでしょうか、お楽しみに!
  
  KBS京都「極上の京都〜京都人の案内する本物の京都〜」

  日 程:11月26日(月)
  時 間:20時55分~21時20分

  
 

 ■弘道館 月釜『開炉』のお知らせ

  炉の季節がやってきました。
  今月の弘道館月釜のご案内です。

  日 程:11月18日(日)
  時 間:若干空いているお席がございます。お早めにご連絡ください。必ず予約が必要になります。  
  ビジター参加費: 2,500円(月釜会員の方は不要です)
  場 所:有斐斎弘道館

  弘道館HPはコチラ (電話:075ー441ー6662)
  http://kodo-kan.com/index.html

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               ■『北野の芸能と茶屋』■

                  第六十七回
                                   井上 年和

   享保七年(1722)6月23日~8月25日
「素浄瑠璃物まね芝居       尾張や利兵衛
 一綱かるわさ          河原町四条下ル二丁目 万や三郎兵衛
 からくり人形          河原町四条下三丁目  堺や五兵衛
 瞽女祭文            宮川筋六丁目     油や六兵衛
 曲枕松山権十郎 曲手鞠同蝶之介 猪熊通錦上ル丁 兼たや大兵衛
 三国■小太夫曲てまり      同人
 薬ヲ売、軍記読         岡本丈助
 上留り 今太夫    水茶屋 長崎や 祇園より   同 かきや 稲荷より
 ひらいはせん     寄茶屋   ひらいはせん   竹之見セ物
 西京大和や弥兵衛   都志妻   都一中      伊勢嶋節斉
 まんさいほうか師   咄ほうか師 ひらいはせん」 
      『北野天満宮史料 目代記録』

 経王堂の地蔵菩薩御開帳により、辻打見せ物、寄茶屋等が多数設けられた様子である。「浄瑠璃」、「かるわざ」、「からくり人形」
等の人形芝居や曲芸、「瞽女(ごぜ)」は三味線や胡弓を弾きながら唄う盲目の女性旅芸人で、「曲枕」、「曲手鞠」とは、枕や手鞠を使った曲芸であろうか。薬を売りながら軍記を読むなどは少し変わった芸である。

 祇園や稲荷からもわざわざ水茶屋を出店し、「都志妻」、「都一中」、「伊勢嶋節斉」は三味線方で、漫才なども催された。「竹之見セ物」とは竹細工であろうか。「ひらいはせん」は全くの意味不明である。この内、からくり人形と瞽女祭文は不繁昌で途中撤退したようだ。

 芸人や茶屋は北野周辺の住人ではなく、四条などからの出張が多く見受けられる。北野下之森は四条河原と同じ様相を呈してきていたのだ。

 勿論、下之森での営業利益は地子として北野社に還元されており、北野社は下之森という大芸能広場を芸人や水茶屋にレンタルすることにより利益を得ていたのだ。

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          ■『源氏が食べる―平安文学に描かれる食―』■
                    第六十二回
                                                     荻田みどり

(前回のつづき)総角巻で、宇治の姫君たちは薫の差配により、匂宮をもてなす準備を進めていた。紅葉狩りにかこつけて、匂宮がなかなか来られない宇治の中の君のもとを訪れる算段であった。
 準備は万端だった。しかし、匂宮を世間が放ってはおかない。お忍びのはずの紅葉狩りは、仰々しく賑やかになる。舟に乗り管絃の遊びや漢詩に興じる。舟には紅葉を屋根に葺いた舟飾りがついて、匂宮の乗る舟であることが遠目にもわかる。人々の楽しむ様子の中、匂宮には宇治川の向こうにある姫君の邸が遠く感じられる。
 人々の浮かれぶりが少し静まってから姫君の邸へ誘おうと、薫も考えていた。ところが、衛門督という人が大仰な隨身(護衛の者)を連れてやってきた。匂宮の母明石中宮が、あまり従者もしたがえずに宇治に来ている匂宮のことを聞いて命じたためであった。
これだけの隨身に見張られていては、匂宮も抜け出して中の君のもとへ行くことは叶わない。匂宮も薫も困り果て、興がさめてしまった。

御心の中をば知らず、酔ひ乱れて遊び明かしつ。

 白けた匂宮や薫とは対照的に、衛門督一行は酔い乱れ、遊び明かす。匂宮たちの計画を知らないからもっともなことだが(知っていたらますます止められただろうが)、空気を読まない酔い体が、匂宮と薫をさらに味気なくする。姫君の方へは手紙を出すが、中の君方は人目を気にして返事もしない。
 下人は網代の氷魚を色とりどりの木の葉にかきまぜるのを見て楽しんだりして、心行くまでこの行楽を楽しんでいる。周りが賑やかになればなるほど、匂宮の心は沈み、空ばかり眺めている。薫も同様で、紅葉狩りに来ているのだが、向こう岸の姫君の邸の常緑の木に、蔦が這いかかっていて、その色に心奪われる。
 一方、事情があったにせよ、関係をもって以降なかなか宇治に来ず、目の前で紅葉狩りをしながら邸を訪れない匂宮に対し、姫君たちの心はさらに閉ざされていくのである。紅葉の鮮やかさが余計に沈む心に蔭を落としていく。

  

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       □■[嵯峨野学藝倶楽部] 10月開講講座のお知らせ■□

 詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。

 ■「茶道教室(水曜日コース)」
  日程:11月7、14、21日(水)
  場所:7、14日 嵯峨野三壷庵
       21日 有斐斎 弘道館
  時間:7、14日10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
       21日10時〜15時 
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。

 ■「茶道教室(土曜日コース)」
  日時:11月10日(土)25日(日)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:10日9時~12時、15時~19時  
     25日10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
  講師:西村 宗靖・太田 宗達
  ※見学/体験も、随時受付けています。
 
 ■「今様・白拍子教室」
  日程:11月10、24日(土)
  場所:嵯峨野三壷庵
  時間:13時〜14時
  講師:石原 さつき
  ※見学/体験も、随時受付けています。
   性別・年齢・経験は問いません。

 ■「うたことば研究会」

  ただいま休講中です。
  再開日が決定次第お知らせいたします。

 ●URL
  http://www.ren-produce.com/sagano/club/

  お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com

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                 ■□■ひとこと■□■

11月は、炉開きですね。
個人的にはいつもおぜんざいを食べるのが楽しみだったのですが、今年は開炉で飾られるというお茶壺を拝見ました。
何だか華やかで且つ厳粛で、11月がお茶の世界でお正月と謂われるのが少し分かった気がしました。
                                      (なんば)

       [次回は、12月1日(土)に配信予定です!次回もお楽しみに。]

多くの方に有斐斎弘道館の活動を知っていただきたく思っております。
記事が面白かったら是非、シェアいただけると幸いです。