伝統文化プロデュース【連】メールマガジン
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) [嵯峨野文化通信] 第147号
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伝統文化プロデュース【連】は
日本の伝統文化にこめられた知恵と美意識について
遊びながら学び、広めていく活動をしている団体です
嵯峨野文化通信は、伝統文化を「遊ぶ」ためのヒントを発信します
毎月1日・15日(月2回)
■VOL:147(2012/3/16)
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■□■もくじ■□■
■【連】からのお知らせ ——- 研究報告会「花街の建築と景観」のお知らせ
三壷庵茶道教室【花つなぎ茶会】のお知らせ
『和楽』に掲載されます
『京都BizS』に出演します
『日本の染と織』フリーペーパーに掲載されています
■(連載)『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』———- 第四十七回
■(連載)『北野の芸能と茶屋』————————– 第五十一回
■(連載)『やまとのくには言の葉のくに』—————— 第百三首
■[嵯峨野学藝倶楽部]3月開講講座のお知らせ
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□■【連】からのお知らせ■□
■ 研究報告会「花街の建築と景観」のお知らせ
京都、東京、新潟などの各花街を対象に進められている、共同研究の成果を発表する研
究報告会が、有斐斎弘道館にて行われます!
花街は、日本の伝統文化を総合的に継承する装置であり、意匠の凝らされた造作や外構
を持つ花街建築、ならびに情緒あふれる歴史的景観を持つ都市空間です。
花街を様々な角度から、総合的に学ぶことができますよ。
本メルマガの原稿を執筆してくださっている井上年和さんもいらっしゃいます。
一般聴講が可能です。日にちが迫っておりますので、ご興味がおありの方はお早めにお
申込みください!
研究報告会「花街の建築と景観」
(平成22~23年度 科学研究費補助金「伝統文化継承装置としての花街建築および景
観の特性と計画的課題」)
日程:3月17日(土)
時間:14時~17時(13時30分開場)
場所:有斐斎弘道館
費用:無料
内容:<開会・弘道館の紹介>
太田達(花街文化研究会代表)
<研究報告>
1.全国俯瞰「全国の花街景観と取り組みの概要」
岡崎篤行(新潟大学工学部建築学科准教授)
帆苅典子(新潟大学工学部建設学科学生)
2.新潟「新潟古町地区における花街建築の特徴」
大場修(京都府立大学生命環境学部環境デザイン学科教授)
垣友映(京都府立大学大学院生命環境科学研究科環境科学専攻学生)
「新潟古町花街の景観と課題」
今村洋一(新潟大学工学部建設学科助教)
3.金沢「金沢三茶屋街におけるまちづくりの経緯」
坂本萌(新潟大学工学部建設学科学生)
4.東京「戦後に再生された神楽坂花街の景観と計画的課題」
寺田弘(NPO法人粋なまちづくり倶楽部理事長)
松井大輔(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻学生)
5.京都「上七軒花街の戦後の変遷と今後について」
井上えり子(京都女子大学家政学部生活造形学科准教授)
「近代期の京都花街~『技芸倶楽部』誌を中心に」
井上年和((財)建築研究協会 主席研究員)
<座談>
パネリスト:上記報告者
お申込み・お問合せはコチラ
kouza@kodo-kan.com
■三壷庵茶道教室【花つなぎ茶会】のお知らせ
4月15日に、京都市国際会館 和風別館において「花つなぎ茶会」を開催いたします。
「嵯峨野学藝倶楽部」三壷庵茶道教室のメンバーがアイデアを出し合い、春爛漫の趣向
でおもてなしさせて頂きます。春の京都散策に、少し足を伸ばしてお茶とお菓子を楽しみ
にいらっしゃいませんか?
初めての皆様もお誘いあわせの上、お気軽にご参加申し込みください。
日 程:4月15日(日)
時 間:10時、11時、12時、13時、14時、15時(全席予約制、先着順)
場 所:京都市国際交流会館(京都市左京区粟田口鳥居町2番地の1)
参加費:1,500円
※お気軽な服装でどうぞ。席入の10分前までにお越しください。
※事前申込が必要です。申込時に時間の第1希望と第2希望をご記載ください。
3月31日(土)までにお申込みください。
お問合せ・お申込みはコチラ
sagano@ren-produce.com
(FAX) 075-881-6550
■『和楽』に掲載されます
3月12日に発売された雑誌『和楽』4月号に、有斐斎弘道館での「老松」プロデュー
スによる「飯後の茶事」が紹介されています!
弘道館の建物を守り、日本文化を伝え広めていく活動をしている「老松」主人の太田達
、そして【連】代表の濱崎加奈子、今様の白拍子であり写真家の上杉遥が登場します。
お花見ついでに弘道館での「お茶事」。いかがですか?
『和楽』HPはコチラ
http://www.waraku-an.com/new/index.html
■『京都BizS』に出演します!
KBS京都の『京BizS』という番組の「びじねす温故知新」に【連】代表の濱崎加奈子が
コメンテーターとして出演しています!ぜひご覧ください。
番組のブログにも登場いたします!
3月30日(金)放送
KBS京都『京BizS』 21時25分〜22時25分放送
『京BizS』HPはコチラ
http://www.kbs-kyoto.co.jp/tv/kyo-bizs/
■『日本の染と織』フリーペーパーに掲載されています
伊勢丹新宿店の『日本の染と織』というDVD発売に際して配布しているフリーペーパー
に【連】代表の濱崎加奈子が掲載されています!こちらは、DVD発売を記念し京都でひら
かれた座談会の模様が綴られています。
お近くにお越しの際は、ぜひ足を運んでご覧ください!
期間:3月11日(金)〜3月27日(火)
場所:伊勢丹新宿店 本館7階中央エスカレーター脇特設コーナー
詳細はコチラ
http://i.isetan.co.jp/shinjuku/blog/2012/03/001428.html
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■『源氏が食べるー平安文学に描かれる食ー』■
第四十七回
荻田 みどり
病人は食欲がなく、薬を飲む。これは『源氏物語』中に多く見られる食の描写の方法であ
る。しかし、病人ではなく、看病する方の食欲がないという例がある。
若菜下巻の、源氏47歳、紫の上37歳のこと。紫の上は源氏のいない夜明け頃、急に発病す
る。女三の宮方に渡っていた源氏は、この知らせに急いで帰ってきた。紫の上は胸を病み、
ひどい熱だ。紫の上の37歳という年は、厄年にあたる。源氏の愛した藤壺が亡くなった年で
もある。心配した源氏は、前日紫の上に特別の祈祷を勧めたばかりだった。不安が的中した
形で、恐ろしく思われる。
御粥などこなたにまゐらせたれど御覧じも入れず、日一日添ひおはして、よろづに見た
てまつり嘆きたまふ。
女房がさしあげる粥に見向きもしないのは、発病した紫の上でなく、源氏である。女三の
宮方から急いで帰ってきた源氏に、女房は朝食を用意する。が、紫の上が心配で朝食を食べ
ている余裕などない。一日中紫の上に付きっきりで看病しつつも、悪い予感が頭をかすめ悲
嘆に暮れる。
粥に見向きもしない源氏に対し、重態の紫の上はさらに食欲がない。上文の直後の描写に
、次のようにある。
はかなき御くだものをだに、いとものうくしたまひて、起き上りたまふこと絶えて日ご
ろ経ぬ。
粥よりさらに軽い食事、くだものさえもひどくいやがり、起き上がることもできないまま
数日が経った。源氏は紫の上が心配でならず食べ物に興味を示さないが、紫の上は興味がな
いだけでなく食べさせようにも嫌がるのである。看病する源氏の必死さを描くとともに、そ
の源氏の看病を受け付けない紫の上の様子が浮き彫りになる。それは、声に出さないものの
、女三の宮降嫁後抱き続けてきた源氏への不信感の表れのようにも見える。
この後紫の上は一旦持ち直すものの、全快することはない。4年後の8月、源氏に先立って
亡くなる。
■『北野の芸能と茶屋』■
第五十一回
井上 年和
寛文元年(1661)12月24日
「廿四日、(略)北野七間茶屋之内、遊人切殺女之由也。」『隔メイ記』
七軒茶屋で遊人が女を切り殺した殺人事件である。その事情は推測しがたいが、既に遊び
人が七軒茶屋に出入りしていたことが伺える。
酔った挙げ句の暴行か、店に対する不満か、男女間の嫉妬か、ぼったくられた末の犯行か、
また、犯人は武士なのか、商人なのか、はたまた、犯行に使われた凶器は何か、何にもわか
らないだけに却って余分な想像力を働かせてしまう。
しかし、新聞やテレビのない当時でも、このような風聞が金閣寺住職の耳まで届き、日記
に記されるというのは、花街の話題が現代の芸能ニュースの様に、あちらこちらで取り上げ
られていたと考えられるのだ。
この先、このメルマガでも掲載させて頂くかもしれないが、明治三十年(1897)に創刊され
た京都日出新聞には、『花街たより』として、祇園や宮川町、上七軒等、各花街での出来事
が記されており、「誰それと誰それが駆け落ちした」とか、「誰それが怪我をした。」など、
どうでも良いようなネタが新聞紙上を賑わしており、花街への関心の高さを示している。
現代も昔も同じように芸能界の浮いた咲いた情報は、平和に過ごす暇人達にとって関心の
的であったようだ。
■『やまとのくには言の葉のくに』■
第百三首
田口 稔恵
神風や御裳濯川のそのかみに契りしことの末を違ふな
(『新古今和歌集』 神祇 藤原良経)
(伊勢の神に誓って、その昔約束したことを、決して違えてはならないよ)
「神風」は、「伊勢」にかかる枕詞で。「の」や「や」を伴って五音で使用された。この
歌のように、「御裳濯川」「五十鈴川」など、伊勢に関わる語にかかる使用例もある。(御
裳濯川は五十鈴川の別称。伊勢神宮の内宮を流れる。)なお、「そのかみ」は「其の神(伊
勢の神)」と、「当時、昔」を意味する「其の上」との掛詞となっている。
伊勢神宮に一度行ったならば、必ずや実感するのが空気の清新さであろう。神が住む領域
というのは確かに存在するのだと深い感銘を受ける。そして、日本における神は、自然にこ
そ宿る性質を持つのだと。
「神風」が「伊勢」の枕詞として使用された例は、万葉集にも見られる。伊勢神宮内の風
神社は、元寇の際に神風を起こして日本を守り、末社格から別宮に昇格し、風日祈宮となっ
た。(ちなみに、太平洋戦争時の特攻隊の名称として有名な「神風特別攻撃隊」は、正式に
は「しんぷう」である。)昭和33年の伊勢湾台風では、風日祈宮の屋根だけが倒壊し、風
を一身に受けて他の宮を守ったと言われたそうである。
数年前に伊勢詣をした際、別宮である荒祭宮に参拝する列に並んでいると、後ろにいた若
者があまりに大声で騒いでいるので、側にいた夫に「神社っていうのは、荒ぶる神を鎮める
ためにお祀りしているから、静寂をかき乱すような行動を取ると、神様が怒るんだよ」と、
ぽつりと一般論として話したところ、後ろの若者集団が一気に黙るということがあった。聞
こえていたのか、偶然か・・・聞こえたところで黙るとも思えなかったのだが、黙らせてし
まう雰囲気を持つのが伊勢の神のご威光か。
式年遷宮を来年に控え、今日も変わらず伊勢には清らかな水が流れ、神聖な風が吹いてい
ることだろう。
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□■[嵯峨野学藝倶楽部] 3月開講講座のお知らせ■□
詳しくは、http://www.ren-produce.com/sagano/club/をご覧ください。
■「茶道教室(水曜日コース)」
日程:3月28日(水)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時(ご都合の良い時間にお越しください)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「茶道教室(土曜日コース)」
日時:3月17日(土)
25日(日)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:10時~19時ご都合の良い時間にお越しください
(10日のみ、9時~12時、15時~19時)
講師:西村 宗靖・太田 宗達
※見学/体験も、随時受付けています。
■「今様・白拍子教室」
日程:3月24日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:13時~14時
講師:石原 さつき
※見学/体験も、随時受付けています。
性別・年齢・経験は問いません。
■「うたことば研究会」
日程:3月24日(土)
場所:嵯峨野三壷庵
時間:15時~16時(60分)
監修:田口 稔恵
※資料代等が必要です。詳細はお問合せください。
●URL
http://www.ren-produce.com/sagano/club/
お問合せ・お申込みはコチラまで→ sagano@ren-produce.com
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■□■ひとこと■□■
私事ですが、先日、引越しをしました。京都に来てからの引越しも5回目とな
り、準備もスムーズにできるだろう・・・という期待がありましたが、やっぱり
3月はどたばたです。
数年後にはもう一度引越しをするかもしれないので、その時はもう少ししっか
りと準備できるといいなと思っています。
(まつだ)
[次回は、4月1日(日)に配信予定です!次回もお楽しみに。]
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